結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM   作:朔月新

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乃木若葉の章ー15「反抗」

 

(やはり予定より早まりましたか)

 

 1月下旬。西暦勇者達は丸亀城に集まっていた。神託によりここを中心とした戦いが始まろうとしていた。

 

「そんな顔をするなひなた」

「若葉ちゃん」

「私達は勝つ。そうだろう」

 

 そう言いながら、若葉は仲間たちの方に振り向く。他の4人もその表情には微塵の陰りも見受けられなかった。

 

「タマがいるんだから百人力だ」

「そう言って一番倒されたら笑ってあげるから」

「もうぐんちゃん。私達は行けるんだから」

「そうですね。私達は」

 

 杏の振りに対して、若葉は無言で頷いて言葉を続ける。

 

「ああ。私達は5人で1組の勇者なのだからな」

 

 そう言った後、5人は所定の配置についてバーテックスを迎え撃つ準備をするのであった。

 

 

 

 

「状況はどうですか?」

「弥勒さん。お手数おかけしてすみません」

 

 ひなたの所に 現れたのは弥勒弓海子であった。

 

「いえ、前回に引き続き、今回もとなると私達も動向を見守るのは必然化と思いましてですわ」

「未来が変わっている。そう考えると喜ばしい事なのかもしれませんが」

 

 未来が酔えなくなると言う事は対処できない事態も起こりうるという事。今回、弥勒がこの場にいるのはいざという時に防人の力を使用して追加戦力として援護する事も想定されている。

 

「何事もなければ優雅にティータイム出来るので役得ですから大丈夫です」

「そういったところは大物ですよね」

「ほめてくださり光栄ですわ」

 

 誉めてないんだけどなぁって顔をしているが弥勒には伝わらない。だが、弥勒自身も未来が変わってきているのはわかっている。だからひなたの提案にのったのだ。

 

 

 

 

 

 

 いざ戦いが始まると、その戦いは神世紀の方と変わらない連携をこなしてバーテックスを次々に撃破していく。

 

(今のところ問題はないようですわね)

 

 ひなたの方は樹海の中では時間停止しているが弥勒の方は問題なく動けていた。以前から樹海化中にも動けてはいたので問題はないのだが

 

(そして来ましたわね。ヴァルゴ・バーテックス)

 

 丸亀城の戦いの戦いで一番巨大だったとされるバーテックス。弥勒達の世界の方ではこの戦いで出た個体は不完全体だったはずだが、目の前の個体は明らかに完全体の姿をしていた。

 

(ちょっとあのバーテックスには嫌な記憶がありますわねぇ)

 

 あのバーテックスの爆弾をまともに受けて数日寝込んだ事がある事が弥勒の苦い思い出としてよみがえる。

 

(ですが若葉さんが義経を切りました。私達の世界と同じならば、このまま撃破まで行けるはず)

 

 そう思ってヴァルゴにとどめを刺そうという所に、対してどこからか攻撃が飛んできました。それを見た弥勒はすぐさま援軍に向かう事にするのであった。

 

 

 

 

 

「なっ。もう1体いただと……」

 

 そうして現れたのは巨大な数珠つなぎの尻尾を持つバーテックス。スコーピオン・バーテックスだった。その針のような鋭い攻撃は間一髪で避ける事が出来た。もし掠りでもしていたら、その針に含まれている毒で取り返しのつかない事になっていただろう。

 

「どうすればいい若葉」

「2体の巨大バーテックスに連携させるような事態が一番いけない。戦力を2つに分けてあの2体を引き離しての各個撃破を狙うぞ」

「わかったわ」

 

 そうして若葉と友奈がヴァルゴ側に、球子と杏がスコーピオン側に、七人御先で人数を増やせる千景は両方のサポートして動き出した。

 

 

 

 

「はあぁ。勇者ぁパンチ!」

 

 分散してしばらくして、友奈はヴァルゴに対して必殺技を放つ。直撃をして後退自体はするが、撃破まではいかず、ヴァルゴは爆弾による反撃に出る。

 

「高嶋さん」

 

 最も、あのサイズ相手に一撃で撃破できる可能性は低い事は想定しており、千景は分身で爆弾に対する盾と友奈の救出を同時にやる。

 

「流石に硬いね」

「でも、こちらは問題ないわね。伊代島さん達の方はどうかしら」

 

 こちらに対する勝ち筋のめどがついたので

 

「一応、無事です。ただ」

「ただ?」

「あのバーテックスの針には毒があったようで、掠めた左腕が上手く動きません」

「私の分身にすぐに向かわせるわ」

 

 その報告を受けた千景は分身を向かわせようとするが、それを邪魔するように星屑が千景達を取り囲む。

 

「これだと、若葉ちゃんが孤立しちゃう」

(今の会話の内容に反応して、バーテックスが行動を変えた?)

 

 友奈の心配とは別に千景はバーテックスに関しての知性部分に引っかかりを覚えるのであった。

 

 

 

 

「大丈夫か、杏」

「タマっち先輩……」

 

 一方、スコーピオンと球子達の戦いだが、神世紀の歴史よりも早くに遭遇したのに対して、神世紀のときより善戦できている。これに関しては兜甲児との模擬戦及び、彼が残した特訓メニュー。神世紀組という本来いなかった競争相手の追加など、多くの要素が積み重なった結果と言える。

 しかし、それでもなお、今の2人。いや、ここにいるメンバーでは、今のままでは倒すことは不可能な戦闘力を有しているのがスコーピオン・バーテックスの恐ろしさと言えよう。今より基礎スペックが上がった神世紀時代の勇者でも、精霊バリアがなければ直撃をうけてそのまま毒の影響込みで敗北してた可能性があるレベルなのだから。

 

「杏! タマ達の最大火力をぶつけるぞ!」

「わかりました!」

 

 そう言って同じ歴史を歩んでいく。これが決め手にならないのは球子達は知らない。故にスコーピオンの追撃をまともに喰らう。

 

「杏!」

 

 不意の一撃をくらい気絶した杏へとスコーピオンは追撃をしようとするのに対し、球子は自分の武器を盾替わりにして受け止める。ビシィというひび割れ音が聞こえて、何度も受け止められないのをいやというほど感じた。

 

(杏はタマが護るからな)

 

 そう思っている球子めがけてのスコーピオンの追撃。しかし、球子の目の前に何者かが飛び出して、その攻撃を上から殴って叩き落とした。

 

「大丈夫ですか。球子さん。杏さん」

「何でここに……」

「その説明は後でします」

 

 彼女はスコーピオンバーテックスの方から視線を外さずに高らかに宣言した。

 

「この弥勒弓海子。ここからあなた達の戦線に加えさせてもらいます」

 




サブタイトルは弥勒弓海子の誕生花の1つシャガの花言葉です
スコーピオン・バーテックスついに参戦。乃木若葉の章としては山場の1つですね
弥勒弓海子が援軍として最後に参戦しましたが、果たしてどうなる事やら
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