【完結】IS 復讐者の死に方探し   作:ZE

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(作者的に)念願のバトルパート。また視点移動が不規則になります。
 今回は前回に続いて一夏視点。次は一夏視点で「開戦~一夏VS箒前半」⇒栞視点で「シャルVSラウラ」⇒一夏視点で「一夏VS箒後半~VSVT」の三部構成になるはず。
 後二話で二巻終了で、三巻開始となる買い物回(一夏視点)を挟み、その次から臨海学校に入ります。三巻編は……6話ぐらいを予定。

 8/18改稿


18.四色乱舞

「さて、順当に勝たせてもらうわよ? 一夏」

 

「先日は不覚を取りましたが、二度目はありません。中距離()()()の本懐、たっぷりとご堪能下さいませ」

 

 前衛は、歯をむき出しにして獰猛に笑う鈴と甲龍。後衛は、スナイパーライフルのような目をして優雅に笑うセシリアとブルー・ティアーズ。近接格闘特化の俺と、近接寄りの中距離機動戦タイプのシャルが二人並んで前衛に立っている此方の陣営とは対照的だ。

 

「さっさと終わらせよう? 一夏。本命を前にあんまり機体に傷を付けたくないんだ」

 

「お、おう……」

 

 非常に鼻につく高慢そうな笑みを浮かべるシャルに、思わず鼻白む。この相棒は相変わらず戦いになると口が悪い。

 というか、本命も何も、二人とも専用機持ちな分、下手したらこっちの方があいつより強いんじゃなかったか…………?? いや、この二人をペアで倒すよりボーデヴィッヒ(あいつ)をタイマンで倒す方が凄い()()()()()()という意味ではあいつが本命で間違いないんだろうけど

 

[管制室より、カウントダウン開始確認。5、4]

 

 カウントダウンの開始と同時にスラスターを稼働させ、瞬時加速のチャージを始める。

 本来奇襲で使うべき瞬時加速だけど、射撃武装の無い俺にとって開幕直後にどれだけ近付けるかは死活問題。それに何より、ボーデヴィッヒのペアが箒になった為、本来なら温存しておくはずだった裏ワザが使える。軌道上を狙い撃ちされる可能性は低い。

 

[3、2]

 

 ある種対照的に、隣でシャルが準備しているのは司直伝の瞬動術だ。俺の白式と比べてもPIC出力が劣るので準備に時間がかかっているが、元々PIC操作は得意だったようで、練度はかなり高い。

 エネルギーの観測により、鈴が衝撃砲を全機励起状態にしている事、セシリアのスターライトがおそらく最大充填され、腰のビット四基もすぐにでも飛び出せる状態になっている事を確認。セシリアの方はスラスターも空運転し始めているから開始と同時に後ろに下がるつもりらしい。

 一瞬、シャルと顔を見合わせ、頷き合う。そして――

 

[1、0。カウントアウト。試合、開始します]

 

「っ!?」

 

 ――カウントアウトと同時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()瞬時加速で駆け抜ける白式。その速度は白式本来の瞬時加速の倍に届き、不意を打てたこともあって何の妨害も受けず真正面から甲龍へと肉薄。開始と同時に放たれたセシリアの射撃は、白式の機動に追いつけずむなしく地面を撃つ。

 一瞬、鈴の表情が驚愕で強張る。しかし、そこからの反応は流石代表候補生という速さだった。

 

「ぉ、らぁっ!!」

 

 毎回空間圧による砲身を形成しないと射撃できない衝撃砲は、その性質上トリガーから発射までが非常に遅い。今から照準を補正しても間に合わないと、鈴は瞬時に判断して青龍刀を構え俺の雪片を受け止める。

 静止状態から強引に防御を間に合わせた鈴と、高速の突撃による重量を乗せた俺では斬撃の重量差は数倍以上だ。しかし鈴はその衝撃にあえて逆らわないことで体勢が崩れるのを逃れ、励起状態のままだった衝撃砲をシャルへと牽制で放ちつつ後ろに下がる。

 

「やってくれたじゃないッ……。セシリアッ!」

 

「言われるまでもありませんわ!」

 

 解き放たれる四基のビット。と同時、セシリアがビットを制御中に機体を動かせないという弱点を突くタイミングで、シャルが無手からの展開と同時にノーロックで放ったレールガンの弾頭が殺到する。

 

「わたくしを甘く見過ぎですわ」

 

 だが、ひらり、とブルー・ティアーズはシャルの正確な射撃を外した。

 直後、俺とシャルめがけて二発ずつ放たれるビットの射撃。二ヶ月以上の間、連日四方八方から乱れ撃ちされたその攻撃は、ほとんど意識しなくとも回避は容易だ。しかし、今ここにいるのはセシリアだけではない。

 

「こっちも忘れんじゃないわよ!」

 

 回避先に回り込んだ鈴からの高速の二連撃。反応した直後に妙に早すぎる事に気付いたが、文字通り反応が遅すぎる。命中の瞬間に慣性軽減を慣性増大へと裏返すというISの打撃のセオリーを無視した、ただただ速度だけの目くらまし。

 だがその効力は絶大だ。そう、司の一撃必殺の代名詞、燕返しの一撃目がそうであるように。

 予想通り、極小の慣性を最大限生かし、まるで魔法のように一瞬で反転した切っ先が足元と顔面を同時に狙う。

 

(っ!?)

 

 それを慌てて回避しようとした瞬間、背中に奔る悪寒。

 ()()()()()()()()()()放たれようとしているレーザーの気配に一瞬反応が鈍る。そちらを優先して回避しようとする反射をねじ伏せて回避運動を取った時にはもう遅い。直撃とはいかないまでも、素なら雪片に近い威力を持つ大型ブレードの二撃がシールドエネルギーを削る。

 このままペースを握られるのはマズい。そう直感して体を反転、ブレードで殴りつけられた衝撃をそのままに白式のスラスター出力を生かし、ビットからの射撃や衝撃砲による追撃を回避しながら急速に退避する。

 

『ん~、大丈夫? 一夏』

 

 俺の方の行動を見ていたらしい。いつの間にかシャルが隣に並んでいた。プライベートチャンネルから声が届く。

 

『幸先は悪いけど、問題ない。そっちこそどうだ?』

 

『問題ないよ。ちょっとセシリアさんの上げ幅が予想外だったぐらいかな』

 

 会話をしながらも一瞬も視線をセシリアたちから反らさないシャルにつられて、俺もそちらを見る。口は動いていないが、向こうも会話しているような雰囲気だ。

 

『あぁ。まさかビットと機体の同時――――』

 

『じゃないよ。あれは単に、ビット制御から機体制御への切り替え(スイッチング)が恐ろしく速いだけ。回避してる時ビットが少し硬直したからね。普段と違って鈴っていう前衛がいる分、回避にあんまり注意を割かなくていいから逆説的にその集中力で回避能力も上がっている。ホント、中距離()()()の名は伊達じゃないみたいだ』

 

 マジか、と半ば絶句しながら先ほどの光景を思い出す。言われてみればセシリアの回避機動は若干雑だった。シャルの推測が正しいなら、初加速と停止の時それぞれ一瞬だけ機体の制御に思考をスイッチして回避を行っていた、という事だろうか。

 

『――それに、鈴の事、タッグパートナーとして随分信頼してる』

 

 僕たちと別で練習してた時、よっぽど連携訓練を積んだんだろうね。シャルはそう呟いた。

 

『もう一枚ぐらい札を切ろうか?』

 

 札、とは、シャルがボーデヴィッヒに勝つために準備した様々な奇策不意打ちハメ殺しの手段の事だ。さっきの二機連携による瞬動瞬時加速のような。まぁ、結果的に言えばあれは完全に無駄に札を切ったことになるんだけど。

 

『本命の勝率は大丈夫なのか?』

 

『下がらないとは言えないけどね、温存して一回戦負けするよりましだよ。元々優先順位の低い札だったし、構わないんじゃないかな』

 

『そうか、悪いな、シャル』

 

『そういうのは後。今の一夏は僕とタッグ、二人で一人でしょ? ()()()力不足なんじゃなくて、()()()()力不足なんだよ』

 

 セシリアたちから一瞬視線を外し、ニコッ、といつもの明るい笑顔を向けてくれるシャル。俺も、雪片を持つ手に力がこもった。

 

「じゃあ、仕切り直しだな」

 

「勝てる算段はついたのかしら?」

 

 挑発的に笑う鈴に、此方も挑発的な笑みを浮かべて返す。勝算がどうこうだの勝率がどうこうだの考えてはいるが、正直、最初から何となく、負ける気が微塵もしていないのだ。

 PICで空気を斬り裂き、瞬動術による高加速で鈴へと突撃する。二人にとっても見慣れている速度なだけに追撃も正確だ。しかし、瞬時加速と違って推力は通常の加速と同じな瞬動術は、負荷軽減だのなんだのといった事を考えず自由な機動を取る事が可能。真っ向からの射撃なんて当たるはずもない。

 

 一方、俺からワンテンポ遅れて飛び出したシャルは、ある程度スピードが乗ってきた時点で手元に閃光を奔らせる。

 

「それじゃ、あいさつ代わりに一発――」

 

 そして、展開と同時、まだ武装の形状が完全に固定されるよりも早くトリガー。最速でそのミサイルランチャーが超音速ミサイルを吐き出す。火薬による初速、ミサイル自体の推進、そしてPICによる慣性軽減機能を持ったそのミサイルの速度は並の銃弾を凌駕して鈴へと迫る。

 幾ら高初速とはいえただ単射で放たれたミサイルを一瞬訝しげに見ながらも、たぶんミサイルの形状で特性を暗記しているのだろう。特に躊躇う事もなく、セシリアはビットからの射撃でそれを撃ち抜く。()()()()()()()()()

 直後、軽い爆発。ビットのレーザー射撃が着弾する寸前、機体からの信号によって手動起爆されたミサイルが、中に入っている多数の子弾を鈴の甲龍へと向けて吐き出す。

 

「!?」

 

 此方もミサイルの形状から特性を把握していたのだろう。一瞬回避の反応が遅れ、衝撃砲の照準もずれる鈴。

 これは、一定以上の練度のIS操縦者が陥りやすい罠だ。

 ミサイルというのは大抵、大きさや長さ、太さ、全体の形状などでその性質が分かる(らしい)。それは勿論目的とする用途の為に最適化されているからだし、使用時に間違えないよう、見分けやすいように武器製造各社が差をつけているというのもある。

 が、シャルは自社に生産ラインを持つデュノア社の御曹司。ミサイルのガワだけをそのままに、中身を別のミサイルと入れ替えて見た目で判断した相手を騙す、なんてことも可能なのだ。

 

「はっ!」

 

 短く息を吐き、一瞬だけ零落白夜を発動させるよう意識しながら雪片を高速で振り抜く。

 先ほどの攻撃でテンポが狂ったのはコンマ数秒にも及ばない時間だったので、当然の如く鈴に防がれる。だが、防がれて当然というように速いテンポで流れるような連撃を繰り出す。五合、六合、七合と斬り合ったところで、衝撃砲の空間圧縮を確認、一瞬迷って、軽く機体をはねさせて斬撃を避けながら零落白夜で()()()()()()()

 

「味な真似をっ!」

 

 解放された圧力が俺と鈴、双方の動きを乱す。対応が速かったのは元々わかっていた俺、復帰が速かったのは、単純に操縦者として優れる鈴。

 青龍刀の斬撃と同時に逆腕部の衝撃砲が唸る。

 

「喰らえっ!」

 

 再びの射撃を予期して離脱しようとした俺にワンテンポ速く突き刺さったのは、空気の拳。

 

「うぉっ!?」

 

 無茶苦茶な事に、空間圧縮による砲身を籠手代わりに(リーチが伸びているから爪というべきか?)こちらをぶん殴ったらしい。

 だが、所詮空気の拳。本来の拳より威力は低く、気合を入れれば怯むほどではない。

 腰が入っていない斬撃ながらも、雪片に零落白夜を宿して振るわれた直後の青龍刀を叩く。ピキ、と音を立てて僅かにひびが入る青龍刀に、鈴の表情が本気で強張り、俺はニヤリと笑った。

 前にも説明した通り、零落白夜のエネルギー無効化特性はPICにも及ぶ。それはつまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、という事だ。零落白夜の攻撃力や燃費の悪さを考えれば勿体無いことこの上ない使い方だが、脅しには使える。尤もそれは雪片自体も同じだが、それを予期してか雪片は元々恐ろしいほど頑丈だ。その材質は装甲より硬い。

 一瞬硬直した鈴の隙を油断なくついて、雪片を振り抜く。

 それを妨害するように背中に悪寒が走るが、精神力でねじ伏せる。直後着弾するレーザーも気合で耐えて体勢は崩させない。

 

「っ!」

 

 一瞬表情に脅えを走らせ、防御ではなく回避を選んだ鈴。ほぼ同時、弱気を見せた自分に腹が立ったのか鈴は険しい表情で立ち止まった。

 その姿に俺はニヤリと笑って大上段に雪片を構え、

 

 

王手(チェック)

 

 

 唐突に響いたシャルの声と同時に、鈴が爆発した。

 いや、違う、爆発したのは鈴の足元。より正確に言えばそこに埋まっていた爆弾で――

 

「まさか、先ほどの!?」

 

 セシリアが驚愕に声を上げ、数瞬ビットの動きが止まる。

 

 ――全てを詳細に語るなら、シャルが放ったあのミサイル。そこから放たれた散弾、()()()()()()()()()()()

 つまり、あのミサイルはただの高速高誘導ミサイルと見せかけた指向性散弾(クレイモア)ミサイル、に擬態したクラスターミサイル一種のだった、という事だ。

 

(そして、俺の役割は鈴を埋没地点に誘導して足を止めさせる事と――――)

 

 大上段に雪片を振りかぶったまま、用意していた瞬動術で鈴へと肉薄する。足元が爆発するというのは演出的には派手、それこそ即死したと思うぐらい派手だが、実はそんなにダメージは大きくないのだ。

 だから、その衝撃でひるんだすきに零落白夜で止めを――

 

 

音声認証(コード)・逆鱗!」

 

 

 刺そうとした瞬間、正面からの()()()()()()()()によって間合いを一歩外してしまう。

 

「“SACRED-DUSTER”!!」

 

 そして直後、響き渡るセシリアの声。

 反射的に意識を向けた先に映ったのは、バズーカみたいに巨大な銃を、パイルバンカーのように持ってシャルの腹に叩き込んでいるセシリアの姿。

 

 

[ラファール・リヴァイブ・カスタムⅡ シールドエネルギー:エンプティ。シャルル・デュノア脱落です]

 

 

「いくら予想外の事態があったとはいえ、敵を目の前にして別の方向へ注意を向けるなど、油断が過ぎますわよシャルルさん。わたくしが近接戦闘が苦手だからと侮るからこうなるのです」

 

 セシリアは軽く軽蔑した目でシャルを見下ろしながら使い終えた銃を投げ捨て、本当に使い捨てだったらしいその銃は、轟音を立てて爆散した。

 その結果、その言葉を受け、シャルは自嘲気味な笑みを浮かべながら体を起こす。

 

「そうだね。反省するよ。だけど――」

 

 そして、うつむいたまま軽く頭を掻き、

 

「――君は道連れだ」

 

 酷薄な笑みを浮かべたその顔を上げた瞬間、セシリアが爆発した。

 

 

[ブルー・ティアーズ シールドエネルギー:エンプティ。セシリア・オルコット脱落です]

 

 

「やっぱり出し惜しみが過ぎたね。遠隔武装展開による無手投擲まで使わされるとは思わなかったよ」

 

 やれやれ、と肩をすくめるシャル。セシリアに零距離砲撃を打ち込まれる寸前に辛うじて反応して、たぶんスラスターかミサイルビット辺りの所に爆弾を放り込んだんだろう。そうして本当に道連れにしてしまったその一瞬の判断が恐ろしすぎる。“タイマンの場合はどうなるのか、ちょっとルールブックを読んでみようか”と現実逃避気味に思った。攻撃したのは撃墜する前だから引き分け? なんであれ先に落ちたのだから負け?

 

「あんたの相方、一体何考えてんのよ…………」

 

 鈴も、俺と至近距離で向き合っているというのに戦う事も忘れて呆れ気味だ。両腕両肩の衝撃砲がさっきの無茶のせいか煙を吐いているけど、それが回復するまでの時間稼ぎという事ではたぶんない。……シャルじゃあるまいし。

 

「俺も時々わからなくなる。が、」

 

「でしょうねぇ……。で、」

 

 二人一緒に肩を竦め、ギロリ、と獰猛な笑みで互いを睨み付ける。

 

「折角相方が作ってくれた勝機、無駄にするわけにはいかねぇよなぁ!!」

 

「はっ、シールドエネルギー負けしてくるくせに“勝機”!? ナマ言ってんじゃないわよ!」

 

 俺が雪片を真一文字に振り抜くと、鈴はその切っ先を紙一重の一歩外側、零落白夜によるPICの無効化(と、それによって発生したノイズ)が届かない距離まで下がり、一瞬後に地面を蹴ってひびの入っている方の青龍刀で切り付けてくる。

 零落白夜を使わなかったので十全にPICを運用できる斬撃の切っ先を反転させ、それを迎撃。

 撃ち込まれるより早く青龍刀を引いた鈴は、いつの間にかバトンのように二本の青龍刀の柄を連結させ、体ごと回転しながら高速の連撃を叩き込んでくる。

 

 衝撃砲との連携を考えていたら使えない戦術。こんな事態を予想してか、剣筋は拙いながらそんな技術まで磨いている鈴に素直に尊敬を覚える。

 まさに舞の如く不規則に繰り出される高速の連撃。合間合間にこちらも反撃を打ち込もうとするが、その戦いの舞踊は当たり前のように俺の斬撃を回避しながら微塵も攻撃の手を緩めない。それは、武術における“型”という考え方の一種の到達点だ。勿論、スラスターやPICによる力ずくの加速で連携を成り立たせているだけであり、本当に到達点に至っているわけがないのだが。

 

「確かにお前は強い」

 

 反撃のテンポを変える。一拍遅れて、鈴もそれに対応して連撃を最適化する。何も言い返してこないのは、この連撃に精神を集中している、もとい、余計な事を考えながらできる連携攻撃ではないという事なんだろう。

 

「でもな、鈴」

 

 ――精神を集中して、PICによる慣性増大を一点に集中。

 

 

「――――純粋な斬り合いなら、俺はもっと強い!!」

 

 

 まるで格ゲーのスーパーアーマーみたいに、ほとんど怯むことなく慣性増大の一点で鈴の攻撃を受け止め(どっちかというとガードポイントか?)、大上段から振り下ろした零落白夜で、僅かに引きつった表情をした鈴を、必殺した。

 

 

甲龍(シェンロン) シールドエネルギー:エンプティ。凰鈴音脱落です。セシリア・オルコット&凰鈴音チーム両者脱落により、勝者、織斑一夏&シャルル・デュノアチーム]




・瞬動瞬時加速
 説明通りの代物。瞬動術も瞬時加速も高度なPIC制御を必要とするし、特に瞬時加速は出力や練度で速度が大きく変わる。結果、一人でやるならばこんなことをするよりどっちか一本に絞った方がまず有効という代物。
 だが……

・トラップミサイル
 シャルが使ったアレ。勿論オーダーメイドで、たぶん普通のミサイルの数十倍以上の値段。

・逆鱗
 衝撃砲をオーバーロードさせ、空間圧を全方位に放射する緊急コマンド。使用すると一定時間衝撃砲が使用できなくなるにもかかわらず、実際の攻撃力は密着でもしていないとダメージゼロという悲惨な物。名前の割に弱すぎる。

・セイクリッド・ダスター
 セシリアの「BTは(コア特性自体が)格闘武器と相性が悪いし、自分にも剣を扱う才能はない。近接戦用のBT兵器を用意してほしい」という要望に応えて送られてきた、無集束レーザーカノン。無集束なので当然射程は無きに等しく“レーザーパイルバンカー”と言った方が正しいような代物。
 有効射程はおおよそ槍ぐらいなのでパイルバンカーに比べればまだましだが、セシリアが今回使ったようにオーバーロードさせてすら一撃必殺の威力を出せる距離はブレード射程より短い。
 セシリア的にも、こんな優雅さの微塵もない装備が役に立ってしまった事は微妙に不本意だったりする。
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