家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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ここからしばらく綱吉視点。



黒曜偏
第15話 綱吉の姉?


6年後  イタリア、ボンゴレ本部

 

「リボーン、日本に行くって本当の話なの?」

 

「本当だぞ、オレはこれから10代目候補を育てに行くんだ。」

 

「そっか。行ってらっしゃい、リボーン。電話は私がなかなかとれないから、手紙かメールをちょうだいね。」

 

 

そう言ってリボーンを送りだしたのが1年前。

 

今、ボンゴレ本部に警戒すべき相手はいない。全員緩み過ぎだと言うのが優奈の感想だ。

ザンザスは復活した。9代目はモスカの中で、執務室に居るのは優奈が見つけて訓練させた影武者。調子に乗りやすいから心配だが、もう少しの間はバレるとまずい。

 

「綱吉、立派に成長したんだね。でも、まだまだ子供だよ。

…大丈夫だよ、お姉ちゃんが必ず守るから。」

 

優奈はリボーンから送られてきた手紙の束を大切に抱きしめ、引き出しの中にしまい、鍵をかけた。手紙と一緒にしまったものは優奈の想い。

 

事は既に動き出している。

 

 

 

 

日本、並盛町  沢田綱吉14歳

 

「10代目、今日はお招きいただいてありがとうございます!」

 

「ツナ来たぜ、宿題夕方までに終わると良いのな。」

 

「獄寺君、山本いらっしゃい。入って入って。」

 

今日は綱吉が獄寺と山本を招いての勉強会だ。リボーンは今日は不在で、綱吉一人で宿題が進むはずもなく、獄寺に教えてもらう事にした。それならばと山本も部活が休みで一緒に勉強する事にしたのだ。

 

「お邪魔します。…、そう言えば10代目。以前から気になっていた事なんですが、リビングに飾ってあるあの下手くそな絵ってなんですか?」

 

「あ、それオレも気になってた!」

 

「あぁ、あれは、その…。母さん出かけてるし、言っちゃってもいいか。

あれは、オレの姉ちゃんの描いた絵なんだ。」

 

「下手くそなんて言って申し訳ありませんでした、10代目!まさかお姉様が描いたものだと知らず…。」

 

「気にしないで獄寺君。実際オレも下手だと思うし。」

 

「でもオレ、ツナに姉ちゃんがいるなんて聞いた事ないのな。」

 

「う~ん、ここじゃなんだしオレの部屋で話そうか。」

 

3人は綱吉の部屋に移動した。それぞれが適当な場所に座った所で綱吉は話し始める。

 

「オレ、一人っ子だと思われがちだけど、オレには3つ上の姉ちゃんがいたんだ。姉ちゃんの名前は沢田優奈。オレは丸きり覚えてないけど、母さんの話を聞く限り弟思いの良い姉ちゃんだったみたい。」

 

「10代目覚えてないってのは、まさかお姉様はもう亡くなられて…?」

 

「そうじゃないけど、似たようなもんかな。オレが赤ん坊の頃に行方不明になったんだ。それきり見つかって無い。あの絵は姉ちゃんが行方不明になる直前に描いていた物なんだって。平仮名で間違ってるけど、『つなよしまもろゆな』って書いてあって、たぶん綱吉守る優奈って描きたかったんだと思う。」

 

「そっか、じゃあ本当にツナの事が大切だったんだな。」

 

「そうだと思うよ。オレの持ってるお守り袋の中身、姉ちゃんの服についてたっていうイチゴのボタンだし。

 

でもオレ、姉ちゃんがオレの事を大切にしてくれてたなんて素直に感じることができるようになったのなんて、つい最近なんだ。それまではもういない人間なのに母さんは未だに何回も聞いた話を大切そうに話すし、ちょっと帰りが遅くなるだけで母さん真っ青になって心配するし、小学生になるまではすっごい過保護でウザく感じたことだって数えきれない。押入れのほとんどなんて姉ちゃんの物ばっかりでほとんど何にも入らない。

 

だからオレ、ずっと嫌いだったんだ。」

 

「けれど今はそうじゃないんですよね、10代目。」

 

「うん。リボーンが家に来て間もない時に姉ちゃんがいればオレにこんな面倒な事回ってこなかったのに、なんで居ないんだよクソ姉って言っちゃった事があるんだ。

 

そしたらさリボーンの奴、無言で暴力のオンパレード。オレは訳も分からず痛めつけられて、一通り終わってから説教されたんだ。お前に行方不明者の気持ちが分かるのか、って。オレには住む家があって、衣食住保障されてて、母さんがいる。でも姉ちゃんはそうじゃないかもしれない。住む家も無く、明日の食べ物を心配しながら、たった1人で生きてるのかもしれない。

 

そんな風に言われた時、オレ、笑えなかった。今まではどっか姉ちゃんはオレの知らない所でオレより幸せに生きてると思ってたんだ。でもリボーンに説教されて初めて姉ちゃんがオレより辛いめにあってるかもしれないなんて考えた。

 

だからさ、オレ。姉ちゃんが帰ってきたら謝ろうって決めたんだ。それで姉ちゃんが居なかった間の話をたくさんして、獄寺君や山本の話をするよ。

 

もしかしたら、もう死んじゃってるかもしれないけど。」

 

「そんな事ありませんよ10代目!お姉様は今もきっとどこかで生きておられるはずです。」

 

「そうだぜ、ツナ。お前の姉ちゃん絶対生きてるって。」

 

「ありがとう獄寺君、山本。

 

さぁてと、暗い話はここまでにして宿題やろう。リボーンが帰って来た時にできてなかったら殴られる。」

 

「そうですね、やりましょう10代目。分からない所があれば聞いて下されば、オレお教えしますから!」

 

「頼りにしてるぜ、獄寺。」

 

「お前なんかに頼られたくなんか無いんだよ、野球バカ!」

 

 

 

日本の、ほのぼのとした日常。しかし、それはあっけなく崩れることとなる。

 

「クフフ、ここが日本。優奈の居た国ですか、なんとも平和ボケした国ですね。」

 

嵐は直ぐそこまで迫っていた。

 

 

 

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