突然現れて重要なこと言うキャラになろうとしたら失敗した   作:八木小太郎

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第3話

 アラン機関の電話番号を入手してから、はや数時間。俺は公園でひとりベンチに腰かけてうなだれていた。

 「どうやって電話をかけたらいいんだ・・・」

 そう、何も持っていない現状電話をかける手段を持ち合わせていなかったのだ。店に置いてある電話はつながっていないし、道行く人に頼んでみてもさすがにスマホを貸してくれる人はいなかった。ならば公衆電話ならと思ったが今どき公衆電話は時代の波によって駆逐されてしまったようで一つも見つけることができなかった。まぁ、もし見つかったとしてもお金をもっていないから使用することも出来ないのだが。

 「はぁ」

 思わずため息をつく。電話番号を入手するまではうまくいっていたのに、途端につまづいてしまった。顔を上げることすらおっくうで、そのまま地面を見つめる。ありがその小さい体で動き回るのを無心で眺めていると突然声がかかった。

 「あの、なにか困ってるのかな?」

 見上げるとそこには制服姿の美少女がいた。髪は黄色がかった白い髪を肩ぐらいにきりそろえており、赤色の制服に白髪がよく映えていた。

 「えぇ、まぁ困ってます」

 俺は素直にそう告げた。かわいらしい女の子の前だがこの切羽詰まった状況で見えを張るほど俺は馬鹿でもかっこつけでもないのだ。

 「よかったら、私に話してくれない?なにか手助けができるかも」

 そういって少女は俺の横に腰かけて手を差し出してきた。

 「私、千束っていうんだ。よろしくね?」

 握手を返せば笑いかけてくる少女に俺は思わず顔を赤らめた。

 それから数分後、

 「ふーん、なるほど。今何にも持ってなくて、助けてくれそうな人に連絡しようにもしようがない、と」

 突然この世界に来たことやスタンドのことは隠したまま現在の状況を話してみた。彼女はうんうんとうなずいて、そのまま勢いよく立ちあがってこちらを振り返った。ふわりと巻き上がる髪の毛がきらきらと光っている。

 「よし!うちのお店においでよ!私のスマホはいろいろあって貸せないけどお店のなら貸してあげられる。それに疲れてるでしょ?ちょっとならおごってあげる!」

 そういうと彼女はいたずらっぽく笑った。そのまま彼女は俺の手を取った。

 「さ!行こ?」

 これほどにかわいらしい彼女に連れられて歩くのは気恥ずかしい気もしたが、止める間もなく彼女はずんずんと自信満々に歩き出していく。

 俺は戸惑いの中でこの世界に来て初めてであろう安心感と高揚を感じていた。

 それもすべてこの少女の持つ外見だけでない魅力にあてられているのだろうか。

 

 

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