セシル海賊団プロレス会議   作:アフロダイB

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GONG!

試合当日

 

『あぁぁぁかコォォーナァアーー!我らがセフィドのぉ海のおとぉこぉ!あ、海の伊達男!白夜の閃光!セェェーーーシルゥーー!!』

 

試合はまだかと観客達の熱気が籠もる会場に司会イズクレイの大きな声が響き渡る。

あぁ、ついに始まってしまった。

セシルは覚悟を決めてリングに向かっていく。

プロレスは嫌いじゃないし戦うのもどちらかと言えば好きだ。

だがこんな風に見世物になるのは流石に恥ずかしい。

 

(なんだって2週間に1度の全体ミーティングがこんなことになるんだよ!)

 

本当に訳がわからなかった。

とりあえず議題はいくつかまとめてきたがプロレスしながらまともにミーティング出来るとは思えない。

そもそもだ、2週間特訓したくらいでウィリアムズが自分と戦えるようになるとも思えない。

 

『船長ファイトー!』

 

ののが船団旗を振って応援している。

ある意味ポチの世話担当はお前だろうが、お前も止めろよ。

それと後ろにいる俺の仲間たち。

誰か一人くらい止めようと思わなかったのかよ。

 

『ジュースはいかがデスかー ポップコーンもありマスよ!』

 

会場を飛び回りながらレグレスが飲食物を売りまわっている。

どいつもこいつも…!

 

(でも…まぁ、どうせあっさり試合が終わって暴動が起きるってオチだろうな。で、とりあえずポチは助けてやるか。セロットは知らねえ。こんなところだろ)

 

ざっくりとセシルが計算していると、青コーナーの方からどよめきが起きる。

 

『あぁぁぁおコォォーナァアーー!我らがセフィドの海の守護神ー!名門貴族にして未来の大提督ぅー!ウィィィーーーーリアムズゥゥウーーー!!』

 

お?とセシルが軽く反応する。

会場に現れたウィリアムズは、相変わらず細身だがしっかりと引き締まっており過剰な筋肉がついていない。

己の力を誇示するための筋肉ではない。

徹底的に無駄を省いた実戦向きな体付きをしている。

これには観客もセシルも驚いた。

 

(へっ、少しは楽しめそうじゃねぇか…)

 

セシルも男である。

気付けば今の状況を楽しんでいた。

 

(って、ワクワクしてる場合か!アイツ何本気で鍛えてるんだよ!あっと驚くどんでん返しに期待してた俺が間違いだった!)

 

一人でノリツッコミしているセシルを置いて司会進行はどんどん進んでいく。

 

『えー、ゲストのアルテミシア殿下。ウィリアムズ選手の体付きをどう見ますか?』

 

『しっかり仕上がっていますわね。それにただ鍛えただけと言う事はないでしょう。これは期待できそうです。』

 

アルテミシア様がまさかのゲスト、そこはあっと驚かされた。

そうこうしているうちにウィリアムズがリングインしてくる。

生意気に回転しながらロープの上を飛び越えての派手なリングインだ。

会場が少し湧き上がるのを気にする素振りも見せずウィリアムズはマイクを手にする。

 

『それではただいまより、セシル海賊団全体ミーティングを開始する!』

 

そうだった、これはミーティングだった。

本懐がすっかり忘却の彼方に葬り去られていた。

その隙にウィリアムズがマイクを口に当てながら技のモーションに入る。

 

『いいかセシル!帆船なんてのは風さえ吹けば動く物なんだ!』

 

そう言い放つとウィリアムズは助走をつけてこちらへ駆け寄ってくる

 

『貴様はいちいち推進剤を使いすぎだぁああーー!』

 

ウィリアムズの強烈なドロップキックがセシルに炸裂する。

 

『なるほど、一撃の軽さを速度で補うスタイルのようですわね。』

 

『ウィリアムズは頭良いですからねー、向いてると思いますよー。船長には無理なタイプだね』

 

イズクレイは後で張り倒す。

セシルの殺意が一瞬だけ司会に向くが今は目の前の親友をどうにかしなければならない。

ウィリアムズの追撃を間一髪で転がって回避するとセシルはすぐに起き上がり反撃に転じた。

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