SAO another story   作:シニアリー

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今回は早めに投稿しました。

タイトル通り、4人がフィールボス戦を見た後、迷宮区に入ります。


フィールドボス戦と迷宮区

 

強化詐欺の手口を見抜いた翌日、本来なら2人で行動する筈だった少年達だが、何故か1層のボス戦でパーティーを組んだアスナ、ユウキと再び行動を共にしていた。

 

集合時間前に集まった4人は圏外に足を運び、フィールドボス戦が行われる場所まで来た。だが、ビーターの自分達が参加するのは目障りだろうし、何よりそんな空気の中でやりたくないと、ライトは内心で思っていた。

 

そんな中、彼は迫力ある重突進攻撃を繰り出す、牛モンスターの《ブルバス・バウ》と戦おうとする攻略組を、少し離れた岩山から眺めていた。

 

「陣形は6人パーティー2つに待機組の3人、か」

「…前より少なくなってるね?」

「そうね」

 

やはり、ディアベルを尊敬する者が多かったのだろう。1層のボス戦時は40人を超えていたのに、この場には半分程しか集まっていなかった。

 

それでも、フィールドボスはフロアボスよりも弱く設定されている為、今の攻略組の人数で倒せる筈だ。勿論、それぞれのパーティーの連携が、しっかりしていればの話だが。

 

「…なんか、どっちが攻撃で防御なのか分かんないな」

 

キリトの言うように、6人パーティーのプレイヤー達を見てみると、双方が同じような装備をしていた。

 

ブルバスの突進攻撃をタンク隊が止め、側面からアタッカーがHPを削る。これがこのボス戦の基本方針だが、見たところ、それはどちらのパーティーにも含まれている。

 

「あっ、見て! あの人達、パーティーごとに色を合わせてるよ!」

 

ユウキの指摘に、3人はボス戦を行うプレイヤー達に、注意深く視線を送る。確かに、鎧の下の布装備がそれぞれ青と緑に分けられていた。加えて、指揮を執るリンドとキバオウも、それぞれ青と緑の布装備を着用していた。

 

「彼らは攻略部隊を再編成しなかったのね。青色の部隊がリンドさんの率いる仲間で、緑色の部隊がキバオウさんの仲間って所かしら? あの2人、ウマが合いそうじゃなかったもの」

「成る程な……だが、これだとパーティー間の連携が難しいぞ!」

 

あのボスの場合、タゲられるパーティーとアタッカーのパーティーをはっきりさせなければ、戦闘中に混乱状態になる事もある。ライトがそう思っていると、攻略組の面々がブルバスの反応圏に踏み込んだ。

 

 

ブルモォォォォ!!!!

 

 

直後、凄まじい雄叫びを上げたブルバスは、猪突猛進の勢いで12人の戦士達へ走り出した。それと同時に、何やら後方でリンドとキバオウが、それぞれのメンバーに指示を出しているようだが、それが一体何なのかは聞き取れない。

 

突進してきたブルバスを迎え撃とうと、何と両パーティーのタンク隊が受け止める姿勢を取った。

 

「おいおい、両方でタゲってどうすんだよ!?」

 

ブルバスは盾を構えた2人組のどちらに突進しようかと迷ったが、青パーティーに標的を定めると、猛スピードで走り出した。青パーティー2人組は姿勢を低くし、盾を構えてブルバスを迎え撃った。

 

 

ズガアァァァン!!!!

 

 

戦闘場所はライト達が立つ所から200mも離れているが、盾と牛が激しくぶつかった衝撃音が響いてくる。

 

その凄まじい突進力を受けたタンク隊2人は10mも後ろに後退させられるも、何とか踏み止まり、その隙にアタッカーがソードスキルでダメージを与えた。

 

「ヒヤヒヤさせるわね。事前にパーティー間で役割を決めておかないからよ!」

「でも、何とかなりそうだね!」

 

アスナの手厳しい一言を受けた攻略部隊だが、ユウキの言う通り、この調子で行けば、何の問題もないだろう。ボスのHPゲージも半分を切っているので、残り何回かのソードスキルを叩き込めば、クリア出来るだろう。

 

「そう…だな。パーティー1つでも倒せるぐらいの強さだから、問題ないとは思う」

「だが、あれじゃボスの取り合いだろう…この先が心配だな」

 

ライトはため息まじりに呟いた。フィールドボスとはいえ、ラストアタックボーナスを入手する為に、必死になってボスを取り合っているのが分かる。そんな中、後方で控える3人のプレイヤー達が少し気になり、そちらに目を向けた瞬間、ライトは目を剥いて、キリトに呼びかけた。

 

「っ! おい、キリト。あれ!」

「あぁ! 何で、あいつらが!?」

 

キリトからも驚愕の声が漏れた為、アスナとユウキが怪訝そうな顔を浮かべた。そんな2人に構わず、キリトは少女達に顔を向けると、後方で待機している中央の男を指差す。

 

「あそこの、あのバシネット被った丸っこい体型した奴、知ってるか!?」

「バシネット? それって、赤ちゃん用のベッドの事じゃないの?」

「へぇ? い、いや、ああいう、てっぺんが尖ってる兜の事を言うんだけど、それより、あの男を見た事ないか?」

「あるよ!」

 

即答してきたユウキの返答に、2人は一瞬硬直してしまったが、聞き出す必要があると、ライトが鬼気迫るような口調で問い掛けた。

 

「誰だ!? 何時どこで見たんだ!?」

「ええっと、昨日の午前中にブルバスの偵察があったって言ったよね? ちょうどその時に、ここに来てたんだ。名前は……お、オルランドさんだったけ、アスナ?」

「うん。確か、そう言ってたわ!」

 

ユウキだけでなく、アスナもあのプレイヤーに見覚えがあるようだ。昨日、ネズハを追跡している最中に危うく見つかりそうになった男に、こんなに早く出会うとは思いもしなかった。

 

「オルランド……確か、シャルルマーニュに仕えていた騎士の名前だったか?」

「あぁ、聖剣デュランダルを持った、無敵の最強騎士様さ」

 

そんな事を話し合っていると、アスナとユウキが何故か納得したように頷き、オルランドと呼ばれるプレイヤーと共に並び立つ、右側の両手剣使いを指差した。

 

「あのオルランドさんって人の右側の人、自己紹介の時にベオウルフって名乗ってたわ。それも、イギリスの伝説の勇者でしょ?」

「それで、反対側のあの人はクフーリンさんって言ったかな?」

「…オルランド、ベオウルフ、クフーリン」

 

アバターの名前は、設定する人間が自由に決めるので、別に誰がどんな名前を設定しようと、問題はどこにもないのだが、何故か、ライトは彼らの名前を訝しむように呟いた。

 

「…どうかしたのか、ライト?」

「……いや、何でもない」

 

ライトの反応を不審に思ったキリトは何を考えているか、彼に声を掛けたが数秒黙り込んだだけで、そう返答してきた。そう言われたキリトは、視線をライトから攻略組に戻した。すると、アスナが更に説明を加える。

 

「あの人達、ギルド名も先に決めてて、《レジェンド・ブレイブス》って言ってたわ!」

「英雄の人達ばっかり集まってるから、そうなったのかな?」

「多分そうね…彼ら、偵察前の会議の時に乗り込んできて、一緒にやりたいって言ってきたのよ。リンドさんがステータスを確認したら、レベルとスキル熟練度がちょっと劣るけど、武装がしっかりしてるから、リザーブぐらいなら大丈夫だって判断したみたい!」

「後、ボク達が参加しなかったのは、あの人達が来てくれたからって理由もあるんだ!」

 

後方で待機している3人組は、リンドの判断で配置されたのだと分かり、2人は改めて3人組に視線を向ける。

 

2人の言う通り、彼らが装備している武装は、中々の代物だと見て取れる。見た目だけで言えば、攻略組と思えても不思議はない。だが、今の彼らはそんな事を考えている訳ではなかった。

 

「キリト、やっぱりあの鍛冶屋は、彼らの仲間って事だな?」(小声)

「まず間違いない。そして、1層のボス戦で姿を見せなかった彼らが、いきなりここまで追いつけた理由は、多分…」(小声)

 

 

「ブルルォモオオォォォウ!!!」

 

 

強烈な雄叫びが4人の耳に届き、話し合いを中断されたキリトとライトは何事かと目を向けた。

 

見ると、キバオウ隊とリンド隊のパーティーが、どちらがボスのタゲを取っているのか分からず、ライトが懸念していた混乱状態に陥っているようだった。タンク隊が姿勢を崩したのを好機と見たのか、フィールドボスがアタッカーに向かって走り出した。

 

「「危ない!!」」

「何をモタモタしてるんだ!?」

「アタッカーは左右に散れ!」

 

アスナとユウキが悲鳴にも似た言葉を叫び、ライトとキリトがすぐに指示を下すが、彼らに聞こえる筈もない。

 

キバオウとリンドの指揮で、攻略部隊は迫り来るブルバスの突進を回避しようとするが、僅かに間に合わなかった。起き上がろうとする盾持ちタンクを通り過ぎると、逃げ遅れた2人の剣士を4本ある角で持ち上げ、天高く跳ね上げた。

 

「「「「っ!!」」」」

 

その光景に、4人は息を呑む。跳ね上げられ、地面に激突した衝撃でHPが0になり、四散してしまうと予期したが、真下が牧草地だった為、そこまでタメージを受ける事はなかった。その事に安堵していると、リンドがサッと右手を振った。

 

同時にアタッカー、タンクを含め攻略隊が後退していく。それを確認したキバオウが、右手に持つ剣を振り回すと、入れ替わるように後方で待機していた3人組が前に出た。

 

「…お手並み拝見といこうか」(小声)

 

小さく囁いたライトの言葉に応えるように、聖騎士オルランドは左腰の鞘に収めれている片手直剣を右手で勢い良く引き抜いた。

 

黒光りするその剣はライト、キリト、ユウキの3人が持つ、同種の剣《アニール・ブレード》だった。彼はそれを高く掲げ、ブルバスに負けず劣らずの雄叫びを上げると、勇猛果敢に挑んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボス戦が終了したのは、戦闘開始から約25分が経過した後だった。後方に待機していた3人の活躍により、多少の苦戦を強いられたものの、一軍メンバーを見事にカバーし撃破した。

 

「本当にヒヤヒヤさせるわね…でも、犠牲者が出なかったのは良かったわ!」

 

アスナの言う通り、誰か1人でも失えば全体に動揺が走る。その隙を突かれ、全滅してしまう事もないとは言い切れない。第1層で危うく、そうなりそうだったのを経験しているから尚更だ。

 

すると、フィールドボス戦が終了したタイミングで、ユウキが《レジェンド・ブレイブス》を見詰め続ける少年達に話しかけた。

 

「それで? 何で2人は、あの人達の事がそんなに気になってるの?」

 

キリトとライトがブレイブスに向ける視線は、疑惑のそれを含んだものだ。このボス戦で活躍した人達にどうしてそんな視線を向けるのか、ユウキは勿論、アスナにも理解できない。

 

ライトはキリトと視線を交差させると、ゆっくりと頷いた。そして、キリトが先に重い口を開いた。

 

「…昨日、俺達が武器消滅の真相を探ろうと、ネズハを尾行していたのは話したよな?」

 

少女達は同時に頷く。昨日の夜、武器のすり替えトリックの一部を見破ったキリトとライトは、その事を細かくではないが、簡潔に伝えていたのだ。

 

「その時に、ネズハは彼らと接触していたんだ。そして、…彼らも強化詐欺に加担している…っと俺達は考えている」

「「っ!?」」

 

アスナとユウキは揃って息を呑み、鋭い視線を少年達に送る。

 

「恐らく、リーダー格の聖騎士オルランドが強化詐欺を命じているんだ……彼らの装備は攻略組の中でもかなりの代物だが、レベルとスキル熟練度はそれに見合っていない…という事は」

「強化した武器をすり替える事で、それをお金に変えて、報酬として彼らに渡している、って事ね?」

「そっか。お金があれば、幾らでも強化できるもんね?」

 

MMORPGでは、レベルの数値が高ければ効率良く経験値、コルを稼ぐ事が出来る=武装を強化する事が可能という訳だ。しかし、戦闘をせずとも、強化された武器を騙し取り、それをNPCの店でコルに変換すれば大量に儲かる。

 

それを利用して彼らは、一気に最前線に追いつけたと、少年達は考えたのだ。すると、アスナとユウキが同時に立ち上がり、岩山を降りようとする。

 

「待て、どこに行くつもりだ?」

「決まってるでしょ!? あの人達の所よ!!」

「これ以上放っておけば、どんどん被害が大きくなっていくんだよ!?」

 

彼女達の足を止める為、ライトが制止の声を掛けるも、2人は止まるつもりなど毛頭ない様子だ。しかし、すかさずキリトも止めに入ろうと声を掛けた。

 

「少なくても、強化詐欺のトリックぐらいは見抜いておかないと! こっちが名誉毀損で非難されるぞ?」

 

キリトの言葉に、2人の少女は確かにと、悔しそうな表情を浮かべた。彼らが強化詐欺に関与しているのは間違いないが、その証拠がまだ掴めていない今、彼らを問い詰める事は出来ない。

 

「…確かに証拠もないんじゃ、言い掛かりも良い所ね」

「でも、手掛かりがないよ? 何かヒントがあれば良いんだけど」

 

ユウキの言う通り、今のところ彼らが武器のすり替えに使ったヒントすら、まだ把握できていないのだ。だが、今日は迷宮区に潜むモンスターを相手に、攻略を進めなければならない。

 

6人パーティー2つとリザーブ3人が補給の為にマロメに戻るタイミングで、彼らは迷宮区に向かおうと足を踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ブモオオォォォ!!!」

 

 

迫り来る《それ》は、両手に持つ強大なハンマーを大きく振り上げ、勢い良く地面に叩きつけた。瞬間、ハンマーから発生された稲妻が迷宮区の地面へ伝い、それがライトに到達する直前で足元から消え去った。

 

「…っ」

 

第2層の迷宮区に湧くモンスターの外見は、正に牛男だ。トーラス族と呼ばれるが、そのモンスターが使うソードスキルが少し厄介なのだ。

 

威力はそこまで高くないが、攻撃範囲が途轍もなく広いのだ。事実、ライトが立つ場所は奴から5〜6mは離れているが、地面を伝ってきた稲妻が足元を掠めた事で、少し痺れるような感覚が走った。

 

トーラス族が使うデバフ付きソードスキル《ナミング・インパクト》だ。これを受けてしまうと、一時行動不能《スタン》状態に陥ってしまい、かなり危険なのだ。

 

「行くぞ!」

 

キリトの鋭い掛け声に、4人は勢いそのままに走り出し、スキル硬直で動けないトーラスを集中攻撃する。

 

通常攻撃とソードスキルを織り交ぜて、HPを確実に減らす。戦闘を繰り返す事2時間弱、ナミング系を繰り出すモンスターの戦闘にも慣れてきたようだが、1つだけ問題があった。

 

「せやあぁぁぁ!!」

「やあぁぁぁぁ!!」

 

細剣2連撃ソードスキル《パラレル・スティング》と、片手直剣2連撃ソードスキル《ホリゾンタル・アーク》がHPを削り切り、その体をポリゴンへ変えさせた。

 

問題というのは戦闘面に関してではなく、トーラスの格好にあるのだ。アスナは後方に立つキリトとライトに振り向いて、真っ赤な顔で叫んだ。

 

「牛じゃないじゃない、あれ!?」

「… あははは」

 

そんなアスナの叫びに、ユウキは苦笑いを零すのだった。迷宮区に湧くトーラスは広範囲攻撃を放つが、それに慣れれば大した事はない。しかし、女性からはあの格好は見ていられないようだ。

 

分かりやすく言えば、《ほぼ全裸のマッチョ男》だ。2時間も戦闘を繰り返しているが、アスナはどうにも慣れない様子だ。

 

「まぁ、全体の8割は人だけどさ」

「…何でそんな取り乱してるんだ?」

 

だが、そんな事など理解できない男性陣は、彼女にそう訊ねてみた。

 

「だって、あいつ……殆ど着てないじゃない!? セクラハよ、セクハラ!!? 出来るならハラスメントコードで黒鉄宮送りにしてるくらいよ!!」

「…な、成る程」

 

捲し立てるその言い分に、キリトはそれしか返せなかった。男性陣からは何時もと何も変わらないのだが、アスナの激しく動揺している姿に唖然となる。

 

「ボクもイヤ、かな……あれは」

 

ユウキもアスナより動揺していないが、心底嫌そうな口調で言った。普段とても元気でよく笑う少女が、こんな反応を示すとは相当に気持ち悪かったのだろう。

 

そんな2人の反応を見たキリトは、さっき迷宮区で見つけた宝箱の中身について、どうしようかと悩んでいた。彼が手に入れたアイテムは《マイティ・ストラップ・オブ・レザー》という防具で、防御力もそこそこある上に、筋力値にボーナスが付くお得なアイテムだ。

 

しかし、それを装備した場合、上半身が《革帯を各所に巻いただけの半裸》になってしまうのだ。当然、アスナとユウキは、了承してくれるとは思えない。

 

「(折角のアイテムが勿体無いよなー…どうしようか?)」

 

手に入れたアイテムの使い道に思考を巡らせていると、この装備が似合いそうな人物が、彼の頭の中に思い浮かんだ。

 

「あ、そうだ!」

「っ…どうかしたか?」

「ああぁ…さっき手に入れたアイテムなんだけど、似合いそうな人が結構限られてるんだよ。誰か居ないかなって考えてて、彼なら似合いそうだと思ってな!」

「…彼?」

 

ライトはキリトの言っている人が、一体誰なのか分からず、その人物の名前を求める。

 

「ほらっ、1層のボス戦の時に俺達4人を助けてくれた、タンク隊のリーダーやってた人だよ!」

「…ああぁ……確か、エギルって名乗ってたか?」

「何の話をしてるの?」

「エギルさんがどうかした?」

 

2人の話している内容が気になったアスナとユウキは、少年達に声を掛けた。

 

「…え〜っと、このマジック系のストラップ鎧、あのエギルって人なら似合うかなぁ〜って話してたんだ」

「……まぁ、あの人ならサマになりそうね! 昨日、《ブルバス・バウ》の偵察で会ったわよ!」

「そうなのか? けど、ボス戦では見当たらなかったぞ?」

 

ライトの言う通り、フィールドボスの《ブルバス・バウ》の戦闘の時には、どこを探しても見当たらなかった。何らかの理由があって、参加できないのか。

 

「あの人も、リンドさんやキバオウさんとあんまり合わないみたいなんだ。でも、ボス戦には参加するって言ってたから、その時に渡せると思うよ!」

 

偵察時に自身が抜けても、特に何の問題もないと判断しての行動だったのだろう。事実その通りで、多少の苦戦は強いられたものの、《レジェンド・ブレイブス》の加勢のお陰で、ボスを倒す事が出来た。今頃は、マロメで補給や武器のメンテを完了させ、迷宮区に足を踏み入れているに違いない。

 

「…そっか……ところで、みんなはもう、トーラスの《ナミング・インパクト》は対処できそうか?」

「あぁ。問題ない!」

「後2、3回見れば、大丈夫だと思うわ!」

「ボクも、大体分かってきたよ!」

 

ライトは当然と言った様子で答え、アスナとユウキも連携と対処法を分かってきているようだ。

 

ナミングは確かに、攻撃範囲が広いが、そこを出てしまえば受ける事はない。そして、ソードスキルの硬直の間に、ダメージを与えていけば良いので、この4人にとっては難しい戦闘ではない。

 

「よし、じゃあ次のブロック行きますか!」

 

3人は頷くと、部屋の出口に向かって歩き始めた。

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