ちょこちょこ更新勧めていこうと思います。
あ、因みにもうスクフェスイベントのにこは回収済みです(笑)
にっこにっこにー!
7月。高校2年生となり、高校の生活の忙しさにも慣れ、少しばかりの余裕ができ始めた頃、アイドル研究部の小さな部室に衝撃が走る。
「こ…これは…」
正確には部室の備え付けのパソコンの前に座っている矢澤にこに、という前置詞がつくが。
昨年の出来事から既に1年が経とうとしているが、にこのなかでアイドルに対する想いに変化があったらしく、最近はネットで他のスクールアイドルの動画を漁りまくっている。
因みに俺は昼寝をしたり本を読んだりギターを引いていたり、自由な生活を送っていたりする。
そんな日常が続いたある日、パソコンを見ていたにこが驚きの叫びをあげる。
「…どうした?」
やることもなく暇だったのでとりあえず声をかけてみる。
「こうしちゃいられないわ!」
だがしかし、俺が声をかけたことにも気付かずに近くにおいてあった鞄をもって部室を飛び出していってしまう。そして残される俺。
「はぁ……」
相変わらずの猪突猛進さにため息をはき、暇潰しにしていた雑誌を再び開く。適当に開いたページには、最近話題となっているスクールアイドルグループが特集されていた。
(…A-RISE、ねぇ…………)
センターのやつデコ広いな、とか思ったが思ったところでどうにかなるわけでもないのでため息と共にその思考を破棄する。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
数日後、俺は日本が誇る電気街、秋葉原に来ていた。
頭上から燦々と照りつける太陽へと恨みがましい視線を向けつつ、こんな炎天下のなかわざわざ人が多い場所に来ることになった原因へ視線をむける。
「ここが…あのA-RISEが通うUTX学園…」
俺を灼熱の町に放り込んだ原因である矢澤にこ。その人物は現在、目の前にそびえ立つビルのような学園に言葉を失っていた。
因みに余談だがここまでの道のりがわからず俺に泣きついてきた。別に行くのは構わないがそれくらい自分でしてほしいものである。
閑話休題。
そんな俺たちの回りには、UTX学園に設置されてある大きな画面に映るA-RISEを見ようと集まった人たちでごった返ししていた。
「……………」
A-RISE、3人の女性たちで構成されたグループ。見た目の印象で言えばクールビューティという言葉が似合うであろう。曲の雰囲気もロック調ではあるが落ち着いた音程と綺麗に揃ったダンスが大人っぽさを出している。
正直、プロに負けずとも劣らないであろうそのパフォーマンスに、感嘆せざるを得ない。上には上がいる。
いずれはコイツらと勝負できるようになるのだろうか、等と思いつつ横のにこを見る。
真剣な表情で画面を見つめる。その瞳に映る相手に抱く想いは分からないが、あの事件以来、あの夢に対してどこか諦めを抱いているような、そんな感じがする。
口を出すべきかどうか迷ったが、ここはあえて静観することにした。これはアイツ自身が決めることだ。
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「……………」
頭上高くに設置された画面に映るA-RISEの姿をただただひたすらに見る。
洗練され、一糸乱れぬダンス。透き通るような歌声。観客を盛り上げるパフォーマンス。老若男女構わず惹き付ける魅力的な容姿。
そのすべてが遺憾なく発揮され、皆が釘付けになっている。
私が目指す世界一のアイドルの姿が、そこにあった。
(……勝て………ない……)
確かに私は夢のために様々な努力をして来たと自負している。アイドルになるための努力はA-RISEにも負けないと断言できる。
だけれど、それでも、勝てないと私に思わせてしまう雰囲気がA-RISEにはあった。
そう、まるで少年野球とプロ野球のチームでどちらが強いかと比較したときの歴然とした差のようなものだ。どうあがいても勝てない。絶対的な違いを感じ取ってしまった。
少し前の私なら、例えA-RISE相手でも「私の方が上よ」等と宣われたであろうに、いまの私は既に敗北したような気持ちになっている。
ちらり、と横にたつキョウの顔を盗み見る。
眩しそうに目を少し細めたキョウは、あの映像を見て何を思うのか。私なら勝てると言ってくれるか聞きたくて連れてきたのに、
(聞けない………)
もしも勝てないと言われたら?無理と一蹴されたら?そう思うと足が震え、怖くて聞けない。聞いたらその瞬間、私のなかでなにかが壊れてしまいそうで。
震える体を必死に抑え、私は溢れそうになる涙を堪えながら、私の理想が映る画面を眺めていた。
あと2,3話で原作に入りたいと思ってます。その前に3年生との話ですかねー。
それではノシ