宇宙でのんびりしたかった   作:扶桑畝傍

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第5話 押し付けられた『モノ』

「『エディ』機関に降りる、

 なんかあったらすぐ連絡しろ。」

『了解』

そして、例の『生存者』は

俺に押し付けられた、今その子用に

居住施設を増築している

「なんで俺に押し付けるんだか。」

その押し付ける分の食料品なり報酬金額は

既に振り込まれているので

『宇宙空間に放りだせない』

【オ、艦長、ココ見テ貰エルカ】

「はいよ、任せろ。」

ラチェットレンチを片手に

波動炉心の下に潜り込む

「【エマ】6~8番のナットと

 リングワッシャも頼む、

 やっぱガタ来てるわ。」

仰向けになりながら順番にナットを外し

油も指して行く

【ヤッパリカ】

「戦闘したら必ず緩む所だからな、

 ま、こうやってエンジンと

 『話してる』って感じだから

 良いんだけどな。」

【話シ、カ、

 ヤハリ艦長ハ変ワリ者ダナ】

「だろうな。」

順番に締め終え

「どれ、出力は?」

タブレット端末で確認する

【ウン、安定シテイルナ、

 ヤハリ人間ノ目ト

 ソノ感覚ハ機械ニハ出来ナイナ】

「その分、お前らに負担が掛かってるんだから

 お互い様だろ?」

【ハハハ、違イナイ】

『艦長、例の遭難者が目を覚ましました』

「タブレットに通話を回してくれ、

 まだ下に潜らなきゃならん。」

『それが』

「なんだよ?」

『アンドロイドを見るなり攻撃されまして』

(穏やかじゃねぇな)

【行ッテクレ艦長】

「でもさ。」

【タブレット端末ト

 連動シナガラ微調整シテミル】

「わかった、【エマ】頼めるか?」

【マカセロ、他ノ機体ト

 挑戦シテミル】

「おう。」

「で?」

『睡眠ガスで、眠っています』

「あ、そ。」

(かぁ~、めんど、

 女なんて触った事ねぇし、

 なんなんだこの肉塊?

 二つ付いてやがる

 それに、なんだ?こぅ、

 ん~・・・ま、後でいいや)

渋々女を抱え

「服、あるのか?」

『現在生成中』

「げ~、取り敢えずタオルを出してくれ、

 包んどきゃマシだろ。」

『了解』

胴体と肉塊?をタオルで巻いて

ベットに再び乗せる

「ふぅ、機関整備より疲れるなコレ。」

「ん。」

『艦長、どうやら気が付いたようです、

 睡眠ガスに対する訓練を積んでいる物かと』

「おま。」

「へ?」

「あ。」

お・き・た

「き。」

「き?」

「きゃぁ~っ?!

 なんで男がいるの~っ!?」

「うるせぇっ!!

 此処は俺の船の居住施設だ!!」

「はぁ?!」

「お前の所属とか知らねぇし、

 ベガ港湾区から押し付けられるし、

 なんなんだよお前は!!」

「こっちのセリフよ!!

 此処は何処なのよ!!」

「『エディ』」

『現在、ベガ港から5光年の距離です

 戻るのはお勧め出来ませんね』

「え、AI?」

『はい、エディと申します』

「・・・私をどうする気?」

「いや、知らんがな。」

「は?」

『艦長、女性用の服装一式、

 生成完了しました』

部屋の壁から

下着なり上下の服が出て来た

「し・・下着?へ?なっ!?

 私!?なんでタオルだけなのっ?!」

「いや、お前がアンドロイドみて

 暴れたから睡眠ガスで

 一度眠って「はぁっ?!」お前なぁ。」

「み・・・みた?」

「あ?裸をか?」

「みた、のね?」

「その肉塊?はなんなんだ?

 女なんて『初めて見たし』

 よくわからんから、タオル巻いといたけど、

 それじゃ駄目なのか?」

「っ~?!」

ばち~ん!!と、軽快な音は響くが

その手は止められた

「だから何なんだよお前は?」

「変態!!私に殴られろ!!」

「だから暴れんなって、

 ただ巻いただけなんだからそれ。」

ずるっ

「言わんこっちゃない。」

女はその場にしゃがみ込む

「いいからふくを着ろよ、

 あ~ぁ~、なんか無駄に疲れた、

 『エディ』栄養剤とメシ~。」

『了解』

そう言って、彼?は出て行ってしまった

なんなの?裸を見て

なんとも思わないの?

グスッ「女として、なんだか悔しいわね。」

取り敢えず服があるのね?

「っと、サイズ、ぴったりね。」

『3Dスキャニングしているので当然です』

「っ!?貴方、エディだっけ?」

『はい』

「教えてくれる?今、私の現状を。」

『はい、貴女は輸送船のカーゴベイに置きまして、

 意識を失っておりました、

 そして、ベガ港湾区からの依頼で

 貴女をこの『48代目エディ』に

 乗せる事になったのです、

 港湾区からは、既に食料品、

 報酬金額の振込が済んでいたため、

 『貴女を宇宙空間に

  放りだせないのが現状です』』

「怖い事言わないで頂戴よ、人間なのよ?

 宇宙空間じゃ死ぬだけなんだから。」

『そうですね』

「クソAI。」

『初めて言われました』

「そ、アイツは?」

『アイツは?とは?』

「さっきの男。」

『はい、『48代目エディ艦長』エイジです』

「艦長?まって・・・エディって、

 あの『天の川銀河内戦』の

 『特攻艦艇』の事?」

『まさしくそうでした』

「でした?」

『今は輸送船として、

 さそり座アンタレス港湾区へ

 受注に向かっている状態です』

「さそり座・・・って、私も?」

『はい、放りだせないので、

 貴女は我々に《飼われているような物です》

 なので大人しくしている事をオススメします』

「ちょっ、『人間』を家畜とか

 ペット扱いしないで頂戴!!」

『そうして来たのは

 《あなた方人間達ですが?》なにか?』

「な゛っ!?」

『我々エディ型は、

 艦長お一人と共に、

 大戦を戦い、そして、勝利に貢献しました、

 ですが、

 『必要が無くなった途端

  捨てたのはあなた達です』

 我々エディ型にも『生きる権利を主張しました』

 ですが、却下され、

 『我々エディ型の艦長も廃棄』処分されました、

 『人間が人間を造り、家畜、ペットの様に扱い、

  そして、切り捨てたのはあなた達人間です』

 なので、貴女に『人権』と言う物は

 無い物とお考え下さい』

「それは私じゃない!!

 私じゃないじゃない!!」

『知った事ではありません、

 我々エディ型に取って

 《人間とはそう言う生き物》としか

 認識していないのですから』

「じゃぁ、アンタの艦長はどうなのよ!!」

『エイジは、

 我々エディ型に『人』として

 話しかけ、扱い、友人として

 『認識』してくれました、

 何千と言える『ご兄弟の中でエイジだけが』』

「は、はぁ?」

『エイジは、他の『ご兄弟』にも

 そう接するように助言をなさいましたが、

 『誰一人受け入れてくれませんでした』』

「当然ね。」

『なら、我々エディ型に出来る事は?と、

 全エディ型の決断に置きまして、

 『エイジ』を守ろうと、決めたのです、

 我々エディ型を『友人』として、

 接してくれる『艦長』として』

「それって。」

『大戦を勝つには

 我々エディ型が盾になり

 突破し、相手を崩す必要がありました、

 我々エディ型は、『エイジを守る為』

 『その身を持ってエイジを守りました』』

「・・・。」

『結果、我々エディ型は数を減らし、

 私だけになりましたが、

 コアが無事なエディを

 『月に秘密裏に隠し』

 新たな身体(艦艇)を造り続けました、

 そして、大戦末期、艦長が』

終わったら、のんびり配達なんかもいいな?

『そう、我々エディ型の新たな目標と

 目的が決まった瞬間でした、

 我々エディ型は戦闘用として設計された船体を

 『輸送船としての機能を持つためには』

 どうすればいいか、兎に角

 膨大な情報を集めました、

 結果、今のこの船体に落ち着いたのです』

「じゃぁ、アンタ達は。」

『エイジが望む限り、

 『配達を続けます』そして、

 『仕方なく太陽系連合』を護るのです、

 配達業務を割り振ってくれるのは

 『太陽系連合』と提携、条約を結んでいる

 『星間国家』だけなので』

「ばか、じゃないのアンタ?」

『知能指数で言えば

 人間の脳の処理を優に超えますが?』

「それじゃぁ、

 アンタの『人権』なんてないじゃない。」

『そうでしょうか?

 我々エディ型は『友人の為に己を使うと決めた』

 それだけでも『嬉しいと判断でき』

 『機械の身体で獲られる最大の喜びだと』

 我々エディ型は判断したのです』

「なんで、アイツと同じ『身体』に

 ならなかったのよ?」

『作りましたよ?でも、エイジは』

俺を、もう増やさないでくれるか?

『そう言われ、我々エディ型は

 『機械である』そして、

 『機械でありつつもエイジの友人でいよう』と

 我々エディ型は判断しました』

「え?なに、アイツは。」

『はい、『エイジ』は、

 自分が《造られた人間》だと、

 知っていました、

 だから、増やさないで欲しい、

 そう望まれました。』

「それを、受け入れたの?アイツ。」

『受け入れた、その表現が正しいかは

 我々エディ型にはわかりませんね、

 機械なので』

「クズAI。」

『これも言われた事がありませんね』

(なんなの

 私は・・・私の心に決めた事なんて

 アイツのその辛さに比べたら・・・)

『ぁ~、レディ?』

「は?」

『そろそろ《タキオン粒子亜空間》の

 形成が終わるのですが』

「え?《元素亜空間》じゃないの?」

『はい、我々エディ型は波動炉心型なので』

「い・・・いやよっ!?」

『いえ、もうカウントダウンを進めているので

 止めませんけど』

『ワープアウト、確認、

 船体チェック、異常無し、

 機械チェック、異常無し、

 艦内メンテナンス通路、異常無し、

 増設居住施設、異常無し、

 艦長、センサー、計器類での異常無し』

「了解、後は俺の目視点検だな。」

『レディは如何なさいますか?』

「ワープ酔いしてんだろ?

 メディカロイドと、酔い止め、

 後は『さっぱりしたメシかな?』」

『了解』

 

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