家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題) 作:寺桜
日本観光を終えてベルはイタリアへと帰ってきた。ハーフボンゴレリングの入った小箱を片手で持ちながら、スキップをしてヴァリアーの会議室へと入室する。
「たっだいまー!王子が今帰って来たぜ。これ、お土産。」
そう言って小箱を、会議室に居る全員に見えるよう持ち上げる。会議室にはベルの他に6人の影。ザンザスと守護者達だ。雌獅子は一見、ベルに対して何も思っていないような態度でいすに座っているが、交差させている腕が左が上になっている。これは雌獅子の分かりやすいクセで、表面は穏やかでも「静かに怒っているぞ」っという合図でもある。
つまりこのままふざけた態度でいると躾という名の制裁を受ける事になってしまう。ヤバいと内心ひそかに焦りながらも、手土産があるので今回は大丈夫だろうと余裕の態度は崩さない。
「遅かったね、ベル。雌獅子への連絡から随分と時間がかかったみたいだけど、何か問題でもあったの?それとも別に何か良い物でも持って帰って来たんだろうね。」
「そう怒るなよマーモン。実はさ、日本に行って家光の息子見て来たんだけどすっごいカスだったぜ。何で候補に挙がったのか不思議なくらい、シシシ。王子の天才的な頭でも理解できないわ。っで、事前連絡回してあるけどこれが例のブツだ。 はい、ボス。これはボスの物だから取り返してきたぜ。」
雌獅子以外のメンバーも意外と怒っているようだ。これならば日本観光などせずに直ぐに帰ってこれば良かった。若干後悔しながらもベルはザンザスに恭しく小箱を渡した。
ところが、小箱を受け取ったのは雌獅子だった。雌獅子は蓋をあけて、ひとつリングを取り出した。とたんにリングを握り潰しザンザスに向かって首を振った。その反応にザンザスは眉間のしわを深くし、小箱をベルに投げつけた。
ドゴッ
「痛ってー!何するんだよボス!?」
雌獅子の手から粉々になったリングの破片が零れ落ちる。
「偽物だ。 日本へ発つ。奴らを…、根絶やしにする。」
ヴァリアーは日本へと向かう。
ザンザスを10代目にするために。
全ての真実を知る者はただ1人、けれど未だ眠り続ける心は真実を語れない。
Xを背負わされた者はもはや他者を信じず、傍らにあるオリジナルを憎く思いながらも手放さない。
これにはやらせる事がまだまだ残っている。
今は使うつもりはないが、使う時が来たのならそれは全ての終わりだ。
たった一つの玉座に座るのは、綱吉かザンザスか、それとも…
『……は……守る…お…ちゃ……もの。』
誰かの声がする
誰の声だろう?
『ねぇ、綱吉。………だいす…よ。』
知らないはずなのに、知ってる
優しい声だ
懐かしくて温かくて、泣きたくなる
『……離し…さ…よ!』
ダメだ!
『だから……にした方ががいいよ。』
止めろ!
そんな事望んでない!!
「…きろ!」
行かないでくれよ
「…ナ、おき…!」
オレならどうなったっていいから…
「い…加減に…ろ。起きろ!このバカツナ!!」
バッチーン!
「うげえ!? 痛たたたた!」
起きれば眼の前にリボーンの顔、そして何故か痛い自分の頬。綱吉は訳が分からなかった。どうしてリボーンが少し心配そうに、といっても無表情なので気がするだけだが。何で自分の頬はこんなにも痛いのか。
リボーンがスリッパに変身しているレオンを持っている事からおそらくは叩いた本人だろう。けれどどうして寝ていて叩かれたのか全く分からない。
「いきなり何するんだよリボーン。」
「…、覚えてないのか?うなされてたんだぞ。 いったいどんな夢を見てたんだ。」
そう言われて綱吉は、夢を見ていた事は思い出した。
だが具体的には何も思い出せない、言葉にならない。
「何も覚えてないんだ。でも…。」
「でも?」
「とても悲しい夢だった。 忘れたらいけないと思うほどに。」
「そうか、だが今はもう一度寝ろ。まだ夜中だ。明日にはまたビシバシ鍛えてやるからな!」
「………うん。おやすみ、リボーン。」
綱吉がもう一度眠りに落ちる中、リボーンは考え事をしていた。
綱吉たちの修行は順調で、このまま続ければ確実にヴァリアーに劣ることは無くなる。それぞれの師に必死に食らいついて行っている。
修行の進行具合が心配だった獄寺も、見えていなかったものが見えるようになりこれから急速に成長するだろう。引き受けてもらえるか分からなかった霧の守護者も、先日どうにかなったと家光に言われた。
そんなタイミングでの綱吉の夢。ただの夢の可能性も否定できないが、今回に限ってそれはないように思う。まるで順調にいきすぎて油断しきっているこちらに、忠告するような絶妙なタイミングだった。どんな夢だったのかを綱吉が覚えていない事は残念だが、見るべくしてみたのならまた同じ夢を見るはずだ。
「嫌な予感がしやがる。」
こんな時ばかりに働く己の勘。ボンゴレの血が流れているわけではないが、この業界で長い間生きている者ならば必ずある予感だ。アルコバレーノで最強のヒットマンならばよけいに眼には見えない流れに敏感に反応してしまう。
「そういえば雌獅子も勘が良かったな。 あいつの事も調べねぇと…な…zZZ」
考えなくてはならない事は他にもあるのだが、最強と言われていようと肉体が赤ん坊のリボーンは睡魔には逆らえなかった。
次はいよいよヴァリアーと顔合わせ。
でも優奈が誰を倒したか決まるまで無理!
消される候補は レヴィorスクアーロ
作者はレヴィを消そうとしてます。