王様を殺るために城を駆け抜ける実況はーじまーるよー。
今回からいよいよこの城……通称カモシダパレスを攻略していきます。まあぶっちゃけ、周回を重ねて鍛えまくった主人公にとっては物足りないダンジョンですね。
油断? 違う。これは余裕というものだ。
「よし、では前回と同じく通気口から侵入するぞ。アン殿とシホ殿は吾輩達の後をついてきてくれ」
「わかった」
「はぐれない様にしないとね」
さっそく通気口から中へ侵入です。入り口で女性陣が若干もたついてしまいましたが、主人公が優しく引っ張りあげてくれたので無事に入れました。こういう所がモテる秘訣なんですかねぇ。……もげろ。
「で、どうする? またホール側から進むのか?」
「いや、先日の騒ぎで城内の警備も厳しくなっているはずだ。……ほら、見てみろ」
通路からこっそり顔を覗かせると、ホールの中央で兵士に指示を出している鴨志田の姿が確認できます。
「いいか! 先日の侵入者共は必ずまたやってくるはずだ! 見つけたら今度こそ必ず殺せ! 特にあの転校生……王である俺様を脅迫など絶対に許せん! 坂本や猫の様な生物は後回しで構わん。アイツだけは何としても始末しろ!」
怒鳴り散らしながら鴨志田に、兵士達は慌てて動き出します。
「……随分とまあ嫌われたもんだなジョーカー。また何かやらかしたのか?」
なぁんでみんな主人公がやらかした前提で話すんですか? 酷い! 訴訟も辞さない! この怒り……あの兵士どもをぶちのめして発散してやる!
「待て待て待て待て! あの兵士の数を見ろ! 自殺行為にもほどがある!」
手袋の感触を確かめながら(総攻撃フィニッシュのアレ)ホールへ飛び出そうとする主人公をモルガナが全力で引っ張ります。
「吾輩達は怪盗だぞ!? 気づかれずに行動するのが第一の怪盗が、自ら敵の前に歩み出てどうする!?」
えー、でも、最終的に皆殺しにすれば誰の目にも止まる事なくない?
「なんでそう思考がバーサーカーなんだよお前……。ともかく、ホール側は諦めて、そっちに見える扉から進むぞ」
モルガナが指す扉を開ける。するとそこには一人の兵士が背中を向けて立っています。
「あ、あれがシャドウってヤツ……!?」
「ああ。吾輩達が何とかするから、二人はここにいてくれ」
「気を付けてね」
「ジョーカー、スカル、仕掛けるぞ」
「おう!」
三人で部屋に突撃します。兵士に気づかれてしまいますが、そのまま接触して戦闘開始です。相手は「迷いへ誘う少女」という名のピクシーです。パレスに登場するシャドウは皆本来の名前とは違うものがつけられています。ですが、ややこしいので今後はペルソナ時の名前で呼ぶことにします。
「敵は一体か。ならば丁度いい。ジョーカー、シャドウは弱点をつかれるとダウンする。そこで銃を突きつければホールドアップさせる事が出来るぞ。試しにやってみろ」
おっけー。任せんしゃ……。
「やだあ! お兄さんすっごいイケメンじゃん!」
「……は?」
ピクシーから発せられたおよそ戦闘中とは思えないセリフに、モルガナの動きが止まります。
「なになに、もしかして噂の侵入者? えー、こんな素敵な人をやっつけないといけないとか無理無理ー!」
「……なあ、モナ。どうなってんだ一体?」
「そんなん吾輩が聞きたいわ!」
まったく戦闘の意志を見せないピクシーを前に竜司が問いますが、モルガナは答える事が出来ません。これは混乱してますねぇ。
「どうしたの。……って、え、小人? ってか、妖精!?」
「これが敵? そうは見えないけど」
様子がおかしいと思ったのか、杏ちゃん達が部屋に入って来ますが、その間もピクシーは舐めまわすように主人公の周りを飛び交っています。
「顔もいいけど体つきもたまんない! ああ! ダメダメ! 見ているだけでここがキュンキュンしちゃう!」
恍惚とした表情で下腹部(表現の限界)を押さえるピクシーに主人公以外はドン引きです。
「なんだコイツ。鴨志田レベルの変態じゃねえか」
「……そうか! パレスのシャドウは主の影響を受ける。つまり、このピクシーの思考はカモシダのものと同じ!」
「という事はつまり。鴨志田先生がそれだけエ、エッチな事を考えてるって事?」
「……さいてー」
さすが鴨志田。ここに来てさらに評価が下降しました。まあ元々底辺だし大して変わらねえか!
……ところで、今の志帆ちゃんの恥じらいながらのエッチ発言をリピートしまくっているそこのあなた……いい酒が飲めそうだな(にっこり)。
「あれ? 待って。なんだろう。お兄さんの顔を見ていると……何か思い出すような……」
意味深な言葉と共にピクシーが主人公の仮面に吸い込まれます。はい、めでたくペルソナ「ピクシー」ゲットですね。
「な、何だよ今の!? 変態妖精がジョーカーの仮面に吸い込まれたぞ!?」
「わ、吾輩だって想定外だ! おい、ジョーカー、お前今何を……!?」
「むっ! 貴様等!」
「ッ! み、見つかっちゃった!?」
というわけでのこのこやって来た別の兵士との戦闘です。開始直後、新たな可能性云々のセリフが表示され、ここからペルソナチェンジが可能となります。
今度の相手は「バイコーン」なので、ピクシーのスキル「ジオ」が弱点になります。なので容赦なくぶちかましていきましょうね。
「ピクシー!」
ペルソナのコールと共に雷が敵に落ちます。弱点によりダウンするバイコーンは放置し、もう一匹をスマートに射殺☆ します。これで残りはダウンしている一匹だけです。
「お前、まさかさっきのシャドウを自分のペルソナにしたのか!?」
たまげたろう? これが主人公の「ワイルド」の力です。この特別感が気持ちええんじゃ!
「おい、今ならモナが言ってたホールドアップってやつできるんじゃねえか?」
お、そうだな。ダウン状態の敵に銃を突きつけるんでしたよね。初めてだけど頑張ります!(アワード「交渉巧者」獲得済み)
ゴリ←バイコーンの額に銃を押し付けた音。
「ひぃっ!?」
なあ、バイコーンちゃん。悪いがわし等急いどるんじゃ。お前さんにも立場があるんじゃろうが、ここは見逃してくれんかのぉ?
「ふ、ふざけるな! 侵入者には屈しな……」
ガチ←引き金が軋む音。
「見てない! 私は何も見てません! だから命だけはぁ!」
ほお、そうかそうか。迷惑かけるのぉ。……そうや、バイコーンちゃん。ついでにお前さんの持ってる金か、道具。わし等に譲ってくれんか?
「え、あ、いや……」
バンッ! バリン!←バイコーンの背後にあった花瓶が撃ち抜かれて粉々になった音。
「ひいぃぃぃぃぃぃ! あげます! 全部あなた様に差し上げますからぁぁぁぁぁぁぁ!」
うむうむ。ええ子じゃのうバイコーンちゃん。さて、そろそろお前さんも自分の持ち場に戻るがええ。王様に怒られるのは嫌じゃろう?
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
瞬く間にその場から走り去っていくバイコーン。やったぜ、アイテムとお金同時にゲットだぜ! モルガナー。こんな感じでよかったかなー?
「……吾輩の知ってるホールドアップじゃない」
「ヤクザじゃん……。完全にヤのつく人じゃん……」
「無表情で拳銃突きつけるとかおかしいって……」
「ちょっとあの子が可哀そうに思っちゃった……」
おやおやぁ? 戦利品を持って戻って来たのになんで距離を取られてるんですかねぇ。
「……はっ。待て待て。ドン引きしすぎて忘れてしまいそうになったが。ジョーカー、さっきのペルソナは何なんだ? お前、複数のペルソナが使えるっていうのか!?」
「それって凄いの?」
「凄いなんてもんじゃないさアン殿! 人の心は一つだ。ならば心の力で生まれるペルソナだって一体だけなはず」
「さっきのヤツがジョーカーの中に。……待てよ。って事はコイツもあの変態妖精みたいな感じになるのか!?」
俺は俺だ! 屋根ゴミジョーカーだ!(空色デイズは神曲)。
「そ、そうか。ならよかったぜ」
「異質すぎる力だが。心強いものでもあるな。これからも試せそうなときは試していくといい」
ありがとナス!(全書から目を背けつつ)。
結果的に無益な殺生をせずに済んだので進んで行きましょう。まずは最初のセーフルームを目指していきます。……はい、到着ですね。
「ここは?」
「セーフルームだ。ここなら敵に襲われる心配もない」
「二人とも、体調は大丈夫か?」
気遣うモルガナに、机に突っ伏しながら杏ちゃんが答えます。
「……なんだろう。そういわれるとやけに怠いというか」
「私も」
「無理はしなくていい。限界だと思う前にちゃんと言ってくれよ」
「ありがとう、モルガナちゃん」
「にゃふふ!」
志帆ちゃんに撫でられてご機嫌なモルガナです。それで猫じゃねえって無理があるぜお前さん。
「よし、そろそろ出発しようぜ」
休憩に飽きたのか、竜司が立ち上がります。
「気づかれない様に静かに出るんだぞ」
「だーいじょうぶだって。この部屋の前全然シャドウの気配なかったし平気だ……あ」
「「「あ」」」
扉を開ける竜司。なんという事でしょう。そこには三人の兵士の姿があるではありませんか。
「見つけたぞ! 侵入者だ!」
スカルーーーーー! 何やってんだお前ーーーーーーー!
「やっべえ、見つかったぁ!」
「逃げるぞ!」
「ど、どこに!?」
「ここに来る前に別の扉があった! そっちへ向かおう!」
別の扉とは、本来、杏ちゃんが捕まっていた部屋の事です。……あれ? 確かあの中って。あっ……(察し)。
「吾輩が先導する! スカル! 吾輩に続け! アン殿とシホ殿はスカルの後ろに! ジョーカー、お前は殿だ! 頼むぞ」
やれやれ、人使いの荒い猫だぜ。とりあえず、ジオで一発けん制かましてみんなを追いかけましょう。
「あそこだ! 急げ!」
扉を蹴破るモルガナに続いて杏ちゃん達が部屋に飛び込みます。室内には謎の拘束具と、その傍に置かれたアブノーマルな道具達。そして、真正面の壁には鴨志田の絵が飾られていますね。オエー鳥がいたら絶対吐いてますねクォレハ。
「な、何この部屋……」
「何って、どう見てもSM……」
「止めて! 想像しない様にしてたのに!」
「ここだ! ここにいるぞ!」
「チッ! まさか行き止まりだったとは……!」
兵士達が部屋へなだれ込んできましたね。まったくぞろぞろと……他にやる事ないの?(これが彼らの仕事です)
「よりにもよって鴨志田様のプレイルームに足を踏み入れるとは何たる不敬! 絶対に逃がさんぞ貴様等!」
「プレイ……」
「ルーム……」
オエー!(この状況を打開する方法……それは実況者自らがオエー鳥になる事だ!)。
「ふん、侵入者を追い詰めたようだな」
チッス鴨志田ぁ。ずいぶん早いけど、もしかしてスタンバってたの?
踏ん反り返りながら現れた鴨志田。その後ろからもう一人の人物が姿を現します。
「何あれ!?」
キマシタ! 鴨志田の認知上の存在であるセクシー杏ちゃんです! やけに食い込みの激しい水着を着て登場ですが、こういう所でCEROあげなくていいから!
「高巻!? え、じゃあこっちのは……」
「私が本物だってば! てか、私あんなにケバくないし!」
そーだそーだ! そんなエロフィルター越しでしか見ていない偽物なんざ本物の足元に及ばんわぁ! 見よこっちの杏ちゃんを! 元々美しい彼女にはこれくらいの薄い化粧の方が似合ってるんだってそれ一番言われてるからぁ!
「ちょっ!? キ、キミまで何変な事言ってるの!?」
アタフタ杏ちゃん可愛い。
「いいぞ、ジョーカー! よく言った!」
(やっぱり、雨宮君も杏みたいな子がタイプなのかな?)
「あのー。オタクら、状況わかってらっしゃる?」
おっと。珍しく竜司がツッコミ役にまわるという珍しい場面が見れましたね。これはレアものやでぇ。
「ふん。俺様のアンの美しさが理解出来ないとは。貴様等の目は腐っているようだな」
「腐ってんのはアンタでしょうが!」
「どうやらネズミが増えたようだな。……ん~? そこにいるのは鈴井かぁ?」
「ッ!?」
目線を向けられた志帆ちゃんが怯えています。ここは背中に隠してあげましょう。
「そうかそうか。あの時は邪魔されたがようやくその気になったか。ぐふふ、アンには劣るがお前もいい体だなぁ鈴井? 部員の中でもお前が一番乳も尻もデカかったからなぁ。たぁっぷり堪能させてもらっていたぞぉ?」
「鴨志田……先生」
「そこのバカ女は俺様の誘いを断りやがった。だからあの日、代わりにお前で発散しようと思っていたのに……それを忌々しい転校生のヤツが邪魔しやがったせいで結局ヤれず仕舞い。ああ! 今思い出してもムカつくぜぇ!」
「や、やっぱり、あの時……私……!」
「シホ殿!」
聞くに堪えない鴨志田の言葉に限界を迎えた志帆ちゃんが崩れ落ちます。
「テメエ……このドクズ野郎が! その汚え口をさっさと閉じやがれぇ!」
「煩いんだよ坂本。だが、こうして獲物がそっちからやって来てくれるとは俺様も運がいい。邪魔者を始末したら、今度こそ俺様の根性注入棒で嫌という程啼かせてやるからな! 女なんてなぁ、俺様の愛でヨガってればいいんだよ!」
……さて、そろそろ”彼女”が限界そうなので動きますか。というか、このままだと「チャージ」からの「テイクオーバー」ぶっ放してしまいそうです。
鈴井はお前の物じゃない
ここで一択しかない選択肢(矛盾)を選ぶことでついに”彼女”が立ち上がります。
「……そうだよ。キミの言う通りだよ」
「高巻?」
「アン殿?」
「志帆はバレーが大好きだった。全力でプレーしている姿はとってもキラキラしていて、私はそんな志帆が大好きで、憧れてた。……だから我慢した。私が我慢すれば、バレー部がもっともっと上に行けば、志帆もきっと喜ぶって……」
「はあ? お前、何をごちゃごちゃと……」
「馬っっっっっっっっ鹿みたい!!!
顔を伏せながらゆらゆらと歩みを進める杏ちゃん。その顔が上げられた時……そこには友を傷つけた眼前の”敵”への抑えきれない怒りが込められていました。
「何が志帆の為よ! 何が志帆が喜ぶよ! じゃあなんで今、志帆は泣いてるのよ! なんで今傷ついてるのよ! 私が本当にやらなければならなかったのは我慢する事なんかじゃない! 鴨志田……アンタを学校から叩き出すために戦う事だったんだ!!!!」
『まったく……気づくのが遅すぎるのよ』
来ましたね。杏ちゃんの覚醒シーンです(エロい)。赤一色のラバースーツを身にまとった彼女は傍にいた兵士の剣を蹴り上げると、空中でキャッチ。そして自分の偽物をズバッと切っちゃいました。
「もうアンタ相手に我慢なんかしない。志帆から何もかも奪おうとしたアンタは絶対に許さない。行くよ「カルメン」!」
デモシーンが終了し、戦闘スタートです。相手はベルフェゴールさんですね。今日も素敵な便器に腰掛けていらっしゃいます。
「アン殿もペルソナを……!」
「おい、高巻、前に出過ぎだ!」
いいや、行きなさい杏ちゃん!
「ジョーカー!?」
誰かの為じゃない! あなた自身の怒りの為に!(颯爽と流れる勝確BGM)
「死ね、小娘!」
ベルフェゴールは「ガル」を使った! 「全能の真球」を持った杏には全く効いていないようだ!
「なにぃ!?」
「カルメン!」
杏は「アギ」を使った! ベルフェゴールの弱点だった!
よし! 杏ちゃんこれを使え!
「わかった! ……って、何コレ? ムチ?」
そこに置いてあったアブノーマルグッズからキミに似合いそうなものをチョイスしてみました!
「ちょっと、それどういう意味……ああもう! やってやろうじゃん!」
初めて使うであろうムチに悪戦苦闘しながら、それでもベルフェゴールの体にどんどん傷をつけていく杏ちゃん。心なしかその顔が恍惚に満ち始めています。
「……なんだろう。ちょっと楽しくなってきたかも」
「アン殿ぉ!? お、おい二人とも! アン殿に加勢するぞ」
「だな。このままだとアイツ、変な方向に目覚めちまいそうだし」
女王様な杏ちゃん。……見たい? 見たくない?
そんなこんなで、四人にボコられたベルフェゴールさんは哀れ爆発四散! 生み出すのに複数の兵士を使用したため。現在この部屋に兵士の姿はありません。
「お、おのれぇ! またしても! またしてもぉ!」
悔し気に、けれどそれしか出来ない鴨志田は主人公達を睨みつけながらその場から逃げていきました。あ、お土産にまた王冠に一発撃ち込んであげるね。
「ぎょえぇ!?」
「ま、待て!」
「落ち着けアン殿! それより今はシホ殿を」
「志帆!」
座り込む志帆ちゃんを力一杯抱きしめる杏ちゃん。
「ゴメン。ゴメンね。あんな奴に、あんな酷い事言われて……」
「ううん。そんな事ない。ありがとう、杏。私のために怒ってくれて」
「ぐすっ……あ、当たり前じゃん。私達親友でしょ」
「うん。とってもカッコよかったよ。それに、その恰好も……」
「格好? ……って、ええ!? 何コレ!?」
「いや気づいてなかったんかい!」
「それがペルソナに覚醒したアン殿の怪盗服さ。実に妖艶で吾輩素敵だと思うぞ」
「嬉しくないぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
杏ちゃんの嘆きを聞きながら今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。
アンシホ……いいよね。