うぉっち・ざ・ぼっち!   作:鯖ジャム

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本当は次回と合わせて1話に収めるはずだったんです!
これも全部喜多郁代ってやつのせいなんだ。


#68 それでいいのか喜多郁代 Season 1

 

「すいませーん! 注文お願いしますー!」

「はいただいま……はい、お伺いいたします」

「この『カップル限定♡ジャンボフルーツパフェ』ひとつ!」

「マジで頼むのかよ……俺たちカップルじゃな」

「何言ってるの()()()()♡ 私たちラブラブカップルでしょ♡」

「……おいおい郁代ちゃん♡ 恥ずかしいからやめろって♡」

「も~、いっくんったら今更恥ずかしがっちゃってかわいい♡ あと郁代って呼ぶのはやめて♡」

「……うーん、これはカップル! では『カップル限定♡ジャンボフルーツパフェ』をおひとつですね!」

「はーい♡ お願いします~♡」

「カップル判定ガバガバだ~♡」

 

 別に俺と喜多さんは付き合い始めちゃったりしてないよ♡ ホントだよ♡ 後藤死ぬな♡

 

 ……では、なぜこのような地獄(失礼)が繰り広げられているのか。

 事の起こりは、今日の昼下がりにまで遡る――。

 

 

     ♪ ♪ ♪

 

 

 ネット投票審査を無事に突破した結束バンドは、引き続き三次審査であるライブハウスでのライブパフォーマンスの審査を控えていた。

 

 これまでにも増して練習練習&練習の日々が続いており、学校に通うのはもちろんバイトもこなしつつ、しかし平日も休日もなく時間さえあればスタジオに集結しているのだった。

 

 

「――イヤぁ~~っ! イヤイヤイヤぁ~~~っ!」

 

 

 で、今しがた練習が終わったばかりのスタジオで床に転がってジタバタしてるのが俺たちのバンドの顔、ギターボーカルの喜多郁代さん17歳です。華のセブンティーンです。

 

「郁代もイヤイヤ期に入っちゃった……虹夏ママどうしよう」

「誰がママだっ!」

「郁代お姉ちゃんったら恥ずかしいねー、もう17歳なのにねー」

「郁代って呼ぶのイヤぁ~~っ!」

「……こ、此崎くんもついこのあいだイヤイヤ期だったような……」

 

 あれはやむを得なかったんだ。きくりちゃんライブ出禁の危機だったのだからやむを得なかったんだ。

 

 ともあれ、喜多さんがイヤイヤ期に突入してしまったのは俺が彼女のことを”郁代ちゃん”呼び始めたから……ではない。

 

 喜多郁代さん(17)の主張は、こうである。

 

「下北で遊び回りましょうよ~~~~~! 毎日毎日練習練習バイト練習バイトバイト練習練習練習ばっかりで女子高生感が全然足りないです足りない足りない足りなぁ~~~~~~~~い!」

 

 ……とのこと。

 

 まぁ確かに、最近のスケジュールは去年の年の瀬を彷彿とさせるほどの過密スケジュールと化してきている。

 喜多さんの言う通り練習練習バイト練習バイトバイト練習練習練習みたいな感じで完全オフの日なんてほとんどない。平日も休日もなく、というのはまったくもって比喩ではない状況なのだ。

 すなわち、いくら無限の体力を誇る喜多さんと言えど、そもそも遊びに行っている時間がないのだろう。そりゃあ女子高生感に飢えても仕方がないしイヤイヤ期に入っちゃっても仕方がないのだ。

 

 スケジュール管理をしている身として責任を感じる……と、言ってあげたいところなのだが。

 そんな過密スケジュールを組んでいるのは、ライブ審査が差し迫っている今、空いている日があるなら少しでも練習したいというみんなの意向に沿った結果なのである。無論、喜多さんも了解しているのだ。

 

「……まぁでもあれだな、休みの日が欲しいなら言ってくれれば調整するぞ? バイトの方も俺が変わるだけで済むなら変わるし」

「違うわ! そうじゃないのよ此崎くん!」

 

 喜多さんがシュバッと立ち上がり、ビシッと俺を指差してきた。

 

「そうじゃないってさ後藤」

「あっはいすいません……」

「謎のスルーパス」

「ん~? 練習お休みして遊びに行きたい、ってことじゃないの?」

「私は今! ここにいるみんなと! 練習終わりに! 意味もなくブラブラ街歩きとかしたいんですよ!」

 

 ……あー、なるほど?

 

「あれか、部活終わりにその足で遊びに行く的な」

「そうそれ! 此崎くんわかってるじゃない!」

 

 喜多さんがシュバッと振り向いて、ビシッと俺を指差してきた。

 

「わかってるってさ後藤」

「あっうんよかったね……」

「謎のスルーパス」

「えー、でも練習で疲れてるしなー……それにこの前遊園地行ったじゃん?」

「あれはほとんど現実逃避だったじゃないですか! 私が求めているのはもっと前向きでキラキラしてる青春の1ページなんですっ!」

 

 まぁね、練習終わるといつも速攻で解散するんだよね結束バンド。

 後藤は帰巣本能が強すぎて一刻も早く家に帰ろうとするし、リョウ先輩も家には帰ってないのかもしれないが常に自由を求めてるし、虹夏先輩も家事とかスターリーの手伝いとか勉強だとかいろいろと本当に忙しい人なので遊びに行っている時間なんてない。

 

 遅い時間まで練習してることが多いってのもあるが、結局のところ過半数がインドア人間なのがこのバンドなのだ。ついつい忘れそうになるが、虹夏先輩もノリが良くて性格が明るいだけのインドア人間だし。

 

 俺は基本誘われれば断らないし、まぁボーカル練習という建前はありつつ一緒にカラオケに行くことはあるが……まぁ男女ってのはあるからそれはまた違うんだろうな。あと、俺の場合みんなの穴埋めみたいな感じでシフト入ってることが多いのもある。

 

「今日は此崎くんもシフト入ってないもの! 練習も早く終わったしみんなで遊べる千載一遇のチャンスなんですよ!? 今日遊ばないでいつ遊ぶんですか!? 今しかない青春を今日もまた無駄にするですか!?」

「喜多ちゃん片膝ついて駄々こねる準備しないで? ……もー、しょうがないなぁ。テキトーに下北ぶらつく感じでいい?」

「はい!! はい!!! 下北をぶらつき尽くしましょう!!」

「えー……」

「…………」

 

 すごく不服そうなのが2匹いるが、まぁ、ひとまずそういうことになった。

 

 

 

 下北沢はサブカルチャーの街である。

 

 我々に最も馴染みの深い音楽はもちろん、演劇やアート、ファッションなど、多種多様なサブカルの発信地であり、下北出身のアーティスト、タレントは枚挙に暇がないと言っていい。

 そして、そんな街であるが故にありとあらゆる種類の店が軒を連ねていて、そのほとんどが個人経営の店だ。

 広く大衆に受け入れられることを第一に置かないその在り方。

 他では出逢えない、貴方がとびっきり気に入るようなお店が、この街でならきっと見つかるでしょう――。

 

「――って感じ」

「さすがリョウ先輩だわ! よっ、下北沢の案内人!」

「そんなに煽てても何も出ない。むしろお金ないからいろいろ出すもの出して欲しい」

「出します出します!」

「喜多ちゃんやめなさいっ」

 

 べしっと虹夏先輩のチョップが喜多さんの頭に炸裂し、「あうっ」と喜多さんは悲鳴を上げた。

 

 喜多さんからのご指名により、リョウ先輩の案内の下で俺たち五人は下北沢の街を歩いていた。

 

 リョウ先輩の言っていることを踏まえた上であらためて意識してみると、確かに下北には個人経営っぽいお店が多い。

 なんとなくの印象だが、駅周辺から離れれば離れるほどそういう傾向が強い……ような気がする。まぁそんなのどこでも当たり前かもしれないが。

 

 みんなでお昼ご飯を食べに行ったり、あとはライブの打ち上げで居酒屋に連れて行ってもらったりと飲食店に行くことは多いが、それ以外の店に入った記憶は正直ほとんどない。

 まぁ雑貨とか服とか普段からそんなに興味があるわけでもないし、そこに個人経営のお店に特有の若干の入りづらさが合わさると……ねぇ?

 

「……ま、見たら見たで楽しそうだから全然いいけどな」

「衣久くん、それ何も見えてなくない?」

「はい。何も見えてません」

 

 パーカーのフードを被せられて垂れていた紐の両方を背後から後藤に引っ張られてる。口がすぼまって何も見えていない。虹夏先輩、俺を導いてくれ……。

 

「ぼっちちゃん、それ危ないからやめなー?」

「うっ、うぅ……でも……下北怖い……!」

「もう丸一年以上通ってるじゃないひとりちゃん!」

「スターリーと駅を往復してるだけだからしょうがないと言えばしょうがない。なんなら地元すらアウェーだからな後藤は」

「ぼっちの帰るべき場所はどこに」

 

 ……土……ですかね。

 つまり現代のコンクリートジャングルに後藤の住み良いところはなく、悲しいけれど森へと帰すしかないのである。

 

「後藤、森へお帰り。ここはおまえの住む世界じゃないのよ」

「あっはい……」

「受け入れない受け入れない。ほらもう、とりあえずどっかお店入ろうよ! どこにするー?」

「はいはいはーい! 私、ビレバン行きたいですっ!」

 

 と、喜多さんが指差したのはちょうど通りがかったビレッジバンガード。個人経営うんぬんガン無視のチェーン店である。

 

「ビレバンなんてどこにでもあるのに」

「下北のビレバンは特別ですよリョウ先輩っ! だって下北ですもん!」

 

 えー、と不服そうなリョウ先輩だったが、喜多さんにずりずりと引っ張られていく。喜多さんにフィジカルで勝てるわけがないのであった。

 

 とりあえず、喜多さんとリョウ先輩に続いて、俺と後藤と虹夏先輩もビレバンの中に入っていく。

 

「おー、横浜のよりちょっとごちゃついてる感じするなぁ」

「衣久くんビレバンとか行くんだ?」

「友だちと片手で数えるくらい行ったことあるだけですけどね。……まぁでも喜多さんの言うこともちょっとわからんでもないな。下北の、ってなると微妙に良い感じするわ」

「でしょう!?」

「喜多さん近い近い」

 

 通路が狭いから近いよ喜多さん。

 

 ……それにしても、ビレバンは特に目当てなく置いてある物をひたすら見ているだけでも楽しめてしまう。

 あとは、何と言っても手書きのポップだろう。黒いフチ付きの黄色い紙に、たぶんマジックペンで書かれたいろいろな商品紹介文。見た目が楽しいのもあるし、ウィットに富んだ文章が読んでてめちゃくちゃ楽しい。結束バンドの物販の参考にならんかな……。

 

「……ぼっち! 今日から一日100枚ビレバンフォントの練習しよう! ビレバン風ポップ付ければウチの物販バカ売れ間違いなし……!」

「あっはい!」

 

 やべぇ山田並みの発想だったらしい。猛省。

 

「あ、見て見てこれ! このステッカーかわいいよ! めんだこ! 買ってどっかに貼っちゃおうかな~」

「いいですね! すごいかわいいです! ……あっ、思い付いたんですけど、私たちもステッカー作りませんか? 結束バンドのロゴとか……あと”けつばんちゃん”とか!」

「おー、いいんじゃね?」

 

 虹夏先輩が手に取ったステッカーからそんな話になる。

 そういやすっかり忘れていたけつばんちゃんだが、確かにステッカーくらいにはしてもいいかもしれない。割と味のあるキャラデザだったし。

 

「……けつばんちゃんとは……?」

 

 ちなみに、生みの親には思い出してもらえないようである。なんと哀れな……。

 

「リョウ先輩、ちゃんと認知してあげてくださいよ……」

「……!? そ、そんな、いつの間に私と衣久の間に子どもが……!?」

「何の話してんだ山田おめー」

 

 けつばんちゃんはおめーの単性生殖だよ。っつーか女の方が子どもの存在を知らないとかどんな状況だよ。

 

「こらそこー、あんまり刺激の強い話してるとぼっちちゃんが爆発しちゃうよー……って、あれ? ぼっちちゃんどこ行った? 迷子?」

 

 アホなやり取りをしている俺たちを叱った虹夏先輩が、不意に後藤の消失に気が付いたようだった。

 

 ふっ、虹夏先輩、後藤ならついさっき女子高生の集団とすれ違ったときに付いて行ってましたよ……奇跡のアホなので群れを間違ってしまったんですね。あるあるー。

 

「……ま、いずれにせよそろそろじゃないか?」

「此崎くん! よくわからないこと言ってないでいいから早くひとりちゃん探しに行かないと――」

『――ご来店のお客様に迷子のお知らせです。神奈川県からお越しの後藤ひとりちゃん、保護者の方がいらっしゃいましたらレジまでお越しください。繰り返します、ご来店中のお客様に迷子のお知らせです。神奈川県からお越しの……』

「…………」

「…………」

「な?」

「じゃあ責任持って引き取ってきてね衣久くん」

「そうよ此崎くん保護者としての責任を果たすべきだわ」

「全員で行こうぜ!」

 

 一蓮托生。みんなで行けば恥ずかしくないさ!

 

 

     ♪ ♪ ♪

 

 

 ……ということで全員で無事に後藤の回収ミッションを達成し、ついでにちょこっと買うものも買ったのでビレバンを後にすることになった。

 

「さて、次はどこ行くんだ?」

「はい! 私カフェ入りたいです! 実は気になってるお店があって~……」

「よし、じゃあそこの角曲がった先の古着屋行こう。おすすめ」

「リョウ先輩のおすすめですか!? 行きます!!!」

 

 それでいいのか喜多郁代。

 ……いやまぁいいんだろうね。

 

 

 

 お恥ずかしながら、俺は古着屋なんてものに入るのが初めてだった。

 こちとら洋服を買うのなんてもっぱらユ○クロ、なんならネットでノーブランドのものを適当に買うこともしばしばというくらいなので、ほとんど縁もゆかりもないと言っていいだろう。

 

「ほー、古着って言っても全然きれいなもんですね……や、まぁちょっと使われてる感じはあるか」

 

 店の内装の雰囲気なんかもあるだろうが、決して悪い意味でなくくたびれたような感じが漂っている。レトロ……というのは少し違うか? 上手い言葉が出てこないもんだ。

 

「私、古着って上手に着こなせる気がしないんですよねー……」

「あー、結構センス問われるもんねぇ」

 

 と、喜多さんと虹夏先輩がハンガーラックを見ながら話をしている……えっ!? ぼくらのファッションリーダー喜多さんでも難しいんですか!? 

 

 ……ってことはよぉ、その対極に位置する後藤にコーディネートさせたらとんでもねぇことになるかもしれねぇよなぁ?

 よく考えたらいっつも古着未満の萎れたピンクの芋ジャージ着てるしな……これはマジでワンチャンあるかもしれない。

 

「後藤、今こそお前の隠れた才能を引き出す時だ」

「えっなっ何……?」

「古着コーディネーター後藤の伝説が、今日、始まるかもしれない。さぁ、誰に頼る必要もない。お前はお前のセンスで、この店にある古着で自分をコーデするんだ……!」

「……! うっうん、がっ頑張る……!」

 

 後藤はふんふんと鼻息を荒くしながら勇猛果敢に一人で店内を歩き回り始めた。

 

 俺がそれを笑顔で見送って振り返ると、虹夏先輩と喜多さんから「コイツまた……」みたいな目で見られていた。一体何が()()なのかは残念ながら不明です。いやー残念だなーわかんないなー。

 

 すっとぼけながら後藤の観察を……していてもよかったが、せっかく店にいるのだから俺だって服が見たい。喜多さんたちと一緒にいればオイラだって怖くないやい!

 

 そうして喜多さんたちと足並みを揃えつつ、なんとなく色合いとかデザインとかがピンと来たような気がしたものを手に取ってみるが……まぁ、だいたいは気のせいだ。単体ではよくても組み合わせが思いつかない。あと見てるのがレディース中心なのよ。

 

「虹夏」

「んー? なにー?」

 

 ふと、リョウ先輩が一着持ってやって来て、虹夏先輩に声をかけた。

 リョウ先輩は虹夏先輩にその服を差し出しながら言う。

 

「これ、今の服に合いそう。着てみて」

「あーうん。これだけ? あ、そっちのとかも……」

「全身古着にする必要はない。とりあえず今の服に一着合わせるくらいが無難」

「なるほど? まぁ確かにあれもこれもって見てるといつのまにか小汚い感じになっちゃったりするんだよね……」

「それわかります~! だから難しいんですよね〜」

 

 ……なるほど、と俺も思いながらリョウ先輩の話を聞き、それからちらりと店内を物色している後藤を見る。

 その手には明らかに大量の古着が抱えられており……うん、うん。

 

 俺は期待に胸を膨らませて、見なかったことにした。

 

「郁代はこれがいい。衣久はこっちのアウター着てみて」

「あっ俺もなんすね。てかいつのまにかメンズを……」

「いやそれレディース。でも衣久なら普通に着られると思う」

「……うっす」

 

 オイラそんなに線が細いわけでもないはずなんですけどね……いやでも普通にかっこいいなこれ……。

 

 ――というわけで、早速虹夏先輩たちと共にリョウ先輩チョイスの古着を試着してみる。

 

 するとまぁ、なんというか、良い。

 

 無理なくオシャレ、とでも言えばいいのだろうか。

 たぶんこんなかっけージャケット、新品だったら着るというより着られてしまうと思う。

 しかしそこで、古着ゆえの少し小慣れた感じが程よく俺に合わせてくれているようで……いや良い。良いな。

 

「リョウ先輩、俺もっと早く古着の魅力教えて欲しかった……」

「ほう、衣久がそこまで言うとは。じゃあこっちも着てみる?」

「みるぅ……」

 

 うぅ……ぼくらのニュー・ファッションリーダー山田リョウ……!

 

 ……そしてもちろん、俺だけでなく虹夏先輩と喜多さんの方もとっても良い感じだ。

 まぁなんだ、素材が良いからよっぽどおかしなことをしなければそりゃあ良い感じになるのかもしれないけど、やっぱりリョウ先輩のアドバイスは確実に効いているように思える。

 

 それから向こう三十分程、俺たちはリョウ先輩の着せ替え人形にされていた。

 

 俺と喜多さんは満更でもなかったが、虹夏先輩はちょっとお疲れ気味だったかも。

 しかし、最終的には古着コーデもしっかり完成して、今日はこのまま下北沢練り歩いちゃおうみたいな流れになったので結果オーライだろう。

 

 ちなみに俺は今日着る分以外にも普段よく着てる服に合いそうなのをリョウ先輩に見繕ってもらった。何着か買ったけどこれでも一万円行ってないんですよね……リーダーありがとう……。

 

「……さて、それじゃ最後に幻のファッションリーダー候補の渾身の古着コーデを見てお別れしましょうか」

「お別れしちゃうの?」

「お店からだよね?」

「それはリーダー候補次第ですね。では、どうぞー」

「――けっ結構かっこよくできちゃいました……へへ……!」

「…………」

「…………」

「…………」

 

 ……じゃ、お別れということで。

 さようなら、ありがとうファッションモンスターさん。

 




後編へ続く。
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