「……畜生!!」
長時間の質問の後、デンジはキレていた。それはもう荒れ狂う程にブチ切れていた。
何故か?
今のウルサスの現状についてなのか。
感染者への過剰な弾圧に対してなのか。
それともレユニオンの非道な行為へのものだろうか。
「なんでェッ──」
そのどれでもなかった。
「なんでッ!!誰もォ!!!チェンソーマンを知らねぇンダヨオオオオオ!!!!!!!」
この男、自分の人気のことしか頭にないのである。
「俺、正義のヒーローだよォ!?テレビにいつも流れてるし、ファンがいっぱいいる超人気者じゃん!!外国にだって噂が届くスーパースターじゃん!?」
荒れ狂うデンジの足下には微動だにしなくなった、多分、生きているかもしれないレユニオンの集団が転がっていた。
皆、おそらくデンジの質問(理不尽な拷問)を受け続けたのだろうと思われる。南無三。
「チクショォ……」
怒りがようやく鎮まったデンジは力無く項垂れた。冷えた頭を取り戻し、先程の拷問の内容を思い返し始めた。
「……そういやウルサスとかレユニオンとか、あとチェル……ナンタラがどうとか訳わかんねぇことばっかり言ってたよな。」
質問の際、初めて聞くワードの数々が返ってきていたのを思い出したデンジはふと考える。
「ここ、もしかして日本じゃねえのか……?」
一瞬の納得と同時に、日本語での会話は成立していたことに疑問を抱く。新たな謎にまた頭を悩ませることになっていた。
「わかんね。アキなら解決してたんかな……頭痛くなりそうだから、もうやめよ」
深く考えるのは得意じゃない。それを知るデンジは思考を止め、とにかく別の場所へ行くことに決めて歩きだす。
そうしてレユニオン兵士を通り過ぎようとして、ふとある物が目に入り歩みを止めた。
「ん?……これ、地図か?」
兵士の一人が持っていたのであろう紙を拾い上げる。
文字は英語ですら無いためサッパリだが、描かれている図を見る限りどうやらこの周辺の地形が載っているようだった。
彼等が進んできたルートに線が引かれているようで、現在地と照らし合わせれば場所は何となく理解できた。
「ラッキー。オイ、悪ぃけどコレ、使わせてもらうぜ。」
地図を見ても現在地以外のことはよく分かっておらず、どこに行くかは結局決まっていないため、デンジはとりあえず大きく印が付けられた場所に向けて出発することにした。
──────
「……なんか、めっちゃ空ヤバくねぇか?それに、ちょくちょく見かける仮面のヤツらもなんか多いし。」
進むに連れて景色は変化していく。空は初めて見た頃より更に天候が荒れ始め、街を飲み込んでしまいそうな巨大な雲へと変わっていた。
しかし、それだけでは無い。
「それにこの辺、死体が多いな。もしかして悪魔が暴れてんのか?」
街中は瓦礫と炎、そして血で滅茶苦茶になっていた。デビルハンターをしているならよく見る光景ではあるし、これですら軽いと感じる程ではあるのだが……デンジは今までと違う雰囲気に警戒を強めていた。
「……煙くせー」
だがそれでも変わらず目印へと、ただ進み続ける。
──────
「……ええ。こっちは片付いたわよ、文句は無いでしょ?あっても聞いてあげないけどね」
人などもはや居るはずのないビルの屋上で、銀髪の女が無線機を使い誰かと話していた。それは血のような赤い角を生やし、そして赤と黒が目立つ衣装に身を包み、まるで悪魔のような姿をしている。
「……ハイハイわかってるわよ、ええ。……そういえば、うちの区画にいた連中、変な男に結構やられてるらしいわよ。死んではいないみたいだけれど。なんともお優しいヤツがいるみたいね」
皮肉を混じえつつ話は続いていく。
「話を聞いてみたら、アレは悪魔だって震えてたわよ。笑っちゃうわよねぇ〜……ああそれと意味不明な質問もされたらしいわよ、それも全員が決まってね。『チェンソーマンを知ってるか』だってさ、なんの事だかは知らないけど。」
まぁ、精々痛い目見ないように気をつける事ね。と、最後そう一言付け加えると女は通信を切る。
「さ、そろそろいい頃合いでしょうし顔くらいは見せに行こうかしらね?待ってなさいよ、ロドス・アイランド」
崩壊した街並みに背をむけて彼女もまた、自分の目的のために歩き出した。
この小説見に来た人はどれくらいなんや
-
アークナイツだけ知ってる
-
チェンソーマンだけ知ってる
-
両方知ってる
-
未来最高!未来最高!
-
まだ休んじゃだめですよ。