ウマ娘のストーリーイベントが一通り終わったら期間限定でウマ娘を育成するイベントが始まるかもしれない!

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 日付が変わる直前の真夜中に、何処か雰囲気の違うマンハッタンカフェを見かけたトレーナーは廊下の曲がり角に消えていく彼女を後姿を追いかけることにした。
 廊下の曲がり角の先にあったのは夕暮れの校舎。
 どういうことかトレーナーは過去のトレセン学園に居た。
 混乱するトレーナーはひとまず過去のトレセン学園を散策することにした。
 現代より新しい校舎。
 アナログな設備。
 整備が整っていない練習コース。
 そんな光景を見ながら回っていると、芝2000mのコースを一人で走っているウマ娘を見かけた――。


期間限定育成シナリオ 第1話

 秋の暮れがコースを照らす中、首にかけたタオルで汗を拭い、ストップウォッチを見比べながら擦り切れたノートにペンを走らせるウマ娘の姿に思わず息を漏らした。

 何故なら彼女は直前に短距離分の距離を全速力で走っていた。

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 彼女の練習を見始めたときは単純に将来期待できる逸材だと感じ、自身の状況を忘れて見ていたのだが、同じコースを繰り返し走る彼女の姿に思わず見惚れたてしまった。そして回数を重ねても息遣いが変わっていないことに気づいてさらに驚いた。

 ストップウォッチを部屋に忘れたことを悔やむ。目測で観てもこれほどの速さで駆けるウマ娘を見たことがなかった。

 これほどのスピードを出せるウマ娘なら短距離、マイルの重賞は確実に取れるだろうし、この距離を駆けても息切れしない肺活量の持ち主なら中距離、長距離のレースもいけるかもしれない。

 ともかく新人ながらトレーナーとして、あれほどの逸材を前にして胸の高鳴りを抑えることなどできなかった。

 

(あんなウマ娘の担当になれたらなぁ……)

 

 ふとそんな欲望が頭をよぎるが、自分の状況を振り返るとそんなことが出来るはずもない。

 過去のトレセン学園に自分の籍は存在しないし、早く元の時代に帰らないといけない。

 

 奇妙な巡り合わせで出会った、強烈すぎる走りを見せた一人のウマ娘。

 こちらが受けた衝撃なんて知る由もない彼女は再びコースに戻ってスタートの姿勢をした。

 スタート姿勢を確認しつつ、どこか不自然に感じているのか首をかしげる彼女の姿に、良いトレーナーに出会ってほしいと願い、同時にウマ娘として理想的な彼女との別れを惜しみつつ、彼女から背を向け、

 

 

 

「――きゃあっ!?」

 

 少女の悲鳴と芝に擦れた音に身を強張らせた。

 まさかと思い振り向くと、うずくまる彼女の姿があった。

 何が起きたか? と考えるより前に、自分の足は彼女の方へ駆け出していた。

 

「大丈夫か!?」

「え?」

 

 慌てた様子で駆けよってきた男性の存在に、芝に座り込んだウマ娘は呆気にとられた様子。

 

「どこが痛いっ? 応急処置の道具は用意してるか?」

 

 まず確認したのはケガの有無だ。時速60kmのスピードを叩き出すウマ娘の足は走るという機能だけを詰め込んだ分、ガラスの様に繊細。ちょっとしたことでケガにつながり、競技に出るどころか今後の生活に支障が出てしまうぐらい脆い。トレーナー専門学校でまず初めに習う言葉が『無事之名娘』というように、トレーナーとしてウマ娘の健康を一番に考えなければいけないのだ。

 さて。

 そんな善意100%の見慣れぬ人物がうろたえながら自身の体調を心配してくる状況に、当のウマ娘はしばらく固まっていたものの、

 

「――ふふっ、あははははっ」

 

 急に愉快そうに噴き出した彼女の顔を見て、今度はこちらの方が呆気にとられた。きっとこの時はとても間抜けな顔だったかもしれない。

 次第に大きくなった笑い声がヒグラシの声と共にコースに木霊した。

 彼女はひとしきり笑った後、

 

「――あっ、ごめんなさい。なんだかおかしくって」

「そ、そうか? ならいいが……っと、それよりケガは大丈夫なのか?」

 

 思わず彼女の笑顔に見惚れてしまったものの、まずは彼女の体調を優先すべきだと思い直してそう尋ねると、彼女は平気だと首を振った。

 

「大丈夫ですよ。別に転んだわけじゃありませんから」

「? じゃあなんで――」

 

 そう尋ねる前に彼女の耳に虫が止まる

 

 秋を告げるアキアカネだ。

 アキアカネが止まったことに気づいた彼女は、これですと器用にアキアカネが飛び立たないよう指をさした。

 

「…………トンボ?」

「その……スタート直前にトンボが顔に目掛けて飛んできて……」

「びっくりして尻もちをついただけ?」

「…………はい」

 

 そう気恥ずかしそうに笑みを浮かべた顔を伏せる。

 器用に片耳だけを小刻みに揺らすとアキアカネは夕焼けの空に飛び立った。

 彼女に怪我がなかったことと、秋の風情を感じるのどかな風景。自分が勘違いしたと理解し、あげく焦りに焦って空回りした現状があまりにも滑稽で情けなくて、思わず肩の力が抜けた。

 

「はぁぁぁ~~~~~~……」

 

 深い、ため息が出た。自分の中に渦巻いた恥を全部吐き出すように。

 額に手を当て落ち込む成人の姿を見た少女の笑い声が徐々に大きくなっていくのを聞いてさらに落ち込んでしまう。負のスパイラル。

 自分はこの時代のトレセン学園とは関わりの無い身だし、もう何も言わず去ってしまおうかと思っていた直後に不意に彼女が口を開く。

 

「ところであなたは……調教師さんですか?」

 

 思わず噴きそうになった。

 調教師、というのはトレーナーのかなり古い呼び方だ。ベテランのトレーナーも使ってないぐらい昔の。

 それこそトレセン学園が設立される前の呼び方であり、時代の移り変わりで、思春期の少女が集まる教育機関に相応しくない単語であるとされて英語で呼ばれるようになった、と記憶している。

 彼女がそう尋ねてきたのはトレーナーのバッチを見て判断したのだろうか。冷やした頭で考えると自分の置かれた立場がとても怪しすぎると気づく。(かこ)のトレセン学園で見かけたことのないトレーナーを騙る不届き者が面識のないの少女に声をかけているという場面ははたから見ればアウト。そんな状況で自身の身元をどう誤魔化すか、それが問題だ。

 まぁそれはともかく年頃の少女に臆面も無くそう呼ばれるのはいかがわしさを通り越してギョッとするからやめてほしいのだが。

 

「あ、ああ、ついさっきこの学園に来たところなんだ。少し見学に回っていたら走っていた君を見かけたんだよ」

 

 目上の人間の前でずっと座っていると見苦しいと思ったのか彼女は土を払って立ち上がった。近くで立ち上がるとデビュー前のウマ娘にしては背が高く、素晴らしいほどの恵体(けいたい)だ。

 咄嗟に思いついたことを口走った。というより今まで起こったことを素直に言っただけだ。

 そんな答えでも彼女はなるほど! と納得してくれた。

 

「それとトレーナーと言ってほしい。そっちの方が慣れてるから」

「トレーナー、ですか……?」

 

 初めて聞いた言葉だというように彼女は首をかしげた。

 

「そういえば海外ではそう呼ばれるそうですね。……あっ」

 

 はっ、と顔を上げた。

 

 

「もしかして海外からトレセン学園に派遣されてきた講師の方ですか!?」

 

 待ってそんな話は聞いてない。

 その誤解は放っておくとかなり面倒なことが起きそうだったから早いところ正さないといけない! が、まるで有名人を見た時のようにその翠眼(すいがん)をキラキラと輝かせる様を見せられると、つい気圧されて訂正し辛くなってしまう!

 言い訳を考えようとするとさらに信憑性のない言い訳が浮かんでしまう、そんな軽い頭をフル回転させていると、

 

「トキノおねーちゃんになにをしたこんの変質者―――――っ!!」

 

 ごきゃっ!! と。

 突然背中に強い衝撃を受けて前方に倒れ、いや吹っ飛んだ。

 いったい何が起きたのかわからないが、前に吹っ飛ぶということは目の前のウマ娘の方に倒れ込むということで――!

 

「マルゼンちゃん!?」

「あっ、やっば」

 

 二人分の悲鳴が響き、うら若い少女の整った顔が迫ってきて――その先はラブコメだった。

 

 

          ★

 

 未だに整備が不十分なコース(この時代からしてみると最新鋭ではある)でわちゃわちゃした雰囲気が展開されているのは遠くからでもよく確認出来た。

 なので。

 

「何だアイツ? 勝手に俺の縄張りに入りやがって……噛むか」

 

 漆黒の髪を靡かせる傷だらけの狂ウマ娘は湧き出る衝動のままに牙を剥く。

 

「――三女神のお導きによって現代(いま)に迷い込んだあなた……。彼のウマ娘との邂逅がこの時代に何を齎すのか、彼のウマ娘の未来を変えることが出来るのか、見定めさせていただきますよ。トレーナーさん」

 

 そう微笑む栗毛のウマ娘は彼らから背を向ける。彼の者が成すことを見届けるまで、今は干渉するべきではない。鼻歌を歌い、手に持った水晶を回しながら傾く夕日の中に消えていった。

 

 




ウマ娘『トキノミノル』を育成して育成シナリオを攻略しよう!
特別シナリオの評価点によってイベントPtを集めよう!
イベントミッションをクリアしてイベントを有利に進めよう!
イベントをクリアするとイベント限定サポートカードを獲得できます。

トレーナー:残業終わりにマンハッタンカフェを追いかけたら時を超えていた。トキノミノルが現代の誰かに似ていると思ったけど、他にも似ている子がイッパイ居たので気にしなくなった。

トキノミノル:一応チームに所属しているものの調教師さんが多忙すぎて存在を忘れられてしまってる。そのためトレーナーが彼女のトレーニングを見ることに。トレーナー呼びが慣れなくて先生と言っている。

マルゼンスキーちゃん:バブルを知らぬ生意気盛りのランドセラー。近所に住むトキノおねーちゃんが好きでトレーナーが嫌い。盗んだトレーナーバッチで車を引っかいたり他のウマ娘を観察したら先生に言ってやったりしてくる。参考は昭和こち亀の小学生。

サンデーサイレンス:トレーナーはマンハッタンカフェに似た彼女と話したいが、知らんトレーナーを見かけたら噛みついてくるため話し合えない。

シラオキ様:お目目キラキラなスピリチュアルウマ娘……より神性が上がってる? トレーナーが帰る時まで姿をくらますつもりだけどサンデーサイレンスに絡まれてしまうことも。

トレセン学園:この時代のトレセン学園は地方トレセン学園の盛況ぶりに押され経営破綻に陥っている。才能あるウマ娘はいるがそれらを伸ばすノウハウが無いーーいちかばちかで海外からトレーナーを派遣してもらうも手違いで地方に行ってしまったため、途方に暮れていた時に先進的なスポーツ学を修めたトレーナーが現れた。

調教師:トレセン学園に所属するウマ娘の管理を行なう人たち。トキノさん時代では調教師と呼ばれていたものの現代ではトレーナー呼びが一般化した。テキさんの方がよかったかもしれないと後から思いました。トキノさんの調教師はトレセン学園の人員不足の所為で一人で複数人のウマ娘を担当することになりトキノミノルの存在を忘れていたが、海外から来た(と勘違いされた)トレーナーを慕う彼女を見てサブトレーナーにしてデビューからクラシックまで任すことにした。

恵体:いわゆる「恵まれた体格」の意味で用いられる表現。元々プロ野球に関連するネットスラングであり、読み方は決まっておらず、けいたい、えたい、めぐたいと読む。めぐたいて。

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