ラブライブ! ―9人の女神を照らす月―   作:sound

7 / 10
今回は久しぶりに和人君が登場します。忘れた人は見返してみてください(笑)


明日ニコ生で一挙放送あるみたいですね…見ながら執筆しようかな…


それではどうぞ!にっこにっこにー!


three opinion

「なぁなぁキョウやん。昼間に寝る事は昼寝って言うじゃん?じゃあさ、夕方に寝る事は夕寝って言うのかね?」

 

 

「知るか」

 

 

和人がそんなアホなことを口走る放課後。期末テスト前で部活動の禁止を言い渡された俺は筆箱を鞄にぶち込み、やけに薄っぺらい鞄を背負って帰宅しようとする。

 

 

 

「…帰んぞ」

 

 

「あ、うん…」

 

 

UTX学園に行ったっきりボーっとしてる事が多いにこに声をかけて、教室を後にする。

 

 

「あ、待てよ!俺も帰るって!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃーねーにこちゃん!」

 

 

 

「うん、また明日ね」

 

 

 

「……………」

 

 

 

にこと別れる交差点で、上の空で歩くにこの背中を眺めた後、俺も家に向かうべく歩みを進める。

 

 

 

「なぁキョウやん」

 

 

 

と、1歩目を出した瞬間に和人に声をかけられる。

 

 

 

「…なんだ」

 

 

「にこちゃん、なんか悩んでるのかね?どうにも元気が無いというか…」

 

 

 

にこの歩いて行った方を見ながら腕を組んで言う。なんだかんだ言っても中学の頃からの付き合いだ。その位は分かるか。

 

 

 

「……悩んでるのは悩んでるだろうな。授業中も上の空だし」

 

 

 

「うーん…お前は何か言わなくていいのかよ?幼馴染だし、なんかわかるんじゃねーのか?」

 

 

 

首をかしげつつ、あごの部分をさすり、いかにも名探偵です、みたいな仕草をしながらこちらを見る。

 

 

 

「…なんとなくは分かるが、細かい事までは分からん」

 

 

 

「分かるんなら助けてやれよ…」

 

 

 

ため息を吐きながら呆れた顔をする和人。だが俺は極力干渉しないつもりだ。この先のためにも。

 

 

 

「…これはアイツ自身でケリをつける問題だ。俺が手出しした所でお節介にしかならん」

 

 

 

この先、あの夢の通りに世界一を目指すなら、何度も壁にぶつかるだろう。

初めてのアイドル活動によってぶち当たった最初の壁。これを一人で乗り越えられないようでは先が知れている。

 

 

 

俺に出来るのは背中を押す位だろうな…と考えつつ踵を返す。

 

 

 

「…ま、キョウやんがそう言うなら良いんだけどさー…ところでキョウやん?」

 

 

 

「…なんだ改まって」

 

 

 

「勉強教えてくれませんか?」

 

 

 

「自分でやれ、俺が教えた所でお節介にしかならん」

 

 

 

「それはめんどくさいだけだろ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にこっち」

 

 

 

「…あ、希…」

 

 

 

何を考える訳でもなく、ボーっとしながら空を眺めつつ歩いていると、突然声をかけられる。声のかけられた方を見ると、そこにいたのは希だった。

 

 

 

「…どうしたのよ。私のうちまで来て何の用?」

 

 

 

「いやぁ、最近にこっち元気ないみたいやからなー。元気づけてあげようと思って」

 

 

 

壁に寄りかかりながらにこにこと笑って言う希。1年から一緒のクラスだが相変わらず希は何を考えているか分からない。

 

 

 

「…別に、余計なお世話よ」

 

 

 

「辛いんなら、諦めたらええやん。続けて意味のある事なん?」

 

 

 

希の横を通り過ぎようとした瞬間、希の対して大きくもない声が、酷く耳に響く。

 

 

 

 

「……………」

 

 

 

「なんでまだ続けようとするん?続けても辛いだけやと思うけど」

 

 

 

 

希が言っているのは、アイドル活動の事だろう。上手くいかなかった初ライブに、他のメンバーの脱退。

 

 

 

 

「このままじゃ、にこっち壊れちゃうよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……壊れないわよ。私が壊れないようにキョウがいるの。」

 

 

 

そう言って振り返ったにこっちは歩いていた時の呆けた顔とは違って、目に力強い光が宿っていた。

 

 

 

「アイドルは私の夢であり、憧れであり、希望なの。それを諦める事なんて私にはできない」

 

 

 

その目の中の光の裏で、不安の色が時々浮かぶ。それでも力強い目で私を射抜きながら、静かな声で、でもはっきりと言い放つ。

 

 

 

「そこまでして、叶えたい夢なん?」

 

 

 

「そうじゃ無ければここまでしないわよ」

 

 

 

そう言うと、くるりと踵を返して歩いて行ってしまう。

 

 

 

 

(…ま、にこっちがいいっていうならいいんやけど…)

 

 

 

手のかかる友達に小さく息を吐きながらも去って行く小さな背中を眺める。

 

 

 

すると、急に歩みを止めて、にこっちが半身でこちらを見る。

 

 

 

「…………?」

 

 

 

「…け、けど、その…心配してくれたのには感謝するわ…」

 

 

 

恥ずかしそうな顔で、こちらをちらちらと見ながらもじもじと言うにこっち。その姿が可愛くて、けれど面白くて…

 

 

 

「…クスッ」

 

 

 

「なっ…わ、笑ったわね!?」

 

 

 

「ふふふっ、ゴメンゴメン♪」

 

 

 

先ほどより顔を赤くして、怒りではなく照れの表情で叫ぶにこっち。

 

 

 

手がかかるがそれ以上に自分にとっては大切な友達なんよ。これからも見守ろう、って一層決意を固める。

 

 

 

 

「ところでにこっち、テストは大丈夫?」

 

 

 

 

「ギクッ!?」

 

 

 

 

「…………………にこっち?」

 

 

 

 

どうやらただ見守る訳には行かないみたいやね…………取り敢えずは、勉強を教えることから始めんとダメか…。

 

 

 




響弥、にこ、希の視点でお送りしました。


にこは現在、夢をあきらめない理由はありますが、続ける理由は見つけられていないという状況です。
諦めるか続けるか、その狭間で迷っています。


そんなにこを見守る希の視点の描写が難しかったですねー…希ちゃん難しいっ。



それでは、今日はこの辺で。それではノシ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。