「『エディ』今日の積み荷はなんだ?」
『はい、《生もの》ですね』
「うげ、またか。」
『残念ながら値段は適正価格です』
「りょーかい、港湾区に出港要請。」
『現在大型艦艇の回航中だそうで
出港可能時間は3時間後です』
「三時間かぁ、それまでに積み込みは?」
『終了出来ます、
しかし、我々の食糧品も含めての話です。』
「クライアントからのお説教、か。」
『はい、3件程急ぎの案件として
通話要請が来ていますが?』
「・・・『太陽系連合』からで。」
『了解、接続を準備します、
《タキオン粒子亜空間構成》
通話可能まで後30秒。』
「お、今日は障害物少な目なんだな。」
『グランドクロスは
10日前に終わって居ますので
丁度良かったのでしょう』
〔おい、漸く連絡がつくとは
良い御身分だな?『エイジ』〕
「いえ、ついさっき積み込みを済ませたばかりで
一息ついただけですよ。」
〔変わらねぇな、家からは『帰属しろ』だけだ〕
「何度もお誘いありがとうございました、
ですがその案件は『お断り』と
『その分の損失分の支払いは
終わって居る筈ですが?』」
〔上の連中は『ワークホース』を逃がすな、と、
しつこいんだよ。〕
「最低賃金、最低限の修理
そんな環境に誰が戻りたいと?」
〔だよなぁ、
だが、そうも言ってられん、
『白鳥座連合』がまた『ちょっかい』を
出してして来ているんだ、少しでも
『頭数が欲しいのは事実だ』〕
「・・・『エディ』」
『仕方ありません、6番まで解放します』
〔ちょっ、ちょとまて、
お前らの隠し玉、何番まであるんだ?〕
「『さぁ?ご想像にお任せします』」
〔~っ、ほんとお前ら仲いいな〕
「そうなのか?」
『言葉が重なる時点でそれ相応かと』
「そか、まぁ、6番なら
『艦隊規模だろうが大隊規模だろうが』
余裕で対処出来る筈です、
出来なかった場合のみ、『緊急連絡を』」
〔エイジ、今度は俺も居る〕
「嫌です。」
〔人、そんなに嫌いか?〕
「えぇ、自分もなんで人間なんだろうと
思わない日は無いですよ。」
〔・・・また、定期連絡入れるよ〕
「その時に《おじいさん》にならないで下さいよ?」
〔お互いにな〕
『通信、切れました、艦長、積み込み完了、
港湾区より《出港よろし》です』
「両舷微速、離岸、出港。」
『バウスラスター噴射、離岸開始します』
▽
「さてと、今回の積み荷の行き先は・・・
めんど、『エディ』裏道で行けそうか?」
『ブラックホールの位置が微妙ですが
行けなくはありません、
移動想定距離で言えば3光年程の誤差です。』
「クライアント到着日数前後予備日数は?」
『地球時間で10日前後です』
「十日しかない・・・『エディ』
裏道での最短ルートで急ごう。」
『よろしいのですか?』
「嫌な予感は当たるからな、
ブラックホールも3つ経由して
フルスピードで行こう。」
『・・・珍しいですね』
「あぁ、『白鳥座連合』の動きも気になるけど
今の『太陽系連合』じゃ
『白鳥座連合』の相手で一杯だからな、
『こと座連合』には今積んでる物資で
耐えてもらわにゃいかん。」
『了解、機関最大船速用意、
各部所、オールチェック開始、
全力運転可能まで2時間です。』
「頼む、俺も機関室でメンテ手伝うよ。」
『お願いします、やはり人の目は必要ですので』
「おう。」
▽
西暦?さて、何年とかそう言う
年数は大分離れてるからわからない
俺は『元・太陽系連合の運び屋』
今はフリーで適当に宇宙をぶらぶらしている
『積み荷』に関して一切関わらないをモットーに
『大戦を左右する物だろうが』
『生きたサンプルだろうが』運んで来た
そして、それを護る為に『反撃』もして来た
『艦長、接近する艦艇があります』
「戦闘用意、各砲座準備、俺も艦橋に戻る。」
メンテナンス用アンドロイドに手を振り
【艦長、オキヨツケテ】
「おう、お前らもなんか不具合を見つけたら
直ぐ報告しろよ?」
【感謝シマス】
▽
「『エディ』どうだ?」
クルーは人間の俺一人と
艦統括の『エディ』そして
メンテナンス用アンドロイドだけだ
『推定規模、艦隊ですね
戦艦3、巡洋艦5、駆逐艦20、
よっぽどこの物資を
『こと座連合』に運んでほしくない用です』
「『白鳥座連合』の奴ら、
本気であの距離を制圧出来ると思ってるのかね?」
『《元素亜空間》であれば三日と掛かりませんが?』
「まぁ、な。」
▽
《元素亜空間》
まぁ、ダークマターを解析しちゃった人類種が
《見つけてしまった航法》だ
ダークマター1個で《銀河系》の
端から端まで《亜空間》を形成
一気にジャンプ出来る
▽
『艦長、無警告射撃、来ます』
「波動防壁作動、まずは様子見だ。」
『了解、積み荷への影響を最小限にします』
今回の積み荷、どうやら
《振動させ過ぎると》そのまま《反応》し
まぁ、《重力の壺》を形成
周辺を全部巻き込んで
《莫大なエネルギー変換》を引き起こす
《地球表現の対消滅反応》を引き起こす物らしい
まぁ、そのエネルギーを収集し
《こと座連合》の供給エネルギーにするとか
規模がデカいのだが何時もの事だ
『エネルギー線直撃を検知、
波動防壁損失率・・・ナシ』
「相変わらずかってぇ防壁で。」
『防御こそ、最大の攻撃です』
▽
波動防壁、コレは例のアニメを実現しようと
《努力してしまった人類種が本当に発見》
実用化してしまいました
▽
「逃走の気配は?」
『ありません、物質攻撃へ移行して来ました』
「パルスレーザーで迎撃、
ミサイルは極力使わないでくれ。」
お財布が他界他界してしまうので
『ですから《早着分の契約もした方が良いと》』
「クライアントさんも
余裕があればそうしたんだろうよ。」
▽
《こと座連合》
連合の聞こえはいいが結局は
小規模星系の集まりでそこまで裕福な環境では無い
星々の問題は《こと座連合》総出で
一つずつ解決していく
なんとも《仲間意識の高い『人類種』の集まりだ》
事ある毎に《白鳥座連合》に喧嘩を仕掛けられ
《こぎつね座・いるか座・や座》と連合を組み
なんとか対抗していた
《わし座》は〈我、関せず〉の姿勢だが
実を言うと《構っている暇が無い》
星間距離の宇宙変動が起こり
《星座の形を保つのに忙しいのだ》
▽
『艦長、敵戦艦より通信』
「サブモニターで良い、反撃を止めるな。」
『了解、サブモニターに回します』
そう言うな否や
正面のモニターの端に映る
〔貴様、なんのつもりだ?〕
「配達を邪魔されたので反撃してますが?」
▽
コレは《天の川銀河条約》に置ける
《配達業》をする《事業者における》
《自己防衛》に当たり
〈別に倒してしまっても良いのだろう?〉を
地で行く法律であり、
《配達》を生業とする連中は全員加入している
▽
「無警告に置けるレーザー線攻撃、
質量弾及び兵器での攻撃を検知したので
反撃しました、《天の川銀河条約》に
何も違反していませんが?」
〔その積み荷は《白鳥座連合》にとって
不利益だからだ〕
『艦長、全機構フルドライブ準備完了、
何時でもどうぞ』
〔なんだ?今のは?〕
「・・・周辺の《解体屋》へ打電、
《豊作だ、お好きにどうぞ》でいい。」
『了解』
〔きさ〕『切断』
「助かるよ、『トリガー』を。」
『了解』
「主砲、発射用意、目標、戦艦へ。」
『一番から三番、準備完了4番は待機』
「撃ち方よーい。」
『いつでも』
「発射。」『発射』
艦首に構えるのは
《51cm65口径4連装ショックカノン》4基
勿論、普段は隔壁の中に格納している
宇宙港に入港する時引っ掛かるので
「これでも『旧世紀の武器扱い』なんだから
宇宙はとんでもなく広いんだなぁ。」
『全くです、こうして
最前線を切り開く程度
造作もないと言うのに』
「だな。」
戦艦を沈められ浮足立つ残りの艦艇にも
正面16門の火力に成すすべなく破壊
沈んで行った
▽
『状況完了、
漂流者の救助は如何なさいますか?』
「《解体屋》の到着は?」
『まだ掛かります、地球時間で4時間です』
「仕方ない、救護ドローン展開、
一通り救助してから
『超々距離ワープ』で離脱する。」
『了解、ドローン展開、
バイタルチェック、
結構な数です、《救助費用》の
収入も期待出来そうです』
「・・・嬉しくはねぇけどな。」
『・・・失言でした』
「構わねぇよ、それがこの宇宙で
生きていくのに必要なだけだ。」
▽
〔よ~!エイジ!
また派手にやりやがったな!!〕
「《解体屋》いいから早く
《漂流者の受け取りを頼むよ》
五月蠅くて敵わん。」
〔へいへいドッキングベイの解放を頼む、
ついこの間、カーゴベイが
逝かれちまったんでな〕
「『エディ』余裕はあるか?」
『なくてもやるのでしょう?』
「すまん。」
『《解体屋へ》こちらエディ、
カーゴベイのどの部分が破損したのですか?』
〔あぁ、開閉部に挟まった
『異物』だ、俺達の切断機じゃ切れなくてな、
収容しようにも、カーゴベイごと
切り出さなくちゃならなくてな
困ってたんだ、助かるよ
《潤滑油》でいいか?〕
『はい、それなりの製錬度を期待しますよ?』
〔程々に頼むよ、近頃
《白鳥座連合》の奴らに拠点を
攻撃されてな、み~んな、修理待ちなんだ〕
「そっか、奥さんは大丈夫だったのか?」
〔心配すんな、
医療センターには被弾一つねぇよ、
そうだ、今度家の子が生まれるんだ
見に来いよ!かみさんも
偶には会いたいって言ってるし〕
「俺が色々ダメだろ、
写真を送ってくれ、そしたら
ビデオレターぐらい送るよ。」
〔・・・エイジ、何処かに腰を据えねぇのか?〕
「無理だって、
色々な所から恨みを『買い損ねてるからな』
何時、何処に飛び火するか
わかったもんじゃ無いからね。」
〔すまん、うし、
《漂流者の受け取り完了》っと、
そんじゃ、俺達は仕事を始めるが、
もう行くのか?〕
「『エディ』タイムロスは?」
『早着は駄目ですね、
日数前後内で到着出来ます。』
「ブラックホール、ズレたのか。」
『はい、
《移動性ブラックホールR348977》は、
天の川銀河から遠ざかるブラックホールでしたので、
今後は他の銀河団で警戒監視を委託します』
「はぁ、予想進路上に警戒情報を。」
『既に発信済みです、が』
「ソレを聞き入れる連中か、
そうでないか、『動けない』かのどれかだな。」
〔エイジ、お前のせいじゃねぇよ、
少なくても『ブラックホール』の存在を
お前は供与した、
それだけで『知らずに済むよりは対策がとれる』
それだけお前さんは『未来』を創った〕
「・・・《解体屋》
ワープ準備完了次第、ここを離れる。」
〔おう、それまでには『仮設』も済むだろうよ、
またな?〕
▽
『タキオン粒子亜空間形成完了、
《こと座連合》ベガ港宙域へ航路設定完了』
「《解体屋》またな。」
〔じゃぁな、お前らの航海に〕
「《解体屋》の航海に。」
『ワープ』