家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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寺桜が風邪で倒れる前に友人が風邪にやられた!
アイディアの元がヤバいから、次回更新は遅いよ!!


第38話 雨戦

嵐のリング戦が終わり、今日はこれで解散だと思われた。

 

ところが、並盛を愛してやまない雲雀が帰って来てしまったのだ。雲雀は見張りのヴァリアー隊員を咬み殺しながら、こちらへと近づいてきた。

嵐のリング戦直後の校舎はどこも見るに堪えないもので、床は一部崩壊し下の階がみえているし窓ガラスは吹き飛び、爆発のせいで焦げや煙も見られる。そんな校舎を見た雲雀は怒りが増すばかりだ。

 

チェルベッロが雲雀に対し、必ず修復すると言っても聞いていない。いや、聞いてはいるのだろうが直す事は当然だと感じ、それよりも破壊の原因となった者達を咬み殺す事を優先しているのだろう。一応綱吉の守護者のはずではあるが、そんな事など関係無いと咬み殺すと宣言した。

 

まずは眼の前に居たスクアーロにねらいを定め、トンファーを構えなおす。それに反応したのはスクアーロでは無く、山本だった。

 

「おい、待ってくれよ雲雀。そこの長髪の奴はオレの相手なんだ。」

 

「関係無いね、君は黙って屍にでもなってなよ。」

 

ブン! ガシッ

 

雲雀は山本を殴り倒すつもりでトンファーを振った。だがそれに山本は見事反応し、トンファーを掴み防いでみせた。

 

そのやり取りにスクアーロの眼光が鋭く輝く。正直最近まで一般人だった山本に、1mmも期待などしていなかった。しかし今雲雀を止めた動きは素人や一般人ができるような動きなどでは無い。これは面白くなりそうだと、口元に物騒な笑みがつくられた。

 

雲雀も山本の動きには驚いていた。初めにあったのは彼らが応接室に侵入してきた時だった。その時の山本はその他大勢より若干強い程度だったのだ。それでも雲雀にしたら所詮草食動物。一撃で終わる相手だった。

 

山本の成長ぶりに興味を示し、雲雀が止まった所でリボーンが骸を仄めかす様な事を言った。それにより完全に戦闘を中止した雲雀は帰っていった。

 

 

 

 

綱吉たちはそれぞれの家に帰り、ヴァリアーもホテルに帰る。雌獅子は今回の嵐戦を書類にまとめてザンザスへと提出し自室に戻った瞬間、膝から崩れ落ちた。

 

胸が苦しくてならない。

何で?

 

この苦痛のままに叫びたい。

どこが痛い?

 

敵対なんてしたくない。

誰と?

 

悲しい顔などさせたくない。

誰の?

 

ザンザスを護らなければ。

彼は強いのに?

 

私の一番はザンザスだ!

本当に?

 

もがき苦しみ、息が荒くなる。病気や毒では無いと分かっている。これは精神的なものだから私の心が弱すぎるのだ。今さら綱吉を倒そうとどうという事など無い。自分にそう言い聞かせる度に疑問が湧いて来る。

 

疑問の全ては、眠り続ける本心からの問いかけ。

けれど優奈は疑問を黙殺する。

 

ピシリ、ピシリと何かがひび割れ壊れていく。

超直感が警報を自分に鳴らし続けている。

 

そんな大切な2つの音すら聞かなかった事にした。

 

 

 

 

雨のリング戦、それも校舎で行われる。上の階から止めどなく水が滝のように流れ落ちてき、下の階には本物の鮫が解き放たれている。時間の経過と共に水位が上がれば、鮫の行動範囲は広がり、逆に対戦者たちの動ける場所は狭まる。

 

綱吉たちは山本に声援を送る。ディーノも観戦しに来ていて、軽く山本の肩を叩いて激励していた。ついでに言えば、ディーノの弟子である雲雀は校舎が傷つけられるのを見たくないため来ておらず、霧の守護者は現在も姿を見せない。

 

ヴァリアーは雌獅子以外が来ているが、誰一人としてスクアーロに声援を送る者などいない。むしろリングだけ奪って死ねと言う心の底からの掛け声ならば送られていた。ちなみに言ったのはベルである。その後テメェが死ねと送り返されていたが。

 

 

 

戦の状況は、スクアーロが圧倒的に有利に進めていた。初手に剣と刀がぶつかり合った際、仕込み火薬が山本の顔に命中したのだ。

 

原作ではじめて接触を果たしたヴァリアーはスクアーロである。そしてその際に仕掛けも披露し、山本はイメージトレーニングをする事で回避に成功していた。

 

だが、この話でははじめて接触したのはベルである。身体能力に差があるとは実感したし、握りから学び直してこいと言われ、父親から時雨蒼燕流を受け継いだ。それでも不意打ちには対応しきれずに、左目付近を火傷してしまった。

 

 

山本は必死にスクアーロの剣と切り結ぶ。山本とは逆に、スクアーロは楽しそうに剣を振るっていた。実際にスクアーロは楽しかったのだ。はじめに火薬を喰らって以降、一切の油断が消え去りフェイントにも引っかからない。以前に時雨蒼燕流の剣士を倒した事があると揺さぶりをかけてみたが、直ぐに持ちなおした。

 

苦戦するばかりの山本だったが、目はまだ死んでなどいない。切り結ぶ度に集中力があがり、動作に無駄が無くなっていく。

 

負ける訳にはいかないのだ。命を張って自分を助けてくれたツナに、ようやく力になれる事が出来た。突然理由も話さずに剣道を教えてくれとオヤジに頼み込めば、何も聞かずに自分を鍛えてくれた。

 

仲間たちもツナのためにみんな命がけで、怪我をしながら頑張った。ここで自分が踏ん張らなくてどうするのだ。今までの時雨蒼燕流が見切られているなんて関係ない。八の型の名前が違う事でようやく分かった。

 

それに型が見抜かれているのならば、新しく創ればいい!

 

「いくぜ、時雨蒼燕流八の型…。」

 

「それも見切ってるぜぇえ゛!」

 

「篠突く雨!!」

 

ブシャッ

 

山本の刀がもろに当たる。スクアーロが来ると思っていた秋雨では無かった。リボーンも時雨蒼燕流の苛烈と言っていい程の、厳しい継承方法を綱吉たちに説明する。そして何故スクアーロが避けれなかったのかも。代を重ねるごとに増えていく型。しかしそれは強くなければ他の流派に負け、剣術の才能が無ければ継承することすらできずに廃れていく。

 

秋雨は山本の父の兄妹弟子がつくった八の型。しかしそれはスクアーロによって潰された。山本が放った八の型は山本の父がつくった篠突く雨という全くの別物だ。

 

そして、九の型を創る。

 

「時雨蒼燕流、攻式九の型…。」

 

「来い、山本武ー!!」

 

両者の剣によって抉られる水面、波は大きさを増して押し寄せる。スクアーロが鮫特攻(スコントロ・ディ・スクアーロ)をすればいつの間にか移動した山本は、スクアーロの背後にできていた特大の波から奇襲をかける。そのままいけるかと思いきや、スクアーロの義手は後ろへと折れ曲がり山本を刺した。

 

刺した山本に肉体の感触がしなかった事に気付いたスクアーロは、周囲を警戒しようとしたがもう遅かった。スクアーロの眼の前には山本が時雨金時を振り上げていた。

 

「うつし雨!!」

 

 

 

決着はついた。スクアーロは倒れ、リングは山本が手にした。ヴァリアーは倒れたスクアーロを助ける事無く、見殺しにした。山本はもちろん助けようとしたのだが、お互い怪我をしている体で校舎から脱出する事は敵わず、最後はスクアーロが山本の手を振り払い自ら水底へと沈んだ。

 

水は赤く、紅く濁っていた。

 

 

 

ディーノは焦っていた。もし山本が負けてしまった時のために、鮫から救出するため水中へ部下を潜ませていた。その部下からスクアーロを回収したと言う連絡が無いのだ。ディーノは確かにモニターでスクアーロが沈んでいくのを確認した。山本も眼の前で見ていたのだから間違いない。

 

「どういう事だ!?」

 

「ボス、焦るな。まだ探してない場所は残ってる。」

 

「そうだな。だが早く見つけてやらないと、さすがのあいつでも窒息死する。」

 

リング戦が終わった後、鮫はチェルベッロによって回収された。校舎からは水が抜かれ、翌日の朝には改装が無かったかのように元通りになる。ディーノたちはチェルベッロに気付かれないようスクアーロを探し続けたが、とうとう発見できなかった。

 

 

 

 

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