石とチェンソー   作:マカロニサラ・ブリッグス

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そろそろ何か動きをつけたいね。

アークナイツの主人公組とどのタイミングで関わらせるか考え中です。でもクロスオーバーやるからには他にも色んなキャラと合わせてみたい(オタクの悪い癖)


食事

 

「ン〜、昼飯は作り置きがあるから大丈夫……パンは一袋買ってあるからまだ数日はまぁ何とかなるか」

 

しばらくして運ばれてきた食事を頬張りながら、家に残してきたナユタ達のことを考える。主に食糧の問題についてデンジは心配していた。

 

「エサやりも教えてあるし、死ぬことはねぇと思うけどなー」

 

もし死なせちまったら、マキマさんには申し訳ねぇからな。と心の中で呟きながら、スープの中の肉を掬って口に運んだ。

 

「……ン、この肉なんのやつだ?知らねー味だな」

 

舌に乗せた瞬間に広がった不思議な風味に疑問が浮かぶ。独特なクリーミーさのあるこの肉は、デンジの人生では一度も口にしたことは無いものだった。

 

「それは高脚羽獣の肉だね、この辺ではよく食べられてるけど。君はそれ、初めて食べたの?」

 

声の方を見れば今度は、ナユタと比べても身長がそう変わらない少女がそこにいた。桃色がかった金髪とも、銀髪ともとれる淡い髪に大きな動物の耳が着いている。

 

「ん?あーアンタは確かさっきフォリニックさんと話してた、えっと……ススーロ、だっけ?」

 

「うん、正解。君の名前は確かデンジだったよね」

 

その問いに頷いてみれば、一件無愛想に見える表情に柔らかさが灯った。

 

「傷の方はどう?痛みとかは無い?」

 

「おう、相変わらずイテーけど、でもそれだけだぜ」

 

身体が無くなることなどデンジにとっては珍しいことでは無いからこそ、痛みなどただそれだけの事なのだ。今更気にすることでもない。

 

「そっか……運ばれてきた時は凄くボロボロだったから、まあ無理もないか」

 

「ま、血ィ飲めばこんくらいは大丈夫だけどな」

 

「……君、ワルファリン先生みたいだね」

 

血に関しての発言を聞いて、ススーロは困惑しているようだ。人間とはいえ半分は悪魔でもあるのだから血を飲むことなど、別段変なことでは無いと思うのだが。

 

「サルカズって聞いたし、似たようなものなのかな……」

 

食事を続けているデンジの預かり知らぬところで、何か納得しているようだった。

そんな彼女を眺めているうちに、彼女が白衣を着ていることに気づいて出てきた疑問を口に出した。

 

「そーいや、ススーロもここで医者やってんのか?」

 

「うん、そうだけど?」

 

「スゲーな!その歳で医者って、メッチャ頭良いんだな」

 

「え、うん。まあね」

 

褒めれば、少し照れくさそうに髪をいじり始めていた。すこし複雑そうな顔が混じっているところを見るに、こういう事には慣れていないのだろうか。

 

「でも、医者を目指した理由なんて褒められるものじゃないよ」

 

「なんでだ?全然、立派じゃねーか」

 

少なくとも、自分よりかは遥かに十分な生き方をしているとは思う。そんな風に考えるデンジを余所に、ススーロは理由を口にする。

 

聞けば、医者を目指したのは彼女が人生の進路を決める頃のことだ。

その時期は医療産業の発展に希望があり、その道に進むのが将来的に安定するからという理由で、人の為に何かをしたい訳では無いまま医学の道に進んだのだという。

 

デンジからしてみればなんともまあ、難しい話だ。

 

「ン〜……よく分かんねーけどよ、そんなの別に悪いことじゃねーと思うぜ」

 

誰しも生きることが一番重要なのだから、その中で良くも悪くも目標を自分で考えて、その行動を反映できているのなら立派なことだ。そうデンジは考える。

 

「自分で選んだ生き方で今、後悔しないで生きれてンなら別にそれでいいんじゃねーか?」

 

「そうかな?」

 

「おー、そうだろ」

 

少なくとも他人に任せて何も考えずに生きて、それで死ぬほど後悔してる奴よりよっぽど良いはずだ。

 

「オレはもっとああしてればって、今もたまに考えちまう」

 

だからお前は十分すげぇよと、言葉の最後にそうつけ加えてから器を取り残ったスープを飲み干す。

 

「ごちそーさま。美味かったぜ!……そういえば、ススーロはなんでここに来たんだ?」

 

そう言うとススーロは本来の要件を思い出したようで、デンジにこの先の予定について伝え始めた。

 

「あ、そうだデンジ。この後なんだけど少し身体の検査があるから、レントゲン検査とか血中源石濃度の調査をさせてもらうよ」

 

レントゲンは以前経験がある。だが後者については初めて聞くものだった。

 

「おう……?そりゃまあ、いいケド」

 

「うん、じゃあ……大体、今から1時間後にまた呼びに来るよ。じゃあまたね」

 

曖昧に一つ返事を返せば、彼女はそう伝えてから背中を向けて部屋をあとにした。

 

見た目に似合わず、随分と真面目で大人びた性格で、どこか頑固さというかお節介さも感じる少女。彼女のそんな振る舞いを見ていたらどこか、自分の良く知る人物が脳裏にチラついた気がした。

 

「……」

 

不意に感じた懐かしさに、デンジは何も言わずにただ彼女がいた場所を眺め続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

約1時間後、予定通りレントゲンと血液検査が行われた。

 

ここに運ばれて来てからしばらくして気づいたのは、このロドスと呼ばれる場所にいる人物は皆、何かしら動物の耳や尻尾がついていることだ。

 

魔人やらが集まる施設なのだろうかと考えたのだが……今まで見てきたヤツらと比べてどうも理性的というか、なんというか。強いて言えば悪魔らしく無い奴が多かった。

 

いや、人間に対して友好的な悪魔も公安にだって居たには居たのだが、彼らはそれとも違う雰囲気を持っていた。

 

「これで検査は終わりです……なんですが、その」

 

「ン、どうかしたんスか?」

 

レントゲンの結果が映されたモニターを見て、担当の男性医師は少し戸惑いの表情を見せていた。何か体に悪い部分でも見つかったのだろうか。

 

「いえ、その……運ばれてきたときは全身に骨折があったと聞いていたのですが、レントゲンには全くその気配がないようなので……」

 

確かに、今現在は体に痛みがほとんど無い。おそらく時間が経って血液が少し戻ってきたのだろう。

 

「そうッスね。普通に動かせるようになってるんで、治ってンじゃないすか?」

 

「いえ、ですが……しかし……」

 

結果にまだ納得がいっていないのか、モニターの記録を何度も入念にチェックしていた。だが十数秒後、ようやく諦めがついたのか眉間を押さえながらデンジに向き直る。

 

「あー、えー……ちょっと気にはなりますが、仕方ありませんね。」

 

溜め息を吐き、その検査結果を渡される。

 

その後に医師から伝えられたのは、怪我は治っているという結果ではあるが念の為にギプスの着用は少しの間続けてもらうということ。

また、早い段階でもう一度レントゲン検査を受けてもらうという条件だった。

 

一応、自由時間内で施設の移動可能区域の範囲で動き回るのは許可するらしく、デンジにとってそれは嬉しい話であった。

 

話を終えて診療所を出たが、次の予定までは時間があるらしい。

ようやく車椅子が外れて窮屈な生活から抜け出せたのだから、とデンジは少し空いた時間を使って息抜きに散歩をする事にした。

 

 

 

 

 

「へ〜、病院って感じには見えねーなァ……なんか、ちょっと研究所みてーだ」

 

やはり見慣れないものには心が躍る。こうして眺めているだけでも面白いものだ。

 

「こっちは……なんだ?草とか花とか、いっぱい生えてんな?こんな公園みたいなんもあんのか。すげーな、ココ」

 

デンジにとってそれは長らく味わえていない、戦いの気配が無いとても平穏な時間だった。

大体毎日ヒーローとしてチェンソーマンになり悪魔との戦いを繰り返すばかりだったデンジは、少しこの平和な空気には慣れていないようだ。

 

「……なんか暇だな」

 

だが、この感じも悪くは無い。と、束の間の休息を楽しんでいた。





アークナイツもチェンソーマンも、どっちのアニメもようやく最大の盛り上がりが近づいてきてますね!

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