今回はね、ちょっとばかし重要な奴が出てきます。以上です。
ピーピーピーピーピー
9時に設定しておいたアラームが鳴り、大和はベッドから起き上がる。
「そろそろ約束の時間か····」
自分の部屋を出ると、ドアの前にブラッドが全員集まっていた。
「ん?みんな何でいんの?」
大和の質問にジュリウスが代表して答える。
「俺たちはみんな「9時にロビーに来い。」と言われたんだ。
だとしたら、大和も言われただろうと思ってな。一緒に行かないか?」
特に断る理由も無いので、大和は承諾する。
「いいですよ。じゃあ行きますか。」
一同はロビーへ向かう。
「そういえば大和、お前無茶苦茶だろ!!なんだよセクメトとか戦っちゃってさぁ。」
ロミオのテンションは相変わらず高い。
そのテンションを半分鬱陶しく、半分嬉しく思いながら答える。
「うるせぇな。仕方ねぇだろ、向こうが乱入してきたんだしよ。」
「何か口調がもっと酷くなってね!?」
「知らん、んなこと。」
「しかもさ、おm「大和、お前こんな奴に反応するだけ無駄だぞ。」なんだよギルてめー!!」
ロミオの言葉を遮って声をかけてきたのはギル。ロミオとの仲はほんの少し改善されたようだ。
「あの、貴方のことはよく分かりませんが、これからよろしくお願いします。」
「えーと、シエル····だよな?よろしく。」
軽く言葉を交わしていると、ロビーについた。
大和を先頭にロビーのドアを開け中に入ると、中は真っ暗で何も見えない。
「あれ、9時に来いって言ってたよな?」
大和が言い、電気を着けようとすると急に電気が着く。
ブラッド一同の目が急についた明かりに慣れてくると、色んなものが見えてくる。
天井には紙で作ったリングを繋げた飾り。
壁にはフェンリルマークのタペストリー。
テーブルの上には色とりどりの料理やお菓子。
部屋の中央を見ると、極東支部の神機使い全員が集まっていた。
「何だ!?」
と大和が叫ぶと同時に、それより二回り程大きい声が響く。
「ブラッドの皆に!!」
『乾杯!!』
コウタの音頭に合わせて、その他の神機使いが叫んだのだ。
「えっ!?あの、これって····」
シエルの呟きに答えたのは榊博士だ。
「うんうん。実に良い反応をしてくれたね。確か、今日でフライアに戻るんだろう?
それならと、君たちがミッションに行っている間に私達が準備したんだ。気に入ってくれたかい?」
「当たり前じゃないですか。私達ブラッドの為にここまでしていただき、感謝の念が尽きません。」
ジュリウスがブラッドを代表し、感謝の意を伝える。
しかし、榊の言葉を一部訂正する者が言う。
「いや、榊博士は変な薬飲み物に入れてただけじゃないですか!」
そんな榊に楼俄が一言。
「ああ、その飲み物ならコウタがさっき飲んだ水と替えておいたよ?」
「はっ!?ちょっ、おま、楼俄!!」
「ハハハ、ごめんごめん。悪気があった訳じゃ無いんだ。
あれ、飲んだらどうなるのかなって思っただけだよ。」
「悪気しかねぇじゃんかよ?」
「あの、これって私達ブラッドの送別会だよね?」
「ナナの言う通りだと思うが····これじゃあな····」
ジュリウスの言葉通り、ロビーは混沌と化していた。
あっちではコウタと楼俄が騒ぎたて、
こっちではすでに酔っているハルオミが極東支部の女性神機使いに絡み、殴られていた。
カウンターではタツミがヒバリに言い寄っている。
「はは····」
困り果てた大和の背中をロミオが押す。
「俺らも混ざろうぜ!!」
言いながらロミオはコウタ達の元へ向かって行く。
それを皮切りに、ナナ、ギル、シエル、ジュリウスも酒飲み達の中へ凸していった。
「俺も混ざるかな····」
「ネェ、チョットマッテ?」
聞き慣れない声を聞き、大和が振り向くと、そこに居たのは小学生くらいの男の子。
しかし、異様なまでに白く、言い表せない程のプレッシャーを放っていた。
「え····?お前······誰だよ····?」
あまりのプレッシャーに声を出すのも厳しく、大声等出せるはずがない。
さらに、この子供に気付いて居るものは居ない。
という事は、この子は誰にも気付かれずに警戒の強い極東支部に入って来たのだ。
「ボク····ナマエ?ナマエ····イラナイ。オマエ、ソト····ノム?」
そう言い謎の男の子は酒を指差す。今更ながら、大和は男の子の目が真っ赤な事に気付く。
「あ、ああ····外に行く、のか?」
「ソ····オマエ、ソト、イク?」
「わかった、少し用意をするから、待っててくれないか?」
「ワカッタ····イキテル、カベノマエ、イル。」
生きている壁とはオラクル細胞の防護壁だろう。
極東支部の周囲を囲っている壁だ。
大和は神機を取りにロビーを出る。
一度だけ、大和は振り向くがそこには何も居なかった。
「何だよ····あいつ····」
勿論行かずに済ます事も出来る。がしかし、それをすると大変な事になる、そう勘が告げているのだ。
「とりあえず、行くか。」
神機を担いだ大和は誰にも知られず出ていこうとするが、何者かに声を掛けられる。
「おい。どこ行くんだ。」
「ソーマさん····ちょっと用事が。」
「そうか。····死ぬなよ。顔が真剣だ、何かあるんだろう。」
「それを····聞かないんですか?」
「どうせ言わないだろ。」
「そうっすね。大丈夫です。死にません。」
そう言い、大和はソーマに背を向け歩き出す。
ソーマもロビーへ向かって歩く。
「今日は····満月か······」
大和は月夜の酒会に向かって行く。
大和君の外出に気付いているのはソーマだけ!!ソーマ、どう思う?
「あいつなら問題無いだろ。····少し無茶が多いがな。」
そっかそっか。
じゃあ大和君の未来は薔薇色か?はたまた黒く塗りつぶされるのか?
これからの展開に乞うご期待!!
「····駄作者が。」
うるさい!