突然現れて重要なこと言うキャラになろうとしたら失敗した   作:八木小太郎

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第1話

気づけばそこはビルの隙間の小道で、気づけば俺はハーミットパープルを使えるようになっていた。

 

それは本当にいきなりの出来事だった。俺は今まで確かに自室でのんびりとしていたはず。それがなぜかビルの隙間の薄汚い小道にいる。一体どうしたらそんなことが起きるのか。

 

そしてそれ以上に不思議なこと。それは俺がハーミットパープルを使えるようになっているということだ。なぜそう思うのかはわからない。でも確かに実感としてハーミットパープルを使えるという確信がある。確固たる自信を持って俺はハーミットパープルを使えると言える。あのジョジョに出てきたスタンドの、あのハーミットパープルをである。

 

しかし、いくら考えていても埒が開かない。とりあえず俺は自分の確信を試してみることにした。すなわち、ハーミットパープルが使えるかどうかをだ。

 

手を前に突き出して心の中で念じる(出ろっ!ハーミットパープル!)

 

そして、それは出た。突き出した手の指先から肘にかけて、紫色のイバラが俺の腕を這っていた。

 

(本当に出た!俺の確信から言えば出て当然と思える結果だから驚きはないが、それでも驚くべき結果だぜ!これは!)

 

さて、これで自らの確信、すなわちハーミットパープルを確認する作業は済んだ。次に行うべきは現状の確認だ。いきなり見知らぬ道にいるなんてどう考えても普通じゃない、異常なことだ。その異常に対してどう対処するか。俺はひとつ考えついた。

 

(そうだ、現状を調べるのにハーミットパープルを使えばいいんじゃないか?)

 

実際それはいい考えに思えた。ハーミットパープルは情報収集に長けたスタンドだ。この奇妙な状況を調べるのにも役立ってくれるだろう。

そうと決まれば善は急げだ。俺は足元の砂に掌を合わせて念じる。(ハーミットパープル、ここがどこか調べろ!)

 

砂が自らの意志を持ったかのように動き出す。そしてそこに文字を形取った。そこには、「リコリス・リコイルの世界、東京」と書かれてあった。

 

リコリス・リコイルってなんだよ。察するになんらかのテーマ、タイトル?だめだ、わからん。一旦置いておこう。重要なのはここが東京だということだ。それなら安心してこの路地を出れるというものだ。もしここが紛争地域とかならこの小道で延々と怯えて震えていなくちゃいけなかったところだ。

 

俺は意を決して路地を出た。そしてそこに見えたのは、倒れた電波塔と思しきものだった。

(あれ、東京なのに治安悪いとかある?)

 

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