光速の走り屋オオサキショウコ第2部スピンオフ 肥後の走り屋たち   作:まとら魔術

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 あらすじ
 ひさ子と覚の勝負は後者の勝利に終わり、前者は部長争いから脱落した。
 そして勝てば部長が決まる、虎美と覚の勝負が始まる。
 先行はGTOだったが、途中でSVXに追い抜かれてしまった。
 


ACT.7 部長の座は

 

 虎美と覚のクルマが過ぎていった後も、ギャラリーをしている3人の少女の会話は続いていた。

 

 

「なーして、加藤と飯田はバトルばしとるんやろうか?」

 

 

 黒髪の少女が腕組みしながら、考える。

 

 

「今は公道レースが違法やなかやから、問題視するこつはなかと」

 

 

 青髪の少女ことルリ子が言う。

 

 

「そぎゃん問題やなか。私が考えとるんは、なーして加藤と飯田がここでバトルしとるちゅうこつたい」

 

 

 これには金髪の少女が答えた。

 

 

「趣味でやっとるとちゃう? バトルしたくてやっとるとちゃうんかな?」

 

 

「趣味か……私には趣味に見えんとよ。2人は魂を削っとる走りばしとった。本気のバトルたい」

 

 

 しかも、3人組にはある物が見えていた。

 

 

「ルリ子、GTOとSVXの両方からオーラが出とるの見えたばい」

 

 

「これって覚醒技ちゅうもんばい?」

 

 

 その3人組も覚醒技超人かもしれない。

 彼女たちの身体からもオーラが発生していた。

 

 

 うちらの視点に戻そう。

 

 

 左ヘアピンと右ヘアピンを抜けていく。

 これらの区間でSVXに引き離されるも、飯田ちゃんのある癖を見抜く。

 

 

「飯田ちゃん、一生懸命タイムば縮めようとグリップ走行で攻めとるばってん、これはタイムアタックではなか、バトルたい。曲線の速さはあっちの方が上ばってん、それば速く走ろうとするあまり……立ち上がり加速力が犠牲になっとる」

 

 

(標準語訳:飯田ちゃん、一生懸命タイムを縮めようとグリップ走行で攻めているけどお、これはタイムアタックじゃあない、バトルたい。曲線の速さはあっちの方が上だけど、それを速く走ろうとするあまり……立ち上がり加速力が犠牲になっている)

 

 

 その癖を攻略すれば、バトルに勝てる。

 

 

 高速S字区間に入る。

 ここでGTOの方が有利であり、SVXとの差はテール・トゥ・ノーズとなった。

 

 

「私の底力を見せる時ね」

 

 

 左ヘアピンが来る。

 SVXは青いオーラを纏い、飯田ちゃんは技を発動させる。

 その色は水属性を表している

 

 

「行くわよ! <ウォーター・アタック>!」

 

 

 発射される水の玉のごとく、速度を上げながらコーナーを攻めていく!

 

 

 次の右ヘアピンでも青いオーラを纏い、技を発動させる。

 普段、覚醒技の技は1度使うとすぐには使えないはずだが………

 

 

「私の覚醒技は水属性の技を2回連続で使えるのよ! 山崎ノ槍柱流<アクア・ダイブ>!」

 

 

 これが飯田ちゃんの能力だ。

 水属性限定とはいえ、ややチートに感じる。

 

 

 青いオーラを纏ったSVXは、荒ぶる波のごとく、高速のグリップ走行で攻めていく!

 

 

 2つの曲線で技を使ったSVXはGTOを引き離す。

 

 

 うちも負けずに、右ヘアピンの出口でクルマのリアを振り上げるドリフトをしながら、技を発動させる!

 

 

「追いかけたる! 肥後虎ノ矛流<落ちてくる虎(メテオ・タイガー)>!」

 

 

 スローイン・ファーストアウトのラインを描きながら加速していき、SVXを追いかけていく!

 

 

「虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎ー!」

 

 

 この後はGTOに有利な直線だ。

 立ち上がり重視のラインを取ったから、それが下手な飯田ちゃんとの差を大きく縮める。

 

 

「いけー、GTO!」

 

 

 途中でシケインと遭遇し、SVXとの距離を一瞬広げてしまう。

 しかし、そこを抜けると再び直線に入り、差を縮めていく。

 

 

 クルマ1つ分の差となった2台は、左ヘアピンに差し掛かる。

 

 

「残るロングストレートは残り少ないわ! さぁ、追い越せるかしら?」

 

 

 SVXは青いオーラを纏う!

 

 

「<ウォーター・アタック>!」

 

 

 流れる水の玉の如く、高速グリップ走行で抜けていく!

 

 

 うちも突入し、萌葱色のオーラを纏う!

 

 

「こっちやって……肥後虎ノ矛流<真空列速>!」

 

 

 GTOリアを大きく振り上げながら、かまいたちのように攻めていく!

 

 

 ここでの勝負は互角だった。

 

 

「やるわねェ、けど私の能力で水属性の技をもう1回使えるのよ!」

 

 

 短い直線を抜けて、S字ヘアピンに入る。

 そこの終わりでもSVXは青いオーラを纏う。

 使ったのは別の技だった。

 

 

「山崎ノ槍柱流<アクア・ダイブ>!」

 

 

 波の如く、そこを攻めていく!

 距離をクルマ2台分に引き離す!

 

 

「これで、この後の直線でも離せないわ。向こうのコーナーを抜ければ、曲線が続くから私の勝ちは近いわ」

 

 

 うちらのホームコースだから、ここの特徴をよく捉えている。

 ただしこの後、彼女の弱点と<アクア・ダイブ>の使った代償をうちは突くのだった!

 

 

 直線が終わると、左側に135号線への道がある右ヘアピンへ入る。

 

 

「曲線ではこっちが上よ!」

 

 

 ここでSVXはGTOを引き離すはずだった。

 しかし!

 

 

「相手は既に水属性の技ば使ったから、ここでは技ば発動できん。追い抜くチャンスばい」

 

 

 さっき技を使ったことが裏目に出たな、飯田ちゃん。

 うちはGTOに萌葱色のオーラを纏わせる。

 

 

「肥後虎ノ矛流<真空烈速>!」

 

 

 かまいたちを纏ったケツ進入のドリフトでヘアピンを攻めていき、立ち上がりでアウト側からSVXを追い越していく!

 

 

「虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎虎ー!」

 

 

「前に出られた!?」

 

 

 相手は土・水属性だから、それと相性の良い風属性のその技の速度は上がっていた。

 

 

 ここからは長い直線。

 パワーと軽さで上回るGTOはSVXをそのまま引き離していく!

 

 

「抜かれても諦めないわ! ここを抜ければは私に有利な曲線ばかりなのよ」

 

 

 クルマ1.5台分の差となった2台は右ヘアピンに突入する。

 そこ抜けると、次は2連ヘアピンが来る。

 1つ目の右ヘアピンにて、再びトップを狙うSVXは青いオーラを纏った。

 

 

「抜き返してやるわ! 山崎ノ槍柱流<アクア・ダイブ>!」

 

 

 流れる濁流のような速さで、ヘアピンを攻めていく。

 2つ目の左も同じ技を使った。

 しかし今のうちは水と相性の悪い風属性だから、その技の速度は落ちていた。

 

 

 前を走るGTOは萌葱色のオーラを纏う。

 

 

「肥後虎ノ矛流<真空烈速>!」

 

 

 かまいたちのようなケツ進入でSVXを大きく引き離す!

 土・水属性相手に使っているため、速度はさらに上がっている。

 

 

 クルマの2台分の差となり、その後もGTOはゴールまでずっと相手の前を走っていた。

 

 

勝者:加藤虎美

 

 

 バトルを終えた2台がスタート地点へ戻ってくる。

 ひさちゃんとかなさんが迎えてくれた。

 

 

「おかえり、虎ちゃん、飯田さん。どっちが勝ったと」

 

 

「虎美が勝ったわ」

 

 

「と、いうことはトラミンが部長だな」

 

 

「うちが部長か……」

 

 

 こうして麻生北自動車部(仮)の部長が決まったのだった。

 

 

「皆、麻生北高校の部長となったうちばよろしくな」

 

 

 負けた飯田ちゃんは、頬を赤くしながら……。

 

 

「か、勘違いしないでよね! 今回だけあなたに勝利を譲ってあげたから! つ、次は私が絶対勝つんだから!」

 

 

 と言い放った。

 

 

「出たばい、典型的なツンデレ台詞。飯田ちゃんには副部長ばやってもらおうかな?」

 

 

「べ、別に……あなたに任命されたら、やってもいいわよ」

 

 

「これで副部長決定ばい」

 

 

 麻生北高校自動車部副部長も決まった。

 

 

「よろしくな、部長のトラミン、副部長のサトリン」

 

 

「はい」

 

 

 一方、最下位に終わったひさちゃんは

 

 

「わしはもうちょっと速うならんと……」

 

 

 と小さく呟きながら落ち込んでいた。

 

 

 箱石峠の途中にある、214号線と結ぶ場所。

 3台の旧車が並んでいた。

 色と車種はそれぞれ、銀色のケンメリことKPGC110型スカイライン、水色のSA22C型RX-7、銀色のギャランGTOだ。

 

 

 それらの近くに3人の少女がいた。

 さっき虎美と覚の戦いをギャラリーしていた者たちだ。

 3台のクルマは彼女たちの愛車だと思われる

 

 

「後日、2年の加藤ば生徒会室に呼ぶ。この峠でなーしてバトルしとったんか」

 

 

「ルリ子、聞きたか!」

 

 

「本気で聞いたるばい」

 

 

 この3人組と虎美たち自動車部とは後に関わることになる。

 

 

TheNextLap

 

 

 

 

 

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