東方女友達(仮)   作:タイラー

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それぞれの世界の巫女

博麗神社にて

 

「……ふむ、ここが幻想郷と外の世界の境目の神社、博麗神社か」

 

重藤秋穂は博麗神社を見て呟く。

 

「見た目は普通の神社だね。うちとそんなに変わらないみたい」

 

その隣で、森園芽以も感想を述べる。

二人は普段から巫女という仕事をしていることから、紫から聞いたこの神社のことが気になり、ここまでやってきたのである。

もしかしたら、自分たちのよく知る神社と異なるところがあるかもしれないという興味本位である。

しばらく神社を眺めていると、少女が1人出てきた。

そして、2人に問いかける。

 

「あなたたち、見かけない顔ね。見慣れない服まで着てるし……」

 

二人は今、制服を着ており、途中、人里を通ってきているので、自分たちの制服が、この幻想郷で浮いていることは自覚していた。

しかし、このときの秋穂と芽以の思考は一致していた。

つまりは、

 

((あなたの服こそ、見慣れない!))

 

である。

 

少女は、巫女服の袖の部分だけをアームカバーの如く装着し、肩出し脇出しといった状態で赤い服とスカートを着こなしていた。

 

「ん? 霊夢 そいつらアレじゃないか? 紫が言ってた」

 

少女の後ろからもう1人、こちらはテンプレートな魔女と言わんばかりの格好をした少女が現れ、巫女――霊夢に話しかける。

 

「あぁ、外からの客人ってやつね。うーんと、とりあえずようこそ博麗神社へ! 素敵なお賽銭箱はあちらよ」

 

霊夢は秋穂と芽以の視線を賽銭箱に誘導する。

が、秋穂と芽以の視線はむしろ霊夢に――正確には霊夢の服に――釘付けである。

しかし、霊夢はその視線に気付くことはなかった。

 

「おいおい、こんなとこで立ち話もなんだろ? 部屋で話そうぜ、お茶くらいは出そう」

「ま、そうね。どうぞ、お茶くらい出すわよ……って何で魔理沙が仕切ってんのよ!」

 

魔女の少女――魔理沙に促され、霊夢は秋穂と芽以に呼びかける。秋穂と芽以はその言葉に甘えることにした。

 

「紫から話は聞いてるわ。ガッコウとかいう寺子屋ごとこっちに来ちゃったそうね」

 

霊夢は秋穂と芽以にお茶を出しつつ、会話を続ける。

 

「で? ここに来た理由は? 自慢じゃないけど、ここにはお賽銭箱くらいしかないわよ」

「万年中身無しのな」

 

霊夢は隣に座る魔理沙を無言ではたいた。

 

「あ、あぁ。先ずは自己紹介をさせていただく。私は重藤秋穂。こちらは……」

「も、森園芽以と申します」

 

二人はお辞儀をして、挨拶する。

 

「そういえばまだだったわね。私は博麗霊夢よ」

「私は霧雨魔理沙だ。よろしくな」

 

つられて霊夢と魔理沙も自己紹介する。

 

そして、一息ついて、秋穂が話し始める。

 

「ここに来た理由なんだが、芽以の家も神社なものでね。私もよく手伝いなどをするから、こちらの神社はどんなものなのかと気になってね」

「へぇ〜、外の世界にもまだ巫女はいるのね」

 

霊夢は不思議なところに感心していた。

 

「お前、早苗のこと忘れてないか?」

「出来れば忘れたいと思ってはいるわ」

 

魔理沙の呆れた声による問いかけに面倒臭そうな仕草をして返す霊夢。

 

「それで、うちの神社はどうなの? あなたたちの神社とは違う?」

 

そんなことより、と言わんばかりに霊夢は秋穂たちに質問する。

芽以と秋穂は少々歯切れ悪く、

 

「えっと…社の見た目や内部は特に変わりないです、ね……」

「そうだな、社自体には何の違いもない、な……」

 

と答えた。

 

「何か含みがあるわね? 変わってるところがあるの?」

 

霊夢は本気で分かっていない。

そんな霊夢の態度に、幻想郷ではあの巫女服が普通なんだ、と考え、秋穂と芽以は指摘し辛い状態になっていた。

 

「そりゃ、お前の服に決まってんだろ。変わってるどころの騒ぎじゃないだろ脇出し巫女服とか」

 

しかし、そんな空気を読まず、魔理沙がズバッと指摘した。

指摘された霊夢は不満そうな顔をしながら、

 

「何よ 夏場は涼しくていいのよコレ。あなたたちはどう思う?」

 

と、秋穂と芽以に質問してきた。

 

「あ、あぁ、そうだね。夏場は涼しそうだ」

「そ、それにとても動きやすそうです」

 

二人はとても気の遣った感想を述べる。しかし、一応そう思ったのは事実だ。

 

「……やっぱり変なのかしら……」

 

二人の感想の気遣いに気づいてか霊夢は少し残念そうに呟く。

が、次の瞬間、名案を思い付いたと言わんばかりに手を叩き、明るい表情になった。

 

「そうだ!実際着てみればいいのよ!」

「「……え⁉︎」」

 

秋穂と芽以の顔は引きつった。

 

 

 

「……うん、確かに涼しいし動かしやすい。これなら激しい運動もこなせるな」

「で、でもやっぱり恥ずかしいよ。お姉ちゃん……」

 

秋穂は機能性を確かめるように腕を回したながら、芽以は丸出しになった脇を隠すようにしながら感想を述べる。

二人は霊夢の予備の巫女服に着替えていた。

 

「おぉ。似合う似合う。霊夢より巫女っぽいぞ、お前たち」

「そうね似合うわ。あと魔理沙、ちょっと表に出なさい」

 

魔理沙は二人を茶化すように手を叩きながら感想を述べ、霊夢は魔理沙の売る喧嘩を買った。

 

「お、お姉ちゃんは恥ずかしくないの?」

「人前に出ることを考えると少し恥ずかしいが、これも巫女服、つまり神聖な装束だ。ある意味、身が引き締まるともいえる。着てみて分かる良さだな。それに、動きやすさはとても気に入った」

 

思いの外、秋穂はノリノリだった。

 

「ん? 気に入ったの? なら、そのまま境内で掃除でもしてみる?」

 

魔理沙を締め上げながら、霊夢はそんな提案を二人にする。

 

「どうせ人なんか滅多に来ないしな」

 

魔理沙は締め上げられながらも、憎まれ口を叩く。

 

「せっかくだ。やらせてもらおうじゃないか、芽以」

「うぅ……本当に誰も来ませんように……」

 

芽以は切にそう願った。

が、幻想郷の神々は無情だった。

箒を持ち、境内に出た二人を待ち構えていたのは、

 

「あらぁ〜! 二人とも最高! 最高に素晴らしいわその格好‼︎」

 

はぁはぁと荒い息を立てながら、カメラを構える望月エレナだった。

 

「望月!? 何故ここに!?」

「私の勘が告げたのよ〜! ここに素晴らしい被写体が降臨するって! 本当に素晴らしいわ脇巫女イェーイ!! というわけで激写!!」

「はわわわ!? や、やめてくださ〜い!! 撮らないでぇ〜!!」

 

恥ずかしがる芽以と呆れる秋穂をよそにエレナは様々な角度から主に脇を中心に二人を撮影する。その動きたるや凄まじく、まるでエレナが分身しているかのようにも見えた。

その様子を見ていた霊夢と魔理沙は、

 

「……何あれ? 新手の烏天狗?」

「外の世界にも妖怪っていたんだな……」

 

と思った。

その後、霊夢と魔理沙もエレナの被写体となったことは言うまでもない。

 




Q エレナは何者?
A オチ担当
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