結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM   作:朔月新

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白鳥歌野の章ー6「あなたを救う」

 

「こちらデューク・フリード。そちらのダブルスペイザーのパイロット。確認するが、この謎の生物みたいなのは倒すべき敵であっているのか?」

 

 デューク・フリードと名乗る者がダブルスペイザーの通信にアクセスしてきた。ダブルスペイザーの存在を知っている事および現在の状況より、東郷美森は通話の相手をとりあえず味方と判断した。

 

「こちらダブルスペイザーの現搭乗者、東郷美森です。その質問の前に、あなたがこの土地で噂されている守護神であっていますか?」

「何の守護神なのかは知らないが、地球を守るためにかつて戦ったことは事実だ」

 

 話の最中。サジタリウスは邪魔された事でターゲットをグレンダイザーに変えて大量の針を打ってきたが、あの巨大な針ですらダメージを与えられないグレンダイザーにさしたる影響は与えられなかった。

 

「今相手しているのは私達がバーテックスと呼ぶ人類の敵で、その中でも完成型と呼ばれる最上位種の1体です」

「ならば、出し惜しみする余裕はないな。スペースサンダー!」

 

 グレンダイザーの方も必殺技で応戦する。しかし、サジタリウス・バーテックスは運動エネルギーの必然としての後退はしつつも、まともなダメージが入ったようには見受けられなかった。そして、グレンダイザーの方に有効打がないと判断したのか園子達の方に短針の雨を飛ばして牽制する方向にシフトした。

 

「デュークさん! 私達がバーテックスには通常兵器による攻撃は通用しません!」

「では、どのように動いてほしい!」

「あなたが噂の守護神ならば対バーテックス用に改造されたこの機体と合体すれば攻撃が通るようになるはずだと、託された方が言ってました」

「合体する時間がないなら、私達が近づけるように頼むんよ」

「いや、合体の時間稼ぎは大丈夫だ」

 

 園子の提案をデュークは取り下げると、胸をサジタリウス・バーテックスに向けたかと思うと

 

「反重力ストーム!」

 

 胸から発射された虹色の光線が、大量の針とサジタリウス・バーテックスを宙に浮かした。

 

「うっひょーっ。凄いよ凄いよ! あんな巨大なバーテックスが」

「先程の一撃でダメージはなくとも物理現象自体は完全に無視できないというのはわかった」

 

 あくまでダメージを受けない傷つかないだけで、運動エネルギー自体を全て無視できるわけではない。そうでなければスペースサンダーの一撃で後退すらしないはずだ。

 

「今だ。東郷美森くん」

「はい」

 

 そう言われて、ダブルスペイザーを再浮上させる。

 

「スクランブルターン、コンビネーションクロス!」

 

 グレンダイザーとダブルスペイザーの合体時、東郷美森は頭に強烈な痛みを覚えた。勇者の力をグレンダイザーの方にも浸透させるためのシステムで、想定外の影響を及ぼした。

 

「大丈夫かい?」

「はい。大丈夫です」

 

 頭の痛みは驚くほどすぐに収まった。収まってすぐに、東郷は痛みの理由を理解した。

 

(まったく。神樹様も無茶苦茶なことするんだから)

 

 その衝撃は5年間過ごしたあの世界を思い出したことによる痛みだった。そして、東郷美森は何故この世界に自分達がいるかの予測が何となくではあるが出来るようになっていた。

 

「それはそれとして」

 

 ダブルスペイザーを操作して反重力ストームが途切れて落下中のサジタリウス・バーテックスに近づいていく。 

 

「ハンドビーム」

「二刀飛刃(ダブルカッター)!」

 

 グレンダイザーとダブルスペイザーの同時攻撃でサジタリウス・バーテックスに今度はちゃんとダメージが入る。

 

「これでどうだ。ダブルハーケン!」

 

 両肩の型当てが合体した長柄の両頭鎌でサジタリウス・バーテックスに一撃を入れる。縦に一刀両断されるが、まだ生きていて攻撃を仕掛けようとする。しかし、

 

「ここから先はドント パッシングよ!」

「これで、とどめー!」

 

 歌野の鞭で巻き取られ、園子がサジタリウス・バーテックスにとどめの一撃を入れた。

 

「もうこれでオールオブナッシングね」

「そうだねぇ。あ……」

 

 戦いが終わって緊張が解けたとか、それとも無理して限界が来たのか。園子は変身が解除されながら倒れるように気絶をしていった。

 

「園子さん」

 

 白鳥歌野は地面に倒れないようにキャッチする。

 

「そのっち!」

 

 慌てて降りようとする東郷に、何処からともなく馴染みのある声が聞こえた気がした。

 

(大丈夫だよ須美)

 

「……銀?」

 

 幻聴かもしれない。だけど、気持ちは何故かすごく落ち着いていた。その後、白鳥さんにスマホで確認を取る。

 

「白鳥さん。そのっちは、そのっちの様子はどうですか?」

「大丈夫っぽい。ちゃんとエアー音も聞こえるし、疲れ過ぎちゃったみたいね」

「よかった。本当によかったぁ」

 

 そして、全員の無事を祝福するかのように太陽が昇り、諏訪の大地を照らし出すのであった。

 




サブタイトルは蕎麦の花言葉その2(後半)

うたのん生存ルート完了
話のメインはグレンダイザーの対バーテックス性能になっていますが
そして東郷美森のゆゆゆい世界の記憶復活。これがのちに与える影響はいかに
白鳥歌野の章自体はあと1話で、その後は一旦、乃木若葉の章に戻る予定です
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