心優しき仮面の男達から譲り受けた地図を頼りに歩きはじめて、かれこれ20分程だろうか。目印の場所にようやく到着した。
「ン〜、なんだここ?」
辿り着いた先は広場のような場所で、中央には女性を象った銅像が建てられている。しかし、それ以外は何も見当たらない。
本来なら談笑の場として機能して居たのであろうこの空間には、当然だが人の気配すらない。
唸るような雷鳴のみが聴こえ続けているのも相まって、不気味な雰囲気を醸し出していた。
だがデンジにとってそれは何も無い事と同じなようで、その雰囲気の中をものともせず銅像へと近づいていく。
興味本位でそれを眺めていたデンジは、ふとあるものに目が止まった。
「この像、なんで動物の耳が付いてんだ?」
丸っこい形の動物の耳は一見すると美人顔の造形にはアンバランスなようで、なぜだか絶妙に調和している。
そしてその銅像の顔にはどこか既視感を感じた。
「へぇ、よく見ると何となくあの人みたいな顔してんな。コレを作ったやつとはなかなか気が合いそうだぜ」
「それは良かったねぇ、君は芸術が好きなのかい?」
銅像を眺めながら率直な感想を述べると同時に後ろから少年の声が聞こえてきたので、誰かと思い振り返る。
するとそこには白い髪に上下を白で統一している服装の少年が、先程見たのとおなじ仮面の連中を引き連れて立っていた。
少年の表情は妙に作ったような笑顔を浮かべながらコチラを見ている。
「え、誰だお前?」
「それはコッチの台詞なんだと思うけどなぁ〜。まあ、良いよ」
ちっこい見た目に対して随分偉そうなやつだな。本能的にわかる、刺激するとぜってーダルいタイプだ。
「こうして出会ったのだから、名乗らないのは失礼だね。では自己紹介をしようか。僕の名前はメフィスト。レユニオンの幹部の一人さ。」
「レユニオン?……あ〜うん、まあ幹部ってことは偉いってことだよな。あ、なら敬語の方がいいスか?」
「いや、いらないよ。そういうのは君、きっと苦手だろう?自然体で構わないさ。しかし、君は驚かないんだね。こう言うと普通は驚いて逃げ出そうとしたりするものだよ?」
「おー、だってレユニオンってのがなんなのか知らねーからな! 」
正直な理由を口にしてみたら、メフィストと名乗っているガキは目を丸くしていた。顔も口もうるさいなコイツ。
「っくく、ははは!そうか!まさかそれは今のチェルノボーグの愉快な光景を見た上で言ってるのかい?」
「ああそーだけど。にしてもすげえ事になってんだなここは」
「そうだろう?楽しくなるように徹底的にやったからね。緻密に計画した甲斐があったよ!」
「はー、そりゃ御足労なこった」
なるほどな、コイツらは作戦とか決めて暴れ回ってんのか。こういうのはなんて言うんだろうな。クーデター?いやテロリストって奴か?
しかしチェルノボーグって名前を聞くに、やっぱここって日本じゃねーよなぁ……じゃあここどこなの?ベトナムとか?
なんか一人勝手に盛り上がっていた白髪はしばらくすると手をこちらに向けて、今度は俺に質問をしてきた。
てかよく見たら手袋の丈短ぇな、逆に邪魔だろそれ。
「それで、君は何故ここにいるのかなぁ?」
変わらず表情は不自然な笑顔を保ったままだ、どうにも気持ち悪いな。
「ん〜、知らねぇ。いろいろあって、この地図の印見て来てみたらここに着いたんだよ。文字も読めねぇからこの辺がどこなんだかわかんなくてよ〜」
そう返しながら手に持った紙をヒラヒラと見せつける。少年の表情は笑顔のままだが、目の色は若干変化を見せているようだ。
少年は考える素振りを見せ、今度は紙を指さして再度質問を続ける。
「……君が持っているそれは、僕の同胞達の物のはずだ。それを、どうして君が手にしてるのかな?」
「突っかかってくるからブチのめした。そしたら慰謝料がわりにコレをくれたぜ」
「ふーん、へえ、そうなのかい?」
白髪がそう呟くと、何も言わず隣に立っているだけだった仮面野郎共が前に出てきた。
どうも穏便に行きましょうって雰囲気じゃねえな、なんか武器構えだしてるし。
明確な敵意を感じ取ったデンジは即座に動けるように右足を軽く後ろに下げた。
視線は既に白髪の少年では無く、その周囲に向いている。
「それじゃあこちらからも謝罪も兼ねて1つ、楽しいゲームをしてみないかい?」
「へー……ルールは?」
「何、簡単だよ。君は今から僕の同胞達と遊んでもらうだけさ!鬼ごっこでも、かくれんぼでも、やり方は君の好きにするといい。そして君はその全員に勝てばいい!どうだい?」
「そうかよ。なら簡単そうだな!」
いちいち言い回しがくどい奴だな。つまるところ全員倒しゃいいだけだろうがよ。
足に力を込め、体制を変える。
「それじゃあ、はじ──」
白髪の少年が言い終える直前、彼の顔の横を風が撫でる。気づけば、隣にいた兵士の体が宙へと浮いていた。
兵士がいた位置には、代わりに動作を終え足を下ろしているデンジがいる。
予想外の光景に思考を止められた。
「は」
「よお〜クソガキ。よく聞け!」
驚く間も無く、瞬間視界が揺れる。頬に強く衝撃を受けたのを感じた。背中に硬い感触を受けて、ようやく今自分が殴られたことを理解した。
「勝負ってのは!スタートの前に始まってるんだぜェ〜!」
──そこには腕を振り抜き、獰猛な笑顔を浮かべる狂人がそこに立っていた。
もうすぐチェンソーマンの放送だぜェ〜!
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まだ休んじゃだめですよ。