ス ト ー リ ー の 辻 褄 併 せ が 大 変。
ロドスの一団と遭遇したあとの事だ、幹部のファウストより緊急の通信が入ったために足を運んでみれば。そこには見覚えの無い怪物がいた。
直前にメフィストが攻撃を受けたという知らせを知り、我等の障害となる奴を生かしてはおけぬと判断し始末へと身を乗り出したまでは良かった。
これまで通りに葬ってしまえばそれで終わると考えていたからだ。
だが私は目の前の怪物を侮っていたようだ、まさかここまでの気狂いだとは微塵も想定もしていなかったために至近距離にまで接近を許してしまった。
どれだけ酷い負傷でも高速で再生する肉体。
焼かれる激痛にすら耐えるほどの強靭な精神。
予測不可能な思考と行動、並外れた度胸と身体能力。
どれもが驚異であるが、その全てを最大限に活用できるのだから面倒極まりない。
「……やはり貴様は邪魔だ」
しかし倒そうにも普通の手段では目の前の悪魔を倒せない。長期戦に持ち込まれると押し負ける、そうなれば恐らく死ぬのはこちらだと考えたタルラは一つ手を打つことにした。
ようやく入り込めたぜ〜!
デンジとタルラとの距離は目前にまで迫っていた。
この思い付きが上手くいったのはかなり有難かった、この行動が失敗したら本当に今頃は頭を抱えていたところだ。
一歩踏み出して、腕のチェンソーを加速させる。
急所である心臓を目掛けて腕を突き立てようとした。
それは間違いなくタルラを貫けると、確信できる一撃だ。
刃は血を求めて獲物の急所へと吸い込まれていく。
……っ!今度はなんだ!?
だがしかし、刃が到達する直前には相手にも動きがあった。
彼女は生み出した炎を手の中へと集めだしていた、中心へと吸い込まれていった熱は行場を探して高速で回転し続ける。
「その姿、覚えておこう」
そう言い放つと、彼女の手の中で限界まで凝縮された炎はデンジに向けて放出された。
それはもはや放射ではなく、言い表すとしたら爆発というべき一撃だった。
「ッ!そういうことかよ!?」
爆発によって生じた風圧でデンジの身体が浮いた。
今のタルラの狙いはチェンソーマンを殺すことではなく、退けるために遠方へ吹き飛ばすことだった。
クソがっ!踏ん張れねえっ……!
その強力な圧に耐えきれず上体が反らされ、重心が保てなくなる。
抵抗虚しくただその暴風に押されていき、遂には地面から足が離れてしまった。
ほんの数歩先にいた暴君の姿が、今は遥か遠くへと離れていく。
打ち上げられてから十数秒、ようやく体に重力が戻ってきたのは崩壊しかけているビル群よりも上空だった。
そこまで到達して初めて、この世界の全体像が映された。
炎に沈んでいく赤い街。
倒壊した人工物の数々。
暗く染まった空と都市一つを覆うほどの雷雲。
そして、その全てを忘れてしまうほどの巨大な黒く透きとおる神秘的な結晶群。
崩壊した世界とはきっと、こういう事を指すのだろう。
……何だよ、こんなひでぇことンなってんのか。
それが飛び込んできた瞬間、先程のタルラ達との激しい戦いなどがどうでも良く感じてしまう。
デンジに見えたそれは永遠にも感じる一瞬の光景だった。
荒廃した真っ暗な世界の光景が、どうにも眩しく感じる。
こんなひでぇってのに、なんだろーなぁ。
なんつーか、すげーキレイだな……
内臓が持ち上がる感覚がすると同時に落下が始まった。
当然だが落下位置の調整などしていない為、建物の壁との激しい衝突を繰り返しながら止まるのを待つだけだった。
何度か衝撃と痛みを味わいながら、体は停止する。
いまの一撃でタルラとの位置がどれほど離れてしまったのか想像もつかない。
だが、ここが一体どこなのかを確認する余裕など無い。デンジは軋む身体でコードを引っ張った。
しかしそれは力無いエンジン音を鳴らすばかりで、体に変化は起きなかった。
「やっべ……血、足りねぇ……」
連戦を続けた無茶が祟ったのか、デンジの体内の血液が空になる寸前だった。
もしあのまま勝負をしていたのなら、決着はわからなかっただろうと考えると運が良かったのかもしれない。
胸のコードから離した手を力無く放り出して、ただ空を見上げるしかない。
意識が遠くなってきているデンジは、もはやどうすることも出来なさそうだった。
身体が限界を迎えて、ただ静かに目を閉じる。聴こえるのは火が弾ける音とどこからか響く争いの音。
そして、それに混じる足音。
『息がある……負傷者を見つけました!』
『火傷が酷いな、あちこちに骨折しているようにも見える』
……誰だ?
一体の声かは判別ができない位に聞き取ることも困難だったが、複数人いることがわかった。
しかし、目を開けることが出来ない。もはや彼はその体力すらも失っていた。
『担架を、急……運ぶぞ……。』
直後に、身体を持ち上げられる感覚と、揺られる感覚があった。どこかへ運ばれているのだろうか。
コイツら……なにを…………。
答えを出す間も無く、そのまま意識を失った。
同時刻に、ある一行が行動していた。
黒い制服はチェスの駒を模したロゴがよく目立つデザインで、その上に武装をする者などと姿は様々だ。
ロドス・アイランド。
テラと呼ばれる大地に蔓延る様々な問題と困難に立ち向かおうとする医療組織。
彼らはその一員で、チェルノボーグの人命救助に駆り出された行動部隊であった。
「そっちには誰かいたか?」
「いえ、見当たりませんね。見つけても、もう息が無い人ばかりです」
ハッキリと言ってしまえば、暴動と天災から時間が経過した今、ここでまだ無事でいられる民間人は皆無に等しいだろう。
生き長らえた人は皆、都市を脱出して遠くへと避難しているはずだ。
今捜索を始めたとして、希望は浅い。
「なんだろう?今の音……」
「どうした?」
「近くで何か音がしたんです、少し様子を見てきます!」
そう言ってその音の方向へと進んでいく後輩オペレーター、その数分後に動きがあった。
「負傷者を見つけました!」
嬉しい報告が上がった。すぐさまその場所へ駆けつけると、学生くらいの歳に見える金髪の青年が仰向けに倒れていた。
全身は火傷にまみれ、変色している手足などを見るに骨折などもあるだろう。
意識がなく、間違いなく重症だった。下手したら直ぐに命が失われるかもしれない。
だがここで見つけられたのはきっと幸運な事だったのだろう。
まだ迅速に処置を行えば助かる状態だ。
「担架を、急ぎで運ぶぞ」
「わかりました!」
この結果で、何かが大きく変わる。
名も無きオペレーターは何故だか分からないが、微かにだがそう予感した。
ようやくアークナイツが始まったなこの小説。
修正する手が止まんねぇ。
この小説見に来た人はどれくらいなんや
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アークナイツだけ知ってる
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チェンソーマンだけ知ってる
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両方知ってる
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未来最高!未来最高!
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まだ休んじゃだめですよ。