宇宙でのんびりしたかった   作:扶桑畝傍

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第4話 負の遺産

『艦長、輸送船の救援活動完了、

 治療成功人数349人、

 処置が間に合わず亡くなった方34人です』

「・・・外傷はどんな傷だった?」

『はい?』

「奴らを船に乗せるな、輸送船は牽引して行く。」

『了解、メディカロイド回収します』

〔負傷者の救援感謝する〕

「船長。」

〔はい?〕

「《先程からサウンドオンリーな理由は?》」

〔え?えぇ、艦内もいささか

 手酷くやられておりまして

 中々に凄惨な状態なんですよ〕

「そうですか。」

『メディカロイド回収完了、

 しかし、

 何らかの工作の痕跡があります現在摘出中』

〔どうされました?〕

「いえ、残念ながら本艦には

 居住施設は最低限しか無いので

 残念ながら負傷者を収容出来ないのです。」

〔ふむ、ではこの場からどうやって移動を?〕

「牽引ワイヤーを伸ばしますので

 そちらの都合のいい位置で接続願えますか?」

〔わかりました、船外服を着用しているクルーに

 ワイヤーを取り付けさせますね〕

『艦長、メディカロイドに付いていたのは

 《生体兵器》の一種でした、

 『天の川銀河内戦時』の、

 生産禁止令が出された物と一致、

 メディカロイドはスペアボディに

 データを引継ぎ中です』

「・・・船外クルーの拡大映像。」

『メインモニターに投影します』

「こいつは・・・Lv3ってとこか。」

『はい、背面部に腫瘍が確認出来ました、

 間違いなく《生体兵器》のやり口です』

〔こちら輸送船、

 船外クルーより、接続を確認しました〕

「了解した、

 これより曳航を開始する。」

〔安全に運んで下さいよ?〕

「勿論だ。」

「『エディ』」

『既に港湾区へ通達済みです、

 輸送船の積み荷を調べて欲しいと

 追加依頼が出ていますが?』

「理由は?」

『港湾区のセンサーに

 妙な影が映り、詳細が知りたいと』

「『エディ』はどうだ?」

『確かにセンサー上は検知していますが、

 回収する為のリスクが高すぎると判断します』

「だな。」

『では?』

「睡眠ガスは有効だったな?」

『まさか?』

「行かねぇよ、カーゴベイは真空状態なんだな?」

『センサー、並びに計器類はそう出ていますが』

「そこなんだよなぁ、

 マジでなんか居ると色々不味いからなぁ。」

(特に本当に生存者でも居た時にゃ

 目も当てられねぇ事になるからなぁ)

『艦長』

「港湾区との距離は?」

『誘爆範囲は当に取ってあります、

 爆破コードは何時でも』

「相変わらず物騒なヤツ。」

『当然の処置です、船齢400も経つ

 《地球型輸送船》のリストに

 《載っていませんでしたので》』

「作業艇の準備を。」

『了解』

〔艦長?これはどう言った処遇ですか?〕

「あ?」

〔睡眠ガスですよ?〕

「残念ながら

 『臨検』しなくてはならない事が

 判明したんですよ。」

〔なんですって?〕

「『太陽系連合』に照会した所、

 この輸送船は『既に撃沈されている』と、

 答えが返って来ましてね。」

〔おや、もうバレましたか〕

「『自立型生体兵器』さんよ、

 大人しくして貰えるか?」

〔我々は『終戦を認めない』

 その為にも『白鳥座連合』周辺を統合、

 今一度『天の川銀河内戦』を行い

 我々が勝利するまで続けるのです〕

「終わってんだよ、そんな戦争は。」

『作業艇、位置に着きました、

 正体不明の影を何時でも回収出来ます』

〔終わっていない!!

 現に『生体ユニット』の貴方が生きている!!〕

「いや、『戸籍上は死んでるんだよ』

 今は単なるフリーの輸送船『船長だ』」

〔答えになっていない!!〕

「『エディ』」

『了解、全区画に強制睡眠ガス注入、

 神経ガスもついでに流します。』

「おま、何時作った物騒な物。」

『先程生成しましたがなにか?』

〔ぎざま?!〕

「うへ~、おっかねぇ、

 作業艇、『影』はどうだ?」

【動イテイナイ、ケド

 『生体反応』ハ確カニアル】

「ふむ、回収出来るか?」

【船外服着テルカラ大丈夫、

 服モ破レテルヨウナ痕跡ハ無イ

 回収スル】

『何処で破壊しますか?』

「・・・他の積み荷は?」

『再利用出来そうな物は既に切り離しを進めています』

「・・・程々にな、特に、

 艦内には入れるな。」

『了解』

〔そうか、やはり生体兵器だったか〕

「どうするベガとしての判断は?」

〔や座、こぎつね座、いるか座の

 3座連合とわし座も組んで、

 『夏の大三角連合』を結成する、

 そして、可能なれば《太陽系連合》にも

 援護を願いたい〕

「わかった、紹介状を送信して置く、

 後は同盟なり規約なりはそっちで決めてくれ。」

〔感謝する、報酬金額は指定金額通りに降り込んだ〕

「『エディ』」

『確認しました、契約金額通りに

 入金を確認、それと』

「あん?」

〔せめてものお礼だ、

 先月発見された『大型波動炉心』の

 残骸だ、使えそうなパーツがあれば

 使って欲しい〕

「・・・受け取る。」

〔エイジ〕

「なんだ?」

〔・・・すまん〕

「・・・そか。」

『予定期日まで40日です、

 進路、さそり座アンタレス中央港、

 タキオン粒子圧縮、

 《タキオン粒子亜空間》形成開始します』

「時間は?」

『「地球時間20時間」』

「流石に『元素亜空間』式、導入するか?」

『タキオン粒子亜空間と

 元素亜空間は共用出来ませんが?』

「そこなんだよなぁ~。」

元素亜空間

元素・原子一つあれば便利な機関なのだが

タキオン粒子と相性は最悪

共用出来ないのだ

なら、なぜ宇宙空間で問題にならないのか?

『どちらも圧縮』されていないからだ

タキオン粒子、ダークマターは

一つ一つの距離が開いているのでぶつかる事は

『5、6000年に一回あるかないか』なので

問題は無かった、が

どちらも圧縮なり『元素(原子)分解』するので

密度が変わり

『個のサイズが大きくなってしまったのだ』

結果、『最初のワープ事故』をきっかけに

『搭載機関はどちらか一方にする事』となり

メンテナンス性で劣る波動炉心は

太陽系連合以外では

『アンドロメダ大連合』ぐらいで

数隻残るだけになってしまった

 

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