突然、後ろから声を掛けられ、背後に振り向くと、黒髪と赤髪の男性プレイヤー達が立っていた。いや、本当に男とは限りらない。もしかしたら、リアルでは女性で男性のアバターを作り、それを使ってプレイしている可能性も考えられる。
だが、そんな事はこの際どうでもいい。先ほど聞こえてきた『凄いな』はどういう意味か。
「…何が凄いんだ?」
青年はその言葉に疑問を覚え、そう問いかけた。すると、黒髪の男性プレイヤーが話しかけてきた。
「さっきの、君が放ったソードスキル、動きに無駄がない上に威力が通常より上だった。君もβテスターなのか?」
《βテスター》
それは、この正式版とは別のバージョンのソードアート・オンラインをプレイしていた者を言う。それを体験できる人数は、正式版の人数の10分の1、たったの1,000人だ。青年は黒髪のプレイヤーの質問に答えようと口を開く。
「いや、オレはβテスターじゃない」
その言葉に、黒髪の男は軽く目を剥いた。近くで見た訳じゃないが、彼が放ったソードスキルや戦いの身のこなしは初心者とは思えないからだ。
「それで、何か用か?」
彼が話しかけた理由は他にあると思い、青年はその要件を問いかけた。しかし、少々トゲのある言い方をしてしまった。だが、気にした様子もなく、今度は赤髪のプレイヤーが話しかけた。
「実は、俺に戦い方を教えてほしくてよ。フィールドに出て武器の扱い方や戦い方を教えてもらおうとしたんだ!」
「そしたら、ソードスキルを発動させて、ボアを倒してる君が目に入ったのさ」
「…成る程」
彼らが自分に話しかけてきた経緯を聞き、青年は納得した。すると、赤髪のプレイヤーがある提案を持ちかけてきた。
「なぁ、おめぇさんも俺達と一緒にやらねぇか?」
「えっ?」
いきなりの提案に、呆気にとられてしまう青年だったが、それに構わず赤髪のプレイヤーは話を続ける。
「分からねぇ事があったら、ここに居るキリト先生が教えてくれんだぜ!」
「先生って…」
キリトと呼ばれた黒髪のプレイヤーは、先生と呼ばれた事に複雑そうな反応を示した。だが、それもほんの少しの間で、キリトは青年に向かって、同じような提案を持ちかけた。
「俺は元βテスターだから、こいつの言った通り、分からない事があれば、教えてあげられるよ?」
優しそうな口調で歩み寄ってきたが、青年は少し戸惑っていた。他人と関わるのは好きではない、はっきり言って嫌いだ。それにこのゲームは、1人でプレイする予定だったから。どうしようか考えていた時、彼の頭に最後に聞いた母親の言葉がよぎった。
『楽しんできなさい。出来れば、友達と一緒に』
「(……分かったよ…母さん)」
心の中で、母親に向かって返事をすると、青年は2人に向かって返答した。
「よろしく頼む」
そう言うと、2人は嬉しそうに笑って自己紹介をしてきた。
「よっしゃ! 俺はクラインってんだ、宜しくな!」
「俺はキリトだ。宜しく」
「オレは…ライトだ」
こうしてプレイヤー、ライトはキリトとクラインの2人と、行動を共にする事にした。
「どわぁぁ!!」
大きな衝撃音と叫び声が聞こえたと思えば、クラインが股部分を抑えて草原に蹲っていた。そして、そんな間抜けな光景を、ライトとキリトは見せられていた。
クラインはこの世界で武器の扱い方と戦い方を身に付ける為、ボアを倒そうと、ソードスキルを発動させようとしたが、中々上手くいかず、ボアの体当たりで吹き飛ばされたのだ。
「ゔっ! がぁ! いぃっ!」
クラインは未だに、股間部分を抑え苦しんでいる。そんなクラインに呆れながら、キリトが口を開いた。
「大袈裟だな。痛みは感じない筈だろう?」
この世界はナーヴギアを通して、プレイヤーの脳に五感をフィードバックしている。ただし、痛覚は遮断されている為、剣で斬られたり、殴られても痛みは感じない。だが、残留感という不快な痺れは感じる。
「んっ…あ、そうか。ついな」
キリトの言葉で気が付いたクラインは、何事もなかったかのように起き上がる。ここが仮想世界でも、痛みを感じるシステムになっていたなら、誰もやりたいとは思わないだろう。そんな事を傍で見ながら、ライトは思っていた。
「なぁ、ライトよ。ぼうっと立ってねぇで、ちっとは教えてくれよ!」
すると、そんなライトに痺れを切らしたのか、クラインが声を掛けてきた。ライトは既にソードスキルのコツを掴んでいる為、何気なく景色を見渡していた。
「…教えるも何も、キリトがさっき言っていたじゃないか? 重要なのは、初動のモーションだと」
戦闘を始める前に、キリトは2人にソードスキルを発動させる為の動作を教えていた。だが、ライトは最初から出来ていたので、クラインのように苦労する事はなかった。
ライトはキリトからの説明を再びクラインに伝えたが、クラインはどこか渋い顔をしていた。
「…んな事言ったってよ、あいつ動きやがるしよ」
「モンスターはカカシじゃないんだぞ? 動くに決まっている」
攻撃をされても動かないモンスターを倒すゲームなど、誰もが面白くないと言うだろう。ゲーマーの中には、そんなゲームを好む者を居るかもしれないが。すると、それに続くように、キリトが話しかけた。
「ライトの言う通りだ、クライン」
そう言うと、キリトはしゃがみ込み、足元に落ちている小さな小石を拾って説明する。
「ちゃんとモーションを起こして…ソードスキルを発動させれば…」
キリトは小石を握っている右手を、肩よりも高い位置に構えた。すると、右手に持つ小石が、淡く赤い光を帯びた。
「…ふっ!」
そして、キリトはそれを目先に立つボアに向かって、勢い良く投げつけた。小石は目にも留まらぬ速さで、一直線の赤い軌道を残しながらボアに向かっていき、狙いすましたように命中した。
「プギィィィ!!」
その衝撃で、ボアは後ろに後退した。その事にクラインは唖然としており、ライトは感心したかのように口笛を吹いた。すると、キリトがクラインに向き直った。
「後はシステムが自動的に、技を命中させてくれるよ!」
ソードスキルを発動できれば、自分の意思に関係なく体が勝手に動き、斬撃を与える事が出来る。ライトが最初にやった時も、そんな感覚に陥った。
クラインは右手に持つ曲刀を構え、色々やってみようとするが、まだ掴めないようだ。そんなクラインを見兼ねてなのか、ライトは自分がやってみた初動の準備動作を伝えた。
「クライン。1、2、3のリズムじゃなく、剣を構えた時に、少しタメを作ってみたらどうだ?」
「そうだ。それでスキルが立ち上がるのを感じたら、ズッパーンって放つ感じ!」
ライトの説明を継ぐ形で、キリトがアドバイスを送る。クラインはバンダナの下の表情を崩しながらも、ライトが言っていた『タメを作る』を思い出し、腰を落として曲刀を肩に担いだ。すると、その刀身がオレンジ色に輝いた。それを見たキリトは、片手剣で受け止めていたボアの牙を弾き、攻撃相手をクラインに変えさせた。
「…どりゃあ!!」
クラインは立ち上げたソードスキルを放った。オレンジ色の光を帯びた刀身は、そのままボアへ向かっていき、斬撃を与えた。それを受けたボアは動きを止めると、体を無数のポリゴンへと変化させた。
「…よっしゃあぁぁぁ!!!」
初めて自分の力で倒せた事に、クラインはガッツポーズを取り、盛大に喜びを露わにする。そんな彼に、後ろからキリトが近付き声を掛ける。
「おめでとう!」
クラインは左手を上げて、キリトとハイタッチを交わした。パチン!と響きの良い音が広がり、それがライトの耳にも届く。
「ライト、おめぇもやろうぜ!」
すると、クラインが後ろに立つライトに呼びかけた。ライトは、何故ここで自分が呼ばれるのか、分からなかった為、それを断ろうとした。
「オレは良い。あれを倒したのはお前だし」
「何言ってんだよ、おめぇとキリトのアドバイスがあったから倒せたんだぜ!? それに俺達は、パーティーを組んでるんだからよ!」
「クラインの言う通りだ。ほら!」
2人はそれぞれ右手、左手を上げる。ライトは言われるがまま、両手を上げて、2人とハイタッチを交わした。
他人と関わるつもりはなかった。だが、ダイブする直前に聞いた母親の言葉が頭をよぎった為、試しに彼らと行動してみた。それは悪い気分などではなく、寧ろ心地いいとさえ感じていた。そして、彼らが自分を見る目は、現実世界に居る者達とは根本から違うとも思った。そんな考えに囚われていたのか、キリトから声を掛けられた。
「ライト、どうした?」
「っ…いや、何でもない」
その声で、ライトは自分が余計な思考に浸っていた事を理解し、適当にはぐらかした。そして、大喜びしているクラインに向かって、無情な一言を告げる。
「だが、さっきのは他のゲームで言う雑魚、スライム相当のモンスターだぞ…喜びすぎじゃないか?」
その言葉にクラインが凍りついた。
「えっ、マジかよ。俺はてっきり中ボスかなんかだと」
「んな訳あるか!」
キリトは苦笑いしながら呟いた。ゲームスタートの時点で、そんな怪物が出てしまえば、クリアする事は出来ない。そんな会話をしている間にも、草原にはボアが次々とポップされる。だが、ここのモンスターは自分から攻撃しない限り、襲ってくる事はない。
ザアアァァァン!!
横からソードスキルを放った時の、斬撃のサウンドが聞こえてきた。見ると、クラインが曲刀でソードスキルを発動させていた。
「オオォォ!!」
1度コツを掴めば、呼吸するように出来るようだ。クラインは発動させたソードスキルを見て、興奮したような仕草を見せる。それを見て、キリトが確かめるように問いかけた。
「ハマるだろう?」
「まぁな!」
SAOが何故ここまで人気なのか。それは、仮想世界にダイブして自分の体…(実際は自分が設定したアバター)…で戦闘を体験できるのも理由の1つだが、ソードスキルを発動させた時に、刀身が光るライトエフェクトと、剣を振る時のサウンドエフェクトが、使用者の中二心を大いに満足させる。これも理由の1つなのだ。
「スキルってよ、武器を作ったりするのとか色々あんだろ?」
このゲームには、ソードスキルの他にも様々な、数多くのスキルが実装されている。その理由としては、使用するプレイヤー達が飽きないようにする為だろう。
「そうだな。スキルの種類は無数にあるって言われてる。その代わり、魔法は無いけど」
「RPGで魔法無しか。大胆な設定だよな!」
再び発動させたソードスキルのライトエフェクトは、曲刀が振られた軌跡を描き、サウンドエフェクトが周囲に谺す。
「自分の体を動かして戦う方が面白いだろう?」
「確かに!」
「その点はオレも同意」
ライトもクライン同様に頷く。キリトが言ったように、自分の体を動かして戦う方が、魔法を使うよりも達成感が違う。
「よし、じゃあ次行くか!」
「おう! じゃんじゃんやろうぜ!」
「…あぁ」
3人はその後もレベルを上げる為、レベリングに没頭した。
気が付けば、時刻は既に夕方になっていた。3人は一旦休憩を取る為、安全地帯で休んでいた。
「何度見ても信じられないよな、ここがゲームの中だなんてよ?」
信じられないように呟くのは、草原に地べたで座っているクラインだった。彼は目の前に広がる宙に浮いた島や、空を飛ぶ大きな鳥のような物を見詰めていた。
このゲームをプレイしている全プレイヤーが、クラインと同じように、ここが作られた世界だとは思えないだろう。それ程までにリアルだと思えるからだ。
「作った奴は天才だぜ。この時代に生まれて、マジで良かったぁ」
「確かに、そう思うのも無理ないかもな」
クラインの言葉に、ライトは心の底から同感した。自分の目に映るこの光景は、現実世界では絶対に見れない代物だ。それ故、心から感動してしまう。
「大袈裟だな、2人とも」
キリトは2人にそう言うが、内心では恐らく同じ思いだろう。
「初のフルダイブ体験だもんよ!」
「じゃあ、ライトと同じでナーヴギア用のゲームをやるのも、これが初めてなのか?」
ソードアート・オンラインをプレイしている全員が、フルダイブ経験者というわけではない。興味本位で購入したプレイヤーも沢山いる。
「っていうか、ソードアート・オンラインの為に、慌ててハードを揃えたって感じだ。たった10,000本の初回ロッドをゲットできるとは、本当ラッキーだぜ。けど、βテストに当選したおめぇの方がラッキーだけどな! あれは、限定1,000人ぼっちらしいし」
クラインが言っているのは、この正式版の話ではなく、その前に発売されたβテスト版の事だ。それに応募して当選したのが、真横に立つキリトだ。
「まあ、そうなるかな。」
キリトは微妙な表情を浮かべながらも、彼の言葉に頷いた。ここで、クラインは気になっていた質問をキリトに投げ掛けた。
「なぁ、βの時は何処まで行けたんだ?」
目の前に立つキリトが、かなり腕が立つのは初日で良く分かった。だからこそ、βでの彼が一体何層まで登れたのかと、気になって訊いたのだ。
「2ヶ月で10層までだった。けど、今度は1ヶ月もあれば十分だ!」
「…相当ハマってんな、おめぇ?」
キリトの声音を聞いただけで、内心で凄くワクワクしているというのがすぐに分かる。更に、顔を見れば一目瞭然だ。
「βテストの期間は、寝ても覚めても、SAOの事しか考えてなかったよ!」
キリトはそう言いながら剣を抜くと、刀身を見詰めながら続ける。
「この世界はこいつ1本で何処までも行けるんだ……仮想空間なのにさ、現実世界よりも生きてるって感じがする」
「………」
この時、ライトはキリトの言葉の意味が、少し分かった気がした。現実世界で息苦しさを感じていた時があったから。自分の過去の所為で、学校の奴らから酷い虐めを受ける事が多かった。だから、家族以外の人間と関わる事は殆どなかった。
「なぁ、ライト!」
「っ?」
突然、キリトが声を掛けたので、ライトは思考を中断して、キリトに顔を向けた。
「なんだ?」
「変な事訊くけど、お前本当にフルダイブ初心者なのか?」
それは、ライトの戦闘を見た者なら殆どの人が思う事だった。少し教えただけで、ソードスキルの発動の感覚を掴んだ上に、相手が複数でも最小限の動きで避け、攻撃を与えている。
まるで、相手がどこから来て、どこに攻撃するのかを分かっているような動きなのだ。それが例え、背後からの攻撃だったとしても同じだ。フルダイブが初だとは思えない程、この世界に順応している。
「確かに、あの動きは本当スゲェよな! まるで、後ろに目が付いてるみたいな感じだぜ。もしかして、βテストやってたんじゃね?」
クラインはライトをβテスターの1人だと思い、聞いてみたのだが、ライトは左右に首を振って否定した。
「クライン、それはあり得ない。もしオレがβテストに当選していたら、その時にキリトと出会っていただろうからな!」
今のライトの実力は、キリトとそう変わらない。いや、下手をすれば、キリト以上かもしれない。それは、キリト自身も思っていた。だから、ライトが口にしたように、βテストに当たっていれば、そこで出会っているだろうと。
「あっ、それもそうか」
クラインもライトの返答に気付いたようで納得していた。
「さっきの質問だが、オレはフルダイブ初だ。 まぁ、現実世界で剣の心得があったから、かな?」
現実世界での得意分野である剣が、この世界で生かされているのかもしれいと、ライトは適当に返事をした。
「リアルの話は、ここではタブーだろう? 悪いが、これ以上は答えるつもりはない」
「そうだったな。悪い」
ライトはそう言って話を止めた。自分の情報は余り知られたくはなかった。それを察したのか、余計な詮索をしてしまったと思い、キリトは軽く謝った。
「さて、どうする2人とも、まだ狩りを続けるか?」
キリトは今後どうするのかを、ライトとクラインに訊ねる。
「そうだな。オレはもう少しレベルを上げておきたい!」
「ったりめぇよ!!……って言いてけど…」
ライトはもう少し、狩りを続けると答え、クラインも同意見のようだが違う様だ。
「腹減ってよ、1回落ちるわ」
この世界を心ゆくまで満喫していたクラインも、空腹感にはどうしようもないようだ。
「こっちの飯は空腹感が紛れるだけだからな」
すると、クラインがキリトとライトに顔を向けて、グーサインをしてきた。
「へへ、5時半に熱々のピザ予約してんだぜ!」
「準備万端だな?」
「おうよ!まあ、食ったらまたログインするけどよ!」
長時間プレイする為に購入したのだろう。そんなネットゲーマーは何人も居る。目の前の彼が、ネットゲーマーなのかどうか知らないが。
「…そっか」
「………」
キリトは軽く返事をし、ライトは無言のままだった。すると、クラインが立ち上がって、2人にある提案を持ちかけた。
「なぁ、この後、俺他のゲームで知り合った奴らとおち合う約束してるんだ。どうだ、紹介すっから、そいつらともフレンド登録しねぇか?」
「え!?」
「………」
キリトとライトは、すぐに返事を返せなかった。ライトは現実世界で自分の過去が原因で《虐め》を受けていた。目の前に立つキリトとクラインは、その者達と違うのは分かるが、他のプレイヤー達が2人と同じだとは限らない。
「いや、無理にとは言わねぇよ。そのうち紹介する機会もあるだろうしな!」
どうやら、2人が困っていると気付き、気を利かせてくたようだ。それだけで、本当に良い人だと分かる。キリトとライトは心底そう思った。
「あぁ、悪いな……ありがとう」
「…クラインみたいな優しい人、初めて見た気がする……ありがとう」
2人からそう言われたクラインは、首を振りながら近付いた。
「おいおい、それはこっちのセリフだぜ! それにライト、俺以外にも優しい奴は沢山いる。俺の知り合いはみんなそうだ! おめぇらのお陰で助かった。このお礼はちゃんとすっからよ、精神的に!」
2人の肩に手を置きながら、クラインはそう伝えた。それを聞いたキリトとライトは、思わず笑みを浮かべてしまう。
「そんじゃ、まじサンキューな! これからも宜しく頼むぜ。」
クラインはそう言いながら、2人に握手を求めてきた。
「また聞きたい事があったら、何時でも呼んでくれ。ライトもな!」
キリトはクラインと握手しながら、最後にはライトに顔を向けて、そう伝えた。
「おう、頼りにしてるぜ! ライト、そのうち俺のパーティーと一緒に、レベリングに行こうな!」
この2人は本当に親切だという事がよく分かる。初対面の自分に、こんなに優しく接してくれる者など、居ないに等しかったから。
「…あ、あぁ。ありがとう。本当に」
こんな心地いい気分を味わったのは、久しぶりかもしれない。そんな感覚を味わっていると、ピザを受け取る為に、クラインは2人から少し離れ、この世界から出る方法の《メインメニュー・ウインド》を開いて、操作しようとする。それを後ろで見ていたキリトは、ライトに狩りに行こうと呼びかけようとした
ーーーその時
「あれ?」
「「っ!?」」
クラインの間の抜けた声が、2人の耳に小さく届いた。2人はどうしたのかと、背後に振り返る。
「おかしいな。ログアウトボタンがねぇ」
彼から聞こえた言葉に、2人は衝撃を受けてしまった。
《ソードアート・オンラインFULL DIVE》が楽しみですが、見に行けないのが残念です。