家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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ポケモンのサファイヤやってきます!
あ、ついでに友人が退院しました。






第44話 大空戦

ピ… ピ… ピ…

 

「すま…な…い。  す…ない…。」

 

病室では電子音と1人の老人の謝罪が永遠と続く。

老人は9代目だ。ザンザスの弔い宣言の後、ディーノが救急車を呼ぼうとした時、たまたま近くに救急車が来ていたのだ。そしてそのままディーノが用意していた病院へと運び込まれた。

 

本来ならばスクアーロが入るはずだった病院だ。だが雨のリング戦後、その姿は消えた。鮫に喰われた可能性も考え、解剖したが幸いにも喰われた痕跡は無かった。病院は一度は手放そうとしたが、ロマーリオが全てのリング戦が終わるまで待った方が良いと言うので使える状態で放置していた。

 

それがまさかこんな形で使う事になるとは思わなかった。医師に9代目の容体を確認すると、以外にも軽傷だと言う事だ。肋骨が3本折れており長い間捕らわれていたために筋力が衰えているものの、栄養はとっていたようだし、清潔でもある、との事だ。

 

軽傷なのは良い事だが、それは不自然なのだ。ハイパーモードの綱吉にモスカ越しにとはいえ何度も殴られ、吹っ飛ばされ、真っ二つにされたのだ。にも拘らず肋骨3本で終わったのは奇跡でも何でも無く、外的要因があるに違いない。今にして思えば救急車もタイミングが良すぎた。

 

「ツナじゃねーけど、嫌な予感がするな。 誰かの掌で踊らされてる気分だ。

ん?こんな時に電話なんて誰だ…!」

 

電話は家光からだった。9代目に気をつかい、病室を出る。

 

『もしもし、ディーノ君か』

 

「家光さん、今まで何をしていたんだ!こっちは大変な事になってるのに、連絡を取れないし。 ……9代目が発見された、モスカの中にいたんだ!」

 

『!? 何を言っているんだ、9代目はボンゴレ本部でオレが保護をしたんだぞ!』

 

「何だって!?それじゃあ9代目が2人居る事になる…!」

 

ディーノと家光はしばらくの間、2人居る9代目のどちらが本物でどちらが偽物なのかを議論する事になる。どちらか片方でも意識があれば判断のしようもあるのだが、残念な事に両者とも意識不明だ。

 

並盛に居る9代目は意識は無いのに謝罪を口にし続け、イタリアにいる9代目はただ眠るばかり。どちらが本物か分からないために、家光は日本に戻ることができなかった。

 

 

 

 

大空戦。

それは自分の命はもちろん、全てのリングと守護者全員の命を賭ける争いだ。

 

どんな状態でも守護者たちは並盛中に集合する。例え眠っていても、怪我をしていても、重傷で動かせない状態であっても。招集がかかったらどんな状態でも集まる、それが守護者なのだ。

 

「どんな状態でもって…、こっちのみんなは兎も角そっちは来た時点でボロボロじゃないか!」

 

そう、綱吉の守護者たちは怪我をしている者もいるが、戦える状態だ。それに比べヴァリアー側は、ルッスーリアは顔が土気色になっているし、マーモンは足に重りをつけられ一歩進むのも辛そうだ。

 

 

「それでは、大空戦のルールを説明させていただきます。大空戦も他のリング戦同様、リングを完成させる事が勝利条件の1つとなります。

フィールドは学校全体。一度守護者のリングを回収させていただきます。」

 

説明をしながらチェルベッロはブレスレット型の小型端末を配り、同時にリングの回収を行った。命懸けで手に入れたリングを手放す事に抵抗する者もいたが、失格にするという脅しのもとしぶしぶ渡すしかなかった。

全員が小型端末を付けたところを確認して、説明を続けた。

 

「守護者たちはリング戦を行った会場がスタート地点となります。」

 

「スタート地点という事は、そこから他の奴のもとへ行っても良いのな?」

 

「どうぞお好きなように。」

 

「極限ランボのことは任せろ!」

 

「10代目、直ぐに加勢に行きますね。」

 

スタート地点が決まっているとはいえ、他の仲間と合流できるという事に安堵する綱吉。眠気眼のランボを、雌獅子が害さないとは限らないので心配していたのだ。騒がしくなった綱吉側とは反対にヴァリアー側は冷めた態度だった。

 

「マーモン、加勢いるか?」

 

「必要無いね、僕は僕で動くから。」

 

「ベルちゃん、良かったらわたしの加勢してくれないかしら?」

 

「なんでオカマの加勢なんてしないといけないんだよ。王子、そんなダルい事しねーよ。」

 

「マーモンとわたしの扱いの差…。」

 

話すだけ話した後に、それぞれのフィールドへと散って行った。ランボは完全に眠っていたため、チェルベッロによって運ばれていった。各自のフィールドの中央には鍵の付いた小さな宝石箱が机の上に置かれている。

 

「全員の移動を確認しました。」

 

グサッ!   …チクタク、チクタク

 

チェルベッロの確認が終了した途端、端末が守護者を刺した。一瞬の痛みの痕に一斉に苦しみ出す守護者たち。無事なのは大空である綱吉とザンザスのみだ。

苦しみ出した仲間をモニターで見た綱吉は慌ててチェルベッロに説明を求める。

 

「どういう事だ!?みんなに何をしたの。」

 

「ただ今から守護者にはリストバンドから毒が注入されました。それと同時に時限爆弾のカウントダウンが開始されています。残り時間は1時間。爆破威力は人1人を跡形も無く消す程です。

 

毒の名前はデスヒーター。この毒は瞬時に神経をマヒさせ、立つことすら困難です。そして全身を貫くような燃える痛みは徐々に増していき、30分で絶命します。」

 

「な、何だって!?それじゃあ、たとえ毒を解毒しても、爆弾を解除してもどっちかが残ってたら死んじゃうじゃないか!!?」

 

「その通りです。この大空戦では毒は守護者のリングで解毒され、爆弾は大空のリングで解除されるように設定されています。

 

守護者のリングはフィールド中央に設置されている宝石箱の中にあり、鍵はフィールドの何処かに隠されています。」

 

「どうしてみんなが、こんな事に…。」

 

「それが大空であるボスの使命だからです。

晴・雷・嵐・雨・霧・雲。 すべてに染まりつつすべてを飲み込み包容することが大空の使命。

守護者の運命は自分で切り開くもの、同時にボスと共にあるもの。」

 

「つまり、全部のリングを手に入れれば良いってことだろうが。」

 

「ザンザス様のおっしゃった通り、この大空戦唯一の勝利条件は、全てのリングを手に入れる事の身です。

 

それでは、大空戦開始!」

 

全てを巻き込み開始された大空戦。

いくつもの陰謀と思惑と決意が今、ひとつへと纏めあげられる。

 

何かを謝罪し続ける9代目、イタリアで眠り続ける影武者。

言葉を奪ったザンザス、契約にしばられている雌獅子。

何も知らず、それでも感じ取る綱吉。

 

この戦いで全てが終わる。

 

 

 

 

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