家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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第34話 晴れ戦

優奈はしばらく綱吉を見つめた後、押し寄せる感情の波を押さえこみホテルに帰る。

 

こんな感情は湧いてはいけないはずだ。自分が最上とするのはザンザスなのだから、綱吉や家光の顔を見て胸が痛くなるのはおかしい。拳で胸を叩き感情がおさまるのを待ってから自室へと入った。

 

身なりを整えてからザンザスの部屋を訪ねた。ザンザスはソファーにどかりと座り込んでいる。彼にすればただ座っているだけなのだが、その姿でさえ王者の風格が漂う。そんなザンザスを見た優奈は、やはりザンザスこそがボンゴレのボスに相応しいと思うのだ。

 

「帰ったか、雌獅子。」

 

ザンザスの眼の前で膝を折り、頭を下げる。

 

「分かってるな。」

 

何を、とは言われなくても分かっている。しっかりと頷いた。

 

「なら良い。」

 

それだけ言うと、ザンザスは話は終わりだと言うように眼を閉じた。優奈もまた、それで構わないと思っている。自分達の間に無駄な話など必要無い。そう思っているはずなのに無意識に手錠へ眼を向けていた。

 

 

 

翌日 夜11時

 

並盛中学のグラウンドに双陣営が集まった。相変わらず綱吉の方は霧と雲は不在だ。

 

「し、静かだね。本当に並盛で良かったのかな?」

 

「やつら、まだ来てねーのかな。」

 

「とっくにスタンバイしてますよ。」

 

チェルベッロから晴れの対戦が発表され、了平は一番槍は任せろと意気込む。そんな綱吉たちをヴァリアー側は冷めた目で見ていた。

 

「じゃあ行ってくるわね。メーシィちゃん、ボスの護衛よろしく!」

 

コクリと頷く雌獅子を横目に、長髪の男が文句を叫んだ。

 

「う゛お゛ぉぉお゛い!!この間から黙ってりゃ、好き勝手言いやがって!このオレがついてるのに、あんなカス共に後れをとるはずねぇだろうがぁぁあ゛!!」

 

突然聞こえた大声に驚く綱吉たち。

 

「何だ?突然あいつ騒ぎ出したけどなんか怒ってるのか?」

 

「それ違うと思う山本。」

 

「にしたって、うるせーな。」

 

今まで静かだった人間が突然大声を出して叫び始めたので、彼を知らない綱吉たちとしては意味が分からない。

 

「あーあ、スクアーロの顎の骨もう治ったのかよ。せっかく静かで良かったのにさ、王子ガッカリ。」

 

「確かボスがスクアーロにキレて、電柱に顔を叩きつけたのが原因だったよね。鎮痛剤と麻酔の効果で舌が動かし辛くもなってたはずだけど。

久々に彼の声を聞いた気がするけど、あのままでも良かったよ。」

 

ヴァリアー1声が大きい男が今まで静かだった理由は、先ほどマーモンが言ったとおりである。いつもの如くスクアーロの声の大きさにキレたザンザスがスクアーロの頭を後ろから鷲掴み、近くにあった電柱に叩きつけたのだ。

 

その事でスクアーロの顎の骨には大きなヒビが入り、治療のために固定され鎮痛剤と麻酔の効果で舌が動かし辛く声を出してもたいした大きさにはならなかった。とは言っても麻酔の方は他の幹部達が効果がきれそうになる度に、優しさと実益のために限度量を超えてもしてあげていたのだが。医者はどんなに回復力があっても全治3カ月と診断をくだしたのだが、スクアーロは1カ月ほどで治ってしまったらしい。

 

「ザンザスって部下の人にそんな事をするのかよ、怖-。」

 

「あんな奴に比べ10代目はなんとお優しい…。」

 

 

騒がしくなったヴァリアーが収集がつかなくなり始め、ザンザスが眉間のしわを深くした途端。

 

ゾッ!!

 

雌獅子が殺気を放った。幹部たちは騒ぎ立てるのを止め、雌獅子に謝った。綱吉たちは自分達に向けられた殺気では無かったのに、冷や汗をかいて鳥肌がおさまらない。

そのタイミングで晴れの守護者をチェルベッロが特設リングに来るよう呼びかけ、晴れのリング戦が始まった。

 

 

開始の合図とともに特設リングのライトがつく。

あまりにも眩しくて、眼を開ける事ですらままならない。それはルッスーリアも同じかと思われたが、彼は初めからサングラスをかけていたために光に視界を遮られることは無い。

 

綱吉たちはリボーンからサングラスを借り、ヴァリアー側は雌獅子が部下から受け取った小型トランクからサングラスを各自に渡した。

 

試合は一方的だった。どんな攻撃もまるで効いていない。ルッスーリアは、自分が有利なのを利用し遊んでいた。傷だらけになっていく了平は戦いの中で左腕を潰され、満身創痍だ。このままルッスーリアの勝利に終わるかと思われた時、京子がコロネロに連れられてやって来た。

 

 

 

雌獅子は京子を視界に入れたとたん、ルッスーリアの負けを直感した。何故負けるかなど知らないが、この直感は外れることなど無い。負けるのならば罰を与えなければならない。リング戦はザンザスが10代目になるために必要不可欠な重要なものだ。それに貢献できないのならば幹部であろうと必要無い。

 

けれどまだ彼は使えなくてはならないとも、超直感が訴えているから、モスカに射殺許可はだせない。どうするべきか終わるまでには決めよう。

 

 

結果、ルッスーリアは了平に負けた。了平の京子を想う気持ちが彼の100%の力を引き出したのだ。それによりルッスーリアのメタル・ニーは砕け散り、立つことすらままならない。

 

「緊張感のある良い戦いだったぞ。 さあ、リングを渡してくれ。」

 

「いやっ、嫌よ! わたしはヴァリアーよっ、片足ででも勝利してみせるわ。」

 

ルッスーリアは負ける訳にはいかなかった。こんなに大事な戦いに負ければ殺されることなど分かり切っている。こんな所で死んでたまるかとフラリと立ち上がった瞬間。

 

ドギャッ!!

 

グシャ…

 

モスカに撃たれたルッスーリアは崩れ落ちた。眼の前で起きた事が信じられない綱吉たちは茫然とした。死んでしまったのかと了平は駆けよるが、チェルベッロに止められ勝者として宣言された。

 

特設リングが解体され、モスカがルッスーリアを回収する。あまりにも青ざめた顔が面白かったのか、ベルが声をかけた。

 

「王子優しいから教えてやるけど、死んでないぜそのオカマ。 本当は銃殺される予定だったけど、雌獅子が何でか止めたんだ。つっても神経毒塗られた弾を撃たれたから死ぬほどの苦しみは味わってるだろうなシシシ。」

 

「う゛お゛ぉい! ベル、何油売ってやがる!さっさと帰るぞぉお!!」

 

「黙れよロンゲ、今度はオレが顎砕いてやろうか。  まぁいいや、じゃあな。」

 

「え?!あの教えてくれてありがとうございました!!」

 

綱吉の声が届いたかは分からない。だが、ベルが教えてくれた事で心が楽になったことは確かだ。けれど明日の戦いを思い出して気が重くなる。明日は雷のリング戦。こちらの守護者はランボなのだ、負ける姿しか思い描けない。

 

「どうしよう、リボーン。 明日ランボ殺されるかもしれない。」

 

「そう心配するなツナ。あっちの守護者がオレの予想通りに雌獅子なら、殺される事だけは無い。あいつは弱者や子供には優しいからな。」

 

「オレも聞いたことがあります10代目。あいつの通り名の一つは『ヴァリアー最後の良心』だったはずです。リボーンさんいわく何かあったようですが、それでも心配はいら無いでしょう。」

 

「良かったなツナ。 オレも安心だぜ。」

 

耳に入ってくる情報だけならば安心できる。それでも雌獅子を見る度に胸の奥から何かが叫んでる。これを言葉にできたのならば少しは楽になるのだろうか。雌獅子が去った方向を見て、綱吉は思う。

 

 

 

 







という訳で、クビはレヴィだぜ☆

寺桜は友人に勝利した!!
応援してくれた人達に感謝します! …そして誰か褒めてくれ。
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