家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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第24話

部屋中に張り付くレオン。骸は鬱陶しそうにしながら自分に張り付いた部分をはがす。

 

「アルコバレーノ、これはあなたの仕業ですか。」

 

「違げーぞ。レオンはツナの決意に反応して羽化したんだ。」

 

「最後に何を見せてくれるのかと思えば、ペットの羽化ですか。それにしても、邪魔ですね。」

 

レオンは羽化してから、口の中でクチャクチャと音をさせている。骸は動く事に害は無いものの、部屋中に張り付いていては邪魔な様でレオンを切り裂いた。

 

「レオン!」

 

「大丈夫だぞツナ。レオンはこんな事じゃ死にゃあしない。」

 

リボーンが切り裂かれたレオンを見ながら簡単に羽化の説明をする。兄弟子のディーノがピンチだった時にエンツィオと鞭を与えた様に、綱吉に新しい力を与えるのだと。

切り裂かれたままレオンは綱吉に向って何かを吐きだす。吐きだされた何かは掴みそこねた綱吉の頭の上にぽふりと落ちた。

 

「え?何?!」

 

落ちて来た物、それは手袋だった。

 

27と番号のはいった手袋は、あえて言うのならほかほかで温かそうだが、夏場にはいらない物であるし、なにより戦闘の役になど立ちそうにも無かった。

 

「こんなんでどうやって戦えって言うんだよー!?」

 

「……さーな、レオンから出て来たんだ。とりあえず付けとけ。」

 

リボーンに言われて一応手袋をつける綱吉。

 

「もうこれ以上の出し物はありませんね。それではその体をいただきましょう。」

 

何が起こるのか分からず警戒していた骸だが、出て来たのはただの手袋。安心して綱吉に攻撃を仕掛けた。

 

「うわっ!」

 

ガチン!

 

手を前に出して、顔を庇う綱吉。槍は綱吉の手に当たったものの、何故か弾かれた。痛みを堪えながら起き上がった綱吉は、一度手袋から手を抜いて逆さまに振ると弾が出て来た。

 

「それを寄越せツナ。」

 

綱吉の手からリボーンに渡される弾。

 

「オレでも見た事の無い弾だな。だがこの状況で無駄口叩いていられねぇ。」

 

「おや、特殊弾ですか。ならばこちらも。」

 

バンッ!!

 

二つの銃声が重なる。

そして綱吉と骸は同時に倒れた。

 

 

 

「骸さん!」

 

倒れた骸を心配したかのように近付いて来る犬。骸が取り落とした槍を拾う際に切っ先が獄寺をかすめるが、そんな事など気にした様子も無く骸を揺する。

 

「よくも骸さんをっ!」

 

犬が倒れたままの綱吉に槍を振り上げる。

 

 

着弾の衝撃で倒れた綱吉には、仲間の様々な小言が聞こえて来た。

初めはクラスメイトの花が成績についてのどうでもいい、むしろ聞きたくなかった様な小言だった。しかし次に聞こえて来たのは綱吉を案じる京子やハルの小言、あいつはやれる奴だという了平の小言、山本のついてきた事を後悔していないという小言、フゥ太の助けに来てくれて嬉しかったという小言、ランチアのお前なら大丈夫だという小言、倒れている獄寺の10代目なら負けませんという小言。

 

「オレの小言は言うまでも無いな。」

 

ガシ!

 

自分に刺さるはずだった槍を掴む。綱吉の眼が覚め、額と手袋に死ぬ気の炎が宿る。手袋は炎の輝きの中でグローブに変化した。

 

 

綱吉は掴んでいた槍を引きよせ、犬の顔面を殴る。殴られた衝撃のままに犬は近くに居たリボーンに槍を振るがかすりもしなかった。

骸は特殊弾だと言って自ら撃ったにも拘らず未だに起きてこない。犬はこちらを睨みつけているものの攻撃をしてこない。綱吉は何かがおかしいと感じているが何がおかしいのかは特定でき無い。眉間にしわを寄せながら『何か』を見つけようと観察する。

 

「…う、ここは何処だ。オレは確かメガネを倒した後にアニマルヤローに…?」

 

「目が覚めたのか。」

 

このタイミングで獄寺が起きた。どうやらここに居るのがどうしてか理解していないようだ。何かがおかしい今、闇雲に動いてはいけない。その事を獄寺に伝えようとしたのだが、獄寺は人の話を聞かずに犬に挑みかかってしまった。

 

早く何かを見つけなければいけないのに分からない。その事に焦っていると、ダイナマイトの音が連続で響き、煙の中から獄寺が骸の槍をもって綱吉の方向へ駆けて来た。

 

「やりましたよ10代目、見て下さい。敵の武器も取り上げてきました!」

 

「………っ違う!」

 

 

無邪気に駆けて来たと思われた獄寺が突然綱吉に攻撃を仕掛けてくる。寸前の所で獄寺に違和感を感じた綱吉は髪をかすめたものの避ける事が出来た。

 

「気付かれましたか。」

 

突如として変わる獄寺の口調。そして獄寺の右目には今まで無かった六の数字が浮かび上がり、オーラがでていた。

 

「死ぬ気の炎?」

 

「このオーラが見えますか。それに先ほどの攻撃を気付いた事と言い…。気付かなければそのままブスリといけたのですがね。まあ、さすが優奈の弟だと褒めておきましょう。」

 

「待て、六道骸。おまえ、その弾どこで手に入れやがった。」

 

やれやれといった表情の骸に、リボーンが真剣な顔で問い詰める。

 

「どこで、といわれましても最初から僕の物でしたよ。

…あぁ、そう言えば昔話では言っていませんでしたね。僕らが捕えられていたのはエストラーネオ。ここまで言えば予想はつくでしょうアルコバレーノ。」

 

エストラーネオその単語でなぜ骸が憑依弾を持っていたのか、エストラーネオの実験施設に憑依弾が何故残っていなかったのかも分かった。獄寺が骸に乗っ取られたことしか分からない綱吉に、掻い摘んでエストラーネオの説明と共に骸が禁断の弾と呼ばれる憑依弾を使用した事を伝える。

 

 

どれほどに人に苦しみを与えれば気が済むのだろう、そのエストラーネオ・ファミリーというマフィアは。リボーンの説明を聞きながら脳裏に姉の存在がちらつく。

頭を振って姉の事を頭から追い出し、今は骸に集中する。

 

「それはオレの仲間の体だ、帰してもらおう。」

 

獄寺の体を使い、ダイナマイトを使う骸は何故か余裕の態度を崩さない。一度雲雀も使おうとしたようだが、自身で痛めつけ過ぎて起き上がることすらできなかった。笑みを浮かべたまま戦い、それどころか自身の能力の根底にあたる六道輪廻の話をする。話しの途中から骸本体と犬も操られた状態で参戦するが犬は能力を使わずに殴りかかってくる。

 

 

超直感で獄寺の神経をマヒさせる事に気がついた綱吉は獄寺の隙を窺うが、骸と犬がそれを邪魔する。むしろ獄寺にわざと隙を作らせ、それを狙った綱吉を骸と犬が攻撃をしてくるのでうかつに行動できない。

 

綱吉は獄寺の攻撃は受け流し、犬と骸には反撃しながらも超直感は相変わらず警報を鳴らしていた。獄寺の体が既に乗っ取られている事は判明している。だったら他にも何かがあるのだろう。とりあえず今のままでは獄寺をマヒさせる事が出来ないので、先に骸と犬を倒す事にする。

 

攻防の中で一瞬だが犬に致命的な隙ができた。容赦なく顔面に拳をいれて失神させる、させようとした。

 

「!?」

 

だが綱吉は拳の軌道を無理やり変えて、首に手刀を叩きこむ。

 

「ぐあ!」

 

「敵に手加減などするとは手緩いですね、ボンゴレ。」

 

「そうじゃない。彼はオレの仲間だ!」

 

「気付かれたのなら隠す意味はありませんね。」

 

 

地面に倒れていた犬の姿が獄寺に変わり、獄寺が犬に変わる。つまり骸は操っている獄寺をわざと犬と戦わせる事で、煙の中で犬に獄寺のダイナマイトを持たせた状態で双方に幻覚をかけたのだ。

 

その後、獄寺として綱吉に近づいたのは獄寺の姿をした犬、骸と共に参戦したのは犬の姿をした獄寺という事になる。犬はダイナマイトに火をつけて投げていたが、それはある程度の身体能力があればぎこちなくても誰にでもできる事だ。逆に犬の能力は犬固有のものなのでいくら幻覚で獄寺が犬になっていても使えない。そのため獄寺は攻撃手段が限られ、殴ったり蹴ったりする事しかできなかったのだ。

 

綱吉の超直感が警報を鳴らしていたのは正にこの事だったのだ。綱吉が最後まで気付かなければ、綱吉は仲間を自分の手で傷つけて敵に大したダメージを負わす事が無かっただろう。そして骸がネタばらしをして綱吉の精神に止めをさすのが骸の計画だった。

 

 

「ふむ、これにも気づきましたか。これは少々沢田綱吉という人物を侮っていたようですね。良いでしょう、ここからは少し本気を出させてもらいますよ!」

 

骸の中では先ほどの罠で綱吉の体を手に入れれる予定だったが、ボンゴレの超直感というものを舐めすぎていたようだ。これでは他の能力を出した所で決定打にならない。ならば奥の手を使おう。

 

グチュ

 

骸が右目に指を突っ込む。右目からは血が流れ出た。骸が右目を見開くとそこには五の数字が浮かび上がり、右目だけに噴出していたオーラが全身から湧きたつ。

 

「この人間道を使うのはいつぶりでしょうね。何せ、最も危険なスキルですからね。簡単には壊れないでくださいよ、沢田綱吉。」

 

 

 

 




いい加減にヴァリアー偏に突入したい。優奈の様子も書きたい。
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