石とチェンソー   作:マカロニサラ・ブリッグス

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仕事から帰って書こうとするたびに睡魔に負けてました。(言い訳)

その間にノーベル賞を受賞式見たり熱いキスシーンを見届けたりしました。


適正テスト

 

ケルシー先生との対面から翌日のことだ。予定されていた適正テストを受けるために事前に渡されていた地図を頼りに会場へと足を運んだ。

先生曰く、どうやらロドスの訓練所の一つを使って行うらしく、実戦を想定した動きなども見るとのことだ。

 

「んーと……ここか?なんか随分デカい扉だなァ」

 

デンジはそのスケールに圧倒されながらも、扉に手を掛けて開け放つ。

 

「おお……!スゲェ!」

 

金庫の扉かと錯覚しそうな分厚く頑丈な造りの扉を進んだ先は、学校の体育館に近いの規模の真っ白な空間だった。

段差や傾斜など高低差を意識した様々な地形が用意されており、かなり本格的な作戦を想定した訓練等ができるように設計されているのだろう。

 

そしてその空間の中で、ぽつりと一人佇む姿があった。

 

「あ、来た来た!君がデンジくんよね?」

 

小さな帽子を頭に着けた深紫の髪色の女性は、こちらの存在に気がつくと駆け足でこちらへとやってくる。

 

重そうな盾を左手に持ち、厚手の黒いジャケットを羽織ってポーチやプロテクターを付けているなど、完全武装とまではいかないがかなり整えられている。

そしてキリリと整った顔立ちに対して、浮かべている表情は優しげだ。

 

だがその全てを差し置いて、ベルトに締め付けられてあからさまに強調された胸がデンジの視線を奪っていく。

 

「スッゲェ……!」

 

デカい、その一言に尽きる。

 

「アハハ、そうでしょ!この訓練所に初めて来る人は皆同じ反応をするわ」

 

初めてじゃ無くてもそう思うだろコレ……揉みてェ!

 

つい昨日の話し合いの際に見せていた真面目な顔はどこへやら、やはりデンジの欲求は単純である。

 

「ケルシー先生から話は聞いてるわ!私はジュナー、ロドスで防御オペレーターをしてるその傍らで、こうして教官も務めてるの。今日はよろしくね!」

 

「ハイ!お願いしまァす!」

 

この仕事、もしかしたら最高かもしれない。そう思わずにはいられないデンジだった。

 

簡単な挨拶を終えて、早速テストの概要が伝えられる。

 

「まずはあなたの基本的な動きを確認させてもらうわ。簡単に言えばパワーとスピードのテストね」

 

「どーすればいいんすか?」

 

デンジがそう返すと、彼女は盾とは反対の手に握っていた一本の警棒のようなものを手渡してきた。それを受け取れば彼女はデンジから距離をとり、盾を前方へ向けて構えをとる。

 

「はい!その棒を使って実戦を意識した攻撃をしてみなさい。私はこの盾で防ぐから心配いらないわ!それじゃ、始め!」

 

 

「なるほど。じゃあ、いきます!」

 

その言葉を合図に、デンジは思い切り踏み込んでジュナーとの距離を一気に詰めた。その勢いを緩めることなくまずは一撃を浴びせようと腕を振りかぶる。

 

「……ふっ!」

 

その動きはかなりの速度だが彼女とて遅れをとる訳もなく、それを盾でしっかりと受け止めた。

 

「なかなか、いい速さね!それに力も申し分無い。動きは荒いけど、これなら十分通用するわ!」

 

「そりゃ!どー!もォ!」

 

話をしながらも攻撃の手は止めない。盾で防ぐ度にガンガンと重い打撃音が響き渡っているのが、その一撃の重さを表している。

そしてただ殴るだけには留まらず、時折別角度からの攻撃やフェイントも混じえて緩急のある連打を続けていった。

 

だが彼女もやはり教官と名乗るだけはある。その攻撃を正面から受けても体には一切ブレが生じておらず、的確な防御姿勢を保っていた。

 

スゲェな。どんだけ思い切りぶん殴っても隙がつくれねぇ……先生とはまた違う感じだけど、この人もかなり強えぞ!

 

時間にして三分程だろうか、頃合を見てジュナーは終了の合図をかけた。

 

「はい、そこで終わり!……いいわね、あれだけ強く打ち続けてるのに目立った息切れも無い。すごく優秀よデンジくん!」

 

「へへッ!あざす!」

 

「けれど、なんだか不思議ね!デンジくんの動きは大きく動き回ることが多くて、何か別の相手を意識してる感じだったわ!」

 

「それはまあ、デビ……あ!あー、いつもはもっとデカいヤツを相手してっからですね!」

 

「へえ、そうなの!」

 

慌てて言葉を濁したデンジは昨日の握手の後、ケルシーに言われたことを思い出す。

 

 

──────

 

──去り際になって、ケルシー先生に呼び止められる。まだ何かあるのだろうか。

 

「……それからだが、君には少し注意して貰いたいことがある」

 

「ウえ、なんスか?」

 

「今後、ロドスで働くにあたって必然的に他のオペレーター、さらに任務先の現地人や依頼人などとも交流が起こるだろう。その際に……」

 

淹れて間もないため湯気が立ち上るマグカップを持ち上げると、こちらへ向けて小さく傾けた。その中から覗く黒い液体にはデンジの姿が浮かんでいる。

 

「君の元の世界関係での個人情報は最低限のものを除いて、基本外部への口外を禁止とすることになるだろう。知ることができるのはロドスの上層部の数人、そして一部のエリートオペレーターのみだ。」

 

最低限のもの以外、基本……

 

「それって、チェンソーマンのこともダメってことッスよね?」

 

「ああ、明かせるのは名前、年齢といった一般的な情報ぐらいだろう」

 

そう告げたケルシーは珈琲を一口飲み込み、軽く喉を潤すとその理由を話した。

 

「先程言ったように、君はこの大地とは異なる世界の存在だ。君の存在、特に先程話してくれた君の持つ悪魔の能力と不死身の特性……それらが他の組織へと知られてしまえば当然だが彼等は君を手元に置きたがるだろうな」

 

壊れることの無い兵器、尚且つ暴れれば暴れるほどに成長を遂げる力。そんな突如として現れた危険因子を他の陣営が逃す筈もないだろう。

 

それを解き放つのか封印しておくのかは彼等次第なのだから、デンジを奪われるという事態だけは絶対に避けなければならない。

 

「また色んなヤツから命狙われるのは正直言って勘弁っすから、イイんすけど……それじゃテストの時もチェンソーは見せないってことスよね?」

 

「ああ。それについては秘密裏に行うことになる。一般の適正テストは全て生身での測定だ」

 

デンジとしては痛みを伴う変身であるため、チェンソーをあまり使わないというのはありがたいことだ。そう思っていると、さらに補足が入った。

 

「それと一応だがチェンソーの秘匿にも例外はある。私含め上層部の許可、もしくは使わざるを得ない状況下であった場合などだ」

 

「は〜、わっかりました!」

 

「ああ、私から言うことは以上だ。明日に備えて体を休めるといい」

 

前者はわかるとして、後者はふわっとした制限な気もするが……ともかくこれでケルシー先生との話は終わりらしい。

少し物足りなさはあるが、仕方ない。ならば明日ケルシー先生にいい所を見せることにようと意気込んで、デンジは部屋を後にした。

 

 

 

──────

 

30分ほどのテストで戦術機動、戦闘技能の測定が行われた。主に受けたテストは訓練所全体を使う走破能力やダミーを使用して様々な武器の使用技術等を調べるといったものだ。

 

「──よし、これで適正テストは概ね終わったわ。お疲れ様デンジくん!」

 

「ハイ!お疲れさまです!」

 

「えーっと、この後はケルシー先生のところに行ってもらうけど、場所はわかる?」

 

「んーと、ハイ!昨日教えてもらってます!」

 

「わかったわ、それじゃこれからそっちへ向かって頂戴!」

 

「わかりました!それじゃあまた!」

 

「ええ、またね!」

 

動き回ってよれた服装を整えて、目的地に向かって移動を始めた。場所は地図によるとあまり一般には解放されない区画らしい、施設の端にある部屋を使用するようだ。

 

「あっ!ケルシー先生!」

 

「……来たか、こっちだ。着いて来てくれ」

 

部屋の前の通路にはケルシー先生が待機しており、誘導に従って進んでいくと、その先には二人の人物が立っていた。

 

「……来た」

 

「……」

 

真っ赤なフードに身を包み、少し幼さの残る声で話す狼のような少女と、柄の長い大剣を手に下げて少し不機嫌そうな表情でこちらを見つめる白髪の女性。

 

ジュナー教官の時とは違いかなり張り詰めた空気を感じる。

 

「……なんか、物騒な雰囲気ッスね」

 

「彼女達はロドスの特殊部隊S.W.E.E.Pのメンバーの一員、レッドとスカベンジャーだ。これから始めるチェンソーの能力テストは彼女らと行ってもらう」

 

少し本気のテストが始まりそうだと予感したデンジは、軽く背筋を伸ばした。

 





僕のアークナイツの最初の推しはレッドちゃんです。(見た目と声のギャップにやられました。)

この小説見に来た人はどれくらいなんや

  • アークナイツだけ知ってる
  • チェンソーマンだけ知ってる
  • 両方知ってる
  • 未来最高!未来最高!
  • まだ休んじゃだめですよ。
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