セシルvsクライン   作:アフロダイB

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未遂

『スレイ殿の性癖はさておき、着眼点自体はあながち間違いではなかったと思うぞ』

 

カインドの発言にクラインとマナが凄く微妙な顔を向けるがカインドは気にする様子もなく話を続ける。

 

『そうだな。クライン殿、道を歩いている時に工事現場のおっさんが突然シャツを脱ぎ捨てたら思わず振り向くだろ?』

 

『ま、まぁそりゃあな』

 

質問の意味が理解できないままクラインがとりあえずの回答をする。

 

『クライン殿はおっさんの裸に興味あるか?』

 

『あるわけねぇだろ!!』

 

クラインの叫びを気にも留めずカインドが静かに答える。

 

『つまりそういうことだ。ありえない物や珍しい物が確認されると人は意識をそちらに向けてしまう。ゴッポリはそういう技だと俺は睨んでいる』

 

いまいち納得できないが一理あるかも知れない。確かに自分はありえない動きをしたセシルに驚き防御がおろそかになった。

クラインがカインドの言葉に頷くと突然スレイが立ち上がりズボンのベルトを外すフリをした。

マナが慌てて両手で顔を隠し、クラインがスレイの奇行を抗議するがスレイも負けじと反論する。

 

『愚か者!フリだけでその体たらくではセシル殿には勝てんぞ!!』

 

『だからっていきなりやるヤツがいるか!!それとマナちゃん!指の隙間から覗くな!!』

 

『…ち、違いますっ…も…もう終わったかなって…状況確認しただけです…;;』

 

『見ろ、フリだけでこの破壊力だ。ゴッポリの恐ろしさが伺えるな』

 

4人の会話を見てポーチは思った。

人間は思ったほど頭がよくない。

 

『この体たらくでは話にならんな。まずは被験者側になるよりも経験すべきだろう』

 

『なるほど。物事は仕組みを理解することで乗り越えられる。自分でやってしまえば見せられてもさほど驚かないかも知れないな。』

 

スレイとカインドの目がクラインのズボンに集中する。

嫌な予感を察知したクラインはズボンを抑えて後ろに下がった。

 

『乙女か貴様は!そんなザマではゴッポリは習得できんぞ!!』

 

『うるせぇ!!お前らみたいなのにズボンを降ろされてたまるか!!』

 

クラインが必死の叫びをあげると2人がわずかに考え込みマナに視線を向ける。

 

『男ではダメらしい。マナ殿、すまないがクライン殿のズボンを降ろしてくれないか』

 

『え…え、えぇぇっ!嫌ですそんなの…;;』

 

そもそも性別が問題なわけではない。ついでに目を引かせる部分を下着にこだわる必要もない。

そんな事も気付かない2人からとんでもない提案を振られてマナは両手を前に突き出し顔を赤らめながら全力で首を振る。

マナの仕草を見て2人はショックを受け後ろに後ずさる。

 

『バカな…俺の国の英雄であるマナ殿がこの程度もできない胆力の持ち主だったというのか…戦友に対してその程度の友情しか持ち合わせていないのか…俺は階級の上での話しとは言え…こんな少女に負けたのか…』

 

『落ちつけカインド、マナ殿は奥ゆかしさからわずかに躊躇したに過ぎん。普段は怯えていても窮地に立てば動き出すのがマナ殿ではないか』

 

『それもそうだ。では窮地に立たせるとしよう』

 

結論が出されるとすぐにスレイがマナの体をガッチリ掴むと無理やりに床に座らせる。

付き合い切れずその場を離れようとしたクラインをスレイが一喝する。

 

『マナ殿がここまでしてくれているというのに貴様は逃げ出すのか』

 

クラインは返す言葉がなかった。

してくれているわけではないが、マナが窮地に陥っているのは事実だったからだ。

このまま自分が消え去ったまま放っておけばどんな展開になるかわからない。

自分は妙なことに巻き込まれている目の前の少女を救ってやらねばならないのだ。

だがどうすればいい。2人を納得させるのは難しい。

クラインは深く悩んだ末に、震えながら声を絞り出して3人に提案した。

 

『…っ…わかった。ただし!マナちゃんは目を瞑ってもいい!それからチャックを少し下げるだけだ!!いいな!?』

 

クラインの意見に2人が頷くとクラインがマナの右手を掴んでズボンのチャックへと引っ張り始めた。

 

『…い、嫌です…や、やめてくださいクラインさん…』

 

『俺だって嫌だよ!!でもここまで妥協してやったんだから早くやってくれよ!!こっちだって恥ずかしいんだから!!』

 

『この様子ではしばらく2回目をやるのは難しいな。まずは今回の状況を映像に記録して後でクライン殿に何度も確認させよう』

 

カインドはハンディカムのビデオを取り出し力付くで解決しようとするクラインと必死で抵抗するマナの様子を撮影し始めた。

 

マナを押さえつけるスレイ。

無理やりチャックを下ろさせようとするクライン。

泣いて抵抗するマナ。

その様子を撮影するカインド。

 

菓子とお茶を持って現れたクラインの母。

 

『あぁもう!さっさとしてくれよ!!こっちは我慢の限界なんだから!!』

 

『マナ殿、次が控えている!早くやれぃ!!』

 

『撮影は任せろ!俺から逃げられると思うなよ!』

 

『い~や~で~す~!!』

 

母の怒りが大地を揺らし、続く母の一撃で4人の体が宙を舞った。

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