『艦長、輸送船の救援活動完了、
治療成功人数349人、
処置が間に合わず亡くなった方34人です』
「・・・外傷はどんな傷だった?」
『はい?』
「奴らを船に乗せるな、輸送船は牽引して行く。」
『了解、メディカロイド回収します』
〔負傷者の救援感謝する〕
「船長。」
〔はい?〕
「《先程からサウンドオンリーな理由は?》」
〔え?えぇ、艦内もいささか
手酷くやられておりまして
中々に凄惨な状態なんですよ〕
「そうですか。」
『メディカロイド回収完了、
しかし、
何らかの工作の痕跡があります現在摘出中』
〔どうされました?〕
「いえ、残念ながら本艦には
居住施設は最低限しか無いので
残念ながら負傷者を収容出来ないのです。」
〔ふむ、ではこの場からどうやって移動を?〕
「牽引ワイヤーを伸ばしますので
そちらの都合のいい位置で接続願えますか?」
〔わかりました、船外服を着用しているクルーに
ワイヤーを取り付けさせますね〕
▽
『艦長、メディカロイドに付いていたのは
《生体兵器》の一種でした、
『天の川銀河内戦時』の、
生産禁止令が出された物と一致、
メディカロイドはスペアボディに
データを引継ぎ中です』
「・・・船外クルーの拡大映像。」
『メインモニターに投影します』
「こいつは・・・Lv3ってとこか。」
『はい、背面部に腫瘍が確認出来ました、
間違いなく《生体兵器》のやり口です』
〔こちら輸送船、
船外クルーより、接続を確認しました〕
「了解した、
これより曳航を開始する。」
〔安全に運んで下さいよ?〕
「勿論だ。」
▽
「『エディ』」
『既に港湾区へ通達済みです、
輸送船の積み荷を調べて欲しいと
追加依頼が出ていますが?』
「理由は?」
『港湾区のセンサーに
妙な影が映り、詳細が知りたいと』
「『エディ』はどうだ?」
『確かにセンサー上は検知していますが、
回収する為のリスクが高すぎると判断します』
「だな。」
『では?』
「睡眠ガスは有効だったな?」
『まさか?』
「行かねぇよ、カーゴベイは真空状態なんだな?」
『センサー、並びに計器類はそう出ていますが』
「そこなんだよなぁ、
マジでなんか居ると色々不味いからなぁ。」
(特に本当に生存者でも居た時にゃ
目も当てられねぇ事になるからなぁ)
『艦長』
「港湾区との距離は?」
『誘爆範囲は当に取ってあります、
爆破コードは何時でも』
「相変わらず物騒なヤツ。」
『当然の処置です、船齢400も経つ
《地球型輸送船》のリストに
《載っていませんでしたので》』
「作業艇の準備を。」
『了解』
▽
〔艦長?これはどう言った処遇ですか?〕
「あ?」
〔睡眠ガスですよ?〕
「残念ながら
『臨検』しなくてはならない事が
判明したんですよ。」
〔なんですって?〕
「『太陽系連合』に照会した所、
この輸送船は『既に撃沈されている』と、
答えが返って来ましてね。」
〔おや、もうバレましたか〕
「『自立型生体兵器』さんよ、
大人しくして貰えるか?」
〔我々は『終戦を認めない』
その為にも『白鳥座連合』周辺を統合、
今一度『天の川銀河内戦』を行い
我々が勝利するまで続けるのです〕
「終わってんだよ、そんな戦争は。」
『作業艇、位置に着きました、
正体不明の影を何時でも回収出来ます』
〔終わっていない!!
現に『生体ユニット』の貴方が生きている!!〕
「いや、『戸籍上は死んでるんだよ』
今は単なるフリーの輸送船『船長だ』」
〔答えになっていない!!〕
「『エディ』」
『了解、全区画に強制睡眠ガス注入、
神経ガスもついでに流します。』
「おま、何時作った物騒な物。」
『先程生成しましたがなにか?』
〔ぎざま?!〕
「うへ~、おっかねぇ、
作業艇、『影』はどうだ?」
【動イテイナイ、ケド
『生体反応』ハ確カニアル】
「ふむ、回収出来るか?」
【船外服着テルカラ大丈夫、
服モ破レテルヨウナ痕跡ハ無イ
回収スル】
『何処で破壊しますか?』
「・・・他の積み荷は?」
『再利用出来そうな物は既に切り離しを進めています』
「・・・程々にな、特に、
艦内には入れるな。」
『了解』
▽
〔そうか、やはり生体兵器だったか〕
「どうするベガとしての判断は?」
〔や座、こぎつね座、いるか座の
3座連合とわし座も組んで、
『夏の大三角連合』を結成する、
そして、可能なれば《太陽系連合》にも
援護を願いたい〕
「わかった、紹介状を送信して置く、
後は同盟なり規約なりはそっちで決めてくれ。」
〔感謝する、報酬金額は指定金額通りに降り込んだ〕
「『エディ』」
『確認しました、契約金額通りに
入金を確認、それと』
「あん?」
〔せめてものお礼だ、
先月発見された『大型波動炉心』の
残骸だ、使えそうなパーツがあれば
使って欲しい〕
「・・・受け取る。」
〔エイジ〕
「なんだ?」
〔・・・すまん〕
「・・・そか。」
▽
『予定期日まで40日です、
進路、さそり座アンタレス中央港、
タキオン粒子圧縮、
《タキオン粒子亜空間》形成開始します』
「時間は?」
『「地球時間20時間」』
「流石に『元素亜空間』式、導入するか?」
『タキオン粒子亜空間と
元素亜空間は共用出来ませんが?』
「そこなんだよなぁ~。」
▽
元素亜空間
元素・原子一つあれば便利な機関なのだが
タキオン粒子と相性は最悪
共用出来ないのだ
なら、なぜ宇宙空間で問題にならないのか?
『どちらも圧縮』されていないからだ
タキオン粒子、ダークマターは
一つ一つの距離が開いているのでぶつかる事は
『5、6000年に一回あるかないか』なので
問題は無かった、が
どちらも圧縮なり『元素(原子)分解』するので
密度が変わり
『個のサイズが大きくなってしまったのだ』
結果、『最初のワープ事故』をきっかけに
『搭載機関はどちらか一方にする事』となり
メンテナンス性で劣る波動炉心は
太陽系連合以外では
『アンドロメダ大連合』ぐらいで
数隻残るだけになってしまった