東方女友達(仮)   作:タイラー

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紅魔館編 ④レミリアの暇つぶし

「ふふん♪ 中々好評じゃないか」

 

紅魔館に出入りする、大勢の聖櫻学園の生徒たちを見て、自室で悦に浸っているのは、紅魔館の主、スカーレット・デビルことレミリア・スカーレットである。

自身のアイデアが受け、客が入る様子を見ていると笑いが止まらないらしい。

 

しかし、ある一点、不満なことがあった。

 

「でも、暇ね……」

 

やることがないのである。

 

決してレミリア自身がやる気を出さなかったわけではない。全員への挨拶が終わり、1時間ほどした後に暇となったので、咲夜の手伝いを申し出た。美鈴にも、パチュリーにも、だ。

しかし、

 

「お嬢様が居られると、メイドの仕事が増え、メイド体験どころではなくなってしまいます」

「武術講義は外で行うので、太陽が苦手なお嬢様のお身体に障られるかと……」

「レミィが私の手伝い? 丁重にお断りするわ」

 

と、三者三様にお断りされてしまったのだ。

 

(あれ? 主を敬う断り方をしているのは、美鈴だけじゃないか?)

 

ふと、そんなことも思ったが、頭を振って否定する。咲夜は優秀な部下だし、パチュリーは無二の親友だ。そんな彼女らが自分を邪険に扱うわけがないと、前向きに考え、後向きに逃避する。

 

それにしても、何故自分の元に客が来ないのだろうか、と思考を転換させる。

挨拶の後に聞きたいことがあれば、自分の元に聞きにこい、と言ったはずなのに一向に来る気配はない。

 

「吸血鬼、ということで怯えさせてしまったか……」

 

レミリアは思い当たる原因を口にする。

しかし、真実の原因はそれではない。

単に聞くことがないのだ。

 

ぶっちゃけお金持ちのお嬢様の遊びとしか思われておらず、仮に本当に吸血鬼だとしても聞くことはない。

弱点などを聞いておきたい気もするが、吸血鬼であろうがなかろうが、機嫌を損ねられた場合の罪悪感が酷い、という理由が大半を占めているのをレミリアは知らなかった。

 

「まぁ、仕方ない。恐怖を感じるからこそ、人間は素晴らしい敵になり得るのだしね」

 

レミリアはそう結論付けて、ご満悦になる。都合の良い解釈で気分が決まるところは、外見相応の精神構造だ。

 

「……ん?」

 

レミリアは自分の部屋の前に誰かいることに気が付いた。音もなかったので普通なら気付かないであろうが、生憎レミリアは普通ではない。

まさか、遂に客が来たのだろうか?

レミリアは身嗜みを整え、悠然と椅子に座る。

 

そして、扉が僅かに開かれる。

 

「……」

「……」

 

覗き見、とも言えない。顔が半分以上、露出している。

そんな間抜けな姿を晒しながら、訪問者は無言である。

思わずレミリアも無言になる。

まさか、本当にアレで覗いているつもりじゃないだろうな、と疑ったそのとき、

 

「子どもがいる〜!」

 

能天気な一言が、訪問者――山田はなから放たれた。

 

「誰が子どもか!」

 

思わず怒鳴りつけてしまうレミリア。

 

「うわっ!? 何故気付いた!?」

「本気で気付かれないと思っていたのか!?」

 

真面目にツッコミを入れた後に、レミリアは考える。

 

(いけない! いきなり怒鳴っては余裕のない奴みたいじゃない!)

 

冷静に、と肝に命じ、訪問者を迎えることにする。

 

「こほん! 失礼……この吸血鬼、レミリア・スカーレットに何か用かな?」

「吸血鬼ってなんだ〜?」

 

レミリアの態度の変化も大して気にせず、山田は質問する。

 

「そんなことも知らないのか? 吸血鬼とはな、人の血を吸う恐ろしい怪物のことさ」

 

レミリアは呆れつつも、鋭い犬歯が見えるように妖艶な笑みを浮かべ、質問に答える。

自らがその怪物であることを告げ、恐怖心を抱かせようとしたのだ。

 

「あ〜、蚊のことかぁ〜!」

「ちっがーうっ!!」

 

しかし、その目論見は崩れ去った。

冷静さも何処へやら、またレミリアは叫ぶことになった。

 

「私を蚊扱いするとは――貴様、覚悟はいいだろうな!」

「あ、そうだ! メイドごっことか退屈だから鬼ごっこでもしよう!」

 

山田はレミリアの怒りを無視し、そんなことを言い出す。

 

「何処までも馬鹿にして……あぁ、いいだろう。吸血鬼たる私が鬼をやる。正にリアル鬼ごっこだな! 楽に死ねると思うな、小娘!」

「じゃあ、あんたが鬼ね!よーい、ドン!!」

 

「ぎゃおー、たーべちゃうぞー!!」

 

その後、山田を追いかけ回すレミリアの姿は、沢山の生徒に目撃され、例外なく全員を和ませたという。

 

 




Q レミリアの口調が一定しないね?
A だって、そんな感じじゃないか原作が
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