SAO another story   作:シニアリー

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お久しぶりです。前回予告した通り、今回はオリジナル回となります。

新たな剣を造る為、オリ主が鍛冶師に教えられた場所へ赴きます。

では、どうぞ!


洞窟の奥地へ

 

 

巨大樹の森は比較的、日の光が地面にまで届きにくい。理由は簡単で、大木から別れる太い枝から生える大量の葉が遮るからだ。木の葉の隙間を縫って降り注ぐ光を目尻に、ライトは只管に森を歩いていた。道中は植物型や昆虫型などのモンスターが出没するが、3層の適正レベルを大きく超える彼には問題ない。

 

しかし、北側地帯を目指すには、森エルフの野営地に近付く事を意味する。更に、その北側フロアは巨大な山岳に隔てられ、唯一の通り道は細長い1本の道だけだ。そこにはフィールドボスが構えていたが、再び流出する事はない。

 

鍛治師からの情報を手に、ライトは木々に見え隠れする山岳を目指して、森を突き進む。勿論、モンスターに遭遇しても戦闘できるように、周囲の警戒は怠らない。更に、索敵スキルの効果もあるので、特に問題もない。

 

「大自然は好きだけど、やっぱり天然系ダンジョンはちょっとなぁ〜」

 

後ろを歩く少女が、小さくボヤいた。目をやれば、自然を満喫しながらも警戒を怠らない紫髪の少女、ユウキの姿が見えた。森の隙間から射す光に照らされた彼女の容姿は、中々に絵になると思うが、その見た目に反して剣の腕はかなり立つ。

 

兎に角、剣速が速いのだ。それは攻略組プレイヤーは勿論、ライトでも目で追うのは難しい。加えて、どんな強大な敵にも怯まず、前に突き進もうとする強い姿勢が、彼女の剣技に現れている。その勇姿は、攻略組プレイヤーの背中を押し、自身は前で進み続け、決して止まらず諦める事はない。

 

しかし、時には普通に笑ったり、怒ったり、愚痴を零したりする姿を見せるので、本当に感情豊かな性格だと思いながら、ライトは背中越しに話しかける。

 

「そんなに嫌なら、アスナ達と交渉に行けば良かったんじゃないか?」

「バカッ! ライト1人にしたら、どんな危ない事をするか分かったもんじゃないんだから!」

「オレは無鉄砲なガキかっ!」

 

2人は歩きながら、そんな言い合いを繰り広げる。

 

 

 

 

鍛治師から大剣とその前任者の情報を得たライトは、3人との対人戦を行った後、早速その鉱石を取りに行こうと考えた。リンド達との交渉は、キリト達に任せて自分はすぐに代わりの剣が必要だと判断し、そう説明したのだ。すると、ユウキが一緒に同行すると言って聞かなかった為、断り切れずに着いてきたのだ。

 

確かに、大剣のデメリットを話さずに黙っていた事と、今までの勝手な行動を踏まえると、無理ないかもしれない。更に、PK集団の存在もあるので、1人で動くのは間違いなく危険だ。ライトの実力は承知しているが、大人数で奇襲されでも考えると、1人にしておく訳にはいかない。

 

「まぁ、奴らの事もあるから、単独行動は控えた方が良いに決まってるか」

「分かってるなら、とやかく言わないでよね?」

「はいはい……っ」

 

すると、ライトがサッと右手を上げて歩行を止めた。同時に、ユウキも素早い反応で腰の剣に手を掛けて止まる。彼の索敵スキルが反応し、前方にモンスターのカーソルが浮かんだのだ。

 

2人は瞬時に抜刀し、何時でも攻撃できるよう構える。そして、森の奥から姿を見せたのは、2匹の巨大な蜘蛛だった。右の1匹は3層の攻略中で狩った《シケット・スパイダー》だが、左側はそれより少し大きく、前足2本の先端が槍のように尖っている。カーソルの色を見ると、少し濃いピンク色をしていた。

 

「ユウキは右を頼む。それと、牙の毒と粘着糸には気を付けろ!」

「オッケー、ライトもね!」

 

お互いに声を掛けると、迫り来るモンスターに剣を向けて迎え撃った。カーソルには《Poisonous Spear Spider》と記され、距離を詰めてくる。そして、槍のように尖った前足を振り上げ、ライトに突き刺そうとする。それを剣で弾く為、タイミングを合わせて振るう。

 

 

ガキイィィン!!

 

 

「(…硬い)」

 

弾いた槍の感触が予想以上に硬かった事に、ライトは内心で呟いた。まともに喰らえば、軽装装備のプレイヤーは少なからずダメージを負うと考えられる。特に、革装備のライトは注意が必要だ。

 

「(連続攻撃を捌くのは面倒だな)」

 

前足攻撃は右、左の順番で襲いかかるが、攻撃が来た方に対して内側に入ると、2撃目が目の前に迫る。地下ダンジョンで戦った《ネフィラ女王》と同じようなパターンだ。一見、連続での脚攻撃は恐ろしく思うが、外側に避ければ隙が生まれる。

 

ライトはその隙を突いて、脇腹に通常攻撃を叩き込む。正直、この層のモンスターの攻撃パターンは複雑でない為、回避は難しくない。そして、ライトの攻撃は奴のHPを大きく減らす。

 

「ギュアアァァァ!!!」

 

斬撃を受け、毒蜘蛛が呻き声を上げる。剥き出しの牙から緑色の液体が溢れる様子に、ライトは警戒度を少し上昇させる。そして、ふと違和感を覚えた。奴の名前の由来は、直訳すれば《毒槍蜘蛛》と言ったところだ。だが、槍は前足の2本でも、未だに毒攻撃がない。

 

不審に思っていると、奴の口が少し膨らんでいる事に気付いた。嫌な予感を覚え、咄嗟に横に回避する。

 

「っ!?」

 

刹那、彼のすぐ横を緑色の塊が通り過ぎ、それは後方の大木に直撃した。

 

目をやれば、緑色の塊が付着した場所が、少し溶けているように思える。そこで、ライトは納得した。《毒槍》というワードの由来は、口から発射された溶解毒の塊が、槍のように迫るという意味だと。

 

「当たればダメージが大きいな」

 

即死はしないが、HPも減少する上に防具の耐久値も例外なく削られる。無論、剣で受けるのも論外だ。毒噴射には警戒しつつ、ライトは大きく息を吐いて、瞬時に蜘蛛との距離を詰めた。それに対し、毒槍蜘蛛は左足の槍で斬り裂こうとする。

 

しかし、ライトは紙一重で右に躱し、脇腹に3連撃ソードスキル《シャープ・ネイル》を叩き込み、斬り飛ばして大木に叩きつけた。HPが残り3割まで削られたが、他の蜘蛛より耐久力が高いのか、起き上がって威嚇し始める。対するライトは剣尖を向けて、しっかりと敵を見据える。

 

その時、またも蜘蛛が口を少し膨らませた。しかし、ライトはそれより早く左手を腰に伸ばし、投擲用のナイフを投げつけた。それは毒槍蜘蛛の目を正確に潰し、毒噴射を中断させた。そのタイミングで、ライトはソードスキルを発動させる為、刀身に光を纏わせる。

 

「終わりだ!」

 

一気に距離を縮め、習得したばかりの4連撃ソードスキル《バーチカル・スクエア》が叩き込まれ、鮮血のラインが蜘蛛の胴体に4本も刻まれた。グンっとHPが減少を始め、空になってその体はポリゴンと散った。

 

「お疲れ様!」

「ユウキもな!」

 

剣を鞘に収めると、横からユウキの声が届いた。横目で彼女の戦闘を見ていたが、やはり剣速が圧倒的に速い。高いAGIと反応速度が、目にも止まらない剣技を可能にしているのだ。そして、破格のスペックを持つ《リュナイト・ソード》が加われば、鬼に金棒だ。

 

「…ライト、今ちょっと失礼なこと考えなかった?」

「気のせいだろ?」

 

ジロリと睨みつけるユウキの視線を受け、ライトは悟られないよう自然に答えた。そして、目的地へ向かう為、ライトとユウキは樹海の中を歩き始めた。歩きながら、視界の端に映る時刻を確認して、そろそろキリト達がDKBと交渉している頃かと考える。

 

ギルドフラッグの重要さは理解している筈だが、ALSに提示した条件をDKBが妥協したとしても、2つ目の《合併》が叶う確率は低いだろう。根本から抱える思想が違えば、決して相容れない。ため息を堪えていると、唐突にユウキが話しかけた。

 

「それにしても、ライトってホント強いよね?」

「…いきなり何だよ?」

「ボク達に対人戦を教えてくれてた時、キリトとも闘ったでしょ? βテスターが強いのは何となく分かるけど、ライトは違う。なのに、凄く戦い慣れてる感じがしたからさ!」

 

PK集団との戦いに備えて、野営地の広場でPvPの訓練を行ったライトは、βテスターのキリトとも戦っていた。ライトは相手との間合いによって、変幻自在に戦闘スタイルを変化させているのだ。まず、間合いが遠ければ剣で戦うが、隙を突いて近付けば体術も加わる。そして、剣より遠い間合いになれば《投擲》スキルを使って攻撃する。

 

第5層フロアボスとの戦闘で、レベル20となったライトはスキルスロットが1つ増えた為、その1つに《投擲》を選んだのだ。しかも、その正確さも目を見張るものがある。単なる牽制ではなく、相手の動きを一瞬だけ止める箇所を狙うのだ。例えば、目、首、頭を主に狙い、それを逆手にとって今度は足を突くなど、フェイントも交えるのだ。

 

「後さ、ちょっと不思議に思う事があるんだ!」

「何にだ?」

「ライトはさ、言っちゃ悪いけど、ボク達の中だと1番AGIが低いバランス型だよね。単純に走ったらボク達が勝つけど、何でか剣で戦うと、ライトの方が《速い》って思っちゃうんだ!」

 

明らかに矛盾している言葉だと思うが、対人戦の訓練を振り返ると、ユウキはそう思えるのだ。その理由としては、ライトと剣を交えた時、気が付いたら目の前に攻撃が迫っている事が何度もあったからだ。

 

普通なら、相手が動き出してから自分に攻撃が届くまで、ユウキは素早く反応して対処できる。だが、相手がライトだと《攻撃が迫っている事に気付かない》のだ。だから、反応が遅れて対処が困難になる。そして、それはキリトとアスナも例外ではなく、何時もより反応が遅くなるのだ。

 

「『無駄な動きが多いから隙ができる。予備動作を無くして、相手に攻撃の意識を悟られないようにしろ!』」

「へぇっ?」

 

ライトがいきなり話し始め、ユウキは意味が分からず声を上げる。

 

「オレの《師匠》が、何時もそう言ってた。重要なのは『相手が攻撃しようとする《起こり》を捉えて、自分は如何にそれを悟らせないか』ってな」

「ライトの…お師匠さん?」

 

ユウキの問いかけに、ライトは静かに頷いた。すると、彼女は少し驚いた顔を浮かべた。今まで彼が、自分から現実世界の事を話した機会は、ただの1度も無かった。訊かれれば答えるが、詳しく説明する事はなかった。だからか、ユウキは彼が《師匠》と呼ぶ人に興味が湧き、訊ねてみる事にした。

 

「どんな人なの?」

「師匠は、凄く強い人だった。オレなんかよりも、ずっとずっと先を行ってて……正直、今のオレでも勝てる気がしない……そのぐらい遠くて、オレに力のあり方を教えてくれた人だ」

 

そう話す彼の横顔は、懐かしさと僅かな悲しみが宿っているように見えた。しかし、その思い出は決して不快なものではないと、ユウキは思った。彼の瞳に映る穏やかな感情を見れば、自然と分かる。

 

「ライトは、お師匠さんが大好きなんだね?」

「えっ?」

「だって、もし嫌ってたら、そんな穏やかで悲しそうな顔しないもん! ライトにとって、大切な人なんだなって、ボクは思うよ!」

「…あぁ、そうだな……ありがとう」

 

瞳に映るユウキの笑顔を前に、ライトも自然と顔を綻ばせて呟いた。すると、ユウキは何故か顔を赤くして、ソッポを向いてしまった。どうしたのかと思い、ライトは顔を隠す彼女に声を掛ける。

 

「ユウキ、どうしたんだ?」

「な、何でもないよ!」

 

そう答えると、彼女は歩行スピードを速めて、ライトを追い抜いた。彼女の様子がいまいち把握できないが、ライトも遅れないように、彼女の背中を急ぎ足で追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、2人は何度かモンスターと戦闘を繰り広げ、特に苦戦する事なく森を抜けて、開けた道に出た。見通しが広くなった分、幾分かモンスターを発見するのが簡単になった為、少しは戦いやすくなった。問題なく片付けて道を歩く最中、ライトは野営地でのユウキの戦いを振り返っていた。

 

元からあった抜きん出た剣の才覚、常人とは比べ物にならない圧倒的な反応速度は、目を見張るものがある。正直、反応速度だけを見れば、彼女はライトを上回っている。そして、持ち前の速さで相手を圧倒するのだ。これに経験が加われば、彼女はもっと強くなる。

 

更に、彼女だけなく、アスナにも目を見張る才能がある。兎に角、剣技の正確さがずば抜けている。勿論、システム補正の部分もあるが、それだけでは説明できない程に攻撃が《的確》なのだ。速さと正確さが群を抜いている彼女達の実力に、恐ろしさを覚える。

 

「(でも、太刀筋はまだ素直だな)」

 

機動力の面では、彼女達を上回るプレイヤーは居ないだろう。アルゴなら互角の勝負をするが、戦闘職だけに狭めたら最も速いと思われる。だが、速さだけが戦いを制する訳ではない。もっと複雑な戦略を立てねば、勝てない相手も居る。

 

場の状況や相手の構え、間合いの距離から全てを客観的に把握する必要があり、フェイントも仕掛ける相手なら、初見で対応するのは無理がある。そして、ソードスキルを使うタイミングも考えないと、技を見切られてカウンターを受ける。

 

しかし、それは今後の戦闘で自然と養われていく為、特に問題視する必要はない。それより、重要視する事がある。それは、戦闘での気持ちの問題という点だ。相手に躊躇なく刃を振り下ろす《冷徹な心》があるかどうかが、勝敗を左右する。

 

「(ユウキは優しい。だからこそ、奴らにも《慈悲》を与えるかもしれない……それでも駄目だった時は、オレが…)」

 

先を見据える彼の瞳が、刃物のような鋭い光を放った。もしこの場で今、ライトが自分の胸に秘める想いをユウキに伝えれば、彼女は絶対にこれを了承しない筈だ。だからこそ、話すつもりはない。

 

そんな事を考えていると、ユウキが心配そうな表情で声を掛けてきた。

 

「ライト、どうしたの? そんな怖い顔して」

「…いや、これから行くダンジョンに向けて、気を引き締めようと思ってな!」

 

咄嗟に思いついた嘘だが、ユウキは「そっか」と言って、それ以上は追求してこなかった。正直、問い詰められると面倒なので、表情には出さずにホッとしている。そうして移動していると、北側フロアを隔てる山脈の近くに位置する小さな《村》が見えた。

 

「ユウキ、休憩がてら、あの村で昼飯にしよう。それから、ポーションの類の補給もな!」

「やった! ご飯だ!!」

 

かなりテンションが高い彼女を連れて、村の入り口に足を踏む入れる。視界に【Inner Field】が表示され、ここまで何事もなかった事に、ライトは一先ず安心した。そして、幾つか並ぶ木製の民家に視線を走らせる。

 

小さな村の為、こじんまりとしているが、右手には武器屋や道具屋などが見え、左手には小さな看板がぶら下がる飲食店が目に入った。その他にも、奥には幾つかの民家のレストラン擬きが見える。今のところ、3つの民家レストランがあるが、どれにするか悩む。

 

「どれが良いかは任せるけど?」

「う〜ん……ちょっとお店の中覗いてみよ?」

 

ユウキはそう言って、ライトの腕を引っ張って民家に近付いていく。窓からソッと覗き見ると、中はテーブル席とカウンター席があり、厨房は1番奥でどこか暖かみを感じる。しかも、入り口から魚介類の匂いが漂い、嗅覚を刺激する。

 

「ここにしよっかな。何だか、魚が食べたい気分だから」

「分かった、じゃあ入ろう!」

 

カランカランという音が響かせて、2人は店内を見渡す。お店の中は無人で、静かな空気を感じさせる。すると、奥から「いらっしゃい!」と元気の良い女性の声が聞こえた。厨房に目を向けると、長髪を上で束ねた若い女性が顔を覗かせていた。

 

適当にテーブル席に腰掛けると、メニューが既に置かれていた。それに目を通すと、どうやら魚介系が大半を占めているようだ。後は、エビやカニ、タコを使ったメニューもある。

 

「ライト、決めた?」

「そうだな。オレは《グリルシシャモ・トマトソース》にしようかな」

「じゃ、ボクはこの《レモン・スモークサーモン》にしよっと……すいませーん!」

「はいよっ!」

 

ユウキが声を掛けると、店の奥からエプロンを着た主婦らしき人が現れた。それぞれが選んだ料理を伝えると、彼女は再び奥に向かって消えた。そして、さりげなく再びメニューに目を通すと、少ないが肉系の料理もあるようだ。そんな時、向かいに座るユウキが口を開いた。

 

「それにしても、あの鍛冶屋さんがライトが受け取った剣を知ってたなんてビックリだよね? 結局、ヨフィリス子爵とどんな関係なのかは聞けなかったけど…」

「まあ、それは機会があったらまた聞いてみるさ。それよりも、オレは第6層の砦に居る初代ヨフィリスとその剣を良く知る《大賢者》に会う必要があるって事だ。」

「ライトは、その人に何を聞くの?」

 

そう問いかける彼女に対して、ライトは右手の人差し指と中指を立てた。

 

「1つ目は、オレの剣の事と《防御力低下》のデメリットを解決する方法を聞くつもりだ。2つ目は、あの鍛冶師が言っていた前任者《フェルドラン・ヨフィリス》と、フォールンエルフを束ねる将軍ノルツァーの情報を聞き出す。何か知ってる可能性もあるからな」

「話を聞きに行くなら、ボクも連れて行ってよ。ちょっと気になるからさ!」

「まぁ、ユウキがそう言うなら別に良いけど…オレとしては《防御力低下》の解決方法がある事に期待したいな。この先ずっとこれが続くのは、正直避けたい」

 

ライトは苦い表情を浮かべ、そう口にした。元々、軽装装備の彼は防御力がそこまで高くない。方法としては、防御力が高い装備を纏えば良いが、革防具はどうして金属系に劣る。

 

そう思っていると、奥からNPCの店員が料理を持ってやって来た。それぞれ注文した料理が置かれ、「頂きます」と言って食べ始める。ライトが頼んだ料理《グリルシシャモ・トマトソース》は香ばしい風味と、トマトの酸味が合わさって中々に美味しい。すると、彼の視界の右端に、紫色の手紙マークが発行した。

 

「っ…」

「どうしたの?」

「キリトからメッセージが来た。多分、DKBとの交渉結果だと思う」

「何て書いてるの?」

 

ユウキに問われ、ライトはウインドウを開いて、手紙マークをタップする。そして、送られてきた画面を可視化モードにして、文面を覗き見た。

 

「『交渉は成功、ALSと同じ条件をDKBも呑んでくれた。俺達はこれから、主街区のクエストを受けようと思ってるから、新しい剣が出来たらメッセを送ってくれ!』だとさ」

「良かった。これで、一先ずは落ち着いた…かな?」

「奴らは互いに毛嫌いしてるが、これ以上の対立は意味がないって分かってるんだろう。まぁ、いきなり手を取り合う光景も想像できないけどな」

「アハハハハ…」

 

ライトの一言に、ユウキは思わず苦笑いを零した。彼女も同じく、両ギルドのリーダーが仲良く攻略する姿を想像でいないから、何も言えなかったのだろう。そんな感じで、他愛もない話をしながら、2人は昼飯を食べ進めた。

 

 




少し短めですが、以上です。

旅を続けるに連れて、少しずつ距離が近付く2人を考えると、どんな感じにしようかと悩みます。次回は、鉱石を見つけた2人ですが、そこに予期せぬ者達が現れます。
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