海賊少年を百合の間に挟んでみる実験   作:愛犬家

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お待たせ、待った…?(震え声)

皆さま、お久しぶりです。

年末、仕事でミスして仕事納めきれずに残業。
ずるずる引きずりメンタルがボロボロになり、何とか持ち直そうと今更ながらパルデアで宝探ししてたら、思いかけずに癒されたので久々の初投稿です。

コライドン、私、頑張るよ…!

さて、今回はアニメ5話の内容になります。
例によってバカ長くなったので、分割だ!

…本当なら正月の話とか考えてたのですが、一升瓶飲み干してぶっ倒れたり、雪かきしてたりと、今年は碌な目に遭わなかったのでなしです。

なんだか久々だから、おかしな書き方、誤字脱字があってもご勘弁!

それではどうぞ。


……五苓散、二日酔いに効くなぁ。


#18海賊とおかしな護衛

1.

 

タブレットPCを片手に、ゆっくりと歩く。

 

座敷にはトビアとたきなにミズキ、カウンターにミカ、そして2階にクルミ。

 

千束は軽く息を吸って、気合を込めて宣言。

 

「全員、注目ゥゥゥゥっ!」

 

「注目も何も千束待ちだったんですが?」

「そこまで気合い入れて言う必要ある?」

「千束、うるさい。気が散る」

 

座敷と2階から総ツッコミ。

 

千束はいじけた。

 

「気を取り直して、諸君!今回の依頼内容の確認といこう!楽しい楽しいお仕事だ~!」

 

トビアがなだめること2、3分。

どこからともなく取り出した“TAKE2”と書かれたスケッチブックを片手に、千束が音頭をとる。

 

依頼の説明となると、いつもは千束も聞く側であるため中々に珍しい光景だ。

「というか、ミズキさんが説明しないんですね?私、もう内容読みましたけど」

たきなが隣のミズキにそう聞く。

そもそも、ブリーフィングは基本的にミズキかミカが司会を務めるため、自分と同じように座敷でおとなしく聞いてることに違和感を感じる。

「なーんか今回、あの子やたらと乗り気なのよねー…」

“タブレット取られちゃった”と言い、手をぶらつかせるミズキ。

ちなみにクルミは2階でいつものゴーグルを着けながらゲームに勤しんでいる。

先ほど“ちゃんと聞いてるから気にするなー”と手をパタパタさせていたので、千束も特に触れていない。

 

「まあ、本人がやる気なのはいいことだよ。それで千束、肝心の説明は?」

「よくぞ聞いてくれた!それでは説明しよう!」

トビアがご機嫌取りと言わんばかりに千束に話を向け、彼女も気をよくしたのか説明を始める。

 

「今回の依頼人は72歳の日本人男性。過去に妻子を何者かに殺害され、自身も狙われたことから長らくアメリカにて避難生活。現在は、…えーと、き、…き、筋委縮…そ、側?」

「いや読めないのかよ」

すかさずミズキがツッコむ。

 

「筋萎縮性側索硬化症、ですね」

「通称ALS、国の指定難病だね。イギリスの有名物理学者の患った病気、と言えば通じるかな」

たきなとトビアがすぐさまフォロー。

というか、ここでつっかかっては話が先に進まない。

 

「そう!それそれ!とにかく大変な病気だから、自分で動くことも難しいの。そして去年余命宣告を受けて、最後に故郷の日本、それも東京を見て回りたいってことみたい」

「つまりは、観光、ということですか」

「そ。ただ、まだ身の危険が解消されたわけではないから、ウチに依頼が来たというわけ!つまり、今回の私たちのお仕事はこの人のボディガードをします!」

そう締めくくる千束。

「なぜ狙われているんですか、この人?」

「それがさっぱりでね~。どうにも大企業の重役らしいから、敵が多すぎて絞れないのよ。…その分、報酬もがっぽりよ?」

ミズキがすごい表情でそんなことを言って来る。

そう言えばクルミの時も同じ様な顔をしていたなとたきなは思った。

 

「まあ、今回はクルミの時と違って仕込みなしの護衛だから、スリーマンセルを徹底する。もちろん、場合によっては二手に分かれるけど、最低2人は依頼人についてもらうよ」

トビアから補足が入る。

前回は敵の数とそもそもの前提条件が違っていたこともあったが、今回は少しは安心できそうだ。

 

それにしても、

「…結構、護衛依頼って多いですね?」

たきながリコリコに配属になってしばらく経つが、その中で護衛任務というのは今回で3回目となる。

「まあ、他の支部じゃやってないし、そもそもリコリスにそういう任務求められてないからね~。…たきなも最初の頃はアレだったし?」

「…忘れてください…」

思わぬ飛び火にたきながダウン。

しばらくここで仕事を熟してきて、あの時の自分がいかに無茶なことをしたのか分かるだけに何も言えない。

「まあまあ、…たきなもあれから成長してるし、ぼくはあんまり心配してないから。元気出して、ね?」

「トビア…」

過去の自分に落ち込んでいると、トビアが慰めの言葉をかけながら頭をなでてくる。

なるほど、これはいいものだ。千束が良くやってもらっているのも分かる。

自然と目を細め、されるがままになるたきな。

 

「おーう、お前らぁ…?私抜きでなぁにしてんだぁ…?」

いつものように千束が絡んでくる、が、どこか影のある笑い方をしながらこちらに迫ってくる。

 

「お前ら…、アタシへの当てつけか…?喧嘩なら買うぞオラアァン⁉」

ミズキのブチギレスイッチが完全に入るまで、あと3秒。

 

「そういえば、今回のトビアの装備はどうするんですか?」

「…え?」

 

“行先はこっちに任せるんだってー!”そう言って意気揚々とプランを練る千束を横目に、たきなからそんなことを聞かれるトビア。

一体どういう意味の質問なのだろう。

「私たちは制服を夏服仕様にすることでこの季節に対応していますが、トビアの場合あのコートが武器ですよね?こんな暑い中、あんなの着れないじゃないですか」

「ああ、そういうことね」

トビアの普段の装備は、防弾仕様のトレンチコートに非殺傷弾を込めた拳銃にワイヤーガン。

特にコートは銃弾から身を守る以外にも、敵に投げつけて視界をふさぐなど攻撃の起点にも使われている。

 

そう言えばたきなに見せたことなかったな、トビアはそう思い立つ。

「たきなの言う通り、あれは夏に着れないから、代わりにこれをもっていくんだ」

そう言って、傍らに置いていたボディバッグから装備を取り出す。

「…何ですか、これ?マント…?」

「正確にはシートかな。コートにする前の生地なんだけど」

それは、トビアが来ているコートと同じ色の一枚布だった。

「流石にコートは目立つからね。とりあえず緊急時にこれで対応するんだ。…あ、少し小さいサイズもあるし、持ってく?」

そう言ってたきなに渡す。

「はあ、…思った以上にしっかりしてますね」

「リコリスの制服よりは性能は上だからね。鞄や腕に巻いて防弾性能を上げられるし、結構重宝するよ」

「トビアも結構不思議な道具持ってますよね…」

トビアから渡されたそれをしげしげと見つめた後、自分の鞄にしまうたきな。

いざという時の備え位にはなるだろう。

 

「それにしても、今回の依頼は妙だなぁ…」

「何が、ですか?」

そうこぼすトビア。

「いや、あの病気って自分で動けないどころか指の先まで動けなくなるものらしくてさ。そんな状態の人なら元からボディガードはついてるだろうし、なんでわざわざウチに護衛の依頼を出してきたんだろう、ってさ。おまけに行先はこちら任せなんて…」

まるで、自分を餌にして狙う者を誘き出しているかのような…。

「依頼人の身辺調査の結果は問題なかったんでしょう?心配のし過ぎでは…?」

たきなからそう返される。

「クルミとミズキの調べではね。…まあ、あまり気にし過ぎてもしょうがないか」

そう言って席を立つ。

 

カウンターを見ると、千束がスケッチブックに何か書き始めていた。

「今度はどうしたの?」

「旅のしおり作ってるの!せっかくならここで凝らないと!」

満面の笑みを見せる彼女。なんだか先ほどまで依頼内容のことで疑っていたことがばからしくなってくる。

「出来上がったら、クルミにデータにしてもらいなよ?」

「え?なんで」

「ALSってことは動かせるのも指何本なんて状態だろうし、ページをめくるのも難しいでしょ?今は視線入力もあるし、データの方が都合いいと思うよ?」

「トビアさっすが~!クルミー!」

「おい、トビア!ボクの仕事増やすなよ⁉」

2階から抗議の声が響く。

 

周りは“仕事ができてよかったな”なんて笑っている。

クルミは“冗談じゃない”と叫び続ける。

 

当日は、いい仕事になればいいな。

そんなことを思いながら、トビアは一緒に笑った。

 

 

 

2.

明くる日、先方より到着の連絡が入り、ミカと千束が店内で出迎える。

「あっ、…お待ちしておりました~!」

「遠いところから、ようこそおいで下さいました」

 

『少し早かったですかね?何分、楽しみだったもので申し訳ない』

そう機械音声で応え、黒服のSPと思しき男と店内に入ってきたのは、モニターのついた電動車椅子に乗った瘦せこけた小さな老人だった。

人工呼吸器から呼吸音がし、目には視力を補うためとデバイスの画面を映すためかと思われる大きなゴーグルを装着している。

そして手元は指すら動かせないようで、身じろぎ一つもしない。

『松下と言います。本日は、どうぞよろしくお願いします』

 

あまりの痛ましいその姿に周りが何も言えずにいるなか、千束がはっと気づき返事を返す。

「…はい、よろしくお願いします!旅のしおりもばっちり用意してますので、準備も万端ですよ!クルミ、お願い!」

「はいよ。データ用意するぞ」

『助かります。…あとはこの方たちにお願いしますので、下がってもらってもかまいませんよ』

そう言って、SPを下がらせる松下。

「……ん?」

その様子にかすかな違和感を覚えるトビア。

(あのSPの視線が、どこか松下さんを向いていない…?)

まるで、松下を通して別の誰かに向いているような気がする。

いったいどういうことだろうか。

 

トビアがそんなことを思っている間、周りの雰囲気を察したのか松下がこんなことを言う。

『見ての通り、今の私は機械に生かされている身です。…おかしいと思うでしょう?』

その言葉に、千束がすかさず返す。

「そんなことないですよ。…私も、同じですから」

そう言って、手をハートの形にし胸の前に持っていく。

『ペースメーカーですか?』

 

「いえ、丸ごと機械なんですよ」

 

「え……?」

「………ッ」

たきなから声が漏れ、クルミが視線を向ける。

 

『なるほど、人工心臓ですか』

「アンタのは毛がびっしり生えてそうだけどねー?」

「機械に毛は生えねぇよっ!」

「…ま、度胸はいっちょ前ってことで」

「トビア⁉」

 

そんな2人をよそに、ミズキとトビアが茶々を入れる。

固まってしまった彼女たちへの、分かりやすい配慮だ。

 

「さて!それでは東京ツアーにしゅっぱーつ!」

千束が松下の車椅子を押しながら、店外へと出る。

 

「あ、あの、今の話って…」

「たきな、ストップ」

たきなが戸惑いの声を上げ、千束を呼び止めようとするがトビアに止められる。

「後で必ず説明させるから、今は任務に集中しよう。…大丈夫、ちゃんと答えてくれるから」

「…はい」

トビアの言葉に渋々といった様子で返事を返すたきな。

 

「たきな、トビア!早く行こう!」

外から千束がこちらを呼ぶ声がする。

たきなに言ったばかりだ、こちらも気合を入れなおす。

 

それにしても、

(なんで、松下さんから意思を感じられないんだ…?)

少しばかりのしこりを残し、依頼が始まる。

 

夏の厳しい日差しをよそに、河川上を奔る水上バス。

水上の風がなんとも気持ちがいい。

 

今回の千束のプランは、陸路での移動を避け、なるべく水上を利用したものだった。

というのも、東京には水路として利用できる川が多く、混雑しがちな道路と違いスムーズに移動できるためであり、重病を患う松下の身体を思っての采配であった。

 

浅草の下町風景を抜け、橋げたを潜り抜けたところであるものが目に入る。

旧電波塔跡地だ。

かつての日本の象徴は平和の象徴としてその骸をさらしていた。

『やはり、壊れてしまっていますね…』

松下がポツリとこぼす。どこか寂しそうな声音だ。

「ああなる前をご存じで?」

『こうやってみるのは初めてで…。昔、娘と約束していたんです。“首を痛めてでも、あの塔を一緒に見上げよう”、なんて。…いい土産話ができそうです』

「気が早いですよ!まだまだこれから!それに今年中には新しい電波塔もできますよ!」

『ああ、延空木ですね。…実は私の知り合いも設計にかかわっているんですよ』

「本当⁉すごいじゃないですか、ますます土産話が増えちゃいますね!…さあ、早速次の目的地に着きますよ~!」

松下に対し努めて明るい声をかける千束。

 

「たきな、トビア。準備はいい?」

左右を固める2人に確認をとる。

「はい、大丈夫です。いつでもどうぞ」

先ほどまで強い動揺を見せたたきなも今は落ち着きを取り戻しており、まっすぐこちらを見て頷き返している。

…ただ、その目は“後で必ず説明を”と言わんばかりの色を宿しており、後に控える事情説明を思い思わずげんなりしてしまう千束。

「自業自得だよ。…まあ、ぼくも人のことは言えないから、これ以上は何も言わないけど」

そう言って、呆れる様な、そしてどこか同情的な視線を向けるトビア。

「まあ、うん。…あとで頑張る。言わなかったのは私の落ち度だもんね…」

少しでも文句を言おうかと思っていたが、相棒に伝えなかったのは自分のせいなので素直に受け止める。

松下のガイドに護衛、そして今たきなへの自分の心臓の説明が加わった瞬間であった。

 

それにしても、

「…というか、ホントに人の事言えないからね?」

“フォローできないよ?”

 

「か、覚悟決めます………」

そういうトビアの顔は、明後日の方向を向いていた。

 

 

3.

 

「……千束、今朝の話なんですけど」

「ああ、うん。…そうだね、ちゃんと説明できてなくて、ごめんね?」

 

浅草寺でのガイド、途中祭りを冷やかしに行ったりして、射的で大人げなく景品を総どりしたり、お面を買ったりと松下と観光を楽しんだ後。

 

一行が水上バスに戻り次の目的地へと歩を進める最中、日差しに疲れた松下が中へと戻り、護衛としてトビアがついて行き図らずも千束と2人っきりになる時間を得たたきな。

バスのベンチに座り、早速今朝のことを聞くことにする。

 

「心臓の話って、本当ですか?」

「…うん、本当。すごいよ、これ?鼓動が全然なくてびっくりするぞー」

そう言って胸を軽く小突く千束。

その様子に、思わず手が伸びてしまう。

「ちょ!ちょいちょい、何しようとすんだ!」

「いえ、確かめてみようかと…」

「公衆の面前で人の乳触ろうとすんな!」

ばっ、と自分の胸元を隠すように両手で覆い、たきなから距離をとる千束。

流石に恥ずかしかったのか、顔は真っ赤に染まっている。

 

「こんの天然め…」

「たきな、同性同士でもセクハラは成立するからね…?」

千束が悪態をつくなか、バスの中から呆れた顔をしながらトビアがやってくる。

 

「トビア、松下さんは?」

「その松下さんから休憩するように言われてね」

そう言って、たきなの隣に腰掛けるトビア。

「それで、聞きたかったことは答えてもらえた?」

たきなにそう問いかける。

「…はい、もっと早く教えてくれれば、とも思わなくもないですが」

「ごめんて~。自分から言うことでもないじゃんか~」

千束がそう言いながら肩を組む。

 

「ま、人はそれぞれ秘密を抱えてるってことさ。隠しておきたかったり、言うタイミングがなかったりと人それぞれだけどね」

そう言うトビア。どこか、憂いのこもった表情だった。

「トビアも、そういうのあるんですか?」

「もちろん。最も、言うタイミング逃したものばっかりだけどね?例えば…」

「例えば?」

「ぼくの年齢って、いくつだと思う?」

「…見た目は、私たちとそこまで変わらないように見えますが、…21、とか?」

そう答えるたきなに、いたずらっぽく微笑みながらトビアが言う。

「残念、今年で28歳だよ」

「28⁉」

衝撃の事実だ。とてもそうは見えない。

まさかミズキよりも年上だとは。

「これこそ言うタイミングを逃した、ってやつでね。年齢なんて意外と聞かれないし。あ、いまさらさん付けなんてやめてよ?距離感じるし」

そう言ってはにかみながら頬を掻くトビア。

だが、今までの彼の言動や立ち振る舞いを思い出すと、納得のいく答えではある。

 

「…私、知らない事ばっかりです」

「しょうがないよ、私たちだってたきなの事全部知ってるわけじゃないし。…これからこれから!」

「あの、ちょ、痛い、んですけど…」

不貞腐れたように手すりにもたれかかるたきなを、肩をバンバン叩きながら慰める千束。

力がこもってるのか、微妙に痛い。

「さて、そろそろ到着だ。次は皇居のお堀で、その次は美術館だっけ?」

「おっと、それじゃあ中に戻らないと!休憩終わり!」

そう言って、松下の待つバスの中へと駆けていく千束。

 

急いで戻ろうと千束の後をついて行こうとすると、後ろを振り返り河川横の道路を見つめるトビアに気づく。

「トビア?」

「…たきな、クルミに連絡だ。こっちを見ている奴がいる」

トビアの視線の先を確認、河川沿いの道路から黒いコートにフルフェイスヘルメットを被った人間が双眼鏡を片手にこちらを見ていた。

そして、こちらを確認したのか、傍らのバイクに乗り込み並走するように走り去る。

 

緊張が走る。

「とにかく、バスを降りてからが危ない。千束にも伝えて」

 

 

〈トビア、追跡者がわかったぞ。ジン、ベテランの殺し屋だ。静かな仕事ぶりからサイレントなんて呼ばれてる奴だ〉

「二つ名があるような相手なのか…」

美術館に向かう途中、インカムからクルミの通信が入る。

先ほど見つけた不審な人物についてのようだ。

「今出てきたってことは、松下さんが狙いなのはまず間違いないか…」

〈ジン、厄介だな…〉

「ミカさん?」

〈トビア、千束とたきなにも言っておくが、奴の実力は本物だ。15年ほど前、DAに来る前は警備会社で一緒に仕事をしていた〉

ミカから追加で情報が伝えられる。どうやら、噂に違い無い実力の持ち主のようだ。

〈今はミズキがドローンで追跡している。その後、発信器をつけてモニター、あちらの動きが分かれば、最低限対処ができ…〉

〈くっそ、気づかれた!ドローンが落とされた!〉

ジンを追尾しようと高度を落としたミズキのドローンからの通信が途絶。

作戦変更、予備のドローンをミズキが飛ばし、改めて追跡だ。

〈予備はまだか、ミズキ!〉

しかし、飛ばすためにも人気の少ないところを探す必要がある。

〈あんたも現場出ろっての!〉

〈急げよ、お前もそこから…ミズキ?〉

〈————ザ…————〉

クルミとの言い合いの最中、不意にミズキの声が聞こえなくなる。

直後、甲高い破裂音。

インカムが壊されたようだ。

 

〈…通信途絶。こちらで予備は飛ばすが、現着するまで時間がかかる。ジンが仕掛けてくると思え、トビア〉

どうやら一刻の猶予もなさそうだ。

ミズキの安否が気にかかる。

「…了解。二人とも、聞いた?」

 

松下の護衛として張り付いていた二人に確認をとるトビア。

「私が出ます」

直後、たきなが向かおうとする。

「たきなっ…」

「護衛には最高戦力を。…私に任せてください、相棒」

そう言って駆け出すたきな。

あっという間に見えなくなる。

「…とりあえず、たきなに任せよう」

心配そうな千束にトビアが軽く肩をたたく。

『どうかしましたか?』

ここで、松下から声がかかる。咄嗟に答える千束。

「えっ、とぉ、トおイレに行って来るみたいですぅ~!」

ただ、うまいことは言えず、声が上ずってしまっている。

あまりの嘘の下手さに思わず手を額に当てる。

 

しかし、いくら何でもタイミングが良すぎる。

まるでこちらの動向を正確に把握しているかのようだ。

観光プランは千束が前日に立てたもので、相手は知る由もないであろうに。

思わず松下を見つめるトビア。

 

(やはり、松下さんの本当の依頼は、自分を囮にした…)

 

「…トビア?」

「いや、…ごめん。とりあえず行こうか。松下さん?」

『ええ、引き続きお願いします』

千束に声をかけられ、気を取り直す。

今自分ができることは、たきなを信じて千束と一緒に松下を護衛することだ。

とにかく、ここから移動しなければ。

 

 

 

 




以下、久々の筆者メモ

1.
・冒頭→書いてて楽しかった。以上。
・タブレットPC→iP〇dよりもWi〇dows系っぽい
・筋萎縮性側索硬化症→身体の各部位の筋肉が瘦せて硬くなり、次第に動かせなっていく病気。専門的な話はさっぱりだが、どうやら脳内にある”筋肉を動かせ”と命令する神経が機能しなくなることが原因だそうな。
・イギリスの有名物理学者→言わずと知れたあの人。モノホンの天才やで…。
・ミズキの表情→次第に誰も振れなくなったそうな。
・護衛依頼→そもそも暗殺任務が主なリコリスにはなかなか酷な任務。
・たきなさん、ダウン→護衛つってんのに、護衛対象囮にして人質にされたのはどこのどいつだ~?
・トビア君のフォロー→も、もう大丈夫だよね…?
・ミズキのブチギレスイッチ→一升瓶持ち出す前に早めに逃げましょう。
・防弾シート→今回唯一といっていいほどの数少ないクロスボーン要素。ABCマントの代わり。夏場にトレンチコートは流石に目立つからね、仕方ないね。
・しれっともらうたきなさん→微妙に装備が増えたたきなちゃん。
・視線入力→文字通り、操作する人の視線だけでPCの操作、入力を熟すシステム。何気に6,7年前からある技術。何だったら、こういう操作だけで遠隔操作するロボットもあるくらい。…すごくない?
・クルミ、仕事が増える→ゲームしてたんだからこの位は、ね?
・いい仕事→になれば、ホント良かったんだけどね…。

2.
・黒服のSP→1人だけって、何だか違和感が…。私だけ?
・黒服の視線→グラサンかけてても、横から何となく見えるもの。
・機械の心臓→原子力使ってないだけまだ現実的(戦闘妖〇雪風)
・松下の意思→意識のない人なのに、めっちゃ意思を感じられる声がして、トビア君大混乱。
・水上バス→筆者は小さなころに、し〇がわ水族館のそばから出ているものに乗ったことがあります。…ガチのバスが川に突っ込んでく様子はなかなか衝撃。
・旧電波塔と延空木→現実の東京タワーとスカイツリーのデザインがあべこべになったようで面白いですよね。直訳でスカイツリーだし。
・たきなさんの目つき→説明、してくれますね?
・人のこと言えない→トビア君の隠し事、引き伸ばし過ぎたなぁ…、やっべ、どうしよ。

3.
・公衆の面前で→元のアニメからしてとんでもないシーン。たきなさん、あの、常識…?
・同性同士のセクハラ→女の子同士なら百合。男同士だと途端に”うん⁉”
・トビア君28さい→10何話かけてようやく明かされた秘密の一つ。まさかのリコリコ内で2番目に年齢が高いという。
・サイレント→エンドクレジットで演者を見てびっくりした。石堀…いやダークザ…、志藤さん…?


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


大変お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。

パルデアでたくさん元気もらったので、今年も好き勝手に書いて参りますので
どうぞよろしくお願いいたします。

分割分は近日投稿予定です。

それでは皆様、またお会いする日まで。

感想・評価、いただけたら幸いです。
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