SAO RTA any% 75層決闘エンド 作:hukurou
はい、よーいスタート(棒)
うほっ カーディナルにも穴はあるんだよな、なRTAはっじまっるよー。
始まりの街でキャラ操作が可能になったら測定開始です。
いきなりですが動けるようになったら、全力で走りだしましょう。初期スポーン地点は始まりの街中央にある大広間です。茅場明彦がデスゲームの宣告をするときにプレイヤーを集める場所ですね。
現在時刻は午後1時。
世界初のフルダイブ型VRMMOということでサービス開始直後はかなり混み合います。特に始まりの町は人口が集中しやすく、もたもたしていると思うように動けなくなるので即座に動き始めます。
さて、町中を走りながらメニューを開きスキルスロットを操作しましょう。
SAOはソードスキルという独自のスキルシステムを採用しています。他のMMOでありがちな職業選択はなく、選択したスキルの付け替えによる自由でフレキシブルなキャラビルドがこのゲームの売りの一つです。
レベル1時点で解放されているスキルスロットは2つ。
まずは移動速度に補正のかかる《疾走》というスキルと、ストレージ上限を増やせる《所持容量拡張》のスキルをセットしましょう。
武器スキルは取得しなくてもいいです。しばらくは戦闘を行わないので。
SAOでは経験値とお金を得る方法は大きく二つ設定されています。一つは王道をいく戦闘経験値で、モンスターを倒すことにより手に入れられます。もう一つはクエスト報酬で、NPCから頼まれる様々なお願い事をクリアすることで得られます。
ゲーム開始直後の現在はステータスも装備もクッソ貧弱です。また多くのプレイヤーが一気にゲームを開始しているので、フィールドモンスターも奪い合いが起きてしまいます。したがって本チャートでの最初の稼ぎは競争率の低い後者で行います。
さっそくクエストを進めていきましょう。
事前の下調べで割のいいクエストはすべて把握済みかつルート構築も済ませてあるのでこの辺はただの作業ですね。
でも楽ではありません。目標のレベルに到達するためにこの作業は3時間以上も続きます。
苦行だってはっきりわかんだね。
さて何の変哲もないクエスト進行中に今回のRTAの解説でもしておきましょう。
使用ハードはナーヴギア。ソフトはSAO。正式名称ソードアートオンラインです。全100層ある塔型の城アインクラットを1階層から順に登っていくゲームです。
面白いので是非皆さんプレイしてどうぞ。命の保証はしませんが。
今回走るルートはSAO Glitched Any% 75層決闘endです。SAOではカジュアルな方のRTAになります。完全クリアを目指す100層攻略ルートではありません。あのルートはね、80階層より上の超遅延ゾーンがありますからね…………現在の世界記録でも三年以上かかります。長時間RTA終盤ガバからの再走が怖くないニキだけ挑戦してどうぞ。
わたしは嫌です(黄金の意思)
Any%とありますがこれはクエストのクリア率などは問わないという意味です。スキルレベルや生存者数などについても気にしません。早ければよかろうなのです。まあ、SAOの仕様上クリアタイムが早ければ生存者も増えると思いますが。
Glitchedと書いてある通りバグ技は有りとします。そんなのズルい。チーターや! と騒ぐキバオウニキは監獄エリアへどうぞ。
とはいえ、SAOでは階層スキップなどのバグは発見されてないので、バグありでも基本的にはすべての階層をきちんとボスを倒しながら開放していくことになります。
続いてキャラクター設定についてです。御覧の通り初期設定です。理由は二つあります。1つはどれだけキャラクリを頑張ってもデスゲーム開始時に初期化されてしまうからですね。もう1つはSAOがフルダイブ型のVRアクションゲームなのでアバターの骨格や間合いが変わると操作感が変わってしまうからです。
そして今回のプレイヤーネームですが入力時間を考慮してHomo――としたかったんですが、チャートの都合上Kayabaとしてあります。
詳しい説明は後程。
………………さてようやく終わりましたね。ここまでは順調です。事故る要素がないから当たり前だな。
クエスト経験値によりレベルは4まで上がりました。次は買い物のためクエスト報酬としてもらったどうでもいいアイテムを全部売りましょう。最初から現金で渡せよな。
そうしたら、雑貨屋で《立て札》という看板みたいなアイテムを38個と空の樽を買います。
初期武器もこの時点でストレージから忘れず出しておきましょう。
ソードアートオンラインは魔法を排した近接戦闘が売りのゲームであり、多彩な武器種が用意されています。これは初期装備においても同様で、キャラメイク時に最初に持つ武器を片手直剣、曲刀、両手剣、短剣、レイピア、スピア、ハンマーなどから選択できます。が、正直どれでもいいです。
本チャートでは《片手剣》カテゴリの《スモールソード》を選んでいます。片手武器は両手武器より装備重量が軽いので、誤差程度に移動時間を短縮してくれるでしょう。
次に武器屋に向かいます。
SAOではプレイヤーがストレージにしまえるアイテムは品数ではなく総重量で制限されています。この後使うバグ技のためにはこの容量を限界まで使い切っておく必要があるので、重量武器のハンマーを5本買います。初期武器はほとんど捨て値で売っているのでコスパは最高です。
容量調整を終えたら黒鉄宮にイクゾー。
着きました。
だだっ広く閑散としている建物ですね。デスゲーム化した後はプレイヤーの生死を確認する重要な場所となりますが、現時点ではただの建物でしかないので他のプレイヤーがいることはまずないです。
黒鉄宮ではさっそく本チャート1つ目となるバグのセットアップを行います。キャラの立ち位置を縦軸は東側の柱の3本目と4本目を目印に、横軸はタイルの目地を使って調整します。これを機にSAOのRTAを走ろうと思っているニキはこの場所をよく覚えていてください。
所定の位置についたらスキルスロットを開いて《所持容量拡張》を外します。
メニューを開いて時刻を確認。この時点で4時24分を回っているとアウトです。
あと3分ほどありますね。今回は道中で幸運に恵まれたのでいつもより余裕があります。
もっとぎりぎりを責めろという畜生ニキもいるかもしれませんが。年単位のSAO RTAでは1分くらい誤差だよ誤差。
バグ発生までの間に黒鉄宮について簡単な解説を挟みましょう。
SAOはログアウト不能なデスゲームです。ゲームの中で死ねばVRマシン《ナーヴギア》の発する電磁波によって脳みそが焼かれて死にます。が、SAOがこの仕様になるのは夕方4時23分43秒からです。
サービス開始からデスゲーム化までに結構な時間があるのは、すぐに死人が出ると後続のプレイヤーの大多数がログインをやめてしまうからだと思います。
ここ黒鉄宮にはデスゲーム化と同時に生命の碑というオブジェクトが出現します。これは全プレイヤーの名前が刻印されているクソでかい石碑です。プレイヤーが死亡すると名前の上に横線がひかれるので、プレイ時には何人のプレイヤーが生き残っているのかを確認するのに役に立ちます。
大事なのはこの生命の碑が後から出現するという事です。
結論から言うと、このオブジェクトの出現時に指定座標にプレイヤーが存在するとバグります。
とはいえ、普通に立っているだけではシステムにどかされてしまうので、バグの発生にはちょっとした工夫が必要です。そのためのアイテム重量。あとそのための《所持用量拡張》。
先ほども述べた通りSAOではストレージに持ち運べるアイテムの所持容量が種類ではなく重量で決まっています。《所持用量拡張》はその上限を拡張するスキルですが、この状態でアイテムを限界まで持ち、スキルスロットから《所持用量拡張》を外すと限界以上のアイテムがストレージに入っている状態を作り出すことができます。
が、この小技は開発陣も対策済み。ストレージに限界以上のアイテムが入っている間は《所持重量オーバー》の警告ウィンドウが開き、新規アイテムの取得とプレイヤーの移動ができなくなります。
するとどうなるでしょう。
本来なら生命の碑出現の直前に範囲内のオブジェクトは強制的に移動させられますが、重量オーバーによる移動制限が干渉し退去が行われません。
結果こうなります。視界が暗転して、身体がめちゃくちゃ痙攣しています。出現した生命の碑と床の物理判定に挟まれてアバターが大変なことになっています。
数秒我慢すると物理演算が乱れて床から抜けます。
やりました。メガトンコイン(床抜け)成功です。
落下中のプレイヤーの下には宙に浮くアリの巣のようなものが見えます。床の下にオブジェクト判定として存在する物体はこのアリの巣かアインクラッドの下部輪郭だけですので頑張って着地しましょう。先ほど立ち位置を調整したのはこのためです。適当な場所で行うとそのまま下部輪郭まで落ちていき落下ダメージで死にます(無敗)。
さて、この宙に浮かぶアリの巣の正体ですが、一階層の地下にある隠しダンジョンです。ダンジョンの外殻にだけオブジェクトの設定がしてあるので外から見ると、このようにまるでアリの巣が浮いているように見えます。本来の入り口は55階層が解放されると同時に通行可能となりますが、現時点では来られないのでこのようなバグ技を使います。
着地したらストレージを圧迫していたアイテムを捨てましょう。これで再び動けるようになります。
隠しダンジョンではまずマッピングをします。
通常ならゲームバランス崩壊級のボスモンスターが徘徊しておりとても探索できるダンジョンではないですが、このように天井裏を歩いていけば安全にマップを埋めることができます。
マッピングがおわったら、ストレージから先ほど大量購入した《立て札》を取り出します。このアイテムは文字テキストやマップなどを張り付けてフィールドや町中に設置することができるものです。
……普通だな。
《立て札》には攻略情報を書き込んでいきましょう。詳しい説明は後程。
《立て札》が完成したらストレージにしまい、スキルの付け替えをしていきます。《所持容量拡張》を外した枠に、新たに《索敵》を付けたらスキルの熟練度上げを行います。
やることは簡単です。まずダンジョンの最深部あたりの天井をドタドタ走り回ります。高確率でこのあたりをうろついているダンジョンボスは聴覚索敵も行うのですぐに足音に反応して寄ってきます。ボスの移動音が聞こえたら天井越しに索敵をロックオン。後は適度に距離を保ちながら《索敵》を発動していれば大丈夫です。
でも、戦闘もなく暗闇でじっとしているだけだと、そろそろ飽きてきたよという皆様のために……。
SAOのキャラビルドの解説でもしましょうか。
先ほど述べたようにSAOはレベル制とスキル制の両方を採用しています。
まずレベル制に関してですがSAOではレベルが上がるたびにキャラクターの育成ポイントが3ポイント得られます。このポイントはHP、STR、AGIの3項目にプレイヤーが自由に割り振ることができます。すべてに1ポイントずつ振ってバランス型を目指すもよし、HPに偏重してタンク職を目指すもよしといった具合です。
スキル制に関してはキャラの方向性を決定する最重要システムです。正直レベル上昇によるステ振りはよほど奇抜な特化型ビルドでもない限り、大体似たり寄ったりな育成になりがちなため、本当の意味でのキャラの育成はどのスキルを伸ばすかにかかっています。
SAOのスキルは戦闘用の各種武器スキルに加え、《片手武器作成》などの鍛冶スキル。《裁縫》や《調合》などの生産系スキル、《採掘》や《伐採》などの採取スキル、果ては《釣り》なんていう趣味スキルまであります。
またSAOのソードスキルにはそれぞれに熟練度というものが設定されており、単に設定するだけでなく長い時間使いこむことで真価を発揮するようになっていきます。
スキルの熟練度はスキルに関連する行動を起こすことで上げられますが、上昇率は行為によって異なります。例えば武器スキルですと、モンスターと戦うだけでなく、町中で素振りをしていても熟練度は入りますが、前者の方が効率はいいです。また戦闘においても弱い敵と戦うより強い敵を相手にした方が熟練度は伸びやすいです。
《索敵》は戦闘スキルではありませんが、このような非戦闘系スキルも対象となるモンスターのレベルに応じて熟練度にブーストがかかります。
そしてここのダンジョンボスはアインクラッドでも終盤に位置するレベル90オーバーの敵です。《索敵》のスキル上げにはもってこいでしょう。
実際、ガンガン熟練度が伸びていってます。
やっぱ隠しダンジョンの……熟練度を……最高やな!
さて茅場晶彦の演説が始まる時間が近づいてきたらそろそろ本題に入ります。
このダンジョンに来た真の目的はスキルの熟練度上げではなく、ダンジョンの宝箱からあるアイテムを入手することです。そのためにダンジョンの内部に侵入しなければなりません。
用なしになったダンジョンボスを振り切ったら、宝箱が設置してある小部屋近くの十字路に移動します。壁の内側に戻るにはソードスキルが必要なので、《疾走》を外してスロットに《片手直剣》を付けます。
壁と壁が鋭角に接続されている場所に近づき、隙間に身体をねじ込んでギリギリまで幅寄せした後、適当に武器で壁を叩きます。
プレイヤーの攻撃は壁に当たると物理演算に応じて跳ね返されます。が、この物理演算で使用される当たり判定は壁の内側表面にあります。なので裏側からうまい具合に攻撃すると、武器が当たり判定に触れた時点で既に壁にめり込んでいる状態になり、それを感知したシステムはなんやかやあってオブジェクトの位置をずらし、壁の内側に戻ってこられます。
よし! モンスターはいませんね。
運が悪いと出待ち状態のモンスターになすすべもなく瞬殺されますので、きっちり壁の向こうを索敵してから壁抜けしましょう。(0敗)。
十字路からは最短距離で宝箱を目指します。
だてに55階層で開放される隠しダンジョンというわけではなく、ここのモンスターのレベルは60階層相当です。
すべてがデスエンカ。会敵したら終わりだと思った方がいいでしょう。
《索敵》スキルを駆使して移動します。
つきました。
宝箱に入っているのは回廊結晶です。
ソードスキルがある代わりに、いわゆる魔法が存在しないこのゲームにおいて結晶は魔法の代わりとなるアイテムです。回復結晶は回復魔法。転移結晶は転移魔法だと思ってくれればいいです。このアイテムも任意の地点を登録しておけば、2地点をつなげるワープゲートが開くというアイテムです。
回廊結晶はポーチにしまっておきましょう。
時刻が5時37分になると強制転移のお時間です。今回はアイテムを取得してすぐに始まりましたね。無駄のない時間管理。まるでRTAみたいだぁ(ご満悦)。
視界が淡く光り始めたら転移の合図です。
ちなみに、自分の意思でこのダンジョンから出ることは不可能です。本来の出入り口はふさがったままだからしょうがないね。
閉じ込められたプレイヤーを転移させてくれるなんて、SAO運営ってしっかりしてるんやなぁ。
気がつけば始まりの街の大広間です。
状況を把握できていないプレイヤーがざわついています。
頭上ではGMの姿をした茅場晶彦がSAOをデスゲームにしちゃったからよろしくね。ゲームクリアまでログアウトもできないよ! 的な話をしています。
親の顔より見た景色。
時間もかかる上にスキップも出来ないクソイベントの間に次のグリッチの準備でもしましょうか。
広間の人ごみをかき分けながら中央の噴水に近づきます。ストレージから先ほど買った樽を取り出し中に水を汲みます。この時水の量を調整してぴったり所持重量限界まで使い切るようにしましょう。
まーだ、時間かかりそうですかねー?
ようやく終わりました。
このスキップ不可クソ長イベントでは茅場によるSAOのルール説明以外にもう一つ重要な出来事があります。アバター改変です。
頑張ってキャラクリしたアバターが削除されプレイヤーが現実の姿に戻されます。たった数分でプレイヤーの身長、顔面偏差値、女子比率が軒並み急降下し、そこかしこで阿鼻叫喚の悲鳴が上がります。
なんでこんなことをするのかはわかりませんが、たぶん女性アバター多めより、男性プレイヤーばっかりの方が好きなんだと思います。
このイベントでプレイヤーのアバターを解除し現実の姿に戻した後、茅場はそれを確認させるために手鏡というアイテムを配ります。このアイテム自体はNPCショップで普通に買える何の変哲もないものなのですが、渡し方がやばいです。
なんと強制的にストレージに出現するんです。
さて、重量制限によりこれ以上アイテムを取得できないプレイヤーに手鏡が送られるとどうなるでしょうか。通常のモンスタードロップでは持ちきれないアイテムは取捨選択画面が出現し、それでも持ち切れない分はオブジェクト化されて床に転がるだけですが、手鏡はちょっと違います。
ゲームマスター直々にストレージに出現させるよう設定されたアイテムは、所持重量がオーバーしても取捨選択画面に進まず、プログラムに従って何とかストレージに割り込もうとし取得状態でスタックします。
これでグリッチの準備ができました。
次はこの状態を維持したままイルファング・ザ・コボルドロードを撃破します。
イルファング・ザ・コボルドロードを撃破します。
大事なことなので二度言いました。
うっそだろお前、という気持ちはよくわかります。たった1日で一層を攻略できるほどSAOは甘くないと言いたいのでしょう。
だがその心配はフヨウラ!
ということでさっそくボス討伐に向かいたいところですが、まだちょっとだけ《始まりの町》でやることがあります。
茅場晶彦の演説の際、プレイヤーが広場のどこに転移させられるかはランダムなのですが、今回はかなり幸運な位置を引けたようです。
SAOがログアウト不能のデスゲームだと伝えられた時、プレイヤーの中には取り乱したり、泣き出したりする人がいるんですが、今回はかなり近場で聞き覚えのある悲鳴が聞こえたんですよね。
少し移動すれば……やっぱりいました。シリカです。ちなみにいつもは街灯やNPCの家の屋根に上って《索敵》スキルで探しています。
彼女は12歳の小学生でSAOプレイヤーの中でも最年少の部類です。年齢相応に精神も幼く、幸か不幸か茅場晶彦の説明を疑いもせず信じ切っており、身近に迫った死の危険でかなりうろたえています。
パパパッと励まして……堕ちたか? 堕ちたな。(堕ちてない)
ある程度回復したら、ほかに途方に暮れている子供がいないか探します。SAOはほとんどが高校生以上のプレイヤーですが、一万人もいればそれなりに小中学生も混じっています。目に付く範囲で構わないので子供を見つけたら声をかけて集めていきます。
ガキは簡単に騙せ……
子供は素直に言うことを聞いてくれるので、チャート序盤でいくつか仕事をしてもらいます。一か所に集めて管理しやすい体制を作っておきましょう。
とにかく今日はもう休んだ方がいいからと、子供たちを町の北部にある教会に連れていきます。既プレイニキは見覚えがあると思いますが、通常プレイだとサーシャというプレイヤーがショタやロリにまみれていた場所です(風評被害)。
ここで彼らはいったん解散。各自空き部屋なり大部屋なりで休憩させましょう。
それじゃあ今度こそ、ボス討伐に向かいましょう。1時間ほどスタートダッシュ組から遅れたせいかモンスターの少なくなった街道を走り抜けます。
道中の敵は経験値的にまず味なので全部《索敵》を駆使してかわしましょう。ここで生きてくるのが町でのレベル上げです。これまでのレベルアップボーナス12ポイントをすべてAGIにふり、もう一つのスキルスロットに《疾走》を付ければ、1層最速のモンスターのAGIを上回ることができ、理論上すべての戦闘をスキップできます。
フィールドを踏破したら迷宮区の攻略です。SAOには各フロアに一本、天井まで伸びた塔型の大きなダンジョンが存在し、その周囲を含めて迷宮区というエリアが存在しています。塔の最上階にはさらに上へとつながる階段が存在しており、ここを登れば次の階層に到達できるわけですが、この階段はフロアボスと呼ばれるボスモンスターが守っています。
またボスに至るまでの迷宮タワーやその周辺の迷宮区もその階層最高難度のダンジョンになっており最上階にたどり着くための障害となっています。
が、まだここは一階層でチュートリアル的な難易度なので、マップを覚えていれば苦戦する要素はないでしょう。
始まりの町から合計5時間くらい走り続けたら、ボス部屋です。
ぬわああああん疲れたもおおおおん。
部屋に入る前に隠しダンジョンから手に入れた回廊結晶をポーチから取り出しておきます。ここで回廊結晶をインベントリに入れているなんていう凡ミスを犯すと、グリッチ失敗で大ロスなので気を付けましょう(1敗)。
部屋の奥に進むとボス出現の演出が入ります。骨でできた巨大な斧を振り回すのは、身長2mを超す巨漢のコボルド《イルファング・ザ・コボルドロード》です。取り巻きとして重装備の《ルインコボルド・センチネル》も出現しました。
ここからは少し集中します。
攻撃を一度も食らわないようによけながら、ボスを部屋の扉の前まで誘導します。回廊結晶の起動位置を指定し、ボスがいい感じの位置に来たら起動します。
回廊結晶のもう一つの出口は迷宮区までの道中にあった滝つぼに指定してあるため、起動すると大量の水がダムの放水のようにあふれ出します。このまま流れに逆らわずに水流に乗ってボス部屋から脱出しましょう。
この際、《イルファング・ザ・コボルドロード》も部屋の外に押し出せていたら成功です。
コボルドロードは所詮1階層のボスなので比較的STRなどのステイタスが低いこと、ボス部屋の水が一か所しかない出口に集中することなどの要因である程度は雑にやっても成功します。
転倒状態のボスが立ち上がりボス部屋に戻ろうとしますが、水流に足を取られてうまくいきません。コボルドロードは元々転倒耐性が高くないボスなうえに、流水への対処が設定されていないので回廊結晶が水を吐き出し続けている間は転び続けます。
そうこうしているうちにボス部屋の扉が閉まりました。SAOのボス戦ではプレイヤーが一定時間ボス部屋を離れると自動で扉が閉まります。その後本来ならボスが非戦闘状態となりHPが急速に回復した後消失するのですが、今回はボスが部屋の外にいます。
――それも棒立ちで。
SAOのフロアボスはボス部屋の外にいるプレイヤーには攻撃をしないという行動規範が設定されています。ましてや自分でボス部屋の扉を開けるということもしません。そうしないと撤退してもボス部屋の外まで追いかけてくる殺意の高いボスが出来上がるから……当たり前だよなぁ?
その結果、部屋から閉め出されプレイヤーへの敵対行動もとれなくなったボスは棒立ちになります。
ここからはボーナスタイムです。無防備なコボルドロードに好き放題攻撃をしていれば簡単に倒せます。
最後の一撃くれてやるよオラ!
哀れコボルドの王は爆発四散し、リザルト画面が現れます。SAOではレイドボスの経験値は戦闘の貢献度に応じて戦ったプレイヤーに分配されます。今回は一人だけなので独占出来ます。
経験値にはボスと同時に死んだ取り巻きのコボルドの分も含まれます。一気に8もレベルが上がりました。ウマ味ですね。
そして忘れてはいけないのはアイテムの取得です。まずは容量限界を超えたため出現したアイテムの取捨選択画面をいったん横に置き、レベルアップのボーナスをSTRにふります。STR依存であるストレージの所持容量が増加するため、アイテムの取捨選択画面から《コボルドロード・シャムシール》という曲刀を選択します。
ちなみにこの時、変な状態でスタックしていた手鏡のデータが干渉してアイテムがバグりますが……まま、えあろ(風属性魔法)。
ボス部屋の奥には入り口と同じような意匠の扉があります。ボスを撃破すると開放され、次の層へ続く階段に行けるようになります。
……こんな見所のないボス戦でいいんでしょうか?
やっぱりディアベルさんでも呼んできて、ドラマチックに命を散らしてもらった方が…………。
いえ、彼には彼の役割があります。こんな序盤で無駄遣いはできません。
これで一層は工事完了です。