結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM   作:朔月新

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乃木若葉の章ー17「あなたを信じます」

 

「みんな。無事だったか」

 

 樹海化が解除され、7人は樹海化前にひなたのいた場所に転送されていた。

 

「若葉さん。大丈夫でしてよ」

「弥勒。助けてくれてありがとうな。でも、何であそこにいたんだ?」

「それは私が応援を頼んだからですね」

 

 いまだ意識が戻らない杏を抱えたままの球子がお礼を言いつつ疑問を言うと、

 

「ひなた」

 

 つまり、ひなたはあの巨大バーテックスの存在を何らかの形で掴んでいたと言う事になる。

 

「この件に関しては私が勝手に開示できる話ではありませんので後日と言う事で」

「そういう事でしたら、私もその時が来るまで言わないでおきますわ」

 

 弥勒がそう言った事で防人達が関係している話なのは分かった。

 

「ふぅ」

 

 とりあえず、呼吸を整えてから、見知らぬ救援者の方に若葉は向いた。

 

「あなたの手助けがなければ私も弥勒さんも危なかった。感謝する」

「私もデュークさんの進言があったからこそベストフレンドのピンチに間に合ったわ。御礼なら彼にも言ってほしい」

「デュークというのはあのロボットのパイロットか?」

「そうね。オールライトよ」

 

 何気ないようだが、それはまるで若葉の事を知っているかのように自然な反応を彼女はしていた。

 

「あの、助けてもらって失礼だけど、名前を聞いてもいいかしら?」

 

 千景が会話の中で違和感を感じたかのように名前を聞いた。

 

「そうね。いつまでもノーネームなのは失礼よね」

 

 そう言って、謎の少女は軽く咳払いすると堂々と宣言した。

 

「私の名前は白鳥歌野。ご存じ諏訪の勇者よ」

 

 その名乗りに対して乃木若葉はというと、

 

「歌野」

 

 白鳥歌野の肩をがっしり掴んだかと思うと

 

「あ、あのね。若葉さん。私が生きてたのを隠してたのは私だけで決めた事じゃなくて」

 

 そう言い終わる前にがっしりを引き寄せ

 

「よかった。歌野が生きてて、本当によかった」

 

 若葉は静かに涙を流しながら、つぶやくように、だけどこの場にいるみんなに聞こえる大きさでそういった。

 

 

 

 

 

「で、何か申し開きはあるか? 園子」

「全く持ってございません。若葉の旦那ぁ」

 

 数日後、神世紀組全員、若葉、千景、高嶋友奈、白鳥歌野、上里ひなた、安芸真鈴、花本美佳、烏丸久美子、デュークフリード。以上のメンバーで防音が万全の1部屋を貸し切っての会議が行われていた。球子と杏がいないのは、先のバーテックスによる毒による杏の入院。およびそれに球子が付き添う流れになったからだ。

 

「なに時代劇みたいなことやってんだか」

「お姉ちゃん。思っても行っちゃだめだと思うなぁ」

 

「園子。お前は歌野が生きていた事を知っていたんだよな?」

「うたのんの生存を隠したのはわっしーの案だねぇ」

「ええ。その案に私も乗っかって今まで身を隠していたわ」

 

 今この場にいないズッ友の名前を園子はあげ、歌野も肯定する。

 

「その目的は?」

「私の生存を確実にするため。そして、それで歴史を変える為」

「歴史を変える?」

 

 若葉がそういうのに対して歌野は園子に目を合わせると園子は頷いて肯定する。

 

「未来と言うか、園子ちゃんの方の西暦の話なんだけど、そっちでは若葉さん以外の西暦の勇者は全滅する」

 

 衝撃の事実が白鳥歌野の口から語られる。

 

「……」

「私もその話は耳にしていました。今まで話さなかったことをお許しください」

 

 そう言われて若葉達はひなたが時折、彼女達に会っていた事を思い出す。

 

「ひなたも話さない方がいいと判断したんだな」

「はい。時がきて、乗り越えるまでは」

「逆に言うとあのバーテックスが話してもいい時と言えるタイミングだったのね」

「本当なら、いや、私達の方だとあの巨大な針を持ったバーテックスは4月頃に襲来した。そっちではもう1体の巨大バーテックスはいなかった。正確には今回と同じく丸亀城防衛戦の時に襲来した」

「私は前回の時点で彼女からの情報よりバーテックスの襲来が早まっているのを警戒して、協力を仰いで弥勒さんを待機してもらったのですが、悪い方向で当たるのは心臓に悪いですね」

「だが、それで助かった。ありがとう、ひなた。弥勒」

「いえいえ。勇者を支えるのが巫女の役目ですから」

 

 いつもの2人のやり取り。それがとてつもなく今はいとおしく感じるのであった。

 

「なら、私も巫女の役割をするかね」

 

 話が一区切りしたところで烏丸久美子が前に出た。

 

「高嶋友奈は奈良大社に一度帰還させる」

「それは、私がパーティインしたから?」

「それもあるし、ちょっと情報が多すぎる。まぁ、友奈にとっては長期休暇みたいなものだ」

 

 歌野の疑問に対して烏丸久美子はやる気のなさそうな顔で態度でそういった。

 

「確かに今の四国はパワーオーバーしているし、それがベストアンサーかもしれないわね」

 

 そう。この時はこの選択が正しいと思っていたのであったのだった。

 




サブタイトルは高嶋友奈の誕生花の花言葉
合流後のインターミッション回。謎の女性(読者にはバレバレ)のバレからのっていうのをやりたかった
そして高嶋友奈は奈良に一時帰郷することに。友奈が奈良に帰還するのは本作中でも3回目だったりする
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