結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM   作:朔月新

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乃木若葉の章ー20「控えめな優しさ」

「郡千景よ。よくぞ来た」

 

 ここはとある場所のとある一室。ここに郡千景は呼び出された。そこには巨大モニターが存在しており、ドクターヘルがモニター越しに話しかけてきた。

 

「我が仲間になった事を快く思うぞ」

「私はあなた達の仲間になったつもりはないわ。バーテックスを倒すにはあなたに協力した方がいいと判断しただけよ」

「今はそれでもいい」

 

 千景の言葉に意を返さずドクターヘルはそう言った。

 

「それよりも、お主は真実を知りたくないか?」

「真実って?」

「別の世界からお主たちを協力している者どもが、何故力を貸すのかじゃ」

「それは……」

 

 それについて千景は考えた事がないと言ったら嘘になる。その心の隙間をドクターヘルはついていく。

 

「今ある機械獣共は1から作り出したものではない。ゴラーゴンの力によってこの世界に顕現。コピーしてきたものと捉えていい」

「ゴラーゴン……」

「最も、この世界に持ってこれるのは今はまだ関係性が深いモノだけじゃがの。その力で別の世界のお主の人生を見る事が出来るぞ」

「別の世界の私の……」

「別の世界の自分がどうなったをしれば、その未来に進むことも回避する事も容易じゃろう」

 

 揺れ動く千景をドクターヘルは更に言葉で誘導していく。

 

「そうね……。もし見れるとするならば、見てもいいかもしれないわね」

 

 そう言って千景はゴラーゴンの光につつまれるのだった。

 

 

 

 そして数日後、あしゅら男爵はとあることを聞くためにドクターヘルと通信をとった。

 

「ドクターヘル様。何をされたのですか?」

「あの小娘の事か。ワシは何もしとらんよ」

「ですが、あれ以降、こちらに協力的になっております」

 

 それが逆に恐ろしいとあしゅら男爵は表情で語っていた。

 

「いい事ではないか。何、別世界からの応援がわざわざ来るくらいだ。それに彼女はこの世界でも愚かな行為にあっていたようだからな」

「ああ、力なきものが力あるものを無意味に排斥する行為ですね。我々みたいに害する行為をしたのならともかく、味方にそれをする利がいまだに理解しかねます」

「それに、別の世界の自分がしでかしたことなぞ、本来は関係のない事のはず。それを重く受け止める奴もいる。あ奴もそのうちの1人なだけだったというだけだ」

「全く理解できませんな。こちらとしては手駒が1つ増えたのでいいですが」

「そうだな。せっかくだし、彼女に向かわせるとするか」

「なかなか我が主君も彼女に辛いことをさせますな」

「彼女が我々の信頼を得るための試練と思えばいい。それに、いくら強くても我はあれらを真面目に使う気にはなれん」

 

 そう言って彼女の行く末を見守るのであった。

 

 

 

 千景はとある場所から高知の自分の故郷を見つめていた。

 

「私は愚かだったわ」

 

 見てしまった。別の世界の私が壊れていく様を。決して許されないであろうことをした事を。そして、それでも私を見てくれてた3人を、いや、その世界では既に亡くなってた2人も含めた5人を裏切ってしまった後悔を。

 

「それでも、これでこの世界を救えるのならば」

 

 バーテックスからこの世界を救う。その為に今からやろうとしている事の矛盾に彼女は気づいていなった。

 

「まずは私の故郷の人達で試してみたいとね。いいよねバーテックスの脅威から逃げたかったみたいだし」

 

 そう言いながら彼女は勇者の姿に変身する。そして誰もいない空間で1人呟いた。

 

「さぁ来なさい乃木さん。私達の運命を超える為にも」

 

 それは彼女が運命を乗り越えるための、そしてバーテックスに勝つための彼女自身の悲しき策なのは、彼女の後ろにそびえる存在しか知らないのかもしれない。

 




花言葉は郡千景の誕生花の花言葉
この世界の千景さん。別の世界の千景さんのやった事を見て病む
ゴラーゴンが便利能力だったりするが、平行世界の観測自体は原作でもやっていたりするのである
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