ラブライブ! ―9人の女神を照らす月―   作:sound

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にっこにっこにー☆


今日は、我らが矢澤先輩の誕生日だァァァァァアっ!!
ヒャッハァァァァァ!!!




……はい、と言うわけで特別番外編を書きました。


時系列的には9人そろった後、合宿後ぐらいですかね?



それではどうぞ、にっこにっこにー☆


ー誕生日特別編―女子高校生矢澤にこ

7月の第4火曜日。つまりは7月22日。

 

 

 

普通の人にとってはこの日は特別な日ではないだろう。だがしかし、俺にとっては少し特別な日だったりする。

 

 

 

黒のTシャツの上にカッターシャツを着て、鏡で身だしなみを確認してからヘッドフォンを装着し、玄関のドアを開ける。

 

 

 

家から出た瞬間に見えたのは照りつける太陽の光を背に仁王立ちしている――――――――――

 

 

 

 

「さ、ささささぁ!がっ、学校に行くわよキョウ!」

 

 

 

――――――――――――妙にそわそわしているにこだった。

 

 

 

本日。2014年7月22日火曜日。我が幼馴染、矢澤にこの誕生日である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふっふーん♪ふんふんふふーん♪」

 

 

 

にっこにっこにー♪あなたのハートににこにこー!笑顔届ける矢澤にこにこっ♪

 

 

 

今日は、にこの誕生日!1年で1回の特別な日!朝から気分はルンルン♪

 

 

 

 

「……お前元気だな……」

 

 

 

「キョウは夏に弱過ぎなのよ♪ってか夏も冬も苦手じゃない」

 

 

 

「……極端なのが受け入れられねェだけだ…滅びろ夏…」

 

 

 

むぅ…折角にこの誕生日だって言うのにコイツはテンション低いし…にこの誕生日って事忘れてるのかしら…

そう思ってキョウに恐る恐る聞いてみる

 

 

 

「ね、ねぇキョウ!そういえ――――――――「にこちゃんおはよっ!」――――なによっ!」

 

 

 

勇気を出して聞こうとした時にタイミング悪く後ろから声がかかる。

 

 

 

「おはようございます。にこ」

 

 

 

「おはようにこちゃん!」

 

 

 

後ろから声をかけて来たのは穂乃果、海未、ことりの2年生3人組。3人とも何かしらの紙袋を手に持っている。はっ、もしかして…にこへのプレゼント!?

 

 

 

「あ、キョーくん!今日の放課後は…」

 

 

 

「……ああ、分かってる」

 

 

 

………と思ったら穂乃果は私をスルーしてキョウに何か耳打ちしてる。

 

 

 

「ふふっ、楽しみですね」

 

 

 

「うんっ!!」

 

 

 

海未はことりと耳打ちしてる!?もう、なによ、にこの事なんてどうでもいいって言うのーっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも通りの授業と言う名の苦行をこなして、放課後。

 

 

 

にこと穂乃果以外のアイドル研究部のメンバーは、部室の飾り付けをしていた。

 

 

 

「響弥君、クラッカーは買ってきてくれた?」

 

 

 

「……ああ、鞄の中に入ってる」

 

 

 

ことりにクラッカーを渡した俺はいつも座っているパソコンの前の椅子に座る。

 

 

 

「ふふ、誕生日会なんて、にこが知ったら大喜びでしょうね」

 

 

 

「そうやね。にこっち、朝からそわそわしてたし」

 

 

 

因みにまだμ'sのメンバーは誕生日プレゼントを渡していない。なので朝は少し落ち込んでいた様子だったが俺達以外のクラスメイトからプレゼントをもらい、朝のそわそわ感が再来していた。

 

 

 

「あ、穂乃果ちゃんがにこちゃん連れてきたにゃ!」

 

 

 

「ホントね。皆、配置について」

 

 

 

凛の報告を聞いた真姫が、皆にクラッカーを配り、席に着くよう指示する。

 

 

 

にこの到着まで、残り30秒。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「何よ穂乃果!いきなり連れ回したりして!」

 

 

 

放課後になるとすぐに教室にやってきた穂乃果に連れ回されること30分。さんざん学校を回ってきた最後に連れてこられたのは私達の部室。

 

 

 

「いやー、クラスのにこちゃんファンの子に頼まれたから仕方なく…!」

 

 

 

「そんなの言ってくれれば部室に寄った後で行ったわよ!無理矢理連れて行かなくても良かったでしょ!」

 

 

 

まずは穂乃果のクラスにいたファンの子に誕生日を祝われ、次は体育館、講堂、購買、1年生の教室と随分と遠まわりをしてやっと部室に到着。行き方を考えれば後10分は時間を短縮できたのに…ま、まぁファンとの交流もアイドルには大事なんだけどねっ!!

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

…残り20秒…

 

 

部室の中にいる俺以外の7人は息をひそめてタイミングを待つ。

 

 

因みに俺は欠伸をしていた。

 

 

「キョウ君集中するにゃー!」

 

 

「…ハイハイ…」

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

「…あら、他の皆は部室にいないの?やけに静かだけど?」

 

 

 

いつもならやかましい喧騒が聞こえてもおかしくないほどの距離に来たというのに今日に限っては何故か誰の声もしない。

 

 

 

「っええ!?そ、そうかなー?いつも通りだと思うよー?」

 

 

 

「……?まぁいいわ、さっさと着替えて練習に行きましょ」

 

 

 

なぜか少しおかしい態度の穂乃果だが、気にしてもしょうがないので部室へと歩みを進める。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

……残り10秒…

 

 

「あと少し…」

 

 

「ちゃんとおもっきり引っ張るのよ。ビビっちゃ駄目だからね!」

 

 

緊張して冷や汗を流す小泉に綾瀬が優しく注意する。

 

 

にこが入って来るまで、残り5秒……

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「って、電気もついてないじゃない…」

 

 

 

誰もいないであろう部室に入る事を想像してため息が出る。何が楽しくて誕生日に閑散とした部室に入らなくちゃならないのよ…

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ドアについている窓ににこのシルエットが浮かび上がる。

 

 

 

 

扉が開かれるまで、残り1秒。

 

 

 

そう思った瞬間、勢いよくドアが開かれた。

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

ドアを開いた瞬間、私は大きな音と紙吹雪に襲われた。

 

 

 

「「「「「「「にこちゃん!お誕生日おめでとう!!!」」」」」」」

 

 

 

扉の先にいたのはクラッカーを持っているμ'sのメンバー。その中にはキョウもいた。

 

 

 

「……え、ちょ…どういう事!?」

 

 

 

入口の反対側に置いてあるパソコンの上の方の壁には『にこちゃんお誕生日おめでとう!』と書いてある垂れ幕。昨日には無かった輪飾りや花飾りなどが部室各所にちりばめられている。

 

 

 

もしかして、これのために穂乃果が私を連れ回してたの?

 

 

 

「えへへ…皆で企画してちょこっとずつ準備してたんだぁ…」

 

 

 

後ろにいる穂乃果が照れくさそうにしながら説明をくれる。

 

 

 

「プレゼントもあるよ!はいっ、どうぞにこちゃん♪」

 

 

 

目の前に出て来た花陽が大盛りのご飯型のキーホルダーを渡してくる。

…どこにこんなの売ってるのかしら…

 

 

 

「凛からはこれにゃー!」

 

 

 

そう言う凛は猫のぬいぐるみ。やっぱりぶれないわね…。

 

 

 

「私からはこれ、この間筆箱が壊れたって言ってたから」

 

 

 

「ウチからはスピリチュアルがこもったお守り♪」

 

 

 

ピンクを基調とした筆箱と、ピンク色の虎が描かれたお守り。絵里と希らしいわね。

 

 

 

「私からは穂むら自慢の和菓子セット!美味しいよ!」

 

 

 

「私からはこのブックカバーを。沢山本を読んでくださいね?」

 

 

 

「私からはアルパカのタオルケット♪アルパカさん可愛いでしょ♪」

 

 

 

2年生組は朝持っていた紙袋ごと私に渡してきてくれた。

 

 

 

 

「ほら、真姫ちゃんもわたすにゃー!」

 

 

 

「わ、分かってるから押さないで!まったく…」

 

 

 

凛に押されて出てきた真姫ちゃんがいつも通り髪の毛をいじりながら綺麗に包装された小包をこちらに渡してくる。

 

 

 

「は、ハンカチよ!せいぜい大切に使って頂戴!」

 

 

 

そういう真姫ちゃんの顔は若干だが赤い。照れてるんだろう。

 

 

 

 

「「「「「「「「じーっ………」」」」」」」」

 

 

 

そうして渡し終わった後、私以外の皆が一人の人物の方を見る。

 

 

 

 

「……んだよ」

 

 

 

16の視線の先にいたのはパソコンの前の椅子に座って頬杖をついているキョウだった。

 

 

 

「キョーくんもプレゼント渡しなよー!」

 

 

 

「ふふ、キョウ君も素直やないからなぁ…ウチ知ってるんよ?キョウ君、こないだの日曜日にプレゼント買ってたやろ?まさか忘れて無いやろし、早く渡し♪」

 

 

 

と、言った希の言葉に女子陣は驚きの声を上げ、キョウは小さくため息をつく。

 

 

 

書く言う私も驚いていた。まさか忘れてないなんて…ううん、それどころかプレゼントまで用意してくれてるなんて…。

じゃっかん決まりが悪そうなキョウの顔を見て、嬉しさがこみあげてくる。同時になんだかポカポカしてきて…

 

 

 

そうしてカバンから取り出した小さな小包をキョウが私の方に放って来る。

それを慌ててキャッチする私、「開けていい?」と聞くと「…ご自由に」とぶっきらぼうに返してくる。

 

 

 

 

恐る恐る包装をはがす。周りのみんなも興味深そうに見つめている。

 

 

 

 

そうして皆が見守る中、開けられた箱の中に入っていたのは、

 

 

 

 

「わぁ…!」

 

 

 

「かわいいにゃー!」

 

 

 

「ハラショー!なかなか良いセンスしてるじゃない!」

 

 

 

「いいやん!」

 

 

 

「凄く良いよっ!」

 

 

 

「なるほど、こういうのもありなんですね…」

 

 

 

「今度の衣装に使えそう♪」

 

 

 

「似合うんじゃない?」

 

 

 

μ'sの皆の感想が飛び交う中、私は中にあったそれに目が釘付けだった。

 

 

 

中に入っていたのは、私のイメージカラーのピンク色の、

 

 

 

「リボン…」

 

 

 

私が、紙を結ぶ時に使っている赤いリボンの、色違い。

 

 

 

 

「…ぁ、ぅ…」

 

 

 

「にこちゃん?」

 

 

 

「もしかして、ないてるにゃー?」

 

 

 

顔を俯かせた私を穂乃果と凛が覗き込んでくる。でも、泣き顔は見せられない。私はアイドルだもん!プライベートでも泣いちゃ駄目!

 

 

 

だから、笑顔を作って「そんな訳無いじゃない!」と言おうとしたその瞬間に、誰かの手が頭に乗せられる。

 

 

 

 

 

 

 

「…今日ぐらいは、我慢すんな。誕生日だろ?」

 

 

 

 

 

 

キョウにそう言われた瞬間、こらえていた涙があふれ始め、止まらなくなる。

 

 

 

「うぅ…皆、朝から私の事無視して…忘れられちゃったと思ったんだからねーっ!?」

 

 

 

「うわ!?にこちゃんが怒った!?」

 

 

 

「恩を仇で返されたにゃーっ!?」

 

 

 

涙ながらに叫ぶと、近くにいた穂乃果と凛がそれにつられて叫び声を上げる。

 

 

 

「だいたい!キョウなんてあんまりにも無関心だから泣きそうだったんだからね!?」

 

 

 

「………ハイハイワルカッタ……」

 

 

 

「適当に謝るなーっ!!」

 

 

 

私の怒声に乗じて、他の皆も騒ぎだす。静かで暗かった部室が、にぎやかで明るい場所に変わって行く。

 

 

 

皆が来る前は2人きりで閑散としていた部室が、いまでは狭いほどになっている。

 

 

 

私は今とっても幸せよ。

 

 

 

皆から貰った幸せを力に、アイドルにこにーはより輝いて、ファンに笑顔を届けるの。

 

 

 

でも今は、この幸せに浸っていたい。大好きな皆に囲まれて、女子高校生矢澤にことして!

 

 

 

皆ありがとっ、にっこにっこにー♪

 

 




人数多いとここまで長くなるんですね…長くなりすぎて読みづらくないかと心配です。


因みに響弥のプレゼントを開けた時の皆のセリフの順番はプレゼントを渡した順になっています。
希ちゃんのセリフは夏色のPVからそのまま拝借しました(テヘペロ


皆の口調に意外と手間取る。特にのんたん。1回喋らすのに10分考えてこのクオリティ…



と、とにかく、にこにー番外編でした!いかがでしたか?


それではノシ
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