家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

36 / 61
短いです。

閑話みたいな物。
嵐戦じゃなくてゴメン!


第36話 夢2

綱吉は最近頻繁に夢を見る。起きた時には何も覚えておらず、うなされるとリボーンに起こされる。起こされるまでは決しておきはしない、起きてはいけないと自分から眼を覚まさないのだ。綱吉が夢を見始めたのはヴァリアーと初めて戦ってからだ。

 

 

今夜も綱吉は夢を見る。

 

『うわぁぁあ…あ…あ!!』

 

誰かが泣いている

 

何処から聞こえるのかは分からない

 

『お父…ん、気…いて…!…母さ…、忘……い…!』

 

ところどころ言葉が聞こえない

 

『つ……し、呼………わた…の……を』

 

分かってあげたいのに…!

 

待ってて、必ず見つけるよ

 

 

「…だから、泣かないで。」

 

「泣いてるのはお前だ、ツナ。」

 

綱吉が眼を覚ますとそこにはリボーンの顔があった。どうやら起こされる直前だった様だ。リボーンに言われて綱吉は自分の頬に手を当てると、そこは確かに濡れていた。クシャリと顔を歪め、濡れた手を見て悔しさがこみ上げる。そして、どうしようもない程の無力感に襲われる。

 

修行は順調で、死ぬ気の炎も出力調整ができるようになった。バジルと戦って黒星をつけれるようにだってなってきた。奥義のほうはまだ完成していないが、それでも充分に強くなったはずなのだ。

なのに、何でこんなにも悔しくてたまらないのだろう。

 

「また夢を見ていたのか。」

 

「うん。」

 

「夢の内容はいつもみたいに忘れちまったか。」

 

「ううん。」

 

「 !  …オレに話すか。」

 

「話したくない。話したらせっかく掴めた何かが、消えちゃう気がするんだ。」

 

リボーンはそれ以上綱吉に、無理に夢の内容は聞いてこなかった。

学校に行くにはまだ時間が早すぎるが、太陽は昇り始めていた。そこで綱吉はパーカーを着て、散歩に行く事にした。リボーンには遠慮してもらった。玄関の扉を開けると、朝霧が濃くたち込めている。大きく深呼吸すれば、まだ冷たい空気が胸いっぱいに入ってきた。

 

 

とぼとぼ人気のない並盛を散歩する。普段活気にあふれた所しか見た事が無いので、新鮮な感じだ。前方に誰かの人影が見えるが、霧でぼんやりしてはっきりしない。この散歩に目的地など無いので、綱吉は前方の人影についていく事にした。

 

人影が向かった先は、並盛保育園で次に並盛小学校。卒業生なのかなとぼんやり考える。次は並盛中学校だった。うちの生徒なのかとも思ったけれど、何か違う気がする。グラウンドを校門前からじっと見ていた後、また歩き始める。

 

人影がはじめて中に入った場所は、並盛公園だった。砂場には子供が忘れていった玩具が残っている。人影はその玩具を使って何かを作った。作り終えて満足したのかまた動きだして、遊具の一つ一つをゆっくりと回り、腰をおろしたのはベンチではなくブランコだった。ブランコには砂もついているのに何故、ベンチでは無くブランコに座ったんだろう。

 

子供みたいな人だと、失礼ながら思った。

 

「プッ。」

 

そして噴出してしまった。マズいと思ってうつむき口を手で覆う。

それからそっと前を見上げてみると、人影は消えていた。綱吉は見ていたものは幻だったのかと、慌てて周囲を見回す。しかし何処にも見当たらない。

 

しょんぼりとしていると、ふと砂場が眼に入った。そういえばあそこで何か作っていたと言う事を思い出し、走って砂場の人影がいた場所を探す。

 

「あった! …何だこれ?カップで作った大量のイチゴがあるし、小枝もたくさん刺さってるし、皿?にしては分厚いな。じゃあ何だろう、イチゴを収穫したボウル??

あ、分かった。これはケーキだ!」

 

ケーキを作ったのならば納得できる。分厚い皿の様なものはケーキの土台で、小枝はたぶんローソクの代わりだろう。イチゴは多すぎる気がしない事も無いが、やけにきれいにできている。

 

人影は実在し、砂場でケーキを作っていた事に何に対する納得かは分からないが納得した。

気がつけば、家を出る頃の重たくて悔しい気持ちは薄らいでいた。

綱吉は家へと戻り、いつもと同じように学校へと向かう。今日は嵐のリング戦だ。

 

 

 

 




どうしても書きたかったんだ。

ちなみにカミングアウトはまだまだ先DA!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。