つまりこれは実質毎日投稿との見方もあります。
俺が
それにしたってそんな虹夏先輩に対して一番元気よく返事をしたのがキクリチャン・ドラゴンだったけど、はたしてあのキクリチャン・ドラゴンが本当にプレゼントを用意してるのだろうか――と、俺は店長さんの腕をタップしながらそんな疑問を抱いた。
「さてさて、それじゃあまずは喜多ちゃんから!」
「はーい!」
とは言え、トップバッターは喜多さんである。
安心と信頼の陽キャ・オブ・陽キャ。彼女に一番打者を任せずして、いったい誰に任せるというのか。まぁ虹夏先輩も信用できるけど今日は監督なのでノーカンだな。
何はともあれ喜多さんのプレゼントだが、透明で、中に花が散りばめられているフラワーリップと、“はーばりうむ”とかいうらしい謎の物体だった。
「おお……ありがとう……!」
「喜多さん、さすがのセンスだな……ところでそのはーばりうむ? って何?」
「此崎くんその状態のまま平然としてるのどうかと思うわ」
その状態っていうのはひょっとして店長さんが裸締めからスムーズに移行して片腕でのヘッドロックをかまされてる、というか小脇に抱えられている僕の状態のこと? じゃあ喜多さんがやめさせてくれない?
……うん、やめさせてくれなかったけども、とりあえずハーバリウムについては教えてくれた。
平たく言うと植物標本のことらしく、ガラスなどのボトルの中にプリザーブドフラワーやドライフラワーなどを入れて、専用のオイルで満たしたインテリアのことなのだとか。
喜多さんに「是非開けてみてください!」と言われて店長さんがラッピングから取り出していたが、フラワーリップも含めて実におしゃれなものだった。映え〜。
「はい、じゃあ次リョウね!」
続いて虹夏先輩から二番バッターの指名があった。
リョウ先輩……はっきり言わせてもらうが、まともなプレゼントを用意しているとは到底思えなかった。
なぜなら彼女には金がない。今月も月の初めに俺から限度額いっぱい金を借りて、そうして先週の頭には既に使い切り、野草生活に移行していることを確認している。
リョウ先輩が有金を使い果たす前にプレゼントを準備するなどと、そんな計画性をどうして期待できようか。
「──プレゼントって値段じゃなくて大事なのは気持ちですよね」
「それあげる側が言うセリフじゃなくない?」
「そもそも何にも用意してないのは値段とか気持ち以前の問題だと思いますよ?」
虹夏先輩と俺とで容赦なくツッコミを入れると、リョウ先輩は途端に頭がバグってしまったらしく「用意してくる」などと言って止める間もなくスターリーから飛び出して行ってしまった。
俺と虹夏先輩は顔を見合わせて、それから目を伏せて首を横に振るしかなかった。
「ちょっと此崎くん! 伊地知先輩まで! リョウ先輩こんな雪の中外出て行っちゃったのに心配じゃないんですか!?」
「いや〜……此崎くんからの報告でリョウがもう一文無しなのは知ってるし、ってことはプレゼント買いに行ったわけじゃないだろうし」
「え? じゃ、じゃあいったい何を……?」
「……よし、それじゃリョウが戻ってくる前に此崎くん! お姉ちゃんへのプレゼントどうぞ!」
「らじゃ」
え〜、とご納得いただけていないご様子の喜多さんをさておいて、虹夏先輩の指名を受けた俺は、ようやく店長さんの拘束技から抜け出すことができた……いや、抜け出させてもらったと言うべきか。
俺は「少々お待ちを」と一言断って、裏手の物置へと向かう。
三日前にこっそりと忍ばせておいたそれは、やはり当日に持ち運ぶにはかさばりすぎる代物だ。
「此崎くん何それでか!」
「サンタさんみたいだわ!」
「いっくんさんめちゃくちゃ気合い入ってるじゃないっすか……」
「いやいや、大きさの割には大したもんじゃないから……って渡す前に言うもんじゃないか。とにかくほい、店長さん。お誕生日おめでとうございます」
「お、おう、なんだこの……意外と軽いな?」
俺が店長さんに手渡したのは、一抱えにもなる大きなラッピング袋。喜多さんが言ったようにサンタクロースのプレゼント袋的な感じだ。
「せっかくなんで開けてみてください」
「あぁ……あぁ? ピンク色の、クッション? なんか変な形だな……」
「ふっ、いやいや、よく見てくださいよ」
「何を……──ッ! こ、これはッ!」
「え、なになにどしたのお姉ちゃん??」
「……此崎、お前ってやつは……」
「へへっ、どうです? 完璧でしょう?」
「あぁ……あぁ……!」
「なんだか怖いやり取りですねぇ……って、あら? その水色と黄色のって……?」
「……ひとりちゃんの、髪飾り……? えっ、こ、此崎くんまさか……!」
「えっあっえっ? あっえっ?」
いつの間にやら現世に舞い戻っていた後藤が相変わらず変な鳴き声を上げているのを横目に、俺はニヤリと不敵に笑う。
年の差ダブルスコアな店長さんの誕生日に何を送るべきか。
一見難問のように思えるが、俺はさほど悩まなかった。俺の脳裏には、よれよれになったパンダとうさぎのぬいぐるみを抱いて眠る店長さんの姿が焼き付いていたのである。
一瞬だけ「年の差ダブルスコアな年上の女性にぬいぐるみプレゼントするのってキモくないかしら?」とも思ったが、一瞬だけだったので気が付かないふりをして、俺はさっそく通販サイトで良い感じのぬいぐるみを探し始めたのだった。
……が、いまいちピンとくるものがなく、そういう意味ではプレゼント探しは難航したのだが……しかしある瞬間、ふと閃いた。天啓が下りてきたのだ。
そうだ、適当にピンク色のクッション買ってちょっと刺繍とかして後藤のぬいぐるみってことにしよう、と。
「……やっぱりいっくんさんって頭おかしいっすね……」
「でも溶けたときのぼっちちゃんには似てるね~」
「え?」
「え?」
常識人ドラマーコンビが育んできた絆に若干の亀裂の入った音が聞こえたが、まぁ虹夏先輩の言う通り、このちょっと変な形のピンク色のクッションは人間の形を保てなくなった時の後藤そっくりなのだ。
あとは適当に黒いフェルト生地から目を切り出して縫い付けて、後藤がいつも付けてる髪飾りはいくつかストックがあるので古くなったやつを一つ貰って縫い付けて……一瞬だけ「私ったらどうしてお裁縫してるのかしら?」とも思ったが、一瞬だけだったので気が付かなかったことにした。
「――で、出来上がったのがこれってわけよ」
「いっくんさん、お裁縫までできるんですね~」
「ネットで調べりゃやり方くらいどこにでも載ってるし、家庭科とか苦手じゃないしな。よく見ると雑だけど……店長さんもその辺はご容赦くださいな」
「あぁ……あぁ……!」
「……店長さん?」
「あぁ……あぁ……!」
店長さん壊れちゃった。同じことしか言わなくなっちゃった。
見るからに目を輝かせて俺のお手製後藤クッションを掲げてるし、だいぶお気に召していただけたようだけど……いやうん、いくらなんでもそんなガチで喜ばれるとは思ってなかったんですよ。一笑い取れればいいかなってくらいの気持ちだったんですよ。
これどうしてくれるの? みたいな目で虹夏先輩に見られたが、俺はそっと目を逸らすことしかできなかった。
ここはひとつきくりちゃんに雑なパスを振ってうやむやにしてやろうかと思ったが、このタイミングでリョウ先輩が帰ってきてくれた。
雪だるまと一緒に。
「――頑張って作りました! 可愛がってあげてね!」
「おいやめろ店の中に入れるな汚いから!」
これに店長さんも正気に戻らざるを得なかった。
さすがだぜリョウ先輩、やはりベーシストしか勝たん。
ちなみに運び込まれた雪だるまの名前は『ピエールくん』で、店長さんに会うためにフィンランドからサンタクロースのそりに忍び込んでやってきたらしい。
リョウ先輩がそう言うんだから決してスターリーを出てすぐそこの道端の雪で作られた雪だるまではないのだろうし、「かわいいエピソードつけるな! 捨てられなくなるだろ!!」と叫んだ店長さんはきっとこの後店の外にピエールくんを飾って次第に溶けていくのを涙ながらに見守るのだろう。
……その後、店内にばっちり効かせてある暖房のせいでさっそく溶け始めているピエールくんを店長さんからの指示で再び雪空の下へと運び出すことになった。
リョウ先輩が一人じゃ無理だとごねたので仕方なく俺も手伝うことになったのだが、雪降る夜の屋外の寒いこと寒いこと。
コートだけでも着てくりゃよかったと後悔したが、取りに戻るよりさっさと運搬を終わらせてしまえということで、自分で種蒔いたくせに心底めんどくさそうな顔をしやがるリョウ先輩をどやしながらピエールくんを地上へと連れていったのであった。
それからリョウ先輩と一緒に中に戻ると、どうやらPAさんときくりちゃん、シデロスの四人からのプレゼントが渡し終わっているようだった。
もともと参加予定のPAさんと、急遽参加が決まったもののここに来る道中に四人で適当に見繕っていたシデロスのみんなは別にいいのだが、結局マジできくりちゃんもプレゼント用意してたらしい。
偉すぎ国民栄誉賞じゃん……と感心したのもつかの間、喜多さんに聞いたところ、きくりちゃんが渡したのはお高いお肉と現金が当たるポイントシール10点分(応募には20点必要)とその台紙……の、応募期限が過ぎてるやつだったらしい。うん、さすがに掛け値なしのゴミである。
ともあれ、これでプレゼントを渡していないのは後藤ひとりさんただ一人となった。
「後藤が最後か……人生初のバイト先の店長さんで、数少ない、本当に数少ない友人である虹夏先輩の実の姉で、普段から散々お世話になっている人の誕生日だし、こりゃあさぞかし素晴らしいプレゼントを用意してるんだろうなぁ……?」
「い、いやちょ、こっ此崎く――」
「お、此崎くん煽るね~! でもぼっちちゃんってば二か月も前からお姉ちゃんの誕プレ探してたもんね!」
「!?」
おっと、後藤が完全に予想外の方向から刺されたって顔してる。
ついに虹夏先輩が
どうせ後藤の口下手が元で何かしらの勘違い、すれ違いが起こっているのがオチで、要するにめちゃくちゃ面白いことが起こる寸前ってわけだ。
「アワ、アワワ、アワワワワ……あっ! あぁ……アワワ……」
後藤があわあわ言いながら突然ポケットを漁り、取り出した使いかけの目薬を見て落胆し、またあわあわ言い始める。
……さてはこいつ、二ヶ月前からどうこう以前にそもそもプレゼント用意するの忘れたな? 店長さんの誕生日も兼ねたパーティーだってのは企画段階から言ってたのに今日の今日まで忘れてたとか、記憶力が……いやもう社会性が終わってるわ。
店長さんに目を向けると、後藤からの、しかも二ヶ月も前から用意しているプレゼントという触れ込みもあって、まるで恋する乙女のような表情をしていた。
こんな体たらくの店長さんが『実は後藤がなんの準備もしていなかった。したがってプレゼントはない』などという現実を突きつけられたら、あまりに深い絶望と悲しみでソ◯ルジェムが真っ黒に濁ってしまうに違いない。
「──後藤」
「え、なっなに此崎くん!? あっえっと、えっと……!」
「いや、わかってるよ」
「……っ!」
このまま放っておけば、後藤はまもなく派手に死ぬだろう。それそのものはきっと素晴らしい芸術となり、俺にとって最高のクリスマスプレゼントになるだろう。
──しかしそれは、店長さんの純心を犠牲の上に享受するべきものではない。
「後藤、お前にはギターがある。ギターがあれば、お前はヒーローになれる。そうだろう?」
「ヒーロー……ギターで──そ、そっか、そういうことだね此崎くん……!」
後藤がハッとした顔で俺を見た。ついでに虹夏先輩たちから「なんで今そんなかっこいいやり取りしてるの?」みたいな視線が送られてきたけど俺の方で受取拒否しておいた。
後藤がすぐさまギターを手に取る。
そして、後藤らしからぬ自信に満ち溢れた様子で、高らかに宣言した。
「──わっ私からは、歌をプレゼントしたいと思います!!!」
「は? 歌も歌うの?」
「えっ」
いや、ギターって言ったんだから別にギターソロだけでよかったのに。『ハッピーバースデー』の即興アレンジとかさ。
「えっあっ、えっと……」
「……ま、せっかく歌用意してきたってんなら歌ってもらうか!」
「あっあっあっ」
今日のライブに備えてギターの弦もつい先週張り替えさせたばっかりだし、弦が切れるなんていうアクシデントはきっと起こらないだろうしなぁ!
追い詰められて白目を剥く後藤。
期待を込めた目で後藤を見る俺と店長さん。
そして、『ドン引きされる地雷プレゼント第1位※』、『お金のないバンドマンが恋人に送るプレゼント第1位※』、『そんな曲作る暇あったらバイトして何か買って第1位※』(※下北沢調べ)という堂々のクソプレゼントランキング三冠王の“歌”、マジでやるのかと戦慄しているその他全員。
地獄のステージの幕は、しかし切って落とされた。
♪ ♪ ♪
『ハッピーバースデイ MY DEAR 店長さん』
作詞・作曲:後藤ひとり
Oh yeah Oh yeah (Oh yeah Oh yeah)
Oh 誕生日おめでとう 店長さん
星集うライブハウス スターリー店長 店長さん
ハッピーバースデイ ハッピーバースデイ MY DEAR 店長さん Uhh…
生まれてきてくれてセンキュー フォーエバー
12月24日 クリスマス・イブ
清しこの夜に生まれた貴女は 下北に舞い降りた俺の†
ロマンチックだね 聖夜 SAY YEAH
ファンタスティックだよ 雪降るホーリナイ&パーリナイ
Oh 誕生日おめでとう 店長さん
星集うライブハウス スターリー店長 店長さん
ハッピーバースデイ ハッピーバースデイ MY DEAR 店長さん Uhh…
(~激しくも儚いギターソロによる間奏~)
ロマンチックだね 聖夜 SAY YEAH
ファンタスティックだよ 雪降るホーリナイ&バースデイ
Oh 誕生日おめでとう 店長さん
夢集うライブハウス スターリー店長 店長さん
ハッピーバースデイ ハッピーバースデイ MY DEAR 店長さん Uhh…
♪ ♪ ♪
「び、びっくりしたね」
「何が? お前が歌い終わった後の空気のこと?」
「ひぎぃ!!!」
駅のホームで後藤は死んだ。
さすがに今日はデス数多すぎてちょっと飽きてきていたので「もうすぐ電車来るから死ぬな」と助け起こすと後藤は「あっはいすいません」と言いながら簡単に蘇った
後藤が即興で用意した店長さんへの
しかし、後藤の名誉のために補足しておくと、歌を送られた店長さん本人は滂沱の涙を流して喜んでいたのだ。
俺も貴重な映像資料を残すことができたし、外気でも取り込んだのかってくらいパーティーの熱を急速冷却したこと以外、非の打ち所がない完璧なプレゼントだったと思う。
と、それはさておき。
「で、何がびっくりしたんだよ」
「あっえっと、ヨヨ……お、大槻さんの、未確認ライオットの……」
「あー」
パーティーがお開きになった後、俺たちは下北沢駅で解散することになった。
この雪の中にもかかわらず伊地知姉妹のお見送り付きだったのだが、そこでヨヨヨちゃんが満を持して、「私たちも未確認ライオットに参加するから!」と結束バンドを相手に宣言してきたのだ。
「此崎くん、もしかして知ってた?」
「うんにゃ。でも、言い出すかもとは思ってたな」
いろいろな事情を説明したり相談に乗ってもらったりする中でヨヨヨちゃんが未確認ライオットに興味を持っているのはあきらかだった。
なので、改めて宣言を聞いたときも、最初に抱いた感想はと言えばやっぱりなってくらいのもんだった。
「ま、10代のバンドの頂点決めるって言ってんのにヨヨヨちゃんたちがいないんじゃ意味ないだろ。手ごわいライバルだけど、本当にてっぺん目指すなら超えていくべき相手に違いない」
「……そ、そうだよね。今日のシデロスのライブ、生で見て、やっぱりすごかったけど……結束バンドの力、証明するんだもんね」
シデロスのいない未確認ライオットで優勝して、それで後から「シデロスがいれば」なんて外野に言われるのはまっぴらごめんだ。
今はまだ、実力も人気も及ばない。
散々実力不足だと言われてきたが、俺も、今日のシデロスのライブを生で見たことで改めて痛感した。
けれど、まだ時間がある。
結束バンドはまだまだ成長する。
その先で、きっとシデロスと対等に戦えるはずだ。
「……とは言え、今年はこれで一段落だな。明日はバイト休みだし、年末年始はスターリー休業だしな」
「あっうん。……此崎くん、お休み久しぶりじゃない? 最近ずっとスターリー行ってたよね」
「マジでそれ……いやまぁ俺は別に良いんだけど、ここ二か月くらい本当にずーっと練習バイト練習練習バイトバイト練習って感じだったからな。新年に向けてちょっと一息吐いてもバチは当たらんだろ」
年が明けたら4月の一次選考に向けて本格的に動き出したいところだ。そのための景気づけも兼ねて、ぼちぼち新曲完成の目途が立てばいいんだが……。
「後藤さ、リョウ先輩から新曲のこと何か聞いたか? 今回は曲の方先に作ってるんだよな」
「う、うん。あ、リョウ先輩からはもう少し待ってってこの前言われたくらいで、だから歌詞はあんまり考えてない、かな」
「……そうか」
「うん……」
……まぁ、まだ焦るような時期じゃないし、焦らせるような時期でもない。
最高の一曲を作ってほしい、なんて頼んでいるのだから、時間がかかるのは元より織り込み済みだ。
それより、あれだ。
「今日お前んち泊まるけどさ」
「あっうん」
「一回家寄るわ。ふたりちゃんのクリスマスプレゼント取りに行く」
「……ふたり、家着く頃には寝ちゃってるかな?」
「だろうな。明日は一日中一緒に遊ぶって約束してるし、プレゼントもあればご納得いただけるでしょうよ」
後藤家では毎年恒例でクリスマスパーティーを開催しているのだが、今年については俺と後藤がイブの日の夜まで帰って来れないので、明日に延期になっていた。
別にクリスマス中止のお知らせってわけではないのだが、ふたりちゃんはいつも通りクリスマスを過ごせないことに泣いて怒って拗ねてしまって、俺たちは三日も口をきいてもらえず。
その後もずっと「いっくんはふたりじゃなくってほかの女とイブをすごすのね!」とか「おねーちゃんがクリスマスに予定があるなんてやっぱりうそじゃない?」とか言われていびられていたのだが、そんなふたり様にお許しをいただくためにも明日は全力を尽くさねばならないのだ。
「せっかくのお休みなのに平気?」
「だいじょぶだよ。家いても暇だし」
「そっか」
ほぅ、と俺が白い息を吐くと、マフラーに顔を埋めていた後藤が少し顔を上げて、それを目で追う。
少しの沈黙があった後、俺は何気なく口を開いた。
「お前とクリスマスに外居るの、変な感じするな」
「そ、そうだね」
だから何ってわけじゃないけどな、と続けると、うん、と短く返ってきて。
俺は、なんとなく安心した気持ちになった。
人生で初めて作詞をしましたがとても難しかったです。
曲付けてくれる人募集してます(?)
次回はね~、番外編!