家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

25 / 61
第25話

綱吉と骸による格闘戦が始まる。綱吉は槍による攻撃はしのいでいたが、初めのうちはフェイントや視線誘導を織り交ぜた骸が圧倒していた。だが、戦いの中で綱吉の超直感は冴えわたり研ぎ澄まされていく。

 

右下、左上、蹴りはフェイントで槍が頭上から。目線が左脇腹を見ているが、本命は右腕を狙った蹴り…もフェイントで左下から振りあげられる槍で切り裂く事。左、右上、頭上、左下、左上、右、左、右上…。

 

戦いが始り、十数分の間に綱吉は技術ではなく超直感で骸に追いついた。骸の顔から笑みが消える。

 

綱吉に喧嘩を売る前に綱吉の事を調査した限りでは何を行っても平均を下回り、リボーンが現れてからは時折特殊弾による異常なほどの身体能力を手に入れたが力任せ。綱吉を取り巻く人間も雲雀以外には注意するべき人物はおらず、雲雀も幻術を使えば簡単に潰れた。

 

犬や千種と入念に計画を立て、綱吉の体をあまり傷つけることなく手に入れることができる予定だった。手に入れて骸が操りマフィアらしくふるまって、ボンゴレ本部に優奈を迎えに行くのだ。

 

計画は順調で、もう少しのはずだったのに…。

 

ガシッ!  …グニャ

 

槍を掴まれ、死ぬ気の炎の熱で曲げられる。

 

「離しなさい!!」

 

「っう。」

 

槍をそのまま破壊されるのを防ぐため、足で蹴りあげると偶然にも砂が舞い上がり綱吉の眼に入る。綱吉は視界が塞がれたことで骸と距離をとるため後ろに下がり、逆に骸はこの好機を生かすべく距離を縮める。

 

 

綱吉は視界が塞がれ、真っ暗な空間に立っているようだった。音はしっかりと聞こえているし、眼が使えなくなる前の光景を覚えているので無茶苦茶に動かない限り壁に突き当たる事も無い。

 

目蓋を開けようとすれば眼に入った砂の粒が転がり、痛みにより涙が分泌されて視界がより悪くなる。どうすればいいのかと考えた時、綱吉は自然と逃げる事を止めた。

 

「そうだツナ。お前の才能は既に開花し、芽吹いてる。超直感に身を任せろ。」

 

 

近付いて来る骸から逃げもせずに自然体で立つ綱吉に諦めたと判断した骸が迫る。

 

「沢田綱吉!その体もらいます!!」

 

使い物にならなくなった柄は捨てて、先端の部分だけを振り上げる。

 

パシ  ガッ!

 

振りあげた腕を手首から拘束され、そのまま後ろに捩じられたかと思えば頭を掴まれる。

 

「間直に来るのを待っていた。」

 

骸の頭を掴む手のグローブの炎が勢いよく燃え盛る。そして前へ倒し骸の頭を床に叩きつけた。

 

「ぐぁぁあああ!!!    …ゆ…うな、かな…らず、迎え……。」

 

骸から闘気が消え意識が無くなる。それと同時に槍は柄も先端も砕け散った。

綱吉の額から死ぬ気の炎が消え、グローブは手袋に戻る。

 

「終わったな。」

 

「うん。あっ、そうだ皆のケガ!」

 

「心配ねーぞ。ボンゴレの医療部隊も敷地内に到着したらしいな。ランチアの解毒も用意してきた解毒剤で間にあったそーだ。」

 

「…よかった。」

 

ハイパーモードが解けた綱吉は獄寺や雲雀の様子が気になり後ろを振り向くと、獄寺はリボーンが応急処置をした状態で雲雀の隣に寝かされており、雲雀の近くには処方箋の袋が2つあった事からサクラクラ病は完治したのだろう。

 

一安心と言いたいところだが、先ほどから雲雀がハンターが獲物を見る眼で綱吉を見ていなければ…。

 

仲間の無事が確認をとれると、倒したとはいえ骸の事も気になる。

 

「オレがやったことだけど、死んでないよな?無事だよな?」

 

「甘いな。」

 

リボーンに甘いといわれながらも綱吉は骸の状態を確認するべく、近付こうとした。

 

「マフィアが骸さんに触んな!!」

 

綱吉を止めたのは犬の声だった。声のする方を見るとそこには這いつくばる犬。さらに入口の方からも、千種が体を引きずってこちらに向かっていた。犬はまだしも千種はどうやってここまで来たのだろう。犬の説明では獄寺によって窓の外に吹っ飛び、地面で気絶していたはずだ。

 

もしかしたら骸がマインドコントロールを行っている時に千種も操って、奇襲させるつもりで途中まで動かしていたのかもしれない。

 

「ひぃ、あいつらが。」

 

「ビビんな。こいつらはもう歩く力も無いぞ。」

 

犬と千種は這いずって少しでも骸に近づこうとしていた。その姿に綱吉は疑問を覚える。

 

「…なんで、なんで骸にそこまでするの?操られて利用されてただけのはずなのに。」

 

「わかったような口をきくな。」

 

「柿ピーの言うとおりだびょん。優奈姉さんが希望の光をくれた人なら、骸さんは光の中で道を切り開いてくれた人だ!

オレらの居場所は優奈姉さんと骸さんのいる所だ。けどいつもマフィアが壊そうとする。

 

壊されてたまるかよ!!」

 

「……君達の居場所が姉ちゃんと骸のそばで、壊されそうになったら怒るようにオレだってオレの居場所が壊されそうになったから怒ったんだ。この気持ちを分かってくれるだろ。」

 

綱吉の言葉に何も言えなくなる2人。

 

「…優奈姉さんの犠牲で成り立ってるくせにっ。」

 

犬の負け惜しみが綱吉の心を抉る。それでも聞かなければならなかった。優奈がどうなったのか、今どのような状態で何処に居るのかを。

 

「なあ、姉ちゃんは…」

 

綱吉が犬等に問いかける前に、入口に人影が見えた。ボンゴレの医療部隊なのかもしれない。

すると人影から首輪付きの鎖が飛んできて千種、犬、骸の順番に拘束される。

 

「え!?あいつら誰?」

 

「早ぇお出ましだな、復讐者。奴らの通称、復讐者。マフィア界の法の番人で表の法では裁けない物を裁く。」

 

乱暴に連れていかれる骸達を心配して、復讐者に抗議しようとしたがリボーンに止められる。綱吉はそのまま見送る事しかできず、骸達は連れていかれた。

 

 

その後、ボンゴレの医療部隊が到着し仲間が裏の専門病院へ次々と運ばれていく。綱吉は初めは断ろうとしたが次の瞬間には酷い筋肉痛にあい、そのまま気を失うように眠り同じく綱吉に寄り添って眠るリボーンと一緒に病院へ搬送された。

 

 

 

これにて並盛に不穏な空気をもたらした事件は終わる。綱吉たちはそれぞれ短期入院や治療を受けた後、いつも通りに学校へ通い友達と笑い合い、それぞれの家へと帰る。

 

ただ綱吉とリボーンに心に蟠りを残して。

 

 

 

リボーンはイタリアの友人と文通をしている。しかしある時期を境に突如友人からの手紙が来なくなった。連絡もとることができなくなっており心配だが、綱吉の側から離れる訳にもいかない。

 

9代目からの依頼を達成し事件を解決したばかりにもかかわらず、リボーンは嫌な予感がしていた。

 

 

 

 




閑話1話はさんでお待ちかねのヴァリアー偏!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。