結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM 作:朔月新
訓練所で芽吹達と別れた次の日、
「皆の者。すまなかった」
突然、乃木若葉が神世紀組の部屋に来たかと思うと正座からの謝罪が入った。
「若葉さん。どうしたんですか急に」
当然ながら、急な訪問なので全員いるわけではなく、赤嶺美姫と安芸先生は巫女達の会議に、園子は千景と特訓の続きをしていた。今いるのはそれ以外という訳だ。
「初めてあった時には兜博士からの注目を浴びている事への対抗心もあった。それ以降も私の中に歌野を喪った事による焦りとか、色んなモノが溜まっていっていたんだと思う」
「それは……」
若葉はあの後、自分なりに自己分析をして、今までの彼女達への行いがはずめ着物だと感じたのであった。
「昨日あの後、杏に私が護って来たものを見せられた。私は過去に囚われて現在を見ていなかった。私が背負うべきは過去ではなく今だと……」
「駄目よそれじゃ」
「そうだな」
その言葉に対して風と芽吹は否定する。
「そうやって過去を否定するなら、今度は過去から逃げる事になる。それはそれでまた辛い時が絶対来るわ」
「そうだ。私も、今まで経験した事すべてを受け入れて楠芽吹としての現在がある」
そう言いながら、風と芽吹は互いの顔を見合わせる。
「何て言うか、芽吹とまともに話した事少ないのにそんな気がしないわねぇ」
「勇者部のリーダーだったのよね? なら、考える事が近くなるのは当然ともいえるわ」
「リーダーじゃなくて元部長。今は樹に部長の座は譲っているわ」
「だけど、時間が足りない! 思いだけじゃ、きっとダメなんだ。頼む! 力を貸してくれ!」
そういって、乃木若葉は土下座してきた。
「若葉さん。どちらにしても1人で背負っては絶対ダメです」
それに対して樹が援護射撃してくる。
「園子さんも東郷さんも私達の方の友奈さんも、それで酷いことになりました。あなた達が背負っているものは、決して1人では背負えません」
「ならどうしたらいい」
「いったん、部屋の外に出てみるといいと思いますよ」
そう言って、部屋の外に出ると、四国の勇者4名と園子がドアの近くで聞き耳を立ててた。
「や、やぁ若葉。奇遇だな」
「タマっち先輩。そんなに冷や汗出してたら効果ないですよ」
平静を装うとしたタマに杏がとどめの一撃をくらわす。
「園子さんも一緒に聞き耳立てていたのは予想外でしたね。それは安芸先生に後で言わないと」
「あーんやめて―」
若葉に対して真面目な態度をとっていたのは表向きの顔らしく、普段の園子からは見る影もないのを見て若葉は毒気を抜かれた。
「どうしてここに?」
「どうしてって、私達は5人で1組の勇者なんでしょ?」
「それを最初に言ったのタマだけどな」
「あら、そうだったかしら?」
相変わらず、千景と球子は喧嘩っぽくなる。でも、最近の2人はそれを楽しんでいるように見られるのは気のせいだろうか?
「いいチームね」
「……そうだな。今の私なんかにはもったいない」
「もったいなくないわよ。みんながあなたをリーダーに選んだんでしょ?」
「そうだな」
若葉は今までとは違う本当にいい笑顔をしていた。
「今のわかちゃんになら渡してもいいかな?」
その顔を見た園子は1枚の紙を取り出した。
「それは?」
「白鳥歌野から乃木若葉宛の伝言みたいなもの。最初来た時には、渡しても逆効果だなと思って様子見していたけど、今のわかちゃんになら」
そう言って、乃木若葉はその手紙を受け取って読むのであった。
「そうか……」
そこには歌野のやりたかった事が、願いが書かれていた。
「歌野に比べるとまだまだ弱いな。私は」
「うたのんが凄いだけで、私達まだ中学生だもん。当たり前だよ」
それを聞いていた他の西暦組も思うことはあったようだ。
「当たり前か。そうだよな、タマ達は中学生だったんだよな」
「基本的に自由時間以外は訓練が生活の基盤になってましたもんね」
それは普通の中学生とはかけ離れた生活故に、当たり前がおろそかになっていたのだ。
「なら、今日はこのメンバー全員で思いっきり遊ぶぞぉ!」
風の発言でこのメンバー全員で遊びに行くことになったのだった。
サブタイトルは乃木園子の誕生花の花言葉
西暦組と神世紀組の関係修復完了の話
原作での立ち直りイベント以前と以後の若葉の精神って
内面的にも表面的にも差があると思ったんですよね
それを何とかやろうと思ってましたが、上手く描けれいればいいと思います