ピカロな主人公が大暴れする実況はーじまーるよー。
いよいよ鴨志田と戦う事を決めた主人公。次の日、杏ちゃんと志帆ちゃんを加えた四人ですっかりたまり場となった自販機コーナー前でモルガナがやって来るのを待ちます。
前日にきっちりくぎを刺したおかげで、鴨志田がこちらに絡んでくることはありません。バレー部の方も安心でしょう。
「ねえ、なんで集合場所がここなの? 鴨志田を改心させるんじゃなかったの?」
「肝心の奴が一匹足りねえんだよ。ちょっと待ってろ」
「ふうん……。あ、そうだ。ねえ雨宮君。昨日聞くの忘れてたけど、あの写真どうやって撮ったの?」
「私も気になってたの。部活中は鴨志田先生の指示で絶対に扉にカギをかけてたのに」
「そのせいで、バレー部の活動日は体育館が使えねえってバスケ部とかがぼやいてるのは聞いたぜ」
「……ゴメンね」
「謝らないでよ。志帆が悪いわけじゃないんだし」
そうそう。悪いのは全部鴨志田なんです。体育館が使えないのも。電車の席に座れなかったのも、昨夜の夕飯のカレーがシャツに飛び散ったのも、全てあのアゴのせいです。
「……電車とカレー、関係無くない?」
「つか、お前の事だろそれ」
いいや、絶対鴨志田のせいだね!
「ふふ。雨宮君って面白い」
「確かに。結構クールなタイプって思ってたけど……」
「クールどころか、滅茶苦茶やらかす爆心地野郎だけどなコイツ……」
そんなに褒めるなよ(唐突に始まる勘違い物)。
「それで、結局どうやったの?」
そんなに知りたいの? まあ、こんな可愛い子にせがまれたらおじさんポロっとしゃべっちゃうなぁ(竜司を超える迂闊さ)。
事前準備から実行までの流れを丁寧に説明する主人公。ですが、話を聞いている間に三人の顔色がどんどん変わっていきます。
「……ホントに人間?」
「体育館裏のダクトってアレだよね。……人が上れる高さじゃないと思うけど」
「球技大会の時にいなくなってたのはそれが理由かよ。……悪戯ってレベルじゃねえだろ」
え、何、その反応? 僕、また何かやっちゃいました?
「―――よし、ちゃんと来たな」
おっと、物陰からぬるっと登場しましたのは我らがモルガナです。
「え、猫……!?」
「わあ、可愛い。けど、どこから入って来たんだろう?」
いきなり出て来た猫に驚く二人ですが、モルガナの方も予想だにしない人物の姿にビックリしていますね。
「お、おい! この麗しいレディ達は何なんだ!? どうしてここにいる!?」
「こいつ等も鴨志田の被害者なんだよ。だから一緒に連れて行く」
「はあぁ!? 馬鹿かお前! あの場所の危険性はお前もわかっているだろう」
「仕方ねえだろ! 断ったって絶対ついて来そうな雰囲気だったし……!」
「……坂本君が猫としゃべってる……」
「アンタ……。友達いないからってとうとう猫に……」
言い争う両者……というか竜司の方を見て憐れむ様な目線を受ける杏ちゃん達。向こう側に行っていない人間にはモルガナの声は聞こえないんですよね。
「違えゎ! あ、いや、コイツがしゃべれるのは違くねえが……。お前らには聞こえねえのか? コイツの声」
「……にゃーにゃーとしか聞こえないけど」
「き、きっと坂本君はこの猫ちゃんの声色で何を求めているのかがわかるんだよ。動物と心を通わせられるのって素敵だと思わない?」
「鈴井さん? 無理矢理フォローしないでくれる?」
「ええい! 落ち込んどる場合か! それより、覚悟は決まったんだろうな」
モルガナの問いに、主人公と竜司は互いに顔を見合わせて頷きます。待ちきれないよ、早く行かせてくれ。
「……本当にそちらの二人も行くんだな?」
通訳する竜司に、杏ちゃん達も頷きます。
「いいだろう。ならもう少し目立たない場所に移動するぞ」
ここで例の学校前の細路地へ向かいます。そして、そこで異世界ナビに必要な情報を入力する事で……はい、侵入開始です。
「「ッ!?」」
突如として歪み始める周囲に思わず目を瞑る女子達。
「……おい、もう目を開けていいぜ」
竜司の声に恐る恐る目を開ける二人。その目に映るのはそびえ立つ城。そして、学生服から怪盗服へチェンジした主人公達の姿です。
「え、さ、坂本……だよね? 何その恰好?」
「ペルソナ使える人間は姿が変わるんだよ」
「……ペルソナって何?」
「だから。……あーめんどくせえ! おいモルガナ、説明頼むわ」
「ふん、レディの質問に答えられないとは紳士の風上にもおけないなリュウジ」
「ッ!? な、なにこの変な生き物!? しゃべってる!?」
「がーん!」
「……もしかして。さっきの猫さん?」
杏ちゃんに変な生き物呼ばわりされたモルガナが崩れ落ちてしまいました。が、志帆ちゃんに気づいてもらったのが嬉しかったのか秒速で復活です。……お前「瞬間回復」なんか使えねえはずだろ。
「ッ……そう! その通りですレディ! 吾輩の名はモルガナ。あなたのお名前をお聞きしても?」
「鈴井 志帆です」
「高巻 杏」
「シホ殿にアン殿だな。では、あの金髪に代わって吾輩がこの世界についてご教授しよう」
「……アイツ、キャラ違くね?」
ウチのモルガナちゃんは好きな子の前で張り切るタイプなんざますよ!
モルガナの説明を受ける二人。それを聞いた志帆ちゃんが頬に手を当てながら口を開きます。
「モルガナちゃんの説明をまとめると。まず、この世界は鴨志田先生の歪んだ心が作り上げたもの。ここを消す事が出来れば鴨志田先生を改心させる事が出来る。けれど、ここにはシャドウっていう敵がいて、それと戦うための力がペルソナって事でいいのかな?」
「バッチリだぜシホ殿!」
「凄い志帆。私、全部は理解できなかったよ」
「いや、気にする必要はないさアン殿。そちらの人間にとっちゃここはまさに異世界なんだからな」
「だけど、坂本が危ないって言ってた理由はわかった。ここ……なんか嫌な気配がするもん」
城を見上げる杏ちゃん。どうやらシャドウの気配をわずかながら感じているようです。
「うむ。実際問題、ペルソナを使えない二人が吾輩達について来るのは危険すぎるのだが。……おい、お前ら。ちゃんとその辺を考えてアン殿とシホ殿を連れて来たんだろうな?」
「え? あ、そりゃ、……おい、蓮。なんかあんのか?」
もう、しょうがないなぁ竜司君は。……はい! 全能の真球~~~!(NOBUYO風)
これがあれば「万能」属性以外の全ての攻撃を防げちゃうんだ。ロイヤルでは魔法属性に限定されていたけど、後に発売されたペルソナ5Sでは全属性に効果があったから、このリメイク版もそちらに合わせて変更されたんだよぉ。
もちろん、周回する事で複数確保してるんだ。だから安心してね。
というわけで、はい二人とも。ここを出るまでは絶対にこれを手放さない様にするんだよ?
「わあ、綺麗。宝石かな?」
「お守り? よくわかんないけど、とりあえず持ってればいいのね?」
「またいきなり変な物出して来たぞコイツ……って、どうしたモルガナ?」
(あの球からとてつもない力を感じる。それに何故だ。アレを見ていると、なんだか懐かしい気持ちになる)
「おい。まさか、あの球で遊びたくなったりでもしたかお前?」
「なわけねえだろ! おい、お前。今の球どこで手に入れた?」
球は拾った(サテライトのクズ……もとい屋根裏のゴミ)。
「なん……だと……」
おっと、どこからかオサレな風が流れてきましたね。では、この空気を全身で感じながらそろそろ城に突入しましょうか。それじゃあみんな、家に帰るまでが侵入ですから慎重に行きましょうねー。
「う、うん……!」
「気を付けていこうね」
「慎重。……慎重?」
なんか竜司がジト目で見て来ますが気にしてはいけません。
「……そうだな。お前の言う通り、すでにシャドウに気づかれているようだ。その力、存分に発揮してもらうぞ”ジョーカー”」
「ジョーカー? なんだそれ?」
「コードネームさ。怪盗が本名で呼び合うなんてダセエだろ」
「怪盗ねえ。……そういや、この前もそんな事言ってたな」
「オタカラを盗むのは怪盗と決まっているだろ?」
「確かに。ダクトよじのぼって体育館に侵入とか怪盗っぽいね」
「格好もそれっぽいもんね。黒いコートにマスク。赤い手袋がカッコイイ」
志帆さんや。さっきからやけに好意的な言葉ばかり主人公にかけて来てますけど、どうしてなんですか? あなた、まだコープすら発生していないでしょう。
あ、さらっと言いましたが、志帆ちゃんを救出すればコープを発生させる事が出来ます。そう、それはつまり……彼女も恋人に出来るという事です!
コープランク9のイベントにて、主人公の胸元に顔を寄せる志帆ちゃん。「あの時と同じだね(昨日の公園での事)」という彼女に「これからもここは志帆だけの場所だ」を選ぶとはれて恋人になります。
そして、コープランク10。主人公の部屋で肩を寄せ合う二人。そして、顔を赤らめながらの「約束だよ。ずっとずっと、私だけのあなたでいてね」のセリフ。全志帆ちゃんファンが歓喜のアリアを合唱すると共に、屋根ゴミに対する呪詛を吐き散らかした事でしょう(実況者は後者)。
そんなゲロ甘な展開が待っているコープですが。今回のプレイでは……恋人に し ま せ ん!
「は?」「無能」「死ね」……と思った画面前の兄貴達。画面をそっ閉じする前に聞いてください! リメイク版ではハーレム好き(特に女性側から好意を向けられているのに気づかない無自覚パターンがお好きな方)にはたまらない展開が待ってるんです! だからそれまでは何とか我慢して見てくだせえ! お願いしますだ!
「こいつは戦力的にもまさに切り札だ。故にジョーカー。ピッタリだろ?」
「ああ、そういう意味か。確かに、コイツがいりゃ負ける気がしねえもんな。なら、俺のコードネームは?」
「スカルでいいんじゃない? アンタのマスク、それっぽいし」
「まんまじゃねえか……」
「じゃあ……しゃれこうべ」
「……スカルでいいッス」
「なら吾輩は……」
「モナでいいだろ」
おっと、コープの説明をしている内に竜司達のコードネームも決まったみたいですね。では、改めて出発……と言いたいところでしたが、時間が来てしまいましたので今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
展開が……展開が遅い……!
けど、やる気のある内に少しでも書いておかないと……。