結城友奈は勇者である 花結いのINFINITISM   作:朔月新

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乃木若葉の章ー28「大きな志」

 

「さて、赤嶺さんが後を引き継いでくれるだろうし」

 

 皆が神樹様の中に意識を映した後、三ノ輪銀は伊代島杏から分離して現れた。

 

「さてと、これで大丈夫だろうし」

「そういって園子さm、乃木さん達から逃げるつもりですか?」

 

 みんな神樹様の下に行ったと思っていたから、急に声をかけられて三ノ輪銀はおどろいた。声のする方に振り向くとそこにいたのは、

 

「安芸先生……」

「あなたが監視役をしていた事に関しては東郷さんから話を聞いていました」

「須美の仕業かぁ」

 

 須美……東郷美森なら連絡取れ次第そうするだろう。

 

「顔を出せなかった理由はわかっています。ですが、今は彼女達に会う方がいいのでは?」

「確かにそうかもしれないんだけどさ。実際、そのつもりで杏さんに協力してもらったのについた時には終わっててタイミングを逃したと言うか、今更顔合わすのが恥ずかしいと言うか」

「難しく考えすぎですよ。三ノ輪さん」

 

 安芸先生は三ノ輪銀に優しく諭すように言った。

 

「あなたはあの2人に『またね』って言って別れたんですよ。ならば、再会する時に言うべき事は1つだけです」

「違うよ先生」

 

 それに対して銀はやんわりと否定する。

 

「そこまで言うのなら、先生もだよ。あたし達3人だけじゃなく、安芸先生もいてあの時のあたし達は1つの勇者だったんだから」

「そうですか」

 

 そう言われて、安芸先生は優しく微笑んだように見えた。

 

「そういったならば、乃木さんと東郷さんが帰ってくるまで待てますよね」

「やぶ蛇だったか……」

 

 肉体が存在しないので物理的に捕獲できない以上、三ノ輪銀は逃げる事は可能だが、精神的な意味で今逃げ出す事は出来なくなっていた。

 

 

 

 

 

「これは許せないわね」

「そうだね。これは流石にだよ」

「まったく、いつの時代も変わらないと言いますか」

 

 ゴラーゴンで見たという千景の映像をみた勇者達の反応は難色をしめしていた。

 

「そうよね、許されない事を……」

「「「これだから大赦は」」」

「え?」

 

 千景からしたら意外な返答がそこにはあった。

 

「今のを見て千景の方を責める人はいない。あなたはもちろんあっちの千景も被害者」

「メンタルケアをしなくちゃいけない人をあんなに杜撰に対応とか、私達の世界の若葉さん達が負けた理由の一端が理解できたよ」

「切り札の精神汚染に関してもアレだな。千景以外は定期健診だけで対処できている辺り、そこまで影響があったとは思えない」

「千景さん視点で見ているからか、若葉さんとの心の距離が一瞬でドンドン遠くなっていっているのも辛かったですね」

「あちらの若葉さん自体、杏さんと球子さんを失ってから回っているような焦りが見受けられるものね」

 

 

 

「見ての通りだ千景。もう大丈夫だ」

「何が大丈夫なのよ」

「私達はこれまで通り5人。いや、全国の勇者が千景の為に集まってくれたんだ。だから大丈夫。何の心配もない」

「逆に問題がありまくりじゃない」

「そんなものは大社に対処させればいい」

「ずいぶんと勝手ね」

「勝手でいいさ。大切な仲間が、友達が傷つくことに比べたら」

「もう、そんな事言われたら勝てないじゃない」

「ああ。私達の勝ちだ」

 

 泣き顔の千景に対して若葉はそういうのであった。

 

「よかったね。千景さん達」

「それで、夏凜達はこれからどうするの?」

 

 千景のもとに集まる4人を少し離れて見ていた所に、雪花が話しかけてきた。

 

「どうするって?」

「あなた達の神樹様がやりかった事は終わったみたいで、もういつでも元の世界に帰れるみたいじゃない? いつまでこっちの世界にいるのかなって」

「ああ、それに関しては」

「少なくとも今帰還するのは得策ではない」

 

 夏凜の話に割って入るかのように聞き覚えのない声が響いた。そちらの方を振り向くと、そこにいたのは

 

「兜博士?」

「見た目は彼の姿を借りている。我が名はZERO。かつて終焉の魔神と呼ばれたもので今は可能性の光を追い求める者だ」

 

 兜甲児の姿をした存在はそう名乗るのであった。

 




サブタイトルはゆゆゆいの乃木若葉のURのサブタイトルから
作中における神樹様側からのノルマはこれで達成しましたがそれでは終わらない模様
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