家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題) 作:寺桜
キャサリー召喚して全部ブッ壊したい…。
そしてはやく未来偏書きたいorz
大空のリング戦が開始された。空は生憎の曇りで月明かりには期待ができない。
この戦いに賭けられているものは、イタリア最大マフィアのボスの座。
これに拘っているのはザンザス側だけだ。綱吉は全てに流されて今この争いに参加している。強いて理由を挙げるとしたのなら、仲間を守りたいからだ。正直、綱吉には未だにボンゴレのボスの『力』を理解していない。
突然壊された日常。
嵐の様にやって来たのは暗殺者と名乗る赤ん坊で、日々起こる騒ぎの中でできた友人たち。落ち着かない日ばかりになってしまったが、つまらなく過すだけの毎日が楽しいものとなっていた。
骸たちが襲撃して来て知ったのは、ずっと嫌いだった行方不明の姉の真実。そこでようやくマフィア、ボンゴレの陰を垣間見たのだ。
それまで一般人だった綱吉には分からない。何がマフィアだ、何がボンゴレのボスだ!そんなもの自分は知らない!姉ちゃんの事だって未だに実感がない。
それでも!それでも友達くらい守りたいんだ!!
だから綱吉は戦う。眼の前の相手に全力を尽くす。仲間が心配で無いわけではない、けれど心配以上に信頼しているのだ。きっと自分達で解毒をしてくれるはずだから、自分は爆弾を解除できるように、ザンザスを倒す。
ザンザスは嗤う、何も知らない綱吉を。思っていた以上に戦える様だが、攻撃の一つ一つが甘すぎるのだ。無意識に致命傷となりやすい場所を避けている。頭や心臓に近い場所には拳を打ってこないのだ。それは恐らく、手にかけさせた9代目の事がトラウマとして残ったのだろう。
それに比べこちらはそんなものは気にしない、してやる必要もない。こいつには死なれては困るが、死ななければいいのだ。命のやり取りや拷問などしょっちゅう行っているので、その程度加減など朝飯前だ。
既に結果は決まっている。戦いの勝敗は関係ない、これはただの茶番。
この戦いは勝っても負けても、勝者はこのオレだ。
綱吉がザンザスと戦っている中、守護者たちもまたそれぞれの戦いを繰り広げていた。
デスヒーターの熱に犯されながら、一番初めに行動できたのは意外な事に獄寺だった。獄寺は綱吉の家に滞在しているビアンキから、愛のこもった毒菓子をそれなりの頻度で食べていたためだ。綱吉から優奈の話しを聞いた後、自身の姉弟関係に思う事があったのだ。
それからしばらくして、ビアンキを避ける事は止めた。素顔を見ると速攻で腹の具合が悪くなるので、手始めにプレゼントと称して顔を隠すための色つき伊達眼鏡を贈った。メッセージカードに「オレと会う時はそれをつけろ」と書いて。
弟からのプレゼントに気を良くしたビアンキは、それ以来獄寺に会う時は必ず伊達眼鏡をつけている。そしてお礼にと菓子を渡した。どんな料理も毒物にする彼女の手作りなのでもちろん毒菓子だ。獄寺は初めは破棄するつもりだった。それでも、ゴミ箱に捨てようとした途端、脳裏をかすめるのはこれ手渡したされた時のビアンキの表情。
拒否する体を意志の力で押さえつけ、毒菓子を喰らった。当たり前だが次の瞬間には床に倒れていたが。それからもビアンキは菓子を贈り続け、獄寺は一口で倒れる。そんな事を繰り返すうちに、獄寺には毒物に対する耐性がついたのである。
効かないと言うわけではないが、他の物に比べ症状が軽い。毒物というだけで訳も無く痛む腹を抱えながら、宝石箱の鍵に小型爆弾を仕掛け無事リングを手に入れた。
自分を解毒した後に仲間に加勢しにいこうとして、ベルが目に映る。
「チッ!」
もがき苦しむベルを忌々しげに見ながらも、解毒を行った。本当は見捨てていこうかと思った。だがそこで綱吉と自分の出会いを思い出したのだ。命を狙ってきた相手でも体を張って救ってくれた綱吉。
「10代目は敵だったとしても、誰かが死ぬのを厭う方だからな。10代目の御心に感謝しろよ。」
「へ、へへへ。バカな奴。感謝なんてするわけ無いじゃん。体が動くようになったら速攻でリング取り返しに行ってやるよ。」
今はまだ毒の影響で動けないベルを放置し、獄寺は一番非力なランボの元へ向かった。
獄寺の次に解毒に成功したのは雲雀だ。彼のプライドは高く、何者であったとしても膝を屈する事を良しとしない。それは毒であったとしても同じ事だ。獄寺とは違い精神力だけで動いた雲雀は、宝石箱をトンファーで殴りつけて破壊しリングを手にした。
強者と戦いたい雲雀は上空で綱吉と戦うザンザスを睨みつけたが、生憎雲雀は空を飛べない。その事にイラつきながら手頃な距離に居る別の獲物を探すため、校舎の中へと入って行った。
雲雀とほぼ同時刻、雷戦のフィールドである屋上で雌獅子もまた解毒に成功していた。雌獅子は毒物などまるで関係無いようにゆったりと歩き、始めから知っていたかのように鍵を見つけて宝石箱を開けた。
「むぐぐ、苦しい…もんねー。助け…て。」
自分の解毒をした後には、毒に苦しむランボの解毒も行った。雌獅子はランボの呼吸が安定したのを確認してから歩き出す。
彼女の覚悟は決まっていた。
これは全て自分の我儘で行うことだ。気付かれなくて良い、分かってもらえなくて良い、理解してもらわなくても良い、嫌われても良いのだ。全ては自己満足にしかならないのだから。
契約の執行が行われるまで残り僅か。
干渉を防ぐための檻の中からモニターで様子を見ていたリボーンたちは驚いていた。特に医者であるシャマルはデスヒーターの効力を知っているので、他の誰よりも驚愕している。獄寺は予想範囲内だったが、まさか他にもあの毒を受けて動ける者が居るとは思えなかったのだ。
それはチェルベッロも同様で、まさかと呟いている。
リングの所有数は今の所綱吉側が有利だ。
戦いながらも視界の端で獄寺と雲雀の姿を確認した綱吉は、さらに拳へ力を込めた。一瞬屋上の雌獅子とランボに気をとられ隙が出来てしまう。
獄寺と雲雀の姿を見たのは綱吉だけではなく、ザンザスも同じだった。雌獅子以外使えないカスばかりで腹が立つ。いくら争奪戦の勝敗が関係無いとはいえ、このオレが形だけでも負けるなどプライドが許さない。
「どいつもこいつもカスばかりだ。だがそれでも、施しをくれてやろう!!」
ザンザスの銃から弾丸が放たれる。一つは晴れのフィールド、もう一つは霧のフィールドへ。ザンザスの狙いすまされた弾丸は正確にそれぞれの宝石箱を打ち抜いた。さらに破壊された宝石箱からはじき出されたリングは、ルッスーリアとマーモンの方へと転がったのである。
晴れはまだ視覚でとらえる事が出来るので、狙い撃つ事が出来たのは分かる。しかし霧のフィールドは体育館だ。それでもザンザスは宝石箱を打ち抜いた。
「何を驚いた顔をしてやがるカス。」
「いったい、どうやって…。」
「バァハッハッハ!チェルベッロの奴らは言っていやがった。全員が配置につき、宝石箱はフィールドの中央だと。なら簡単だろ、リング戦の時に奴らのいた方向へフィールドの中央の物体をはじけばいいんだからな。」
ザンザスは簡単だと言ってのけたが、言っているほど単純なものではない。威力を間違えれば体育館はあっという間に倒壊してしまうし、宝石箱からとび出たリングのはじかれ方を予測するなど常人にできるものではないのだ。
ルッスーリアとマーモンはリングによって解毒し、行動を起こす。マーモンはクロームを人質にする事を思いつき、体育館中に罠を仕掛け始める。ルッスーリアは了平に止めを刺すべく近付いた。