家庭教師ヒットマンREBORN!~守護する者~(仮題)   作:寺桜

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明けまして、おめでとうございます!
本年もよろしくお願いします!!

スランプからまだ抜けきってません。
次回がいつになるか分かんない…、ゴメン。






第48話

ジャラ…  ジャラ…

 

「声をだすのなんて、…ン、どれほどぶりだったかな?」

 

鎖の音は何かを戒めながら、雌獅子の声は反対に軽やかに周囲に伝わる。久方ぶりに発した声は彼女の地声で、廊下に響く自身の声を聞きリボーン直伝の変声術で声を全くの他人に変える。

 

雌獅子は早急にザンザスの元へ向かう必要があった。それも契約の内だ。窓から見えた彼の人は、体のほぼ全てを氷に覆われ墳怒の表情を浮かべている。直ぐに駆け付けるつもりだったが、今窓から跳び出して行ってももう間に合わない。それならば、リングを集めてからザンザスの元へ行けばいいと雌獅子は考えた。

 

彼女は迷う事無く歩みを進める。何故ならば先ほどからこちらへと、純粋な殺意を向けている者が居るからだ。まるで野生で生きる獣の様だ。

 

「ようやく獲物にありつけるね。」

 

トンファーを構え、雌獅子をギラリと睨みつける。雲雀はここに来るまでに校内を散策し、毒で倒れている山本を発見。解毒を行った後、団体行動を良しとしない彼は単独で敵を探していた。そうして見つけた獲物が雌獅子だったのだ。先日の借りをこの場で何倍にもして返してやろう。

 

「ねぇ雲雀くんだったよね、リングを渡してくれないかな?」

 

少し困った感じで話しかけられる。

 

「ワオ、君は声を出せたんだ。でもそっちの方がいい…何も言わ無い人形を相手するよりも、悲鳴をあげた方が生物らしいからね!」

 

雲雀のトンファーは常人では眼でも追えぬスピードで、幾度となく雌獅子を襲う。しかし雌獅子は一度も攻撃を受ける事無く、逆に長く垂れ下がる鎖を使いトンファーを受け流し縛り上げ雲雀の手から引き抜いた。

 

トンファーを奪われた雲雀はそれでも戦う事を止めようとはしない。武器など無くとも、戦いはできるのだから。

 

闘志が燃え上がる雲雀に対し、雌獅子はもうこれ以上戦いたくなかった。雲雀は確かに中学生とは思えない身体能力と戦闘センスを有している。

だが、彼の闘志とは裏腹に怪我で傷ついた体がついてきていないのだ。モスカに撃たれた側の足はズボンの上からでも分かるほど血が滲み、他にも数か所庇って動いている様で重心が安定していない。

 

雌獅子が容赦なく攻撃をすれば、命に係わるだろう。

 

戦闘意欲を削ぐためにも攻撃手段であるトンファーを取り上げたのだが…、ますます止める気が無くなってしまったようだ。

 

「本当はもう少し付き合いたかったのだけど、ここで終わらせてもらうねゴメン。」

 

「何を言ってるんだ…い…?」

 

雲雀が最後まで言葉を言い終わる前に、目の前にいたはずの雌獅子の姿が消えた。いや、消えたのではなく、既に間直に迫っていた。

 

雌獅子は奪ったトンファーは遠くへ放り投げ、間合いを一気に詰めて手刀を叩きこんだ。グラリと雲雀が前へと倒れる。目蓋が閉じるその瞬間まで雌獅子を睨みつけていた彼はここで脱落だ。

 

「すごく強いから、本気で避けてたんだよ?」

 

倒れる雲雀を受け止めた雌獅子は、そっと壁によりかからせ立ち去る。

次はグラウンドに行かなければならない。他のリングはどうやら綱吉の仲間が持っているようだ。ベル達がどうなったのかが心配ではあるがそれよりもザンザスの方が大切だ。

 

「すぐ行くよ、ザンザス。 他の誰もが貴方から離れても、最後まで私は傍に居るわ。」

 

 

 

ピシ…  ピシ…

 

彼女の何かが割れそうだ

いったい何が割れるのかな?

それとも壊れるのかな?

けどどちらにしてももう、なおらないよ

 

 

 

 

 

「10代目ー!! ご無事ですかー!?」

 

「沢田ー、極限に大丈夫なのかー!!」

 

ザンザスとの激闘を終えた綱吉の元へ、ぞくぞくと仲間たちが集まって来る。ランボは眠っている様で、山本に背負われていた。みんなあちこちに怪我をしているが、どうやら無事なようで一安心だ。そして彼らの手にはリングが見えた。

 

「オレは大丈夫だよ。 それよりもみんなの解毒と爆弾を解除しないと!!」

 

「安心しろツナ。オレらはみんな解毒はできてる。 後はツナのリングで解除してもらうだけだぜ。」

 

「ただ、アホ牛の奴だけリングを持ってません。オレも直ぐに屋上に行ったんですが、リングは奪われていました。幸いにもこいつは解毒した状態で寝かしてありましたが…。」

 

「そう言えば、雲雀さんはどうしたの?ここには居ないようだけど。」

 

「雲雀ならオレ見たぜ。オレの解毒をしてくれた後に1人でどっか行っちまった。でもあいつなら問題ないだろう。」

 

「雲雀さんが強いのは知ってるけど、爆弾の解除だけしないといけないよ。」

 

綱吉たちはこの時もう勝ったつもりでいた。客席で見守るディーノやコロネロも笑みを浮かべている。まだ全てのリングが揃ったわけではないが、いくら雌獅子が強くとも全員で協力すれば勝てると思っていたのだ。

 

この場である可能性に気付いている黒曜の2人とリボーンを除いて。

 

 

「あーあ、やっぱり他の4つ…大空を含めて5つはそっち側なんだ。みんなヴァリアーなのに情けないなぁ。」

 

陽気に話していた綱吉たちに、聞きなれない声が聞こえた。

 

「ついにお出ましか。 油断すんじゃねーぞ、ツナ。」

 

見ている事しかできないリボーンの顔が強張る。彼女の実力はこの場で誰よりも理解しているつもりだ。何といっても短期間だけだったとはいえ、彼女は教え子だったのだから。

 

「雌獅子さんが喋った!!?」

 

さらにそこへ予想だにしなかった観客が追加される。

 

「う゛ぉおおお゛い!! なんでボスがまた凍ってやがるんだ!?

雌獅子!テメェがついて居ながらどうしてこんな事になってる!?何をしていやがったんだぁあ゛あ゛!!」

 

「騒がしい。よくその重体でそれだけの声がでるな。 …久しぶりだな、ボンゴレ。」

 

「えー!あれってスクアーロとランチアさん!!?」

 

「スクアーロ生きてたのか、良かったぜ。」

 

雌獅子が言葉を発した事に続き、ランチアとスクアーロの登場にも驚きを隠せない綱吉。山本はスクアーロが生きていた事に喜んでいる。綱吉は雌獅子とランチア達を交互に見ながらどうしていいかと混乱している様だ。

 

「ランチア、スクアーロを運んできてくれてありがとう。スクアーロ、大丈夫だよ。すぐにザンザスも起きるから。」

 

「雌獅子、お前が喋っているって事は事態が動くんだなぁああ゛!やるならやるで、さっさとしやがれー!!」

 

「はいはい、待っててね。」

 

悠長に話す雌獅子を見て、違和感を覚える綱吉。

 

「あ、あのさ、雌獅子さん。どうして今まで話さなかったの?それに…たぶんだけど、声を変えてるよね?」

 

「……リングは貰うね。」

 

綱吉の問いには何も答えない。宣言だけを行い綱吉たちに突っ込んでいく。山本はランボを素早く綱吉に預け、獄寺たちは綱吉を背中で庇うように移動し、雌獅子へと攻撃を仕掛けた。

 

無数のダイナマイトが放たれ、追撃を山本が行う。雌獅子は鎖を上空で操り導火線の火を消し、山本の刀の切っ先が彼女を捕えるより早く足で刀の腹を蹴り飛ばす。山本の態勢が崩れた所へ拳をお見舞いし、横から隙を突こうとしていた了平の一撃を鎖で巻きとり封じる。

 

再び獄寺がダイナマイトを投げようと試みるが、ベルとの戦いでできた傷が痛みその場に蹲る。雌獅子は獄寺が戦闘不能だと結論づけて、片手を封じられながらも挑んでくる了平の肩の関節を外した。

 

「ぐぁあっ!!」

 

痛みで意識が削がれた瞬間にもう一方の関節も外す。これで了平は戦えない。関節を仲間の誰かに繋いでもらえば可能かもしれないが、他の仲間たちもそれどころではない。倒れている了平たちからリングを回収する。

 

「そ、そんな…!? みんながあっさり負けちゃうなんて。」

 

雌獅子に回収されたリングの数が6つだという事に気づき、雲雀の敗北を知る。

 

綱吉は仲間がこれ以上傷つけられないように、雌獅子と戦う事を決意する。ランボは眼を覚ましていたが、起きていきなり目の前で繰り広げられる争いに茫然としていた。綱吉はそんなランボを戦わせる気は露ほども無く、優しく離れた所でじっとしているように指示した。

 

綱吉はザンザスとの戦いで傷を負い、疲労も溜まっている。それに比べ雌獅子は服は汚れている様だが怪我などは見受けられず、体力的にも余裕があるようだ。状況は圧倒的に綱吉が悪い。

 

「雌獅子さん、あなたが何のために戦ってるかは分からないけど、オレはみんなを守るために戦うよ!」

 

死ぬ気丸を飲み、ハイパーモードになる。

 

雌獅子と綱吉の戦いが始まった。

 

 

 

 




次回、カミングアウト&終結  (予定)
あと2話で未来変に突入!   (予定)
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