特別試験の、正確にはその前準備が発表されて半月ほど、学年を問わずに本番に向けて様々な思惑や考えが交差することになる。カフェやコモンスペースや部屋や或いは教室で、様々な取引や勧誘が行われるのが日常となりつつあった。
こちらのクラスの方針としては上位50パーセントを目指しつつも、便乗のカードを俺に一点賭けすることになっている。三年生も同じような作戦であり、おそらくだが龍園も似たような展望を描いているのだろう。
理想として一位になる、これに尽きるだろうが、そこまで簡単な話でもないので三位以内に入賞することが重要となる筈だ。そして誰が勝つかを事前に予想して便乗のカードを注ぎ込む。
大量のポイントを稼ぎたいというのならば、やはりこの形に落ち着くと言うことだ。特に便乗のカードを一点に集めれば集めるほど、勝った時の報酬も大きくなるので一枚でも多く集めておきたいものだ。
「まるで競馬だな」
三年生、そして龍園、クラスの方針、それらを聞いて清隆がそんな表現をした。言い得て妙だと俺は思う。
誰が勝つかはわからないけど、最も可能性の高い相手を選んでリソースを注ぎ込む、確かに競馬っぽくはあるな。
日々の授業を終わらせて今は放課後、ここ最近はかなり忙しかったのでグループで集まって少し羽を伸ばそうかと言う話になり、清隆と一緒に待ち合わせのカフェに向かっている最中に、せっかくなので情報交換と意見交換をしていた。
夏の特別試験も目前だからな、いよいよ本番を意識しなければならない。特に清隆はホワイトルームや月城さんや懸賞金のこともあり、別の意味でも試験に挑まなければならないので、少しでも多くの情報が欲しいことだろう。
「試験には一人で挑むってことで良いのかな?」
「あぁ、お前と一緒にとも考えたが、それだと月城が動かない可能性もあるからな」
「だから敢えて一人で動くか……守りに入らずに寧ろ釣りだそうってことだよね」
「そういうことだ、そろそろ相手の動きや戦力も把握したい」
「自分を餌にするのは危険だと思うよ」
「わかっている、だがそうでもしないと相手のミスも誘えないだろう」
「ん~……無策という訳じゃないのなら良いんだけどさ」
「安心しろ、別に完全に一人という訳でもないからな」
無人島という環境ならば月城さんもホワイトルーム生も大胆に動けるだろう。だからこそ自分を餌にしてミスと迂闊な行動を誘発するという清隆の考えは一定の理解を示せる。
しかし危険であることは間違いないので心配でもあった。絶対に勝てる戦いなんてないからこればかりは仕方がないと思う。
まぁ俺たちにできるのは、勝てるようにただ努力して思考するだけか、今から悩んでもどうしようもないということだ。
「それよりもお前の方は大丈夫なのか? 高円寺とグループを組むんだろう、正直不安しかないんだが」
「そうでもないさ、多分六助は試験開始直後にリタイアするだろうから、俺一人で挑むのと大差はないよ」
そこら辺は変な信頼があるのが六助と言う男である。
「ん、俺の心配よりも清隆は自分自身のことを考えな。可能な限りフォローはするつもりだけどね」
「わかっている、いざという時は声をかけよう」
無人島でそれができるのかという問題もあるけれど、連携の可能性や手段はしっかりと用意しておくべきなんだろうな。
そんな話をしながらケヤキモールにある広場までやってくる、まだグループの皆は来ていないようで、暫く待つことになりそうだ。
ベンチにでも座ってもう少し夏の特別試験を詰めておこうかと考えていると、広場にいたとある人物と視線が絡み合う。あちらも俺に気が付いたのか不敵な笑みを浮かべていた。
長い銀髪に強い意思を宿した瞳、ぶれない体幹、三年生の中であっても一際目立つ存在感を放つ女性、鬼龍院先輩である。
「やぁ可愛い後輩」
「どうも、美人の先輩」
「そう褒めるな」
「天武、知り合いか?」
「三年生の鬼龍院先輩だよ。先輩、こちらは俺の友人の綾小路清隆です」
せっかくなので友人を紹介すると、彼女は相変わらず不敵な笑みを浮かべて観察してきた。
「どうも」
清隆もどこか警戒するようにそんな言葉を返している。
「ふむ、個性的な友人を持っているようじゃないか」
それはどういう意味だろうか? 清隆と視線を合わせてみるもあちらも首を横に振っていた。
独特の雰囲気というか、空気を持っている人なので、こうして不躾に観察されてもそこまで不快にならないのが不思議である。師匠に見つめられた時も似たような感覚になるので、そういう瞳を持った人なんだろう。
「しかし意外だな」
「意外ですか?」
「あぁ、君に友人がいることがね」
「俺ってそこまで孤独な人間に見えますかね?」
「そうではないが……いや、変に取り繕っても仕方がないか。その通りだ、魚と人間は友人にはなれないし、人間は空を飛んで鳥と並び立つこともできない、そう思っている」
まるで俺が人間じゃないかのような言い方である。別に俺だって鰓呼吸はできないし、空を飛べる訳でもない。
「だから友人を紹介する君に変な違和感があった。許せ、別に侮辱している訳ではない。ただ私の中で君は誰も並び立てない場所を突き進む人だという勝手な評価があっただけなんだ」
「天武は普通に良い奴ですよ。寧ろ友人は多いくらいです」
清隆のそんなフォローに鬼龍院先輩は少しだけ唇を緩めた。
「そうか、だとしたら良かったと言うべきか。孤独ではないというのは一般的には重要なことなんだろう。友情は尊いものらしいから大事にすると良い」
「えぇ、少なくとも俺はそれを理解しているつもりです。斜に構えて変にカッコつけるよりは、素直に一人は寂しいと伝えますよ」
「そうか、それだけの実力があるというのに、君は随分と窮屈な生き方を好むのだな。鳥は空を飛ぶから鳥だというのに」
また妙な評価を貰ってしまった。クスっと妖艶に微笑む鬼龍院先輩は、俺と清隆をどこか興味深そうに眺めている。
何を考えているのかまでは読み切れないけど、馬鹿にされているという感じではないのだろう。
「なんというか、独特な人だな」
「いや、清隆もどちらかと言えば鬼龍院先輩寄りだと思うけどね」
「……え?」
信じられないと驚いた表情を見せる辺り、本当に自覚は無かったらしい。まさか彼は今更自分が目立たない事なかれ主義であるというキャラを維持できていると思っているんだろうか?
「ところで鬼龍院先輩。夏の特別試験はどうされるんですか?」
「特に何も、ただそのまま挑むだけさ」
「三年生は南雲先輩を中心に動くと推測しているんですけど」
「あの忠犬辺りはそうするのかもしれないな。今の三年生はどう特別試験に勝つかではなく、どれだけ南雲に気に入られるかが重要だから、既に学校のシステムが破綻している状態だ」
だろうな、そしてだからこそ南雲先輩は強い。
「だがここ最近はその風向きも変わってきているように思える。南雲の体制はアイツ以上の実力者と資金力を持った者がいないことが前提の体制だ、色々と綻びが多くなっているようにも見える……そうだろう?」
「さて、俺にはなんのことやらさっぱりです」
「ふッ、今度の特別試験、状況次第では色々と流れが変わるかもしれないな……存外、楽しめそうじゃないか」
好戦的な、美しい顔なのにどこか猛獣を思わせる瞳と表情を見せて来る鬼龍院先輩は、その力強い意思が宿った視線を俺と清隆の間にある隙間に向けてくる。
視線を追いかけるように振り向いてみると、そこには南雲先輩と桐山先輩が発見できた。二人はこちらに向かって歩いてくる……なるほど、南雲先輩の一歩後ろを意識して歩く辺り、まさに忠犬か。
「珍しい組み合わせだな。お前ら知り合いだったのか?」
俺たちの存在に気が付いたのか南雲先輩が気さくな感じに声をかけてくる。相変わらず桐山先輩は一歩引いた位置だな。
「私が誰と話していようと関係がなかろう?」
「そりゃそうだ。しかし面子が面子だからな、悪だくみでもしてるのかと思ったぜ」
「結託して君を追い込もうとでも? 私にそんな気は欠片もないし、そこまで特別試験に興味がある訳でもないよ」
「だろうな、お前はいつだって飄々とするだけでずっと逃げてばかりだ」
「どうとでも言えばいいさ」
南雲先輩の軽い挑発に、鬼龍院先輩はどこ吹く風とばかりに受け流している。確かに飄々とした感じだな。入学してからずっとこんな感じだったのだろうか。
「お前はやっぱり可愛げがない、俺はそういう女に興味は持てないな」
「私にも可愛げはあるさ。だがそれを引き出してくれる殿方に巡り合えないだけだ」
「そんな男がいるのなら見てみたいもんだ」
「ふむ、君の趣味はともかく、何故私はモテないのだろうな?」
「扱いが難しいんだろう。生憎と俺もその手の女は好きになれない。俺だけじゃなくて男は皆そう思うんじゃないか」
すると南雲先輩は俺に視線を向けて来る。どうなんだと言いたいようだ。
「鬼龍院先輩は魅力的な女性だと思いますよ。特に瞳が良い」
師匠にどこか似ている瞳だからな、嫌いになれる筈もなかった。
「良かったじゃないか鬼龍院、笹凪はゲテモノでも行けるそうだぞ」
「そのようだな。どうやら君と違って男の器が大きいらしい」
この二人ってずっとこんな感じで三年生になるまで過ごしてたんだろうか? 南雲先輩の後ろにいる桐山先輩が凄く居心地が悪そうにしているぞ。もう少し気遣ってあげて欲しい。
軽い牽制というか、ジャブの応酬を繰り返した南雲先輩は、付き合うだけ無駄と思ったのか小さく溜息を吐くと、次に清隆と向かい合う。
「お前は綾小路だったか」
「どうも」
短く、そしてそっけない言葉を返した清隆は、目の前にいる南雲先輩をじっと観察している。
「噂は色々と聞いてるぜ、どんな話か気になるだろ?」
「いいえ、特には」
「はッ、そっけない奴だな。だが物怖じしないのは気に入った。これから色々遊んでやるよ」
ものすごく面倒そうな顔を見せると、南雲先輩はその顔が見たかったんだとばかりに笑顔を見せる。性格が悪いにもほどがあった。
南雲先輩には清隆がどう見えるんだろうな。月城さんと結託して懸賞金に一枚噛んでいるので色々と探っている段階なんだろうけど、このままどこまで絡んで来るのかイマイチ読めない。
関わるのは止めた方が良いと思う。深く関われば関わるほどリスクが大きくなるだろうし、せっかくAクラスで卒業しても次の日には物騒な大人たちに囲まれて拉致されるなんてことが冗談抜きで起こる可能性もあるからな。
この人は優秀だけど、変な好奇心で身を滅ぼしそうな気配がある。普通に卒業して、普通に就職して、普通に出世して、普通に死んで逝けば良いと思うんだけど、そういう生き方が出来ないんだろうか。
「どうだ綾小路、そして笹凪、今度の試験で俺と勝負しないか?」
「オレは興味ありません。そういう話は天武にしてください」
面倒だからってこっちに丸投げしようとするんじゃありません。
「俺に勝てば2000万だって言っても興味を示さないのか?」
「欠片も」
そりゃそうか、だって清隆は最大の敵である月城さんから2000万をもう貰っているからな……そう考えるとあの人は本当に何をやっているんだろうか。清隆を退学にさせたいんだよな?
「笹凪、お前はどうだ?」
「ご存知でしょう、俺がその程度の資金に靡くことはないって。せめて十倍は提示してください」
「相変わらずつれない奴だな……それともなんだ、負けるのが怖いって言ってるようにも聞こえたぜ」
「そんなこと、当たり前じゃないですか」
「え?」
俺の返答に南雲先輩が少し意外そうな顔をする。鬼龍院先輩も同様だ。
「俺は別に誰よりも賢い訳じゃないですし、強い訳でもありませんよ。絶対に勝てるだなんて思って行動してません。俺に出来るのは勝つために全力を尽くして最善を模索して、その上で可能な限りリスクを排除するだけです」
そしてそれは、この学園にいる多くの生徒がやっていることである。何も特別なことでもない。
「ですので、当然ながら自分が負けた時のことだって考えてます。そうなった時にどれだけの損失が生まれるのか計算して、対処もしますって。当たり前でしょう?」
「だから俺との戦いを避けるっていうのかよ」
「南雲先輩が2000万出すのなら、俺だって同じ額を出さないといけませんよね」
「そりゃ当然だろ」
「なら、難しいです。後、南雲先輩の後ろにいる桐山先輩が絶対に受けてくれるなって睨んで来るのでやっぱり難しいですよ」
全員の視線がこれまで無言だった桐山先輩に向けられる。
「あぁ、そう言えば忠犬の散歩中だったな」
忠犬という鬼龍院先輩の表現に、桐山先輩は視線を鋭くした。そしてケヤキモールの広場にあるベンチに優雅に腰かける彼女を鋭く睨みつけるのだった。
だが桐山先輩は関わるだけ無駄と、これまでの学園生活で理解したのか、大きく溜息を吐いて落ち着くと意識をこちらに向けて来る。
「南雲、あまり無駄遣いはよせ。お前の元に集められたポイントは賭けに使うようなものではない、理解してくれ」
「だが勝てば倍になる。笹凪なら出せないことはないだろうからな」
「笹凪、お前は受けるつもりはないんだろう?」
「そうですね。意味のないリスクを無駄に背負う必要はありません。そこまで間抜けじゃありませんって」
「ならばこの話はこれで終わりだ。笹凪の言うことは一々尤も、反論の余地がないほどにな」
「随分と弱気じゃないか。だからお前は南雲に勝てないのさ」
「鬼龍院、お前はもう黙っていろ」
苛立ったように頬を歪めている。相性が悪いだろうことは言うまでもないことだけど、かなり険悪なようだ。ただそんな感情を見せているのは桐山先輩だけであるが。
「桐山、安心しろよ。勝てばいい、そうだろう?」
「南雲、だから笹凪は受けないと言っているだろう……それにもう忘れたのか、混合合宿の件を。お前は余裕綽々で笑っていたが、結果を見れば4000万と400クラスポイントの損害だ。今回も同じようにならないと何故言い切れる」
その言葉に南雲先輩は穏やかな笑みを消して苛立ちを露わにする。
「何もせずに試験を越えれば利益しか無かった。今回も同じだ、二年生を意識するあまり本質を見誤っている。お前の下に集まるポイントは一人でも多くの者をAクラスに上げる為にあるものだ」
言っていることはとても正しいと思う。南雲先輩にも見習って欲しいほどである。
だが苛立った顔をするのだから、この人にとっては難しい問題なのだろう。戦わず関わらず無事平穏に過ごすということができない人だろうから。
「南雲先輩、桐山先輩の言う通りですよ。不必要なリスクを背負う理由はどこにもありません」
そうしなければどうしようもないと言うのなら、受け入れた上で勝利を目指すけど、今回はそんな必要はどこにもない。せめてその十倍を提示してくれればまだ一考の余地はあるけど、2000万程度ならマネーロンダリングで入手した方がずっと楽でリスクもない。
「そんな俺の考えを臆病と笑ってくれて構いません。けれど、これが結論です」
「はぁ……わかったよ。もっとノリが良い奴だと思ってたぜ。一応聞いておくが、綾小路も同じ意見なんだな?」
「これまでの話を聞いてなお賭けに乗るようなら、それはタダの馬鹿ですよ」
辛辣な物言いである。それだと無駄なリスクをわざわざ作ろうとしている南雲先輩が馬鹿みたいじゃないか。
「そうかよ。つまらない奴だなお前らは」
まだ納得いっていないのか、少しの虚無感と苛立ちを混じり合わせながら、南雲先輩は大きな溜息を吐いている。
「だが勝負そのものには参加して貰うぜ」
「わざわざ示し合わさなくても、学年がごっちゃになった試験なんですから嫌でもそうなりますって」
「ちゃんと意思確認してその上で戦うのが重要だと思うがな」
「貴方と戦うと、そう宣言すれば良いんですか?」
「あぁ、簡単だろう?」
「だとすればなおさら受け入れられませんね。もしかしたら南雲先輩は忘れているかもしれませんけど、混合合宿で言ったことをもう一度言いましょうか?」
あの時、去り際に俺は確かにこの人にこう伝えた筈だ。
「まずは漢を上げてください。貴方を越えたいと思ったその時には、こちらから挑みます」
「……もう時間が無いんだよ」
「なら急いでそうなればいい。今の貴方に勝っても負けても、きっと俺は何も心が揺れ動きません」
うん、それは間違いないだろう。勝っても負けても何一つとして得る物がない。負けたいとも勝ちたいとも思えないのだから、結果がどうなろうと欠片も興味が持てなかった。
「今は目の前の試験に集中すべきでしょう。ノリの悪い下級生にいつまでも絡んでも得るものなど何もありませんって」
そんな言葉に南雲先輩は表情を歪めてしまう。けれど別に間違ったことは何も言っていない筈だ。
「はぁ、まぁ良い。嫌でも試験では戦うことになるんだ、楽しみにしてるぜ。鬼龍院、綾小路、そして笹凪、俺を楽しませてくれよ」
この人はもしかして、まだ自分が挑まれる側だと思っているんだろうか? なりふり構わず徹底して潰すくらいに姿勢で挑まなければ勝てないというのに。
俺たちはそうするつもりだけど、この人にはまだ玉座に座っていられるだけの余裕があるらしい。だとすれば少し残念だった。
桐山先輩を忠犬の如く連れ歩きながら去っていく南雲先輩を見送っていると、ずっとベンチに座ったままだった鬼龍院先輩がクスクスと笑った。
「南雲の言葉を借りる訳ではないが、次の試験は楽しめそうだ」
「鬼龍院先輩もやる気が出たみたいですね」
「あぁ、ここまで滾るのはいつぶりだろうな」
そして彼女はベンチから立ち上がる。
「夏が楽しみだ。ではな、可愛い後輩たち」
最後にそう言い残して彼女も去って行った。
「三年生たちも強敵揃いか」
「あぁ、けれど俺たちだって負けてはいないさ。月城さんも、ホワイトルーム生も、三年や一年や二年だって、悉く薙ぎ払って叩き潰す、こちらの全てを注ぎ込んでな、そうだろう?」
「その通りだ」
決着を付けなければならない相手もいるからな。しっかり、そしてきっちりと考えて努力して活路を見出そう。
相手の戦力、作戦や方針、こちらのカードと戦力、どんなルールでどれだけの無茶が可能なのか、突ける穴があるのか無いのか、そして何よりも本番でどれだけの作戦が機能するのか、考えなければならないことは無数にある。
当然ながら、ライバルたちもまた同じように考えて努力する、一筋縄ではいかない筈だ。
空を見上げるともう夏の日差しが当たり前となっている。試験はもう目の前まで迫っていた。
もっと考えよう、努力しよう、ルールを深く読み解いて、裏も表も王道も邪道も選択肢に入れながら勝利を目指す。
結局の所、俺たちに出来るのはいつだってただ努力することだけであった。
さぁ、夏も本番だ。