家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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そろそろ未来偏にいきたいのに、先が長い…。
もっとコンパクトにまとめたいのにできないorz


第43話 雲戦とモスカの暴走

綱吉の修行は午前中に完了し、今日の試合を見る事が出来ると安心した。

雲雀は強い。そんなことは並盛住民の常識の様な物だ。しかし、強いからと言って心配をしない事は無い。いくら強くても、怪我をしてしまう事くらいあるのだ。雲雀がどんなに強いと言っても、今日の戦いで無傷で終われるはずがない。

 

それに今日は朝から嫌な予感がする。

 

不安を抱えながらリング戦までの時間を、零地点突破の調整を行った。

 

 

 

綱吉が学校に着いた時には、みんな既に待っていた。お子様のランボも眠気眼を擦りながら、山本に抱っこされていた。

 

「ランボ、お前まで来てたのか!?眠たいなら無理してこなくても良かったのに…。」

 

「ランボさん、ライオンを捕まえるんだもんね。ランボさんの部下にするの。」

 

「また訳のわからない事を言って。 ん?ライオンってもしかして雌獅子さんの事かー!!?」

 

ランボの雌獅子を部下にする発言にツッコミを入れながら、ザンザスたちの方向を見れば今日は雌獅子も来ていた。雌獅子はザンザスの傍に立っており、話しかけてくるベルに頷いたり首を振ったりしている。

 

「いつもより元気がないみたいだ…。」

 

「誰の元気がないんだ?」

 

「リボーン。オレの気のせいかもしれないんだけど、雌獅子さんが前見た時より元気が無さそうに見えたんだ。」

 

綱吉の言葉をうけてリボーンは雌獅子を見たが、いつもと同じように見える。だが、他でもない綱吉がそう感じたのだ。きっと自分にはわからない何かを感じ取り、雌獅子は本調子ではないのかもしれない。

 

「……もしそうなら、好都合だな。」

 

「今何か言ったかリボーン?」

 

「ああ、言ったぞ。奥義を完成させたとはいえ、自在に出せる訳じゃねぇから明日もみっちり修行だ。」

 

「そんなたくさんしゃべって無かっただろお前ー! つーか、みっちりって嫌だー!!」

 

そうこう騒いでいる間に、雲雀もやって来て雲のリング戦が始まる。

 

 

雲のリング戦は開始早々に終わった。

 

雲雀が一瞬にしてモスカを破壊したのである。あまりの事に両陣営、絶句する者が多い中いつもと同じ態度で眺めているのはザンザスと雌獅子だ。ザンザスは自身の守護者であるモスカがやられたにも拘らず、笑みを浮かべていた。

 

リング戦があっさりと終わった事に、綱吉は安堵する。今朝から感じていた嫌な予感は自分の勘違いだったのだと。そう思っていたのだが、雲雀はリングを完成させるとチェルベッロに渡してしまった。そして、ザンザス達に向かって言い放った。

 

「こんなのじゃ全然満足できないね。 サル山のボス猿と肉食きどりの女を咬み殺さないと帰れない。」

 

「オレら負け越しじゃん。どーすんだよ、雌獅子とボース?」

 

雲雀の挑発に自分の名前が無い事にムカつきながら、一応上司である2人に意見を求めるベル。雌獅子はザンザスに深々と頭を下げ、彼の意向に従うと言外に告げる。雌獅子の態度にそれで良いと眼を細め、顎で指示を出した。

 

雌獅子は観覧席からリングへ跳び込んだ。

 

雲雀は嬉しそうにトンファーを構え、雌獅子の方を向く。綱吉はせっかく勝ったのに、これ以上無駄な争いをするのかと慌て、山本は雲雀を諌めようと声をかけようとした。

 

「さあ、かかってきなよ!」

 

雲雀と雌獅子の間合いが狭まり戦闘がはじまる…、かと思いきや雌獅子は雲雀を素通りした。

 

何が起こったのかを理解できない。

 

いつ雲雀の隣を横切ったのか分からない。あえて言うのならば『いつの間にか』である。対面していたはずの雲雀でさえ気づく事が無かった。周囲はあっけにとられた。

 

そんな周囲を気にもせず、雌獅子は壊れたモスカを回収しに行っていた。

 

雌獅子の目的は初めからモスカの回収であり、雲雀と戦うために近付いたのではない。たまたま通り道に雲雀が居た、ただそれだけなのである。

 

一番初めに我に返り、行動したのは雲雀である。

雲雀は不愉快でならなかった。獲物が捕食者である自分を素通りしたのだ、許せる事態ではない。彼の絶対的なまでのプライドが体を動かした。例え相手が同じ肉食動物でも、獲物であることには違いが無い!

 

「おいおい、こっちは雌獅子にモスカを回収させに行っただけだぜ。」

 

「そんなこと知らない。何より僕を無視するなんて良い度胸じゃないか。死んで悔むと良いよ。」

 

雲雀が動き出してからやっと事態を認識し始める綱吉たち。雌獅子は華麗に雲雀の攻撃を避けていた。さすがにモスカを引きずって避ける訳にはいかないらしく、近くに放置されている。

 

雲雀が攻撃を止めない事に笑みをますます深めるザンザス。

その顔を見た瞬間、綱吉は叫んだ。

 

「雲雀さん!止めるんだ!!」

 

「君の指図なんか受けない。」

 

突然叫んで雲雀を止めようとする綱吉に、リボーン達は驚いた。説明を求める獄寺たちに構わず、綱吉は雲雀に止めろと言い続ける。

 

「おい、チェルベッロ。」

 

「はい、ザンザス様。」

 

「この一部始終忘れるな、雌獅子は一切攻撃を行っていないとな。」

 

綱吉の言葉などもはや耳にも入れず、雲雀は雌獅子との戦いに集中していた。先ほどから少しづつ、雌獅子の動きに目が慣れてきた所なのだ。こんな強者との戦いなどめったに有るものでは無い。油断しているその顔に一発くれてやると、隙を狙っていた。その時…

 

 

ブオンッ!!!

 

 

それは雲雀の左脚を貫通していった。左脚を貫通したのはモスカのレーザー銃。

 

「雲雀さん!!」

 

「な!!?」

 

「!?」

 

「ヒバリ!!」

 

足を負傷し、反射的にしゃがんだ雲雀。ちょうどその上を今度はロケットランチャーが通過した。

 

モスカの暴走!

 

まるで『謀った』様なタイミングでそれは起こった。モスカの暴走だけではなく、フィールドに設置されたガトリングや地雷も健在で、リングとして使用していた有刺鉄線を飛び越え観覧席にも被害を及ぼす。

 

グラウンドは戦地と化した。

 

モスカは暴走し続ける。背からロケットランチャーを発射し、指からレーザー銃を撃ち、胸から手榴弾が放たれる。

 

 

 

ザンザスは久方ぶりに大声で嗤った。今の状況も充分愉快だが、本番はこれからなのだ。今この場に居る人間でモスカを破壊できる者は限られている。

 

自分はもちろんだが雌獅子も簡単にできるだろう。だが契約に触れない限り、雌獅子がモスカを破壊することは無い。ベルは完全な状態でも破壊できるかは怪しく、チェルベッロは論外だ。

 

目論見通り、向こうの誰かが破壊する。守護者の連中でもいいが、沢田綱吉ならばなお愉快な事になる。お前しかいないだろう、お前の守護者たちに破壊できる力は無い。さあ、早くしなけりゃ大切なお仲間が死ぬぞ。

 

小娘がガキを庇って足に銃弾をかすめたな、ガイヤのカス2匹が小娘を運ぶがそれじゃモスカからもこのリングからも逃げられねぇ。

 

「ぶはーははっは!!」

 

そうだ、それでいい沢田綱吉。テメエが自分で自分の首を絞めるんだ!

 

 

 

悲劇は綱吉の手によって完成する。

 

モスカを壊す事に嫌な予感がしていたが、仲間を守るためモスカを完膚なきまでに破壊した綱吉。これで全てが終わったのだと思ったその時、モスカがひび割れ中から1人の老人が倒れ出る。リボーンとバジルは9代目だと駆けよる。9代目は意識不明の重体で痩せ衰えている。綱吉は意味が分からず茫然とした。

 

そんな綱吉に畳みかけるようにザンザスは言う。9代目を手にかけたのはお前だと。ザンザスはワザとらしく弔い合戦の開幕を告げた。

 

 

 

 

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