アルトリア全部乗せ転生者のヒーローアカデミア   作:爆死常習犯

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ストック切れました。



屋内戦闘訓練「私の勘が言っています」

「大変失礼しました。取り乱しました」

 

 緊張のあまりおかしなことになっていたらしい。今は無事正常に戻ったので大丈夫だ。チーム戦となると迷惑かけたくないからつい力が入っちゃって。後いつの間にか試合は終わっていた。

 

「それじゃあ次の試合に移ろうか」

『はい!』

 

 いよいよ試合に出る番だ。

 

 

 チームを組むのは尾白くん&葉隠さん。尾白くんはシッポが生えるという個性で葉隠さんは体が透明になるという個性だ。…戦力差が厳しくないかい?尾白くんは全身鍛えられてるが故に身体能力はなかなかだけど、葉隠さんは正直奇襲以外で戦うのは難しい。うん、ビルを丸ごと氷漬けに出来る個性が強過ぎて手が出ない。マジでチーム分けがランダムなの致命的過ぎるでしょ!

 

「さて、どうしましょうか…あ、とりあえず葉隠さんは靴を履いてください」

「え、それじゃあ私がどこにいるかバレちゃうよ?」

「私の勘が言っています。靴を履かないと瞬殺されます。今回、轟くんはまずビル全体を氷漬けにしてきますので靴は必須です。どうやって彼を倒すかと言えば…どうやって倒しましょう?」

「近寄って氷を使う前に倒すとかかな?」

「むしろ氷漬けにされる気がします。まあ近寄られると苦しいのが分かってるからこそ建物を先に凍らせるんでしょうけど……」

 

 考えれば考えるほど相手の強さが分かる。こんなの瞬殺されるしかないでしょ。尾白くんも戦闘力はあるけど単純に腕を増やせる障子くんの方がパワーがあるのも確実。苦しい展開です。

 

「後は戦闘開始直後に切り札を使う手もありますけど、私の切り札じゃ相手を倒すどころかオーバーキルなんですよね。直撃しなくても余波で相手が死にます」

「とりあえずそれは使わない方向でいこうリリィさん」

 

 開幕宝具ブッパは速攻で尾白くんにとめられた。他は適度に足止めして時間を稼ぐというぐらいしか思いつかない。朝の遅刻で魔力放出したのが響いてきそう…。苦しい展開です。

 

「とりあえず悪役ロールプレイで行きましょうか」

「リリィさん落ち着いて!?」

 

 ──────────────────────

 

「3人共最上階の部屋にいる。恐らく核もそこにあるだろう」

「危ないから外出てろ」

 

 ビルを丸ごと氷漬けにしてそのまま建物に侵入した轟、核がある最上階の広間で目にしたのは地面に氷で足を固定された尾白と…

 

 紛うことなき黒に染まった騎士王、セイバーオルタだった。

 

「遅い…さっさと済ませよう」

「…凍らされてると思ったが誘い込まれたな」

 

 彼女の体を禍々しい魔力が包んでいる。その姿はどう見ても悪そのものだろう。地面の氷を造作もなく引き剥がす。

 

「蹴散らそう」

 

 そのまま魔力を込めた聖剣を一振してビームを飛ばす。咄嗟に氷で壁を作ってガードしたが一瞬で氷が溶け落ちた。

 

「氷も貫通するのか…厄介だな」

 

 氷によるスライディングで強引に近づいて核を触ろうとするも魔力放出で強化されたセイバーオルタの蹴りが飛んでくる。劣勢を悟って2対1に方針を転換する。

 

「リリィに氷を無効化された。こっちに来れるか?」

『建物が氷で覆われてるせいで時間がかかる、そっちから氷を何とか出来るか?』

「先手を取るつもりが裏目に出たか…」

 

 ビルが外側も含めて覆われたせいで障子が近づけない状況が出来た。相手3人を行動不能にするつもりが失敗した事で窮地に陥る。

 

「誉に思うがいい」

 

 セイバーオルタの剣が未だかつて無い闇を纏っている。今までと比べ物にならない力が込められているのを感じ取り、攻撃を止めるべく轟がセイバーオルタを凍らせるものの魔力放出の力技で動くのを見て核兵器の確保に作戦を変更する。

 

「壁が意味を成すとは思わない事だ」

「これって作戦会議で言ってた切り札っぽいよね!」

「あれを使わせる前に確保テープで決着を着けるぞ、絶対撃ったらダメな奴だ!」

 

 尾白・葉隠コンビは先に轟を捕まえないと大惨事になることを察して攻勢にかかる。核に掴まって足を凍らされずに済んだ葉隠が戦闘中の隙に尾白の氷を剥がした形だ。2人で轟を挟み撃ちにする。

 

「囲まれた…」

「確保テープ持ったよ!」

 

「屍の山に沈め──」

 

 そして横から飛んできたセイバーオルタが聖剣を使わずに割と本気の蹴りで轟を吹き飛ばす。後ろの壁に叩きつけられた衝撃でそのまま彼は意識を失った。ちなみに聖剣のビームは真名解放せずに適当な方に撃った。

 

「「…………」」

 

 余りに予想外の結果に2人とも動きが止まる。恐らくはあの前段階のセリフは一体なんだったのかとか、剣にオーラを纏わせる必要はあったのか、と言ったことを考えているのだろう。

 

「ここまでか…」

 

 轟を倒したのを確認するとそのままセイバーオルタも倒れた。寝息がうっすらと聞こえてくる。

 

「……か、確保ー!」

 

 なぜ倒れたか分からないコンビ2人は一連の流れも含めて非常に困惑した。が、それはそれとして試合なので普通に相手を捕まえることにした。

 

 ──────────────────────

 

 状況は少し前に戻る。

 

「2人とも、作戦どうする?」

「…確実に勝てる方法が思い浮かばないですね」

「もういっその事、なんにも考えずに粘り続けるとか?」

「葉隠さんの作戦でいきましょうか」

「それは作戦って言わないんじゃないかな…?」

 

 無計画に時間を引き伸ばすことにした3人。戦闘力に差がある事を読み取って確保は難しいと判断した形だ。

 

「私はセイバーオルタ私はセイバーオルタ私は──」

「尾白くん、リリィさんを止めた方がいいと思うんだけど…」

「意外と緊張に弱いんだね…」

 

 しばらく暗示をかけ続ける彼女に対して2人とも視線を向ける。すると一瞬光に包まれた後にバイザーを付けたセイバーオルタが現れた。

 

「何をしている、雑魚どもを蹴散らしに行くぞ」

「「口調どころか姿が変わってる!!」」

 

 バイザーを付けて黒に染まった騎士王。一見すると落ち着いているように見える。

 

(ええ、大丈夫です。もうどうにもならない気がしたからヤケクソで悪役ロールしてるとかそんなことはありませんから。緊張で頭がおかしくなってるなんて事はありませんとも。あと明日はカレーライス食べたい)

 

 バイザーの下ではやっぱり目を回しながら盛大に錯乱していた。あって良かったバイザー。

 

 ──────────────────────

 

 結局試合はそのまま核に誰も触れされる事無く終わった。凍っていて足場が悪かったのも試合の展開が遅くなった要因の一つだろう。

 

「ヴィランチーム…WIN!」

 

 そのまま搬送ロボに載せられるセイバーオルタ…。そしていつの間にか轟は意識が戻っていた。

 

「油断してた……次は負けねえ」

「……ハンバーガー……1ダース……おかわり……」

 

 決意表明をする轟の横から割と俗物な寝言が聞こえてきて尾白・葉隠コンビが思わずズッコケる。

 

「なんと言うか…謎が多いやつだったな」

「でもあの格好になってから凄く強くなったよね!」

「ヴィランっぽいヒーローランキング上位に入っちゃうんじゃないかなあれ…」

 

 今の彼らにとっては、勝敗よりも気になることがいくつかあるのだった。

 

 ──────────────────────

 

「ハッ、カレーライス!……あら?ここはどこでしょうか」

 

 気づいたらベッドで寝かされていた。どうせなら知らない天井だとか気の利いた事を言えばよかった。さて、保健室では無いみたいだけど…病院?良かった、まだ外は明るい。誰か看護師さんあたりを呼ぼう。

 

「すいません、気づいたらここに居たんですけど」

「はい、名前を教えてください」

「アルトリア…リリィです」

 

 ペンドラゴンって思わず言いそうになっちゃうよね。というかなぜ受験票の名前をペンドラゴンでなくリリィにしたのだ神よ。

 

「その人は黒い鎧を着たいかにも悪って感じの雰囲気の人だったのだけれど……え、本当に同一人物?」

「はい、全くもってその通りです、ご迷惑をお掛けしました…」

 

 訓練をセイバーオルタの格好で戦ったのは記憶にあるけど…アホか、あそこで宝具ブッパは相手死にますから。蹴りで決着を着けれて良かった。うん、俺、緊張にものすごく弱いな。ヒーローとしては致命的な気がする。

 

 そしてどうやら学校に連絡してくれているらしい。しばらく話をしているとこちらに電話を変わってくれた。はいはい、どうやら俺にも話すことがあるらしい。

 

「はい、変わりました」

『訓練で倒れる様な個性の使い方をするなんて何を考えているんだい!』

「すいませんリカバリーガール、でも割とすぐ目覚めたみたいですし──」

『あんたが意識を失ってから2日は経ってるよ!』

「…え、もう2日経ってる?つまり外が明るいのは単に日を跨いだからですか?」

 

(……宝具撃つの、緊急時以外は止めよう)

 

 しばらくは反省することにした。ちなみにその後は雄英高校の鬼のような授業の進行速度にしばらく引き離される事で一層この誓いを強くするのだった。




やっとセイバーリリィ以外のアルトリア要素が出せました…しかしシリアルからは逃れられない。

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