書いちゃった。
浮遊城アインクラッド、第10層迷宮区《
大蛇武者の王は左腕に巻き付くように描かれた蛇の刺青を具現化させ鞭を操るように撓らせて
前方に亡霊の白蛇を伸ばす範囲攻撃を仕掛けてくる。しかし、二人は予測していたのか、攻撃を素早く躱し、隙ができたところをそれぞれの《
全身黒ずくめの
「ハァッ──!ハァッ──!!」
「キリト……まだ、
「大丈夫だ……!ソウマ、もう少しで勝てるぞ!!」
「ああ、だが油断はっ……!?」
片手剣使いの【
『ギィシャァァアアアアアッッ!!!!』
「下がれ!キリト!!」
「くッ────!!」
二人は予想外の斬撃技を紙一重で回避することで何とかダメージ量を抑え、瞬時に一定の距離を取ることに成功するが、大蛇武者の王は続けて「ギィシャアアアアアッ!!」と鋭く咆哮を発し、二本の野太刀で縦横無尽に斬撃を繰り出しながら、俺達を近づけさせないようにする。
一瞬自身の視界の右上の表示されているベータテスト終了のタイムリミットを見ると残り5分に差し掛かろうとしていた。刻一刻と迫る時間を前にあと少しのところまで来ているフロアボスを倒せずに終わってしまう。
そう考えていると、俺達がいるボス部屋の外から激しい剣撃が聞こえてきた。徐々に音が近づいて来るのが分かる。ボス部屋までの道を守護している《
「…………キリト、斬撃が終わった瞬間にボスのタゲを取るから俺に攻撃が集中している隙にソードスキルを食らわせてやれ」
「なっ……!?そんなことしたらソウマが確実に死ぬだろ!ダメだ!!」
ベータテスト終了まで残り5分────
残酷にも俺達を
「ほら今もこう考えてるうちに残り時間がどんどん減っている。お前がボスを倒して次の層を見に行ってくれ」
「…………っ!!」
「正式サービスの時に見た景色を聞かせてくれ。そうだな、《はじまりの街》の裏道にある安売りの武器屋で会おう」
キリトはベータテスト期間の二ヶ月間の相棒でありライバルでもあったソウマが自分も行きたいという気持ちを抑え、犠牲にしてまでも道を切り開こうとしてくれていることに尊敬する。しかし、同時にここまで共に戦った相棒に残酷な判断をさせてしまった、自分の力不足さにやるせない持ちが込み上げてくる。
(ソウマはこう言ってるが、何か……他に方法はないのかよ!くそっ……!!)
不意にソウマとの邂逅を思い出してしまう。あれはたしか、ベータテストが開始してまだ数日がたった頃、第1層で最大の地平フィールドの草原エリア《ラータ平原》でソードスキルを使いモンスターを飽きずに日が沈むまで狩っていたときのことだ。
気づくと辺りは暗く夜になっており、日光が差してある昼間とは違い手強いモンスターが襲ってこないか周りを警戒していると、いつの間にか近くで何故かソードスキルを使わずに、無駄がない。洗練された剣捌きで、序盤の強敵であるオオカミ系モンスターの《
すぐさま声をかけたことを後悔していると、「そーどすきるとは何だ」と無愛想に言うソウマに、誰が見ても呆れた顔をしていた思う。そして、この会話がきっかけで、
VRは疎か、ゲーム自体がほとんど初めてだと言うソウマに、自身がこれまで他のゲームで培ってきた知識と経験を教え、自分と同等にまで成長することができたというのに
────まぁ、戦闘技術に関しては
多分、いや絶対ソウマがいなければベータテスト期間中に10層のボス部屋に辿り着き、戦うことなど一人では到底不可能なことだとキリトは確信を持って言える。
所詮は仮想世界の関りだけなのかもしれないがキリトにとってはこの世界で初めての友人と呼べるかもしれない存在なのだ。
「キリト!もう時間がないぞ!!」
「────────ッ!!」
サムライロードの二本の野太刀から繰り出す無慈悲な斬撃が考える余裕は無いと言っているかのように俺達を襲う。しかし、慣れたのか間髪を入れずに二人は見事に回避することができた。
だが、こうして流暢に考えているうちに残り時間が刻一刻と過ぎていく。もう打開策を考えて選んでいる時間もないだろう。そう判断するとキリトは、ソウマの提案を渋々ながら受け入れることにした。
ベータテスト終了まで残り1分────
「…………わかった!此奴を倒して、つぎ会うときに11層のことを報告する!……悪いが、タゲは頼んだソウマ!!」
「ああ、任せろ」
「……すまん、恩に着る」
最後にそう言い残して余計なタゲを取られないように俺から一定の距離を置いたキリトから頷く合図が送られたのを確認すると俺は、自身にターゲットを向けさせるよう
「オオオオアアア────!!」
俺が放ったヘイトスキルの威嚇が成功したのか、縦横無尽の斬撃が終わったサムライロードは俺がいる方向へ巨大な体躯を向けて威嚇仕返してくる。
『ギィシャァァァアアアアアッッ────!!!!』
サムライロードの猛々しい咆哮が終わるのを待つことなく俺は曲刀を肩に担ぐ
「シッ────!」
一直線に向かってくる曲刀使いを迎撃するため、サムライロードも右手に持っている野太刀を左腰に構えた体勢を取りカタナ直線遠距離技《辻風》を放つ、対する俺は、片手用曲刀基本技《リーバー》で攻撃を相殺させる。その瞬間、金属同士がぶつかり合う甲高い音が鳴り響くと同時に、俺達の周囲には火花が飛び散った。互いに鍔迫り合いの状態のまま押し合っていたが、このままでは力で押し負けると判断し、曲刀で野太刀の軌道をずらし、俺は即座に後方へ飛び退き間合いを取った。
しかし、俺の行動を読んでいたのか、間髪入れずに追撃を仕掛けてくるサムライロードは、右斜め上からの袈裟斬りで俺の体を狙う。俺はその不意打ちとも言える攻撃を曲刀で受け止めるには間に合わないと判断し、咄嵯に片腕を使って防御した。野太刀は肘から先を綺麗に切断して俺の左腕を奪う。前腕を失ったことで俺に
「ぐぅっ……あぁ……!!」
俺の残り僅かなHPが減り続けていき零に向かっていく。しかし、隻腕になりながらも簡単にやられまいと
「う……おおあああッ!!」
俺は、最後に低確率で発動するスタン効果がある踏み込みによる斬撃と戻りによる斬撃のコンビネーションの片手用曲刀四連撃技《ファラント・フルムーン》を規定動作に逆らわないように注意しながら、蹴り足と右腕を意図的に加速し、限界まで技の威力を上乗せると、サムライロードに目掛けて発動させる。
『ギィシャァアッ──!?』
俺の曲刀から繰り出された四連撃は見事、サムライロードの胴体に命中し、ボスのHPが残り二割から数ドットのところで止まった。また、幸運なことに《ファラント・フルムーン》のスタン効果が発動したのか、数秒間だけサムライロードの巨躯が動きを止めた。この一瞬の隙を見逃すこともなくキリトはソードスキルの予備動作を起こしながら瞬時にボスとの距離を詰めていく。
そして、サムライロードは今まで俺のタゲ取り行為により
スタンから回復したサムライロードはキリトが放つ片手剣水平四連撃技《ホリゾンタル・スクエア》の直撃はもはや免れないと判断すると最後の足掻きと言わんばかりに同士討ちを狙い、キリトに一太刀浴びせようとするが、間に合わない。
「行けッ!キリトッ──!!」
最後にキリトに叫ぶと同時にソウマの身体は青白いガラスの欠片へと変えて四散した。
「お……おおおおおおッッ!!」
『ギィシャアアアアアアアアッッ────!!!!』
キリトの愛剣から深く澄んだスカイブルーの輝きを迸らせながらサムライロードに渾身の四連撃を全て命中させ、地面と平行に正方形を描き出す。最後の六本目のHPゲージが零になり、ソウマに続いてサムライロードの巨大な身体が青白いガラスの欠片へと変えて盛大に爆散した。
「────ッ!!」
カガチ・ザ・サムライロードを撃破すると視界に流れ出るシステムメッセージに目を通すことなくキリトは一目散にフロアボスが座っていた玉座のすぐ後ろに設けられた次の階層に通じる扉を雑に開ける。
同時に、後ろから先ほどまでボス部屋に向かってきていた他のベータテスターが到着する。
ソウマが自分を犠牲にしてまでも上がらせてくれているのだから一秒でも早くと焦っているせいなのか途中でつまずき転げてしまいそうになるが、何とか踏ん張り駆け上がっていく。
ベータテスト終了まで残り秒10です────8……7……6……5────
「間にっ……合えええええ!!」
そして、第11層に繋がる両開きの扉に描かれているフロアの風物や物語を暗示する重要な
4……3……2……1……
「見え────ッ!!」
大扉を開けた先に見えた光景は視界を埋め尽くすほどの広大な砂漠エリアだった。その光景を眼が捉えた瞬間、世界を眩い光が覆う。全てのオブジェクトが消失し、先ほどまでキリトが見ていた光景は夢であるかのように仮想世界は何も無い真白な空間になっていた。
ベータテストを終了しました。正式サービスの開始は11月6日13時からとなります。ご協力いただいたベータテスターの皆様、ありがとうございます。正式サービス開始をお待ちください。
最後に見ることができた達成感が込み上げてくる。そして、同時に喪失感がキリトを襲う。
「ああ……終わっちゃうのか……」
今までの二ヶ月間が終わってしまうのだ。相棒と共に必死にレベル上げをし、クエストをこなし、苦労して迷宮区の宝箱から入手したレアアイテムや集めたモンスターのドロップアイテムで装備を強化し続けて、どんなビルド構成が最適に自分に合うのかを寝る間も惜しんで入念に分析する。自宅にいても学校にいても一日中《SAO》のことを考える毎日が終わりを告げるのだ。
「次、ソウマに会ったら何か奢らないとな……」
だが、共に戦ってくれたソウマの決死の活躍により、最後にボスを倒すことができた。また、それだけでなく一瞬だが次の階層まで見ることもできたのだ。何よりもキリトの中を高揚感で満たされているのが分かる。今この瞬間、ベータテスターの誰もが早く正式サービスを開始してほしいと思うのも無理はないだろう。
「ああ、正式サービス開始が待ち遠しいな……」
キリトは最後に自然とそう言葉を発して、現実世界へとログアウトするのだった。
「間もなくだな……」
2022年11月6日、ソードアート・オンラインの正式サービス開始日。俺、敷嶋壮馬は習慣である亡き祖父との剣術の稽古を終えて身支度を済ませた後、自室に戻り《
最後に階層主であるカガチ・ザ・サムライロードにやられてしまい次の層を二ヶ月間共に戦った相棒と一緒に見ることができなかったが、キリトは無事11層を見ることができたのだろうか。少し気にしてしまう。だがまあ、見れなかったとしても攻めるつもりはない。何故なら――――
(また、上がればいいだけだ。それに、今度は一ヶ月もあれば……)
ふと時計を見ると、12時59分になるのを確認する。また、あの広大な仮想空間に作られた異世界へと戻ることができるのだ。高揚感に満たされながら俺はナーヴギアを頭に装着する。そして、仮想世界へとダイブするための魔法の言葉を口にした。
「リンク・スタート」
俺が発した音声を聞き取るとナーヴギアが脳から自分の体に向けて出力される命令信号を遮断、回収してデジタル信号に変換してくれる。そして、仮想空間へと接続されると、ナーヴギアを開発した大手電子機器メーカー《ARGUS EXPRESS YOUR VISION》と視界に表示された。
続いて、《
すると、視界に【βテスト時に登録したデータが残っていますが使用しますか?】というウインドウが表示される。俺は、迷うことなくYESのボタンを選択する。最後に視界に《Welcome to Sword Art Online!》と表示されると、俺の意識と
11月6日13時になったので初めて小説を書いてみました。やっぱり自分で書いてみて改めて文章書くのが難しいと思いましたまる
幼稚な駄文ですが読んでいただければ幸いです。また、アドバイスやコメント、評価などを頂けると続くかもです。